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マンガ、アニメ、特撮の感想ブログです。

魔王「この我のものとなれ、勇者よ」勇者「断る!」~「情報圧縮論」から観える構造(その2)

2010年05月30日 | 思考の遊び(準備)
【情報圧縮論】【脱英雄譚】

【魔王「この我のものとなれ、勇者よ」勇者「断る!」~「情報圧縮論」から観える構造(その1)】
http://blog.goo.ne.jp/ldtsugane/e/9463c36296d822054b9ae5a6abd241d7

(↑)前回の続きです。

【魔王「この我のものとなれ、勇者よ」勇者「断る!」目次】
http://maouyusya2828.web.fc2.com/menu.html

http://maouyusya2828.web.fc2.com/

(※既読者向けです)

前回のつづきですが、その前にちょっとこの記事の性質というか立ち位置を述べておきたいです。…とは行ってもタイトル通り、この記事は(LDが試考構築中の~)「情報圧縮論」から観た「魔王x勇者」の構造という事なんですが、誤解なきようにお願いしたいのは、それで「魔王x勇者」の総てが観えるとか、分析を網羅しているとか、そういう話ではないという事です。まあ、僕としては「情報圧縮によるモジュール」と「そうで無いもの」を選り分けたりする事によって、その「物語」の実相、あるいはテーマが観えやすくなると思っていますが、そうは言っても一つの手法/ノウハウに過ぎないワケです。また、その手法の練成のために、「魔王x勇者」を素材にしているという事でもあります。

…で「魔王x勇者」そのもののファクト(事実)を追う作業としてはGiGiさんがかなり良い記事を書いてくれています。



【未来私考:「魔王x勇者」が「その先の物語」を書けた理由】
http://d.hatena.ne.jp/GiGir/20100510/1273472249

【未来私考:「まおゆう」再発見から1ヶ月の記録】
http://d.hatena.ne.jp/GiGir/20100525/1274774265

「魔王x勇者」の発生の前段階の状況確認から、拡散までの経緯をまとめていて「魔王x勇者」のファクト(事実)に迫った記事だと思います。…まあ、そうは言ってもGiGiさんはGiGiさんで、Twitterを含めた新メディア(?)、新ジャンルから反響を呼んだ作品としての角度で「魔王x勇者」を解こうという、僕とは違う“都合”があるのでしょうけどねw(というか「魔王x勇者」は本当に様々な角度からの検証に耐え得る「大きな物語」だと思うんですよね。故に何かえらい批判も受けてたみたいですが…)
とまれGiGiさんの記事は森を見るに、その森に踏みいってその樹の生え方を検察して来たような感じですが、僕の方は望遠鏡で眺めて、その森の中で紅葉(個人的に気にしている樹)がどこらへんに、どのくらい繁っているか?を観察したような記事です。まあ、それはそれで意味はあるよね(汗)という事で書いて行こうと思います。

あと「情報圧縮論」の説明について何かもう少し補足ができないかと思っていたんですが、つい昨日、ウチダさんとのTwitterでの会話で応用と発展の話ができたと思うので、ちょっとTogetterでまとめてリンクしておきます。まあ、こんな感じの話かと。

【「情報圧縮論」と「死亡フラグ」の話】
http://togetter.com/li/24899

さて、またまた前振りが長くなってしまいましたが、本題に入りましょう。(´・ω・`)


■展開のモジュール化
勇者「吹っ切れたぜ。どんなに人間離れしてようとな
 それでみんなに嫌われようと、ひとりぼっちになっちまおうと
 それでも“お前なんか”に負けるより、よっぽどましだっ!」

蒼魔の刻印王「っ!?」

勇者「おおおっ!! “招嵐颶風呪”っ!」
蒼魔の刻印王「こ、れはっ!?」

びゅごぉぉぉっ!

勇者「はっ。お前程度の飛行魔法で制御できるかっ。
 こいつはごきげん直伝の気象制御呪文の強化版だっ。
 俺とお前ごとふっとばす嵐の結界っ。
 まずはもっとましな場所へいこうやっ」

蒼魔の刻印王「“飛脚術”っ! “火炎鳴動術”っ!
 “天眼察知術”っ! “剛力使役術”っ!」

勇者「“神速呪”っ! “雷剣呪”っ! “鏡像呪”っ!」

   ゴオオオオッ!!!
ガギィィン!!

勇者「いい加減に諦めろっ!」
蒼魔の刻印王「諦めたともっ! 無傷で勝つことはなっ!」

ギィン! ガギィン!! ビギィン!!

勇者「応えろ!! 黒の鎧っ! そなたは何ぞっ!!」
“我は鎧っ。汝を守り、汝が敵の刃を悉く弾く物なり”

蒼魔の刻印王「何故それを使いこなせるっ」

勇者「知ったことかぁっ!!
 誰かが誰かを助けようとするのが全部手遅れだとっ!?
 それが摂理だとっ!?
 したり顔で語ってんじゃねぇっ!!」

   ギィーーーーンッ!!!

(「魔王『この我のものとなれ、勇者よ』勇者『断る!』」8スレ目より)

う~~~~ん、ちょっとだけ引用するつもりが、思わず大量に引っ張ってきてしまった。だって、ここも、いいいシーンなんだもん。(´・ω・`)……クライマックスの前哨戦とも言うべき勇者vs蒼魔の刻印王のシーンですね。
(←)蒼魔の刻印王は何だかんだ言って、中ボスみたいなもので多少格は落ちるのかな?とは言えその魔力は間違いなく歴代魔王の力を継承しているワケで、基本的には前回張った画像のこれですね。「ネギま」のナギの決戦バトル。こういう人語を超えた壮絶なバトルがこの文中で展開しているはずなんです。

そして「魔王x勇者」のこういった描写を読むにつけ「物語」おたく界隈の人たちはけっこう戦慄を覚えたんじゃないかと思うんですよね。いや、僕は戦慄したって事なんですが(汗)この呪文(必殺技名?)と、擬音の羅列に、あと互いの自己主張のセリフを混ぜれば、この短い文章で決戦のバトルが成立してしまう事を描かれてしまったというか、バラされてしまったというか、そんな感じ?なワケです。(´・ω・`)
まあ、バラされたって言い方は正しくないかもしれないんで、控えますが……いずれにせよ、こういったシーンが「情報圧縮」された描写だと言う事は言えると考えています。ここらへんは「魔王x勇者」の特徴という以前にVip@2chのSS文化がベースになっているようですが、とりあえず分析してみます。

擬音については通常の文章運用的と思えるので置いておきますが、ここで分解したいのはバトル中、彼らが駆使した呪文の数々ですね。(余談ですが、勇者は“呪”なのに対して、刻印王は“術”なんですねえ…。ふむ。別途、検証しよう)まず「招嵐颶風呪」これは、勇者が発生させたマクー空間というか……嵐の結界の中に対象者を封じ込める呪文ですね。すげえ…周辺の被害を抑え込めちゃうじゃんwホントにスーパーヒーローだw……が、ともかくこれは“説明が必要”と判断されて、勇者の説明セリフが入ります。(本当はこの説明ももっと細かくする必要がある場合もあるのだけど)

逆に言えば、その後続く「飛脚術」、「火炎鳴動術」、「天眼察知術」、「剛力使役術」、「神速呪」、「雷剣呪」、「鏡像呪」は説明が要らないと判断できるって事です。少なくとも僕には必要なかったし、おそらくこの記事を読もうなんて考える人たちにも必要なかったでしょうwただ、ノベライズする際はそこらへんの線引きも変わってくるとは思いますが、とまれ、“僕ら”は単に説明が要らないだけではなく、勇者vs蒼魔の刻印王のバトルがどのように展開しているか己が瞼にありありと映し出せているはずです。勿論、細部はまるで違ったビジョンでしょうが、そこは問題ではない。
ちょっと付け加えると…「超」、「皇」、「帝」、「覇」、「絶」…あたりでしょうか?僕の厨二脳から選ぶと、これらの字を先程の呪文の言葉に一字混ぜるだけで、あら不思議、さらに凄い技になる事が感じられますよね?w(女騎士vs大主教の決戦でも使われてますね)だけど、「超」はともかく他はあまり根拠ないですよねw

何で分かるのか?それは一つは僕たちが漢字圏に居る事の恩恵……とか言い出そうと思いましたが、別に横文字圏でも「ライトニング~!!」とか「~ストーム!!」とか言えばいいので、あんまり関係ありませんね。(漢字はより「情報圧縮」の意味が分かりやすい素材ではありますが)つまり、そこはやはり僕らが散々、マジカル・ファンタジー・バトルに接してきた事が大きいのだと思います。

かつては魔法が使える~その事そのものに「面白さ」を感じ、様々な魔法が飽和的に生み出されていったのですが、ここはもう「先の物語」なのですから。

ある一線を超えたところで魔法は、物語の“売り”というより何かを描くための道具となってくるワケです。(そこで、誰も考えないような魔法を発想したり、魔法体系を組んだりするのも一つの道ですけどね)ひと言ふた言のワードで、皆まで言わずとも分かる物は“圧縮”して「モジュール」として置く。そしてその「モジュール」は必要な時に使う。そういう話になってきます。その成果の一つがこの「勇者vs蒼魔の刻印王」だったりするワケです。

魔神伝 (1) (リュウコミックス)
来留間 慎一
徳間書店

この話をしてて、ちょっと思い出したのは「魔神人伝」(作・来留間慎一)という作品で。すんごい魔王が主人公なんですが、本来念じるだけで魔力を発動できる彼がゲーム世界に紛れ込んだときに「雰囲気を出すために」と称して即興で自分の魔力顕現に名前をつけて唱えるようになるんですね。
たしかに、昔から「ヒーローは何故、必殺技を叫ぶ!」と言われているんですけど、そうやってパッケージングするから、今、「モジュール」として使えるんですねえ…とか思ったり。もともと人間の知性はそうやって“名付ける”(結果、意味が圧縮される)ようになっていて、そうやって思考を整理して先へ進める……そういう動物なんでしょうねえ。

ここではバトルのワンシーンをサンプルとしましたが、作品を通した全体のテーマ、たとえば「善悪二元論の超克」なんていう「モジュール」も、既に説明不要な程浸透しているはずで。これについて、たとえば敵の考える正義をいちいち説かせて説明して、「受け手」の投影された主人公が“返し”に詰まる………などという説明描写を見せなくても「ああ、その話ね」と納得を引き出せる。それが「情報圧縮」ができる状況で、それをどのように「圧縮」するかは「送り手」のセンスと手法による所もあるんですが、ともかくそうやって「善悪二元論の超克」を圧縮できる前提があるから、その「先の物語」や「大きな物語」を描いて行けると。

■キャラクターのモジュール化~元型化

「魔王x勇者」の登場人物名に関する言及は、既に他でも色々されていると思います。勇者、魔王をはじめとして、その多くの登場人物を職業名で語り、そのキャラクターのビジュアル的な描写にはほとんど言及しない。とは言え、必要最低限の情報は入れる。魔王が巨乳だとか、女騎士が貧乳だとか、勇者の頭は触るともふもふだとかは入れる…必要な事だからな!(`・ω・´)しかし、メイド姉の胸がどのくらいの大きさかとかは一見、ものすごく重要そうな情報に思えるが、それは入れない……必要ない事だからな!(`・ω・´)

…いや、話が横道に逸れましたが(汗)たとえば「辣腕会計」のキャラクターが無能な怠け者であるとかあり得ないワケですよwいや、そういう変化球が必要な局面ではそれは置かれるでしょうけど、そうでなければ原則、そのキャラ名称のイメージに沿ってもらってよい。これは作者の橙乃ままれ先生の文章力……詰めて言うとキャラクターのセリフ生成力に拠る所も大きいのですが、それによって、キャラクター描写といったものはほとんど無いにも関わらず、セリフ回しと擬似キャラクター名(?)によるイメージの“膨らまかし”だけで、「受け手」が多数の登場人物たちを頭に収める事に成功させてしまっていて、結果、あのシンプルな文体で、とんでもない展開の「速度」を叩き出している。
「魔王x勇者」は、作品としてものすごく脳で整理しやすい構造をしているので、複雑長大な「物語」にも関わらず、分かりやすく頭の中に入ってくるのではないかという事です。それを「情報圧縮論」の角度から論じているワケです。

もう一つ。前回の記事で引っ張てきた、もう一つの「情報圧縮論」のサンプル「やる夫が徳川家康~」ですが、こちらはツールとして使っているキャラクターが、モロに別の物語の登場人物なので、あまり表立って使えない手法なのですが、「魔王x勇者」はそれらをキャラクターのエッセンスにまで昇華しているので、書籍化の話まで出てくるという事があります。

【情報圧縮論:やる夫が徳川家康になるようです】
http://blog.goo.ne.jp/ldtsugane/e/135e913ad65b8e70a5107cd716652c2c

これってキャラクターの元型(アーキタイプ)をそのままシンプルに見せてしまって、そのまま書かれてしまったって事じゃないかと思うんですが…。すみません。ここらへんはまだ考察途中で形固まってません(汗)……ちょっとだけ触れておくと、以前、ユング心理学の話を「物語」を「読む」のに利用しようと言う記事を書いた事があるのですが、その延長ですね。ここでは「心理機能」の話とかはあまり関係なくって、「元型」の話、(2)の最後のあたりの項目…。

【ユング!ユング!ユング!(2)】
http://blog.goo.ne.jp/ldtsugane/e/55d4a687041488bcd22f9c37125d16cb
・グレート・マザー … 母親・子供が保護を受けるイメージ(「物語」的には母・家庭・日常の場そのもの)

・老賢者 … 理性・知恵を授かるイメージ(「物語」的には○○仙人とか××師匠とか)

・アニマ … 男性の持つ女のイメージ(「物語」的にはヒロイン)

・アニムス … 女性の持つ男のイメージ(「物語」的にはヒーロー?)

・シャドウ … 自己の反存在・克服すべきもののイメージ(「物語」的にはライバル)

…この5つでしょうか。あと“英雄”の元型や“トリックスター”といった元型も“在り”っぽいように思うのですが、ちょっと置いておきます。また、アニマ(男性の持つ女のイメージ)についえちょっと補足すると、よりアニマに近いヒロインというのは、かなり純真無垢というか…無為に保護を受けるお姫様、あるいは聖女といった存在が当たるようです。しかし、近代の物語上の“ヒロイン”はこの範疇に収まりきるものではないでしょう。でも、同時に男性と絡む以上、なんらかの形でアニマに繋がるものを内包してもいると。

まあ、ユングの“元型”について詳しい所は調べてもらうとして…。心理学や、文化人類学?としての“元型”はある程度の広範囲…人類普遍か、あるいは民族普遍レベルの“元型”を抽出しないと、それ程意味をなさないのでしょうけど、ユングがこの考えを提唱するに至った、個人の夢のイメージと神話イメージの共通性、ひいては世界各地の神話イメージの共通性というのは、もっとミニマムに考えて「なんで、少年マンガの主人公やストーリーは同じようなのばっかなの?」とか、そういう話に接続できるんじゃないかと考えてます。
そこには、少年マンガレベルの「元型」という奴が必ず居ると思うし、おたく界隈の、そういう狭い範囲の“集合的無意識”に生ずる「元型」って在ると思うんだよね。たとえば綾波とか(´・ω・`)綾波に何らかのアニマの内包があるのは間違いない所だと思いますが、それが普遍的なものか?というとちょっと判断難しい。じゃあ、時限・アニマでも、ローカル・アニマでも、それならそれで論じちゃえばいいんじゃないの?って話ですけどね。

ちょっと話が逸れました。え~っと、「魔王x勇者」の中で登場したワケではないですけど、たとえばキャラ名「絶世美女」とかキャラ名「秀麗男子」とかそういうキャラがいたとしたら、当然、絶世の美女や、眉目秀麗の美男子をイメージしますよね?その時、ある意味では各人の“アニマ”なり、“アニムス”なりが出ていると思うんですよね。(ちょっと、アニマ/アニムスの理解を乱暴に切っていますが)それは変に形容、修飾を重ねるより、ずっとダイレクトな効果があるような気がします。

つまり「魔王x勇者」(これはひいてはVipのSS文化もかな?)のキャラクター名原則は、物理的に描写を短縮化させる効果とは別に、そういった各人の「元型」を引っ張り出す効果を持っていたんじゃないの?って仮説ですね。(元型を引っ張り出せるとどうなるかと言うと…大雑把に言うとウケるんですね。感覚的な慕情を引き出せるというか…)
「元型」の有力な“固まり”は上に引用したような5体ですけど、別に元型はそれに限らないわけで……魔王、勇者、女騎士、女魔法使い……思い返して観るとタロットカードみたいな、ある種の象徴的イメージを出すにはなかなかいいワードじゃないですかw……まあ、何とも言えませんけどね?(´・ω・`)




…………あれぇ?今回で終わる予定だったのに全然終わらないぞ?orz 序文より短くスパッとか言っていたような……orz

つづきます。次は「情報圧縮」と“省略”の違いが書けたらいいなとか。「情報圧縮」で潜在化された情報の顕現の話とか。そこらへんができるといいな…。(´・ω・`)

(↓)続く

【魔王「この我のものとなれ、勇者よ」勇者「断る!」~「情報圧縮論」から観える構造(その3)】
http://blog.goo.ne.jp/ldtsugane/e/77c8668529ca2b47cda018dfbaaf85f2


以前の記事です。

【魔王「この我のものとなれ、勇者よ」勇者「断る!」~「先の物語」という意味(その1)】
http://blog.goo.ne.jp/ldtsugane/e/74eed63271d173e9d4dd2c8facb30615

【魔王「この我のものとなれ、勇者よ」勇者「断る!」~「先の物語」という意味(その2)】
http://blog.goo.ne.jp/ldtsugane/e/463b4de3919163ad00aa98250584512b

「チャンピオン太」力道山先生とか、猪木寛至さんとかが出てるの。

2010年05月27日 | 特撮


先日、プロレスマンガの話をしたからってわけじゃないけれど「チャンピオン太」(1962年制作)録っています。(`・ω・´)しかし、既にけっこうな話数録り逃してしまっているんですけどね…orz

【今週の一番「任侠姫レイラ」エンターテインメントとは何か?…とか語ったりしてみる。】
http://blog.goo.ne.jp/ldtsugane/e/bcb621c06e0f0703c3d8194609580085

まあ、それはそれとして、この「チャンピオン太」原作が梶原一騎先生で、漫画が吉田竜夫先生(タツノコプロ作った人)、それでTVドラマでは力道山がけっこう頻繁に出演して、デビュー前のアントニオ猪木も出演している…というワケの分からない豪華さをもった作品になっています。
で、デビュー前の猪木寛至さんなんですが(´・ω・`)(↑)上に張った画像の“死神酋長”とか、他の怪人ストライプ・スネークとかにも扮していまが、死神酋長を気に入った力道山先生から、あやうくリングネームそのまま死神酋長にされかかったそうですね。実際、死神酋長が出てくる第1話の演者のクレジットは、猪木寛至じゃなくって死神酋長になっています。いや~ちょっとやばかったですねえ、アントニオ猪木……ってまあ、よくよく考えるとアントニオってのもどうかなあと思いますがw

ああ、あらすじの説明を忘れていました。「チャンピオン太」は、力道山先生のプロレス道場に入門した少年・大東太がプロレスを通して様々な怪人レスラーたちを打倒して行く物語です。太くんの必殺技は、ノックオウトQという…ジャイアントスイングの凄いやつ、なんかも~すごい振り回す感じのやつです。これは後に破られてダブルノックアウトQを身につけますね。
太くんは他の少年ヒーローたちと違って超能力も、超兵器も持たず、身体一つで大人のレスラーにぶつかって行くんですが、まあ、今観るといろいろ、ちょっと苦しい画で、地味な所はあるかもしれない(汗)ノックアウトQもぱっと見分かり辛い技になっていますしね。まあ、回を重ねると僕の感覚のピントがあって来たのか、分かるというか、必殺技を繰り出す楽しさを感じられるようになりましたけど。

試合以外では、太くんは孤児院の子供たちと接するシーンが主になってきます。ここらへん転じると「タイガーマスク」になってくるんでしょうねえ…。「チャンピオン太」のある種の地味さは「タイガーマスク」がどれほど“劇的”だったかという比較になる面がある。虎のマスク、ミスターX~「太」は力道山に恨みを持つ地元の興行師が悪役レスラーを連れてくるんですけど…地味ですw~ここらへんのキャラがいるだけで、そのインパクトがかなり違ってくる事が分かる。

しかし、孤児院の子供たちに懐かれて「(悪役)相手がどんなに酷い事をしてきても、お兄ちゃんは正々堂々と戦うんだ」と教え、この子らに恥ずかしい試合は見せられないと闘志を燃やして試合に挑む、というのが各話の大体のパターンなんですが。そこには素朴で力強い、成功譚、勝利譚の良さが有ると思います。“プロレス”というものに色んな夢が詰め込まれていた時代の一本ですね。

今週の一番「詭弁学派、四ッ谷先輩の怪談。」面白いと思うんだけど、もしかして危ない?

2010年05月26日 | マンガ
【5月第3週:冥王神話 THE LOST CANVAS 第180話 調教】
http://www.tsphinx.net/manken/wek1/wek10461.html#638

【漫研】
http://www.tsphinx.net/manken/



「詭弁学派、四ッ谷先輩の怪談。」(作・古舘春一)を「面白く」読んでいます。留年してまで怪談のネタを集める、幽霊部員ならぬ幽霊生徒(?)の四ッ谷文太郎が“最恐の怪談”の獲得目指してクラスメイトの中島真をこき使う物語。
1エピ、1エピに元ネタの“怪談”と四ッ谷先輩が手を加える解決の“怪談”を用意し、さらにそれに怖い“演出”を加えてオチももう一捻り。えらい「才能」の消費量が激しい……少なくともネタの消費量が激しい連載で。どっかでヘタるか、逸らすか(悪い事ではない)するかと思ったのですが、とりあえずここまでは僕が満足する一定のクオリティを保ってくれています。…むしろ、読んでる僕の方が「(ぼそっ)早くライバルキャラを出すんだっ」とか余計なお世話な声援を心の中でつぶやいていたのですが、最近、ようやくライバルっぽい人が出てきて一安心です。(`・ω・´)1エピで退場かもしれませんが…。

…いや、一安心なのかな?最新号みたら掲載順一番後ろだったんですが(汗)…まあ、「バクマン」の人気=掲載順暴露で、そこらへんの仕来りは消滅か、あるいは逆利用の手段に変わったという噂を信じる事にします。ん~、今、「四ッ谷先輩の怪談」切るのないわ。もっとヘタったんならともかく。
僕が、他に「保健室の死神」、「ロックオン」あたりも好きな事もありますが、今、少年ジャンプの底が上がって、一話ごとの密度が他に比してかなり高い連載が揃っていて、すなわち雑誌としての密度が上がっている気がします。やはり才能の埋蔵量は相当に高い雑誌だと思う。……「四ッ谷先輩の怪談」とか「保健室の死神」とか、切らないで、この密度を保って欲しいなあ…って話なんですけどね(汗)

あと、最近、四ッ谷先輩の助手(?)の中島さんが、美人さんだという事にようやく気がつきました。(´・ω・`)ゞ……いや、こう、元々このマンガ、女の子の顔は整っているんですが………なんか、中島さんだけ、狼狽え顔、怖れ顔、おどけ顔、ヤサグレ顔と、ころころ表情変える道化役で、基本アホの子に見えたもんで…。
うん。そっか…いわゆる、残念な美人さんなんだね。まあ、つまり「ネウロ」のヤコなんだけど、ヤコより遥かに整った顔立ちしている(いや、絵柄違うから比べられませんけどw)から、僕の中ではそこらへんのギャップ萌え急上昇という感じです。
四ッ谷先輩が、無駄に美人の中島さんを、一瞥もくれずにパシらせまくっている構図を考えると、何かゾクゾクしていまいます。(=´Д`=)

魔王「この我のものとなれ、勇者よ」勇者「断る!」~「情報圧縮論」から観える構造(その1)

2010年05月24日 | 思考の遊び(準備)
【情報圧縮論】【脱英雄譚】

【魔王「この我のものとなれ、勇者よ」勇者「断る!」目次】
http://maouyusya2828.web.fc2.com/menu.html

http://maouyusya2828.web.fc2.com/

(※既読者向けです)

■「情報圧縮論」序

さて、予告しました前回の続きです。ここでは僕が「物語」を読んで行く遊びに使っている「情報圧縮論」をからめた話をして行きたいと思います。「情報圧縮論」って何だ?という事で先に以前書いた記事を提示しておきます。しかし文章構成から後でまた引っ張り出して説明します。

【情報圧縮論:やる夫が徳川家康になるようです】
http://blog.goo.ne.jp/ldtsugane/e/135e913ad65b8e70a5107cd716652c2c

また、以前僕は「情報圧縮」を絡めた別の「先の物語」の話として「魔法先生ネギま!」(作・赤松健)を取り上げた事があります。

【今週の一番付記「魔法先生ネギま!」情報圧縮して描かれる先の物語】
http://blog.goo.ne.jp/ldtsugane/e/a83c0e2d45de438ef5d547bc9c1e6b7d



ははははははは 私を倒すか人間それもよかろうッ
私を倒し英雄となれ 羊達の慰めともなろう だがゆめ忘れるな
全てを満たす解はない いずれ彼等にも絶望の帳が下りる

貴様も例外ではない


いや、このシーン好きなんで、もう一回張っちゃいましたがw(汗)主人公・ネギくんのお父さんで大英雄のナギが、悪の組織“完全なる世界”の首領“造物主”を倒した後のシーンですね。おそらく超絶壮絶であったであろう決戦部分をカットして、その断末魔にあたる部分の描写がこれ!というのがとても好きで、何度観ても「楽しく」なってしまうんですが、ある意味これまで描かれて来た“英雄譚”を象徴(情報圧縮)するシーンだと思っています。

他にもナギの冒険の物語は「ネギま!」の中で少しずつ描かれているのですが、このシーンを観るだけで、僕らは…少なくとも多くのおたくは、それまでにナギにどんな冒険があったのか想像できる。…つまり、このワード、画だけで、その情報は“圧縮”されている…という言い方が可能かと思います。
…というかね。多分、この決戦の前に、この“魔王”(造物主)はおそらく、何かこの“勇者”(ナギ)と交渉事をしたんじゃないかと思います。たとえば「この我のものとなれ」とか言っていたりねwそしてナギは間髪入れず「断る!」と答えたりねwこれはそんなピント外れなイメージではないと思います。

「魔王x勇者」も「魔王『この我のものとなれ勇者よ』、勇者『断る!』」にというやり取りに、そこに至るまでにどのような冒険があったのか?そのイメージが圧縮されているはずです。もともと、このタイトルとも単なるセリフともつかない、でも一応タイトル?のような“これ”ですが、この「物語」の発祥地である2ch・Vip板では、「タイトルだけ放り出して本来の作者(スレを立てた人)が逃亡」という“芸”があるそうで、この“逃亡芸”を引き継いだ次の作者である、橙乃ままれ先生が「魔王x勇者」の物語を紡いで行く…と言う形だったようです。

その作劇の有り方を評価して行くと、どんどん「情報圧縮」の話から逸れてしまうのですが、ともかく「魔王『この我のものとなれ勇者よ』、勇者『断る!』」には、短い文言の中に手堅く強いドラマと次の展開の溜めが詰まっていた。その可能性の一端にして、大多数の展開は、今、上記した「ネギま!」のナギが代表するような返答と決戦の歴史であり、それは実は「魔王x勇者」にもあり得た別の展開(厳密には違う形でしょうが)なんですね。しかし、正にそうではなかった物語が「魔王x勇者」のはじまりとなります。
※ちょっと付記すると魔王の“誘い”を断らない話は、お父さんなら定番なんですけどね。「スターウォーズ」のダース・ベイダーが超代表ですが。「ドラクエ」にかけるなら「ダイの大冒険」の竜騎将バランでもいい。…これはこれで興味深い話なんですが、“転身父さん”の話との違いを論じて行くのは、また別の機会とします。

つまり「魔王x勇者」はそういった定番を崩して“意外な”展開からはじまっているのですが、この段階で「情報圧縮」からの構造を見出す事ができると思う。それは、たとえば、何の“下地”もない状態、つまり「魔王『この我のものとなれ勇者よ』、勇者『断る!』」というセリフに、なんの背景も感じ取れない状態で、この物語ははじめられるか?という問いかけでもあります。それは(はじめる事自体は可能だが)非常に難しい事であると僕は考える。
しかし、同時に、この情報イメージがある程度一般的な理解と共感を得られる“時機”というものがあると思う。大雑把に言えば先程、背景などと言ったものが“内輪の暗号”に留まらない情報の共有性が得られる時期が来る、ある種の“有用”な情報にはそれが有るという話ですね。そこらへんが「情報圧縮論」の話になって来ます。


■「魔王x勇者」と「ネギま!」

ここで、ちょっと、ここまで「ネギま!」と「魔王x勇者」を対比して語っているわけですが、ちょっと両作品の違いについても言及しておきたいと思います。「ネギま!」のナギは、非常に分かりやすい“英雄譚”の形を提示してくれていたので、「魔王x勇者」の拠って立つベースとして引き合いに出させてもらいましたが、結局、ある重要な部分の違いから両作品の目指す方向性はかなり違ったものになってくると思うんですね。
勇者「(丘の向こうに行く事は)必要なのか?」
魔王「それは違う。このままワルツのように戦争を
 消耗を繰り返し、屍山血河の平和を享受することも
 この世界に許された選択肢の一つだ」

勇者「それはそれでおびただしい犠牲だろう」
魔王「でも勇者が直接的手を汚さないで済む」

勇者「なんだよ契約したくないのかよ」
魔王「騙して契約したくないんだ」

(「魔王『この我のものとなれ、勇者よ』勇者『断る!』」1スレ目より)

ここですね。おそらく…じゃなくって現時点で確実に「ネギま!」は“放置すれば破滅する世界”を抱えて戦っています。ネギくんたちの敵も一概に悪とはいい切れない所があり、言わば互いに世界の救い方の解答を求め競っている状態とも言えます。しかし、「魔王x勇者」はそうではないんですね。このままでもいい事が明示され、その上で「(それでも)丘の向こうに行きたい」事が語られる。…なんで“滅びぬ世界”なのか?ってその物語的経緯を語る話はしたくはあるんだけど、ちょっと割愛w……それにしても凄い「物語」ですよねえ。

“破滅する”と、その設定を置きさえすれば相当な事まで正当化できるはずなのに…。

魔王は「それは違う」と言った。その気高さに軽く震えがきましたね。「騙して契約したくないんだ」と魔王は言う。すげえ…wそれでも僕はこの「物語」は世界を救う物語だと思っているんですが、それは僕自身が「丘の向こう」にそういう意味を見出しているって事なんですよね。
一方「ネギま!」ですが。いや、ここに到ると世界の救い方の手法そのものが違ってくるので、もう比べる対象ではないんですが。他に、今、僕は相当な事まで正当化できるなんて事を言いましたが、ど真ん中のマンガ少年誌だと正当化できる事項もそれ程多くはない、というか相当限られて行くわけで、方向も違うし、超えるべきハードルの形も違うんですよね。そこらへん「ネギま!」がどういう答えを出して行くか?も愉しみにしています。


■「やる夫が徳川家康」と「魔王x勇者」

さて、では本題で。まず「情報圧縮論」の紹介から改めて入って行きたいと思います。「情報圧縮論」をかいつまんで説明すると、世の中に「すごい物語」があるとして、本来その「すごい物語」というのは才能…おそらくは天賦の莫大な才能を必要としていたと思うんですよね。
それが「物語」界隈の文化の醸成というか、技術の向上というか、あるいは「受け手」の練度も含めて、本来手がとどかないはずの「すごい物語」が、比較的簡易に手を届かせる技術があるんじゃないかという仮説の話です。(※ちょっと気をつけて欲しいのは「情報圧縮論」を使ったから才能が低い人…という話ではないです。その技術が使われるかどうかは才能に関係ない)
もう少し細かく言えば、その「作り手」の主武器となる才能やあるいはワン・アイデアでもいいのですが、それらを「すごい物語」に昇華するために他に必要な才能の部分を借りてくる…。それが今、借りて来やすい形で転がっているかも?(「情報圧縮論」の中でモジュールとか呼んだりしますが)そういう言い方もできます。

たとえば(↓)下記の記事で「やる夫で学ぶシリーズ」の名作「やる夫が徳川家康になるようです」を引用して「情報圧縮論」を説明しているわけですが、この「やる夫が徳川家康になるようです」は僕は、すごい大河ドラマを完成させた大傑作だと思っているのですが、キャラクターたちは基本的に流用で、この作者の方からオリジナルのキャラクターを描く才能は示されていません。(別に示せとも思わないけど)…つまりオリジナル・キャラクターを描く才能を示していないにも関わらず、様々な群像が浮かんで消える大河ドラマを完成させたという事になります。本来は“莫大な才能”を持った者の特権とも言えた“大河ドラマ”に、何であれ、とにもかくにも手を届かせたって事なんですよね。



※それは昔からある事…と言えばそうなんですけどね。でも昔だと才能によって一から組み上げられる事が尊ばれて、ある種の「パターン」や「記号」というようなものは、安易だと。マイナス的に観られて来た経緯があると思う。それをちょっと別の「言葉」で加工して、その有効性を体系的に分析したいという話になって来ます。

【情報圧縮論:やる夫が徳川家康になるようです】
http://blog.goo.ne.jp/ldtsugane/e/135e913ad65b8e70a5107cd716652c2c
多分「機動戦士ガンダム」を例に上げると分かりやすい気がします。「ガンダム」という物語を描くにあたって、ニュータイプという“先の世界”を思いついたとして、それは、泥まみれで、戦争に翻弄される“大きな群像”を描いたその上に、“先の世界”を載せるから、あの感動が生まれている事は間違いないと思います。群像劇を描く才能のない者が「人類って宇宙に出たとしたら、こんな風に変って行くかもね」というだけの物語を作ったとしたら、僕は間違いなく、あれほどの感動を得ることはなかった。だからこそ、これは群像劇(「大きな物語」)を描けた者だけに許された「先の物語」だったと言えます。

それは逆に言うと、「大きな物語」を描ける者が、「先の物語」を描こうと思わなかったら、それはそこで終わってしまうという事。(いや、終わっても全然良いのですけどね。安彦先生とかは、本当にニュータイプとかには興味がない人ですよね)逆に「先の物語」は見えている(思いついている)のに、「大きな物語」を描く力量がないために、「先」が描かれているだけの「小さな物語」で終わってしまう事もある。
こういったカナシに、これまで散々溜め込んできた、物語表現技術を複合的有機的に利用する事で、手を届かせる方法があるのではないか?いや、既に何人かの作家は、それに意識無意識を問わず気付いていて、すでに使っているんじゃないの?……というのが、僕の「情報圧縮論」のあらましという事になるかと思います。


まあ、それでこの話を、どうして「魔王x勇者」の話に絡めて来たかというと、普段、上記したような事を気に留めながら「物語」に接している僕としては、「魔王x勇者」の構成構造から「やる夫が徳川家康」以上に優れた「情報圧縮」の解を見出しているからなんです。(これは部分によってはVip板の文化が大いに関係していて、おそらくあそこは内輪という意味を勘案して「情報圧縮」の渦のような状態があるのではないかと予想しますが…その話は今の僕の手には余ります)…いや、両作品にそんな意識は全くなくって、僕が“勝手な”その角度から観ているだけですよ?(汗)傍迷惑ですみません(汗)
しかし、これはツールになるものを一つ一つ分解して行こうという事ですから、分解の仕方に間違いはあっても、考え方そのものはそんなおかしなものではないと思っています。言ってしまえば「すごい物語」、「大きな物語」あるいは「先の物語」を「読む」時、「作る」時に、いろいろ使う事ができるんじゃないかと思うんですね。それで、まず取っ掛かりとして「魔王x勇者」はタイトル出しの時点で既に「情報圧縮」載っているよねと。そういう話になります。

……さて。なんか序文だけ書いてて、ここまで来ちゃったんですが…orz 一端終わって次回、もう少し具体的な言及に及びたいと思います。……と言いつつ本論は序文よりも短く、スパッと終わってしまうかもしれません。

(↓)続く

【魔王「この我のものとなれ、勇者よ」勇者「断る!」~「情報圧縮論」から観える構造(その2)】
http://blog.goo.ne.jp/ldtsugane/e/a5d7d212f714fa3587721b5cefaf7230


以前の記事です。

【魔王「この我のものとなれ、勇者よ」勇者「断る!」~「先の物語」という意味(その1)】
http://blog.goo.ne.jp/ldtsugane/e/74eed63271d173e9d4dd2c8facb30615

【魔王「この我のものとなれ、勇者よ」勇者「断る!」~「先の物語」という意味(その2)】
http://blog.goo.ne.jp/ldtsugane/e/463b4de3919163ad00aa98250584512b

「東のエデン」@あにめラジオ

2010年05月22日 | 漫研ラジオ
終了しました。ありがとうございました。録画データは下のURLから観れます。

http://www.ustream.tv/recorded/7119300



東のエデン 劇場版I The King of Eden DVDスタンダード・エディション
クリエーター情報なし
角川映画



哲学さん、かんでさん、GiGiさんとUSTREAMでネットラジオをやります。内容は「東のエデン」についてですね。僕は実は劇場版を観ていないので、ネタバレ込みでいろいろ質問する形で話をすすめて行こうと思っています。

5月22日(土)22:00(2時間くらい予定)

【漫研インターネットラジオ】
http://www.websphinx.net/mv/

【USTREAM URL】
http://www.ustream.tv/channel/manken


今週の一番「任侠姫レイラ」エンターテインメントとは何か?…とか語ったりしてみる。

2010年05月22日 | マンガ
【5月第2週:ブラック・ジャック創作秘話 第3話・逆鱗】
http://www.tsphinx.net/manken/wek1/wek10461.html#638

【漫研】
http://www.tsphinx.net/manken/



【※以前、「任侠姫レイラ」を取り上げた時の記事】
http://blog.goo.ne.jp/ldtsugane/e/2800178f79702d21f6bf98b2c6147064

「任侠姫レイラ」(原作・梶研吾、漫画・米井さとし)の本格連載が開始されました。なかなか良い滑り出しで毎週楽しみに読んでいます。「任侠姫レイラ」謎の覆面少女レスラー・レイラが、斜陽の帝都プロレスに乱入して男レスラーと渡り合う物語。…どうもレイラには行方不明の父親(プロレス好き)を捜す目的もあるみたいです。
…そういえば、そもそも最近プロレス・マンガってありませんねえ?総合格闘技的なものと…「キン肉マンⅡ世」があると言えばあるんですが…本格派のものは、それこそ高柳ヒデツ?かかと?先生の傑作「遙かなるリング」(作・中村慶吾、1992~1995年)以降見ていないような気もします。(何かありましたっけ?)

※付記:ちょっと思い起こしてみた所、一色まこと先生の「ハッスル」(1995~1997年)がありましたね。あとMODSTOONさんが上げられている。「燃える!!女子プロレス」は1993~1994年、「パラダイスレディー」は1992~1993年。…ふむ。女子プロばっかりだな?(ブームだった時期ではあると思う)

まあ、そういうプロレス・マンガ状況からすると、ある意味必然という気もするんですが、「レイラ」を他のプロレスマンガから特徴付ける要素として“ブック”の公言というのがあります。“ブック”と言うのはシナリオ…ここは敢えて一般に知られる悪い言葉を使いましょう。“八百長”の打ち合わせの事です。
ある程度、不測の事態や、アドリブの応酬などを入れて「受け手」に展開を読ませないようにしてはいるのですが、言ってしまえば基本的にレイラが勝ち続けるのは(それぞれの思惑があるとしても)レイラが勝った方が盛り上がるから…という事が作中で明示されているわけなんです。



この構造について語ると僕は「太陽のドロップキックと月のスープレックス」(作・ミスター高橋×落合裕介、2004年)というマンガを思い出します。ものすごく好きなマンガでした。これも「レイラ」と同じように”ブック”の存在を主題にしたマンガで、おそらくはその最初のマンガではないかと思います。
「太陽のドロップキックと月のスープレックス」は、柔道の金メダリスト・八月十五日(あきなか)大樹は、ギャラのために出場したプロレスのリングで最初は失望を覚えながらも、次第に“はじめから勝敗が決められている真剣勝負”というものに魅了されて行く…。そして異種格闘技戦で勝利を持ち帰った男・日下部真琴は、そのブランドからスターとしての道を設定されはじめる。しかし、果たして“強いだけ”の自分に“この舞台の主役”となる資格はあるのか?と苦悩して行く。その二人の主人公の「物語」です。

そもそもこの原作者のミスター高橋は新日本プロレスで長年レフェリーを務めた人で、後にプロレス八百長説を完全に暴露してしまった人なんですが。この人自身の評価はおいておくとしても、作中で語られるプロレス愛には僕は“本物”を感じています。
果たして、プロレスという作為のドラマは所詮本物ではないのか?作り話の「物語」は所詮本物ではないのか?(敢えて“本物”という意味は定義しませんが)という問いかけは「物語」おたくとして、非常に近しいものを感じます。いや、後者は様々な答えがあるとしても、「物語」についてある程度の思考する人なら、それほど答えに窮する事はないでしょう。
しかし、プロレスの方は本質的には同じとはいえ、その答えの在り方は「嘘だとは言わない。口にしない」事を含めてもう少し複雑です。その分、より突き詰めて「楽しむとは何か?」という事を研ぎすませている面がある。

ちょっと、個人的体験を話すと、僕は小学生くらいの頃にはプロレスあれが本気(?)ではない事には気がついてはいたんですよ。…つか、プロレスごっごをやれば様々な技が何らかの安全装置を持っている事はすぐに分かると思うんですが。
それでな~んだ、という感じに放ってしまってその後大して興味を示さなかったワケです。でも、しばらく経って、高校生くらいで、多分、ある程度自分に「物語」おたくとしてのの素養が整った頃だと思うんですが、ある日“プロレスを再発見”したんですよね。

ああ…。この人たちは全然本気で“真剣勝負”をやっているんだ…って気づいたんです。

それからはプロレスが好きになって、一頃は、深夜放送なんかをかなり観ていました(会場に出かける事はなかったですが)。そしてつくづく、この楽しみ方は「物語」おたくのそれと同じものなんだなあ、と思ったりしていました。
今はアニメなんかは支持者が多くて、またそういう人間で周りを固める事も可能で、“呪(魔法)”がかかっているから、そんな気づかないかもしれませんけどね。たとえば特撮…それも昔の特撮なんかを愛好していると、まあ、けっこう心ない“正論”で、相当こき下ろされたりしちゃうワケです、昔の特撮はw(汗)そして、その心象はおそらくプロレスファンとかなり近いものになってくる…はず。近いよね?プロレス・ファンの方たち?w(`・ω・´)

でもそれはそれで悪くない事と思っています。世間の冷たい風(?)にさらされるとねw自分の「面白い」と思うものや「楽しい」と感じる心の成り立ちがどのようなものか?嫌でも向き合う事になってくる。それは「物語」を「愉楽する」上で非常に重要な事に僕は思っています。
そこらへん、プロレスファンというのは、相当に鍛えられているはずだよねって…。僕は何だかんだ言ってもプロレスは一頃ちょっと観ていた程度なんですが、ファンのその心境には勝手にシンパシーを感じたりしています。「物語」おたくだって突き詰めて考えてみるといいんです。その感動は“作り話”だと知っていて初めて生まれるものなのか?…とかね。

それと、今は“ブック”の存在は公然化されている所があって、そうなるとプロレスのエンターテインメント・スタイルというのがWWEのスマックダウンみたいな感じになる、なって行くのは、よく分かるんですが…僕はかつての全日みたいな試合が好きなんですよね。(NOAHはあまり観ていないので分からない)
「YAHHH!?お客さん!みんな楽しんでってくれ!!HAHA!!」…みたいな感じより、より、選手の“真剣さ”をシンプルに浮き彫らせている王道プロレスの方が僕好みです。(スマックダウンが真剣じゃないと言っているわけではないですが)野球が米国人と、日本人では違う競技と言われるように、プロレスもまた米国の美学と、日本の美学はまた違う気がします。…流行らないかもしれませんが(汗)



「太陽のドロップキック~」は、モデル的には新日なんですが(まあ、大きくは全日、新日は近いと思います)そういうプロレスの真剣さを、能楽にたとえ、世阿弥の「秘するが花」という言葉を上げ(随所に能を意識したガジェットが描かれます。般若とか翁とか)、プロレスの~そして「物語」の、ぞくぞくするような楽しみ方を、そしてそれは「送り手」と「受け手」の真剣勝負なんだと言う事を、熱く描き上げていった傑作だと思っています。(打ち切り作品ですけど(汗))

「任侠姫レイラ」はその遺伝子を受け継いでいる…といっても、既にそれを深刻に告白する時期は過ぎたので、そんな注力(力説)して描く部分でもないでしょうけどね。(テーマではあると思っているのでこの言い回し微妙ですが)あくまで、プロレスの良さとして在る、あたり前のベースとなっていて、このベースの上で、何ができるか?を追求する連載のように思えます。ブックを超えた展開を交えつつ、プロレスの真剣さが上手く描かれると、かなりいい作品になるんじゃないかと思います。

今週の一番「ブリーチ」はラスボス戦の在り方が決まるとその作劇法は完成されると思うんだ。

2010年05月18日 | マンガ
【5月第1週:はじめてのあく 第63話◆町内けいどろ】
http://www.tsphinx.net/manken/wek1/wek10460.html#637

【漫研】
http://www.tsphinx.net/manken/



悪霊vs死神バトルマンガ「ブリーチ」が、最終局面に入ったのかな?ともかく目下最大の敵・藍染隊長との決着フェーズに入ったようです。藍染隊長は最強の宝具・崩玉と一体化を果たして、すんんんんんごい!!!強い存在になるみたいなのですが…。…まあ、あれです。ぶっちゃけ、正直、あまり脅威は感じていないのですよね。だって、なんかこう…このタイミングで、こういう“変化”って「ブリーチ」的に言うと負けフラグって事なくなくないですか?(´・ω・`)

藍染隊長の卍解、鏡花水月(…でしたっけ?)は、けっこう恐ろしい技だったのですけど、あれはもう使わないのかな?…いや、今の変化自体が鏡下水月で映された幻覚かもしれないという所があの技の恐ろしい所なんですが…。あれを残して最終アイテム崩玉を使って変化してしまったのは、かなりヤバイ気がしなくもない。先ほどの脅威を感じないってのは、姿形を変えて「どや?恐ろしいやろ?」ドヤ顔なのは、逆に「あ、弱そう」って思ってしまうし、この先“最終形態”を目指して変化を繰り返しても「画」からラスボス感を出して行くのはちょっと困難に思えます。

何が言いたいのかというと「ブリーチ」的最終決戦感ってどうやって出すのかなあ?どうやったら出せるかなあ?とか考えたりしているんですね。まあ、割と近い構造だった「ドラゴンボール」のZ期とか、別に魔人ブウ、さほど最終決戦っぽさは無かったと思うので、そんな事考えなくてもいいと言えばいいのですが…。
ある種、全編最終決戦なテンションで、バトルを積み上げて行く「ブリーチ」は、本当に、かなり戦いの差別化はつけづらくなっている。(ふふふ、この私に勝てるかな?)→(油断したな!奥の手!どかーん!)→(…これがどうかしたか?)→(ば、ばかな?奥の手が!)→(お前は今、油断といったが…以下お説教タイム)→(では、こちらから行かせてもらう!すっごい破壊力!ばばーん!)→みたいな?こんな感じが「ブリーチ・メソッド」の骨子として、まあ、これがこのままラスボス戦まで、この延長の形でいいと言えばいいのですけどね。それでもかまわないっちゃあ、かまわない。

んでも、ここから、突き抜ける形でラスボス戦の“形”ができると「ブリーチ」フォーマットは完成するんじゃないか?とか思ったりもするんです。

一戦、一戦は今のフォーマットで組み上げて行き。それで最終戦で、ああ、最終戦だなあ…って盛り上げ感が出せれば、それだけで、もう何も付け足す必要がないというかね…。いや、別に具体的なイメージがあるワケじゃないんですけど…(汗)
う~ん、たとえば「クレヨンしんちゃんブリブリ王国の秘宝」で、ミスター・ハブとアナコンダが何で恐ろしい敵だったかと言うと…(←なに言い出した!?)シンちゃんの「ぞ~さん、ぞ~さん」とか「ケツだけ星人!」とかのシンちゃんギャグが一切通じずマジで居続けたからなんですよね。
…だから、たとえばそういう感じに?「うわぁ!!この超・藍染!!『ブリーチ』の文法が全然分かってねえ!!?」とか、「超・空気ヨメてねえ!!」とか、これまで積み上げて来た「ブリーチ・メソッド」を全然分かってくれない相手だとラスボスとしては、正に恐るべき敵になるかなあ?なんて思ったり。それはこれまでの「ブリーチ」が、キッチリカッチリ一定のリズムで話を積み上げて来たから生まれる恐ろしさにはなる…気がしないでもない(`・ω・´)いや、ロジックだけですね。ヴィジョンはないです(汗)

…まあ、このフォーマットのままラスボス戦をつっきってもそれはそれで美しいとは思うんですけどね。どうなるんでしょうねえ。

あにめラジオ(USTREAMテスト)

2010年05月15日 | 漫研ラジオ
終了しました。ありがとうございました。録画データは下のURLから観れます。

http://www.ustream.tv/recorded/6939341



真・恋姫無双 ~萌将伝~
クリエーター情報なし
BaseSon

いちばんうしろの大魔王 (HJ文庫)
水城 正太郎
ホビージャパン

WORKING!! 1 (ヤングガンガンコミックス)
高津 カリノ
スクウェア・エニックス

B型H系 1 (ヤングジャンプコミックス)
さんり ようこ
集英社



ルイさんとUSTREAMでネットラジオをやります。内容は新作アニメの雑談ですね。それとUSTREAM自体のテスト放送を兼ねています。

5月15日(土)22:00(2時間くらい予定)

【漫研インターネットラジオ】
http://www.websphinx.net/mv/

【USTREAM URL】
http://www.ustream.tv/channel/manken



…んんん、なんかここに埋め込めないみたいですね。


「ファイヤーマン」諸君、私はバローグ星人が好きだ!(`・ω・´)

2010年05月14日 | 特撮


「ファイヤーマン」(1973年制作)コンプリート。地球の大異変によって太古の怪獣が復活する世界で、地底の大秘境アバン大陸から地上に使わされた青年・岬大介がファイヤースティックを使って超人ファイヤーマンに変身し、様々な怪獣、宇宙人と対決して行く物語。ファイヤーマンは何でピースサインを出しているんだろう?とか、ファイヤースティックってなんか変な形だなあ…なんでミサイル型なんだろう?とか色々考えてしまう超人です(´・ω・`)

円谷プロ創立10周年記念番組として制作され、同時期に「ウルトラマンタロウ」、「ジャンボーグA」がありますね。これらの作品と比較して観ると「ファイヤーマン」はかなりハードな路線……というかSAF(科学特捜隊)創設において各部門の科学者を招集してメンバーとする過程を描いたり、「どうして、この怪獣が出てきたのか?」という検証とか、そんな事をやったりしています……初期は(´・ω・`)ハード路線っていうよりリアル志向と言えますね。



僕はこの作品の第12話「地球はロボットの墓場」というエピソードが大好きで!岸田森さんの脚本なんですけどね。…宇宙船の試験飛行中の事故で孤島に不時着した岬は、そこで一人の少女に出会う。一方、SAFの本部では宇宙船の設計者・水島博士(岸田森)がロボットと入れ替えられて、本人は何処かに連れ去られるという事件が起きる…。って、あんまり時間がないので解説は省きますが(ネタバレもあるしね)、機会があったら一度観て下さい。ストーリー自体も好きなんですが、それ以上に(?)この回登場する、やたらハイテンションな宇宙人・バローグ星人が大好きなんです!!(`・ω・´)
な、なんかね!なんかね!すっごいハキハキ喋るの!それで感極まると時々「イイイイイイイイイイヒッヒッヒッヒ~!!!」って奇声を上げて笑うの!もう!すっげええ!好き!大好き!(`・ω・´)「イイイイイイイイイイヒッヒッヒッヒ~!!!」(←興奮している)

あと、星間航行技術があるのに、何故か自分たちを劣った文明人と考えて地球の文明を奪いに来るブリマ星人の話(22話)とか、夢の島に捨てられた楽器が怪獣化するハモニガンの話(24話)とか、なかなか忘れられないエピソードがあります。

データ更新(2010-05-13)

2010年05月13日 | DB作戦
こつこつとDBの入力もしたりしていました。(´・ω・`)

ところで土曜の夜(5/15 22:00頃)ルイさんと二人でUSTREAMのラジオをやります。アニメの新番組について雑談する予定です。

・「WORKING!!」 を新規登録しました。(2010/05/12)
・「最強武将伝 三国演義」 を新規登録しました。(2010/05/12)
・「GIANT KILLING」 を新規登録しました。(2010/05/12)
・「ひめチェン!おとぎちっくアイドル リルぷり」 を新規登録しました。(2010/05/12)
・「メタルファイト ベイブレード爆」 を新規登録しました。(2010/05/12)
・「薄桜鬼」 を新規登録しました。(2010/05/12)
・「MAJOR[第6期]」 を新規登録しました。(2010/05/12)
・「SDガンダム三国伝 BraveBattleWarriors」 を新規登録しました。(2010/05/12)
・「ジュエルペット てぃんくる☆」 を新規登録しました。(2010/05/07)
・「トランスフォーマー アニメイテッド」 を新規登録しました。(2010/04/30)
・「Angel Beats!」 を新規登録しました。(2010/04/30)
・「いちばんうしろの大魔王」 を新規登録しました。(2010/04/30)
・「会長はメイド様!」 を新規登録しました。(2010/04/30)
・「おおきく振りかぶって~夏の大会編~」 を新規登録しました。(2010/04/30)
・「B型H系」 を新規登録しました。(2010/04/30)
・「HEROMAN」 を新規登録しました。(2010/04/30)
・「真・恋姫†無双~乙女大乱~」 を新規登録しました。(2010/04/30)
・「一騎当千 XTREME XECTUOR」 を新規登録しました。(2010/04/26)
・「爆丸バトルブローラーズ ニューヴェストロイア」 を新規登録しました。(2010/04/23)


My Soul, Your Beats!/Brave Song 【初回生産限定盤】
クリエーター情報なし
アニプレックス

REALOVE:REALIFE(初回限定盤)(DVD付)
スフィア,畑亜貴,rino,黒須克彦,大野宏明
ランティス

TVアニメ「けいおん!!」オープニングテーマ GO!GO! MANIAC(初回限定盤)
放課後ティータイム〔平沢唯・秋山澪・田井中律・琴吹紬・中野梓(CV:豊崎愛生、日笠陽子、佐藤聡美、寿美菜子、竹達彩奈)〕,大森祥子,Tom-H@ck,小森茂生
ポニーキャニオン