ビストロ レアール

石川県小松市にある「ビストロ レアール」のシェフがつづるあんなことこんなこと

恐怖の電話!

2005年08月04日 | フランスこぼれ話
フランスにも
方言やイントネーションの違いがあります

国境近くの地方では
幾つもの言葉を使います

アルザス地方では
アルザス語フランス語ドイツ語など
普通に使い分けるのですから
驚きです

フランス語に慣れるまで
人によりますが
私の場合
半年たって  
単語と単語がどこで切れているかが
やっと解りましたが
何を意味しているかを把握しておらず
いつも「ウィ ウィ」言って
気が付けば
仕事を山ほどたのまれて
困った事がありました

その他にも
同意を求める言葉を言われて
本来はノンと言わなければいけないところを
「ウィ」と言って
ケゲンそうな顔をされたりして
取り繕うのにはずかしい思いをしながら

一年経つと
受け答えが出来て
おまけに質問も出来るようになりました

二年もすると
フランス人と口げんかするまでに
なっていました

フランス語を聞き取るまでには
毎日フランス人と

解らなくても話

恥をかき

失敗を重ねながら

耳が慣れるのですが
慣れるまでは
フランス人のしゃべる
口元を見ながら
何と発音しているかを
目と耳で覚えました

私のいたノルマンディー地方は
寒い地方なので
あまり口元を開けずにしゃべるので
本当に聞き取るのに苦労しましたが

後にディジョン、コートダジュールと
下がって行くに従い
口をはっきりと開けて
しゃべってくれるので
細かいところの知らない単語以外は
聞き取れました

ノルマンディーと言えば
日本で言うところの青森かなぁ

青森と言えば

津軽弁

私の中学の同級生に青森から転校してきた
子がいてその子に
津軽弁を教えてもらったのですが
あまりのむずかしさに

「俺、頭、良く、無い、から、良く、解らない、やー」と言ったら

彼は それ津軽弁で言ってみようか

「わ ずんぶ あだま いぐねぇ がら わがねぇ でぇやー」

これを 

息をつかずに一気に言ってみて下さい

文章の長さといい 濁点のかかり具合といい
フランス語に
似ていませんか





このブログを見ながら真似てみる
貴方が見えますよ

話はそれましたが
魚料理担当のフランク(イワン レンドル似)
が良く話しのネタにこのことを言って
からかってくれました(友情をもって)
まだ相手の口元を見ながら出ないと
フランス語が解りずらかった
ある日

厨房には私一人

内線電話が

静かな厨房に

ル ル ル ル >>>>

おそる おそる

受話器を手に取り

静かに耳をあて

私:ア ア ア アロー

マダム:セ キ(だれ?) {これくらいは解りました〉

私:セ マサ

マダム:アーマサ ナントカー カントカー アーシテー コーシテー
    コーナッテ アーナッテ オケー

私:ウィ ウィ ウィ ウィ ウィ ウィ

ガチャ




私は呆然と今何を言われたか解らずにいた時
フランクが入ってきて

マサ今マダムから電話がなかったか?と

私:ウイ

フランク:ナンテ?

私:ワカラナイ

フランク:エー!

そしてフランクはレセプションに居る
マダムに話の内容を聞きに走って行きました

それ以来
しばらくの間は
電話を取ることに
恐怖を覚えたのでした。

今では振り込め詐欺の恐怖が
巷を震わせております
みなさんも
お気を付け下さい。

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