Sarah Vaughan / Sings with John Kirby and his orchestra ( Riverside RLP 2511 )
これは、1946年にジョン・カービーのスモール・コンボのSP録音に若きサラ・ヴォーンが招かれて数曲歌ったセッションを1955年に10インチLPとして
切り直されたもので、22歳の時の彼女のみずみずしい歌声がきける愛すべきレコード。 収録された8曲のうち、4曲で歌っています。
オペラ歌手の唱法を取り入れた独自のヴォイシングが早くも聴ける、素晴らしい出来です。 たった4曲だけで、しかもどの曲も短いですが、
それでも1度聴いたら忘れられない印象が残ります。 彼女のお気に入りの "It Might As Well Be Spring" もちゃんと聴くことができます。
更に嬉しいことに、残りの4曲で聴けるジョン・カービーのコンボの演奏が上品で洗練されたオールド・ジャズで、これが素晴らしい演奏です。
ラッセル・プロコープ、バスター・ベイリー、ハンク・ジョーンズという顔ぶれが嬉しい。 これを聴けば、カービーのレコードを買いに
レコード屋へ思わず走り出したくなります。
サラ・ヴォーンの若い頃の歌声が聴けるLPは限られていますが、そのどれもが珠玉の内容です。 LP化されていないSPもたくさんあるので、
そういうのもそのうちに少しずつ聴いていきたいと思っています。 レコードを聴くというのは、本当に果てしない所業です。