「序列並列構造」と「グルーピング構造」(1)
■■■■2008-05-09■■■■
LD >> あ、そうだ。先日言っていた、トライアングル構造について何かイメージ固まりました?
GiGi >> ええとですね。キャラクター相関図ってあるじゃないですか。キャラクターとキャラクターの関係線を引く。
GiGi >> あの図を直線と多角形の混成で描くというイメージが今あるんですけど。
GiGi >> 複数人のキャラクターのまとまりを一つのユニットとして取り扱うと、いろいろ見えてくるものがあるかなと言う。
LD >> 直線と多角形の混成……一つ思っていたのは、その視点ってつまり主人公も基本、頂点の一つにとらえて、線が引かれない頂点(キャラ)が存在するようになるんですよね?そうするとけっこう必然的に俯瞰した視点構造が生まれるのかな?と思いました。
GiGi >> うまく言葉になってないな。ちょっと頭の回転が鈍いw。
GiGi >> ネギまあたりを例にすると分かり易いかな。ネギまって基本的にはネギくんを中心に放射線状に関係線が引かれる構造なわけですけれども。
GiGi >> すべてのキャラクターに対一で線が引かれてる分けじゃなくて、例えば運動部ユニットだったり、図書館組ユニットだったり、そうゆう固まりに対して関係線を引いたほうが構造が見えやすいかも?という仮説です。
LD >> む、グループ構造的な話なんですか?
GiGi >> あずまんが大王なんかは逆に、中心キャラの5人だったか6人だったかが一つのユニットを構成していて、外側に向かって対一ではない関係線が引かれてるイメージですね。
GiGi >> グループ構造。二階層。ユニット内ではユニット内で関係線があって、それが外側に波及することもあるけど、基本的にはユニット内で完結しているという。
GiGi >> このあたりはモジュール理論と組み合わせて面白いものができそうな感触もあるのですが…
LD >> モジュール論的にいうとペアの類型に名前を付けられるくらいの“定型”を見いだせたり、トリオの類型に名前を(ry ~だと組み込めますね。
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LD >> ふ~む…たとえば「とらぶる」のお嬢様のキャラに二人の従者(女)がいるわけですが、従者はお嬢様が接点を持たないキャラとは接点を持とうとしないのが、仮の属性としますよね。そうすると…?
GiGi >> それは主格従格がはっきりしてるのでちょっと違う話かなと…。トラブるだと、ララと春菜ちゃんと蜜柑がリト抜きで関係線が成立しているような話です。
GiGi >> 3角形の内側だけでドラマが成立してしまう。一角が外と繋がると三角形全体にもなんらかの波及がある。そんな話?かな?
LD >> いや、GiGiさんの話をイメージすると、それは独立し過ぎているだけで、違う話ではないんじゃないかと想像するけど?w>お嬢様+従者の三角
LD >> もう一点、ララと春菜とミカンが三角というのは僕はイメージされないんだけど、GiGiさんはイメージしている?それとも単なる例として架空の三角を上げた?
ルイ >> 点と観るか、遠くから観たら点だけど寄ってみたら小さな△でした、みたいな違いでは。>とらぶるのお嬢様%後ろにいる2人
GiGi >> ちょっとトラブるは読み込んでないので間違ってる可能性はあります(^^;
GiGi >> 初恋限定はそういったキャラクターのグルーピングが不十分だったのが、「わかりにくさ」の一因だったかなとかも考えてみたり。
LD >> 「初恋限定」の失敗を「実験の失敗」~何故その試みが上手く行かなかったか?という分析の視点を持とうとすると「わかりにくさ」の面が浮き上がってきますね。そして「初恋限定」は他の成功した“群像もの”(←)と比してかなりカオスな構成をしていたって指摘はありだと思っています。
ルイ >> コバワ。15Pちょいで週ごとに区切りが生まれてしまうような世界で、果たして多くの読者はどこまでをアタマの中で常時構築できるか、という話ですかね。それこそモジュールなりを活用していかないと、この並列構造に踏み出すのは大変だぞという。
LD >> そう。僕が「今何処」に書いた「初恋限定」と「スクラン」の比較は今、正にルイさんが指摘している内容を比較検証しようと考えたものです。
ルイ >> でも、蜜柑とヤミのような線を作る&増やしていくことが、全体構造の強化にもつながりますよね。
ルイ >> 構造というべきかな?連載強度と素直に言ってしまおうw>蜜柑とヤミ
GiGi >> スクランの沢近グループとか、茶道部とか、水着相撲部とか、冴子グループとかそうゆうキャラクターの行動を規定する枠がきっちりあると見えやすい、よね。という。
LD >> う~ん……。>水着相撲、冴子グループ
LD >> 「とらぶる」に関していうと、ミカンとヤミの線が、リトの持っている関係性とはかなり独立して存在し始めているのが気になります。
ルイ >> そういう話ですよね>見えやすいよね 僕は機動戦艦ナデシコの、オペレータ3人娘、エステバリス3人娘、料理軍団、アダルティ軍団、オタク趣味軍団・・・などというのをよくサンプルとしてイメージするんだけど。
GiGi >> ネギまの30人ヒロインとかも、全てを並列に扱うととっかかりがないわけで。固まりがあって、その中で小さな関係性があって、その上で大きな関係線で結ばれていると全体が見やすくなる。
LD >> それは分かるw>「ネギま」 あれはまず最初はバカレンジャーから始めたよねw …さらに最初はやはりアスナ、のどかといった、スタンドアローンを近づけた。
GiGi >> あーバカレンジャーがそうかもしれませんね。そこから図書館組、散歩部、このかと刹那のペアとか、あと科学部もですね。そうゆう切り分け方をすることでキャラが「勝手に動いてくれる」んですね
ルイ >> ネギまのPS2版ゲームなんて、ハッキリ言ってモジュールゲーでしたからねw>バカレンジャーから~
LD >> あれ?図書館探検隊が先立か?>バカレンジャー まあ、本旨としてはどっちが先でもいいんだけどw
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GiGi >> ハヤテはそれが特に顕著なんですよね。安定した三角形があちこちにたくさんあって、くっついたり離れたりしている。
ルイ >> ハヤテはそれがもっと狭いですよね。多角形とはホント指摘する気持ちにならなくて、大体線か三角形で済む気がする。
ルイ >> その分必要なスキルもコストも少なくて済むハズで、ある意味連載を生き延びさせる為のお手本的な?>ハヤテ
LD >> 「ハヤテ」の三角は以前から、何か話していたよね?チャットで話すのってはじめてだっけ?あれはとりあえず畑メソッドとか言ってもいいと思う。
ルイ >> いえ、以前に話になりました。なので、今回のギギさんの言いたいところも結構サックリと見えた印象。あくまで「気がする」ですがw
ルイ >> 首藤先生がナデシコをさして100話作れる素材だったといったのは単に好みの話ではなく、そういう局地的な多角形と、更にそれを包み込む戦艦という名の円なり球がハッキリしていたからなんですよね。
LD >> 「ナデシコ」は100話作れる素材だし、実際、「うる星」っぽい形態ができる事を示しつつ、26話で終わることを目指していますね。
GiGi >> 初恋限定はほぼ全てのキャラが独立したカムでありギアになってるので、動かすのに凄い駆動力がいる。動力が伝わる速度が遅い。
ルイ >> 初恋限定。も、意識はしていたと思うんですよね。少なくともBOYS BE…ではないわけで。
GiGi >> や、ネギまとの差分を見るとだいぶ分かり易い話だと思います。
ルイ >> ただその目指すものに対して、漠然としたグループがなかなか浸透しなかった。それがいつぞやの、扉ページで相関図出すような真似にも繋がったと思うし、最終的に、「男グループ」と「女グループ」という色分けでもって、青春スタンドバイミーをしている理由にもなるかな。
LD >> そこらへんは「コードギアス」とかがかなり掘り下げている気がする。…完全に企業秘密で明かされないだろうけどw>グルーピングによる構造
GiGi >> コードギアスは例えば黒の騎士団に扇グループと藤堂グループがあるのが、とても見通しをよくしてるんですよね。
ルイ >> そして「神のみぞ知るセカイ」で危惧されているのは、ヒロインの記憶が消えるという設定がある以上、基本的にその局所的な多角形が生まれるイメージが、ほとんどないという事なんですよね・・・ムリヤリですか、この繋ぎ?w
GiGi >> あずまんが大王に違和感があったのは、あの漫画は主人公グループという大きな多角形が1つあるだけで、他の多角形がないんですよね。
LD >> いやw「あずまんが」の話は特に並列型のプレゼンだけで、多角形のお話の例証にはしていないと思うけどねw
ルイ >> まあ、あくまで「並列ヒロイン」という形式ありきで、それをどう漫画サイズに仕立てるか、という論を組んだ時に、今のグループ複合型?の話になっているだけの事で、大元の「並列ヒロイン」という流れから観たら、全く別の所からの、ジャンケンに四本指出すような回答ではあるんですよね。だから違和感があるのはある種当然?
ルイ >> あ、LDさんと同じような事言ってるかなあ。やっぱ文字が多くてスイマセンねえw
LD >> 「初恋限定」は基本一対一構造ですよ。そして三角は作らないけど線と線は繋げている……いや、むしろ拒むように三角を作っていないな?
ルイ >> 女子グループであったり、兄妹であったり、作れるものなら作りたかったのではないかなあ。>初恋限定 ここは読みの違いですね。
ルイ >> (うしろ指さされ隊というのは、モジュールなわけだ・・・←どうしたの?)
GiGi >> AKB48とかは無理だという話ですねw。まああれも内部でユニットあるんでしょうけど知りませんけどw。
GiGi >> モーニング娘。内でミニモニ。とかプチモニとか作る話に近い、かな。ATOK、わざわざモーニング娘。に。つけてくれてありがとうw。
ルイ >> ATOKモジュール生成w
LD >> …でGiGiさんの動かすのに凄い駆動力がいるってイメージは僕も同感で、ただしかし、僕は岬姉ちゃんがシャフトになれる位置に居たとは思っている。彼女が上手く回れば、案外軽い動力で「すっと」回ったんじゃないかと。>「初恋限定」
GiGi >> スクランの水着相撲部の”足抜け出来ない感覚”が特に学校もののミニコミュニティのリアルさがあるという話でもある。
ルイ >> んー、というか、基本的に一方向に読み進める漫画に限らず映像、文字、なんでもいいけど物語の世界で、並列ヒロインって「そのまま」は無理ですよね。それこそBOYS BE…のようなオムニバスになるくらいなわけで。
GiGi >> それで並列型って何かなという話で。3~5人くらいがシンプルな関係性を組むのには最適値だという話になるのかな。
LD >> …いえ?今、GiGiさんが、構成の分かりやすさメソッドの話を、並列型に収斂しようとしている流れがよく分かりません?並列型は分類に過ぎなくって失敗したり分かりづらかったりしても並列型は並列型だよ?
LD >> 「あずまんが」に対するルイさんの解釈はどうなりますか?>「そのまま」は無理
ルイ >> その形式をどこまで残しつつ物語として組み込めるか、と言う問いへの正道・・というと違うけど、今中心になっているのが、それこそグループ構造などの「とっかかりを良くして、理解を追いつかせる」スタンス。あずまんがはどうかっていうと、基本1つの枠組みの中にその並列ヒロインをブチ込んで、その中だけでの線でもって互いを描写していくという、抜け道的回答なんですよね。だから発明であり、追随者が沢山出ている。
ルイ >> 所謂楽園構造w
GiGi >> いや、あずまんがを「成功した並列型」という見なしをする場合、その成功の要因は「コミュニティが小さかったから」以上の結論はないかも?という話です。
ルイ >> うん。無菌楽園ですからねw正しいのではw>コミュニティが小さかったから でも、簡単に言うけど発想の転回ですよね。
LD >> それはどうかな?>コミュニティが小さいから 「初恋限定」もさほどコミュニティは大きくないけど失敗しているし。……ただし、今の話からいうと「あずまんが」は一つの発想の転換というか、コロンブスの卵みたいなものだけどね。
ルイ >> 頭数の問題じゃないので、そこは混ぜることもないでしょう>初恋限定とあずまんが類型
LD >> いや、ルイさんの抜け道的回答でいいと思いますね。
(つづく)
ヒロインの憂鬱
「序列並列構造」と「グルーピング構造」(1)
「序列並列構造」と「グルーピング構造」(2)
「序列並列構造」と「グルーピング構造」(3)