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『恐怖のカービン銃』~速報性におどろいたけど当時はこれが普通?

2011年07月06日 | ドラマ


『恐怖のカービン銃』(1954年公開)を観ました。最近、日本映画専門チャンネルで“昭和犯罪史特集”をやっていまして…(『帝銀事件』は録り損なっちゃったかな?)それと、これ、天知茂さんの初主演映画という事で観たりしました。(↓)“カービン銃ギャング事件”は以下の通り。
1954年6月14日、複数の強盗犯が保安庁技術研究所の会計係長夫妻をカービン銃で脅して7枚の小切手1750万円相当を奪い、係長夫妻をロープで縛って押入れに閉じ込めた後で逃走。その後、小切手は97万円が現金化された。係長夫妻は、事件から2日後の6月16日になって押入れから脱出して警察に知られる。警視庁は夫妻への事情聴取で、体格や手口が似ていることから強盗の前科がある保安庁元隊員の男性A(当時28歳)を全国に指名手配した。
6月22日、主犯Aと共犯だったB(当時21歳)が富山市で逮捕された。7月5日、主犯Aと共犯だったC(当時22歳)が台東区旅館で逮捕された。逮捕直前までCと一緒だったD(当時23歳)は逃亡していたが、その後自首した。
主犯Aは愛人(当時27歳)とともに逃亡していたが、7月21日に潜伏先でAの故郷に程近い大分県湯平温泉で発見され、逮捕された。犯行に使用されたカービン銃は延岡駅で鉄道荷物の布団包みから発見された。

(カービン銃ギャング事件 - Wikipediaより)

いや、この映画、かなり実録的というか、忠実再現映像的な映画なんですよね。こんなタイトルですから、どこかで犯人が立てこもってカービン銃乱射でもするのかとか思っていたんですが、そんな事もなく、というが劇中ほぼ全く発砲がなく~仲間割れした時に誤って空に向けて撃ってしまった時くらいかな?~そのまま、逃亡途中のどこかで銃は捨ててしまったらしいし……本当に、会計係の人を脅すのに使ったのみの“活躍”だったです。(´・ω・`)

でも、ラストシーンで主犯の大津(劇中名)が捕まって護送されてくると、周り野次馬だらけで大津を一目見ようとものすげえ群がっているんですよね(汗)多分、ここは現実でもそんな感じだったんじゃないかと思いますが、今から見ると特に凄惨な事件というわけでもないのだけど、速射の銃を持った犯人が日本のどこかに潜伏中というニュースは、当時の人々に相当な衝撃を与えたようです。

それとこれ1954年8月3日公開作品なんですが、この事件の最後に残った主犯Aが逮捕されたのは、1954年7月21日と…wさすが新東宝w犯人潜伏中に映画撮ってる?w…いや、そんなバカな?しかし逮捕から映画公開まで10日ちょっとなんですよね(汗)撮影自体は一週間もあれば可能なんでしょうけど、犯行内容や犯人たちの動向がかなり緻密に描かれていて、ここらへんは相応の取材の賜物という気はします。
…まあ、この頃はニュース映画なんかも隆盛の頃のはずで、映画製作も短いスパンで回していたでしょうから、かなりリアルタイムな話題を取り入れる事が可能だったのでしょうね。
あと、天知茂さん。初主演という事で、その後の『非情のライセンス』や『江戸川乱歩シリーズ』を主演する時のあの何とも言えない“妖しいオーラ”は、僕は見て取る事ができませんでしたが、ふてぶてしくも、どこか弱い所がある主犯・大津を好演していたと思います。時々、眼光光ってましたしw



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2 コメント

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Unknown (ロヒキア)
2011-07-06 23:25:12
最近見た大映京都の『手錠無用』は三億円強奪と偽警官というネタがあるのだけど、三億円事件から3ヶ月くらい後の公開なんだよね。海外だと『ダーティーハリー』がゾディアック事件の渦中に公開されたのかな?昔の犯罪映画の即時性は本当に舌を巻くね。
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Re:ロヒキア (LD)
2011-07-07 21:43:14
『ゴジラ』もビキニ環礁核実験としては半年後くらいでしたっけね。
今だと、被害者への配慮…といったブレーキが強いですね。それが悪いとは言わないんですけど……『物語』読みの感覚から言うと、“脚色”という角度から見える、その事件の実相を顕す機会を失っている気がしないでもないです。

地下鉄サリン事件なんか、まだ映画化されてないですよね?…映画になって物語として残す事も、僕には必要な事に思えるんですけどね…。
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