マイミクの真上さんの日記で「金剛番長」の感想があったのですが、真上さんの「展開の早さ」に関する意見が、僕の「速度論」の話とかなり近い感覚があるなと思いまして、引用させて頂きました。その下に僕のレスがつきます。(真上さん、まずかったら連絡下さいすぐ削除します)
昨日、金剛番長というマンガの2巻が出たのでさっそく買いました。
いやー、やっぱ面白いです。
退廃した日本を再生すべく東京23区を「番長」によって分割統治、
争わせる群雄割拠状態から勝ち残ったひとりに日本を支配させる
という政府の秘密組織による陰謀「23区計画」。
日本再生の美名のもと独裁者を生み出すその企みを叩き潰すために
立ち上がった謎の若者がいた、
その名は金剛晄(こんごうあきら)、人呼んで「金剛番長」!
とゆーよーなあらすじなのですが、これがサンデーなのか!? という
くらいの80年代ジャンプイズムに貫かれており、近年の少年漫画の
ように女子読者をおそらくまったく想定せずに執筆してるのが
素晴らしいです。
また、近頃のまんがでは考えられないくらいに展開が早く、
1~2巻で居合番長(千代田区)、念仏番長(墨田区)、剛力番長(港区)を撃破、卑怯番長(板橋区)と戦闘中と、かなり早いです。
(ちなみに白薔薇番長(北区)は卑怯番長によりリタイア)
これらの登場人物は序盤のザコキャラ、というような
ぞんざいな扱いではなく、バトルが冗長にならずエピソードを
消化してるゆえの早さと言えます。
現在サンデー本誌では金剛番長に対抗すべく爆熱番長・道化番長・
監獄番長・粘着番長・カブキ番長からなる「暗契五連槍」に
よって危機に陥った金剛番長のもとに前述の居合番長、念仏番長、剛力番長、卑怯番長が
助けに駆けつけるという展開になってます。
また卑怯番長戦後にサソリ番長と戦い、その周辺エピソードで
金剛の正体やラスボスなども明かされ、伏線の消化もしっかり
したものとなってます。
さっきから展開が早い、といってますがどちらかというと最近の
マンガが連載の長期化とそれに伴う展開の冗長という悪癖に
陥ってるのではないかと思います。
個人的には『THE MOMOTAROH』(全10巻)や『覚悟のススメ』(全11巻)
くらいが少年漫画の理想的な長さではないか、と思います。
大長編でも20巻前後でないと物語が収拾できないのではないでしょうか。
例えば42巻の『DRAGONBALL』では主人公の成長や主役一時交代を
してるわけで、きちんと話を回すなら結局最適な長さがあるのでは
ないかと思います。
現在の企画先行で30巻とか行くのが当たり前、というのは出版社として
あまり健全な商売ではないんではないか、という気がするのですね。
作家の使い潰しを蔓延させかねません。
まあ、そこらへんも踏まえて、『金剛番長』はいい感じに着地して
もらいたいと楽しみにしているのです。
------------------------------
LDのレス
こんにちは。LDです。勢いの走り書きで失礼しますw
「金剛番長」の作者・鈴木央先生は画力はかなり高い人なんですが、何故かこれまで「画でねじ伏せる」ようなネームを組まず、なんか微妙な理詰め感を以て話をすすめる人で、正直、伸び悩んでいる感がありました。
それが「ブリザードアクセル」の終盤あたりから「画でねじ伏せる」手法を覚えて俄然、マンガが面白くなったんですね。今、真上さんが掲載している、その怪獣牛の画とか、ラスボス親父の画とか凄いですよねw
それから「展開の早さ」に関して言うと、僕も「速度論」という持論を持っているのですが、大体、真上さんと同じ感覚で話をしていますね。
僕がサンプルに上げるのは、まず「炎の転校生」全12巻ですねw7巻までに弱肉学園を通して最強の学校(笑)大陸学園との死闘を描ききり、そのまま第二部で裏の教育委員会との決着を付けきって全12巻です。
1連載作品を一番楽しめる長さって多分、このくらいが丁度いい連載期間だと思うんですよね。
…ちょっとフィールドは違うかもしれませんがどんな傑作映画でもワンエピソードに3時間も4時間もかけてフィルムを切りきれないのは“冗長”というものでしょう。
今の週刊少年誌ではそういう事が起こっている気がしています。
もう一つサンプルを上げるとしたら「六三四の剣」全24巻ですね。親と子の剣道人生をつなぎ、これからもそれは続いて行く…という大河ロマンを以てしても全24巻で描けるんです。
まあここらへんの巻数感覚が“昔の人のもの”って事も当然あるんでしょうが…(汗)今、長期連載に入った作品は30巻超が当たり前になって来ていますが、小学校1年生から読み始めた連載作品が小学校を卒業してもまだ終わっていない(「こち亀」とか「ゴルゴ」みたいに超長期連載に向いた作品というものも確かにあるとは思いますが、しかし、全ての作品がそういうワケではないでしょう)という状況は何かが間違っている気がしてしょうがないです。
|