【2月第4週:GANKON 第十八願 型破りな男】
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【漫研】
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『アゲイン』(作・久保ミツロウ)が、未知の展開というか、何と言うか……僕も長い事、週刊少年誌を読んでいるので、1つの描写を観ると、それを起点に複数のストーリーの展開パターンが頭の中に浮かんで、で、実際の展開を読んで「ああ、この展開で来たか…」みたいな感覚で読んでいたりもするのですが、『アゲイン』では、そのヴィジョンが出づらいと言うか……時間をかければ「こういう、パターンはあるかな?」みたいな事は言えるんでしょうが、ぱっと、即座にイメージが浮かぶみたいな事がなくって……要するに「先の読めない展開」になっています(`・ω・´)
『アゲイン』は友達も無し、部活も無し、何も無しで高校3年間の生活を終えた男、今村金一郎は、卒業式の日に3年前にタイムスリップしてしまう。事態を正確に把握せぬまま、今村は3年前に気になっていた人物、応援団の宇佐美良子に声をかけ、応援団に入部してしまう。応援団が宇佐美団長一人で廃部になってしまう未来を知っている今村は、その未来を何とかしようと考え始める…といった『物語』。
最初は、普通の「やりなおしモノ」にも観えて、ああ…じゃあ、この類型の物語に最終的にかかってくる倫理的な圧力というかチート人生に対する糾弾のようなものは、どうやって緩和 or 回避するんだろうか?みたいな読み方をしていて、それは以前の記事でも書います。(↓)
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今週の一番『アゲイン』~今村金一郎は振り返らない
…で、その問題は、今も生きているとは思うんですが、しかし、今村が一度、元の時間軸へ戻る展開と、そこから呼び戻される展開が入る事によって、たとえばもっと複数回行ったり来たりをして、両方の時空を「何とかする」展開になるのか?とか、それでも、彼岸の時空のみを救って、今村は此岸に帰るのか?とか、なんか上手く惑わされている展開になっています。でも、面白い。
何か、ヒロイン(?)の団長のダメっぷり、残念っぷりが、回を追う事に増してきていて、そこに目が離せなくなっています(笑)「この人……なんとかしてあげなきゃ!」って思ってしまう。登場時は、誰に理解される事がなくとも我が道を行く、颯爽と、かつ孤高の人……みたいな幻想を醸しだしていたんですが…「高校生にその格はカッコ良すぎだよ」とツッコまれてしまったような。
いや、多分、団長、気持ちはそういう人なんでしょうけど……あれですね。
孤高の一匹狼でいる事にもスキルがいるんだなあ…って、しみじみ、思わせてくれるような、そんな残念さが堪らないです。気持ちだけじゃダメなんですね。