廃盤蒐集をやめるための甘美な方法

一度やめると、その後は楽になります。

国内盤の底ヂカラ(その8)

2020年05月02日 | Jazz LP (国内盤)

Stan Getz / Getz / Gilberto  ( 日本グラモフォン SMV-1023 )


レコード屋でパタパタしなくなって1ヵ月が過ぎた。我ながらよく耐えてるなあ、と思う。最後にDUへ行ったのは3月27日(金)の夜で、それ以来、
パタパタとはご無沙汰である。外出自粛はあと1ヵ月延長されるようだが、実際に我々がエサ箱の前に立てるようになるのがいつになるかわからない。
営業が再開しても、人混みを誘発する週末の廃盤セールのような形式はしばらく取れないんじゃないだろうか。どこの誰だかわからないおっさんと
身体が接触しながら空気の悪い店内をウロウロするというこれまでは当たり前だったことが、この先も同じようにできるだろうか。

マニアにとっては受難の日々が予想されるが、ただ私の場合は不幸中の幸いというか、人混みの少ない時間を狙っての安レコ漁りが出来さえすれば
それでいいので、実は割とお気楽に構えている。週末のセールがあろうがなかろうが、そんなのはどうでもよろしい。興味の対象は別のところに
あって、3月はそういうのばかりを拾っていた。

3ケタのこの国内盤も今聴くとどういう感じなのかを確かめたくて拾ってきたわけだが、これが十分な音質であることを確認できた。うちにあるmono
オリジナル初版と聴き比べてみたが、このアルバム特有の空気感や楽器の音像の大きさ、ゲッツのサックスのザラッとした質感などはまったく引けを
取らない感じで鳴っている。このアルバムに関しては、オリジナル自体大した値段ではないにせよ、別にこちらで十分じゃないかと思う。

私が国内盤を普通に聴いていたのは学生時代で、今よりも狭い部屋で、スピーカーの配置も悪く、使っていたカートリッジや機器ももっとチープな
ものだった。そういう状態で国内盤はダメだな、とか言っていたわけだから、これはもうお話にならない。今だって安モンのオンボロ機器である
ことには大して変わりはないけれど、当時よりもたくさんのレコードを聴いてきて、知見自体は増えている。そういう今だからこそ、再発盤や
国内盤が実際のところはどういう感じで鳴るのか、本当にダメなのか、をもう一度きちんと確認するのが楽しい。


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