
「戦国ロックはぐれ牙」(1973年制作)コンプリート。まあ、9話で打ち切られちゃった作品ですけどね(汗)治乱興亡百年の戦国時代、命をかけたやとわれ仕事を請負う者を牙と呼んだ。中でも仲間を持たない孤独な牙を“はぐれ牙”と言う。そんな女はぐれ牙“冴”(さ梶芽衣子)の生き様を描く物語。打ち切りという事もあってあまり有名な作品ではないですが、1970年代のTVドラマ独特のアナーキーさを持った作品の一つで……その、僕の感覚で言うと梶芽衣子主演で「忍者武芸帳」をやりたいというかそういう雰囲気が垣間見える作品となっています。(まあ、あと冴の格好観ているとマカロニ・ウェスタンも入っている気がするw)
実際、話が続いて行くと多分、“虎の兵衛”(峰岸隆之介)という冴とは敵でもないさりとて味方でもない奇妙な関係の野盗まがいの男がいるんですが、そいつは出世していって戦国大名に成上がって行ったんじゃないかと想像しています。一癖ある手下を引き連れて「俺は天下を獲る!」とか嘯いている奴なんですけどね。しかし何しろその前に終わってしまっているので(汗)とくに関連付けのない1話完結のアドベンチャーで終わっちゃってますね。あと、何か音楽聞いていると大野雄二先生で、とても「ルパン三世(1977)」なBGMが聞こえてくるのですが……一応、こっちの方が先だすw
…ま、それはともかく、この頃の梶芽衣子の“存在感”は異常です。(`・ω・´) 文字通り爛々と光る瞳と鋭い眼光は他の追随を許さない魅力を超えた魔力に満ちている。出世作となった「野良猫ロックシリーズ」(1970~1971年)から、代表作「女囚さそりシリーズ」(1972年~1973年)を経て脂乗りまくりの頃です。これらの映画を観ていると撮った監督たちの気持ちが、僕は何となく分るんですが、梶芽衣子って撮る画、撮る画全てが“絵”になってしまうので、フレームに収めずにはいられない女優さんなんですよね。最近で言うなら全盛期の“広末涼子”とかね。いや、マジでね。ちょっと陰陽が逆転していますが、そういう感じなんです。
「野良猫ロック」の話や「女囚さそり」の話はまた機会を観て改めてしたいと思いますが、この「戦国ロックはぐれ牙」…ま、明らかに「野良猫ロック」に掛けていますがwこちらの方も、梶芽衣子をフレームに収めたい!という気持ちでは負けないものがあって、その部分は充分に堪能できるシリーズになっていると思います。ただ、ストーリーは…いや、僕はそんな悪くはなかった思うのですが、ちょっと主人公の冴の行動が無目的というか一本軸が感じられないような所があって、それが作品全体のカラーをボヤかしてしまった所があるかもしれません。…で、打ち切り…かな?(汗)まあ、こんな作品もあったという事で。
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