廃盤蒐集をやめるための甘美な方法

一度やめると、その後は楽になります。

昔から名盤と言われるが・・・

2023年01月22日 | jazz LP (Atlantic)

Lee Konitz / With Warne Marsh  ( 米 Atlantic 1217 )


昔から名盤100選には必ず載ってくるアルバムだが、本当にそうなのか、未だによくわからない。悪くはないのだが、他のアルバムを蹴落として
100選の中に入れるほどかと言われると、そうとは思えないというのが正直なところではないか。

トリスターノ派のお手本のような音楽になっているのはいいのだが、コニッツの演奏に彼独特のキレがあまり感じられない。ウォーン・マーシュの
ヘタウマな演奏もこれはこれで彼の個性だからいいとしても、コニッツの演奏の足を引っ張っているような印象があり、どうも居心地が悪い。

A面はスタンダード中心、B面はメンバーのオリジナルがメインという構成だが、とにかくA面はあまり面白くない。トリスターノ派の眼から見た
スタンダード解釈ということだが、斬新さに欠けていて、正直言ってかったるい。それに比べてB面はトリスターノ楽派の結晶のような音楽に
なっているので、こちらの方が断然聴き応えがある。間に入るペティフォードのブルースもいいアクセントになっていて、聴くならこちらのサイド
の方がいいが、それでも全体的にはもどかしさが残る。

その原因の1つは、アトランティックのモノラル盤固有の音の悪さにある。特にこのアルバムは録音が古いので、音質面から見るといただけない。
演奏の良さみたいなものはここからはまったく聴き取れず、音楽の評価が正しくできないのだ。そういう困ったレコードだから、関心の行方は
どうしても別の方向へと向くことになる。





うちにはこのレコードが2枚あって、どちらもフラットディスクだ。両方とも5千円くらいで転がっていて割安だったから拾って帰って来た。
このレコードは昔からフラットかグルーヴガードか、というところに焦点があたるけれど、私見ではグルーヴガードがレギュラーのオリジナル
ということでいいと思っている。どちらも音質は一緒で違いはない。最近気付いたのだが、グルーヴガード盤のジャケットは表が額縁で背厚の
ものばかりで、フラット盤のジャケットは表が額縁ではなく、背の無い巻き仕様のものばかりだということ。初期アトランティックのモノラル
プレスの標準仕様は前者のタイプなので、後者のタイプは明らかに別工場で制作されたイレギュラー・プレスだったんだな、ということで
私の中では決着している。そもそもフラットディスクは弾数が少な過ぎるので、レギュラー・プレスのはずがない。





これもフラットディスクだが、やはり額縁なしの背無し巻きジャケットの中に入っている。このタイトルも額縁・背厚ジャケットの中に入っている
のはグルーヴガード盤ばかりで、弾数は圧倒的にこの仕様のほうが多いのでこのタイプがレギュラー品だろう。



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