ミス・マープル は、 狭い小ざっぱりした四角な庭に望む、 裏手の居間を占めていた。 そこには、花瓶敷きだのドイリーなどが 沢山あり、陶器の装飾品も豊富に揃い、 大きなジェイムズ一世時代の一組の家具や、 鉢植えの羊歯が二つ置いてあって、 厳しいまでに清潔だった。 ミス・マープルは 暖炉の側の大きな椅子に座って、 忙しそうに 編物 をしていた。 【A・クリスティー作 「パディントン発4時50分」】 |
連日の猛暑が続きます。それにしてもこの暑さ!
35度までは何とか我慢出来ますが、
さすがに人間の体温を越える気温には限界があります。
これから一週間も、ズラリと並んだ、
真っ赤なお天気マーク。何だか圧倒されそうです。
さて、一歩外に出ると、
ムッとした暑さ。
同時に感じる草熱(いき)れ。
冷房の効いた室内に
長い事いますと、思いの外、
冷えてしまって。
炎天下の庭ですが、
気分転換も兼ねて、
つい戸外に。
「熱(いき)れる」 とは
熱くなるとか蒸(む)れると
いう意味で、「息切れる」
や 「息有る」 が語源とか。
尤も 「熱(いき)る」
は、勢いづくという意味も
ありますから、「元気」
という意味に変えて
しまったようですね。
確かに炎天下に関わらず、
庭の草花たちは、みんな元気。
道理で元気を貰う筈ですね。
今日も話が逸(そ)れました。
そんな庭に面した、この場所。
今日は、ポプリコーナーに。
涼しい室内で、ポプリの香りに包まれ、元気な庭を眺める・・。
アラ・・!? 編物こそしていませんが、
この光景、ミス・マープルを彷彿(ほうふつ)させるではありませんか。
私の中では 『アンの世界』 も 『クリスティーの世界』 も一緒。
どうかご容赦下さいね。