廃盤蒐集をやめるための甘美な方法

一度やめると、その後は楽になります。

珍しいだけに止まらず

2021年01月23日 | Jazz LP (Pacific Jazz / World Pacific)

Bud Shank / In Africa  ( 南ア Pacific Jazz PJX 5000 )


持っていることを忘れるくらい、長い間聴いていなかった。レコードは針を通さないと物理的に劣化するので、時々聴かないと
後で泣きを見る。前回聴いたのがいつだった忘れたが、幸いにも盤もジャケットも異常は見られなかった。

放置していたのは、バド・シャンクの音楽にあまり魅力を感じないからだと思う。聴けばそのいくつかは悪くないとは思うけれど、
時間を置いてまた聴きたくなるということは特にない。気の毒だが、プレーヤー止まりの人だったと思う。
主要なものは一通り聴いたけれど、結局手許に残したのは、これとローリンド・アルメイダと共演したアルバムの2枚だけだった。

南アフリカ楽遊の際に現地で製作された稀観盤で、昔、スイングジャーナル誌巻頭のレーベル特集企画ページにジャケ写が載ったことで
有名になったアルバムだ。以来、コレクターが目の色を変えて探すようになった。

そういう単に珍しいだけのアルバムかと思って聴いたら、案外そうでもなかった。冒頭で "A Tribute To The African Penny Whistle"という
アフロ系リズムの自作曲を演るなど、なかなか手の込んだ作りになっていて、退屈なウェストコースト・ジャズとは一味違う感じだ。
フルートとアルトを交互に持ち替えながら、スタンダードをベースにした素朴な演奏で、悪くない演奏を聴かせる。

"Misty Eyes" というオリジナル曲で見せる抒情的な情感が良くて、この1曲のために処分せずに残したようなものだが、
それ以外の演奏も飾り気のないストレートなジャズで、まあ、悪くない。環境が変わると、演奏の気分も変わるんだろうなと思う。


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