平日のお昼ごろにDUの新宿ジャズ館に行くと、廃盤CDがやたらとたくさん置いておりました。 よく考えたら先週末に廃盤セールをやっていたことを
思い出しました。 すっかり忘れていたので、なんだか得をした気分です。
並んでいるのは知らない音盤ばかり、大量に産み出されて流通するCDはまるで川の流れの如くあっという間に目の前を通り過ぎて廃盤になって行きます。
普通の人はその流れの早さにはついて行けず、だから廃盤セールには事欠かないわけです。 いくつか面白そうなものはあったのですが、
今回のセールは値段設定が平均的に高く、手が出せませんでした。 マイナー廃盤のヒット率は低いので、値段が高いとやっぱり躊躇します。
量が多くてどれも内容がわからないのでじっくりと見ていったのですが、見終わるのに40分以上かかってしまいました。 その中で興味と値段が
折り合ったこの2枚を買いました。 どちらも2,000円強です。
■ Tony Oxley Quintet / The Baptised Traveller ( Columbia 494438 2 )
1999年にSBMリマスターとして発売されたものですが、長らく廃盤になっています。 英国フリーの初期の傑作として誉れ高いものです。
トニー・オックスレーは元々は有名なロニー・スコット・クラブのハウスドラマーだった人ですが、フリージャズ・ムーヴメントにいち早く賛同し、
60年代終わり頃から積極的にアルバムを発表しています。 大手コロンビアがこの手のアルバムを出すのは珍しいことです。
エヴァン・パーカー、ケニー・ホイーラー、デレク・ベイリーという豪華メンバーで1969年に録音されており期待は高まりますが、内容は意外にも
おとなしめです。 ちゃんと最初にテーマ部があって、テナーとトランペットがユニゾンで奏でます。 デレク・ベイリーも割とギターっぽく
弾いており、ドイツのフリーとは趣きが違います。 この辺はお国柄だなあ、と思います。 エヴァン・パーカーもかなり抑制された吹き方で
正直物足りない感じです。 メジャーレーベルだからちょっと遠慮したのかなあ、と思ったりします。
それに、リマスターにも関わらず、音があまりよくありません。 コロンビアには時々こういうまずい録音のものがあって、困ります。
年代の早い遅いに関係なく見られ、録音機材の問題なのか、スタジオの問題なのか、エンジニアの問題なのか、いずれにせよ困ったものです。
■ Hank Jones, Dave Holland, Billy Higgins / The Oracle ( Emercy 846 376-2 )
ハンク・ジョーンズは大好きなピアニスト。 デイヴ・ホランドの名曲 "The Oracle" をやっているので、これは買わずにはいられません。
このトリオの演奏は本当に素晴らしいものでした。 すべてが調和していてバランスがよく、地味目の選曲が功を奏して非常に高級な
ピアノトリオになっています。 その質感の高さは圧倒的です。
ハンク・ジョーンズは、なぜ50年代のハードバップ期にアルバムが作られなかったのでしょうか。 わずかにサヴォイやクレフにアルバムが
数枚あるだけです。 ピアノトリオが得意だったプレスティッジやリヴァーサイドが彼のアルバムを創らなかったのかが不思議です。
まあ、彼のピアノは保守的なので、そういうところがワインストックヤキープニュースには気に入らなかったのかもしれません。
でも、キャノンボールのサムシン・エルスはこの人がピアノを弾いたから世紀の傑作になったわけだし、ピアニストに人一倍こだわるマイルスが
1回限りのレコーディングセッションだとはいえ参加を認めたわけですから、その個性は折り紙付きです。
その遅れを取り戻すかのように晩年はアルバムが乱発されましたが、時すでに遅し、という感じで残念なことです。
この素晴らしいアルバムを聴いたら、ピアノトリオは嫌いなんて戯言は言ってられないなあと思います。
私が知らなかっただけで、このアルバムは通には有名な作品だということも後で調べてわかりました。 出会えてよかったです。
思い出しました。 すっかり忘れていたので、なんだか得をした気分です。
並んでいるのは知らない音盤ばかり、大量に産み出されて流通するCDはまるで川の流れの如くあっという間に目の前を通り過ぎて廃盤になって行きます。
普通の人はその流れの早さにはついて行けず、だから廃盤セールには事欠かないわけです。 いくつか面白そうなものはあったのですが、
今回のセールは値段設定が平均的に高く、手が出せませんでした。 マイナー廃盤のヒット率は低いので、値段が高いとやっぱり躊躇します。
量が多くてどれも内容がわからないのでじっくりと見ていったのですが、見終わるのに40分以上かかってしまいました。 その中で興味と値段が
折り合ったこの2枚を買いました。 どちらも2,000円強です。
■ Tony Oxley Quintet / The Baptised Traveller ( Columbia 494438 2 )
1999年にSBMリマスターとして発売されたものですが、長らく廃盤になっています。 英国フリーの初期の傑作として誉れ高いものです。
トニー・オックスレーは元々は有名なロニー・スコット・クラブのハウスドラマーだった人ですが、フリージャズ・ムーヴメントにいち早く賛同し、
60年代終わり頃から積極的にアルバムを発表しています。 大手コロンビアがこの手のアルバムを出すのは珍しいことです。
エヴァン・パーカー、ケニー・ホイーラー、デレク・ベイリーという豪華メンバーで1969年に録音されており期待は高まりますが、内容は意外にも
おとなしめです。 ちゃんと最初にテーマ部があって、テナーとトランペットがユニゾンで奏でます。 デレク・ベイリーも割とギターっぽく
弾いており、ドイツのフリーとは趣きが違います。 この辺はお国柄だなあ、と思います。 エヴァン・パーカーもかなり抑制された吹き方で
正直物足りない感じです。 メジャーレーベルだからちょっと遠慮したのかなあ、と思ったりします。
それに、リマスターにも関わらず、音があまりよくありません。 コロンビアには時々こういうまずい録音のものがあって、困ります。
年代の早い遅いに関係なく見られ、録音機材の問題なのか、スタジオの問題なのか、エンジニアの問題なのか、いずれにせよ困ったものです。
■ Hank Jones, Dave Holland, Billy Higgins / The Oracle ( Emercy 846 376-2 )
ハンク・ジョーンズは大好きなピアニスト。 デイヴ・ホランドの名曲 "The Oracle" をやっているので、これは買わずにはいられません。
このトリオの演奏は本当に素晴らしいものでした。 すべてが調和していてバランスがよく、地味目の選曲が功を奏して非常に高級な
ピアノトリオになっています。 その質感の高さは圧倒的です。
ハンク・ジョーンズは、なぜ50年代のハードバップ期にアルバムが作られなかったのでしょうか。 わずかにサヴォイやクレフにアルバムが
数枚あるだけです。 ピアノトリオが得意だったプレスティッジやリヴァーサイドが彼のアルバムを創らなかったのかが不思議です。
まあ、彼のピアノは保守的なので、そういうところがワインストックヤキープニュースには気に入らなかったのかもしれません。
でも、キャノンボールのサムシン・エルスはこの人がピアノを弾いたから世紀の傑作になったわけだし、ピアニストに人一倍こだわるマイルスが
1回限りのレコーディングセッションだとはいえ参加を認めたわけですから、その個性は折り紙付きです。
その遅れを取り戻すかのように晩年はアルバムが乱発されましたが、時すでに遅し、という感じで残念なことです。
この素晴らしいアルバムを聴いたら、ピアノトリオは嫌いなんて戯言は言ってられないなあと思います。
私が知らなかっただけで、このアルバムは通には有名な作品だということも後で調べてわかりました。 出会えてよかったです。