廃盤蒐集をやめるための甘美な方法

一度やめると、その後は楽になります。

今週の成果

2015年02月21日 | Jazz CD
強烈に仕事が忙しかったにもかかわらず、憂さ晴らしも兼ねて、今週もしっかりつまみました。





■ Ray Drummond, Billy Higgins, Hank Jones / The Essence  ( dmp CD-480 )

例によって、激レア盤の復刻だそうです。 なんだかよくわかりませんけど。
とにかく大好きなハンク・ジョーンズなので、当然買います。

先日の "The Oracle" は鋭い感性と緊張感をもって作られた作品でしたが、こちらは"三人の賢者の会話"という風情の静かに落ち着いた、
とても深みのある作品に仕上がっています。 録音も品の良い残響を活かした素晴らしいサウンドです。

ハンク・ジョーンズの鍵盤の上に指を置いていくようなタッチが素晴らしく、どの曲も筆舌に尽くしがたいレイドバックしたリズム感で
ゆったりと進んでいきます。 若いピアノトリオには絶対に真似できないこの懐の深さには陶酔を覚えます。 "Whisper Not" の原曲を
大事にした扱いは過去の管楽器の名演たちを上回るし、タイトルの "The Essence" は哀しみを帯びたドラモンド作の名曲です。

おそらく、ハンク・ジョーンズの作品では筆頭の1つではないでしょうか。 傑作です。



■ Art Ensemble Of Chicago / Nice Guys  ( ECM 1126 827 876-2 )

最後に聴いたのはもう10年近く前になるかもしれないなあ、と思いながら手にとりました。 本当に久し振りに聴きます。

一応、フリーという扱いになっていますが実際はそういう音楽ではなくて、中身は純度の高いブラック・ミュージック。 
黒人音楽が聴けないと、このグループの音楽を受け入れることはきっとできない。

ECMがレーベルのコンセプトには合わないこのグループの作品をなぜ作ったのかはよくわかりませんが、そのおかげで体臭のきつさは抜けて
不純物のない透き通った結晶のような音楽になっています。 レゲエのリズムや張り詰めた緊張感あるアンサンブルが自由に交差する中にも
どうしても染み出てしまうブラックミュージックの匂い。 大好きな作品です。 また、少しずつ買い直していこうと思います。




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