Eddie Costa Vinnie Burke Trio ( 米 Jubilee LP 1025 )
このアルバムのいいところはエディ・コスタがヴァイブをあまり演っていないところ。 この人のピアノは音が太くて聴き応えがあるけれど、ヴァイブは
これといって特徴もなく、悪くはないけれど面白味には欠ける。 余技としてヴァイブを演る人は他にもいるけれど、まあ大抵は面白くない。
ヴィニー・バークとの双頭バンドという名前の通り、ベースを前面に押し出しているところにありふれたピアノ・トリオにはしないという工夫が施されている。
"Get Happy" ではお得意の低音部の強い打鍵で長い旋律を弾いているが、これを聴いているとバド・パウエルの演奏を思い出す。 演奏が似ている訳では
ないけれど、音楽に強い勢いがあるところがパウエルを思い出させる。 クロード・ウィリアムソンを聴いてパウエルを感じることなんてまずないけれど、
コスタのピアノにはパウエルを感じる瞬間がある。
このレコードはなかなか音がいい。 ヴィニー・バークのベースの音が非常に生々しくて、アルバムを通して聴くとピアノよりも印象に残る。 この人は
軍産工場で働いている時に小指を切り落とす事故にあったそうだが、そういうハンデはまったく感じない。 コスタのピアノの音も分厚くて重量感があり、
全体的に重厚なピアノトリオのサウンドになっている。 マイナーレーベルの白人のピアノトリオだからな、と特に期待もせずに聴き始めたのだが、
チャラチャラと軽い演奏ではなく、かなり腹の底に響く音楽だった。
ジュビリーというレーベルは色々と紛らわしくて、間を置かずしてJLP規格とJGM規格がプレスされているし、レーベルも複数種類あって、アルバムによっては
初版のJLP規格よりもJGM規格の方が音が良かったりして、なんだかよくわからない。 かなり格下のマイナーレーベルの割にはいいアルバムが残っていて、
ビル・エヴァンスの演奏が聴ける盤もあったりして、無視することはできないレーベルではある。
アイリーン・ウッズは未聴です。 階段のジャケットのやつですね。
難しいレーベルです。