今何処(今の話の何処が面白いのかというと…)
マンガ、アニメ、特撮の感想ブログです。




【メタキャラクター】

【8月第1週:バチバチ 第62話/無駄…!?】
http://www.tsphinx.net/manken/wek1/wek10475.html#653

【漫研】
http://www.tsphinx.net/manken/

最近、『メタキャラクター』についての思考を巡らせていて…微妙にルイさんに誂われている気がしないでもないですがw(´・ω・`)構わず行きます。…ただ、ちょっと思考の方針というか外郭は何となく見えてきたので、ちょっとここでまとめておこうと思います。

元々はオフ会やネットラジオなんかで話していた『うみねこのなく頃に』や『化物語』の話題(※ここらへんも文字起こしして記事にしないとなあ…ちょっと今細かく語ると長くなり過ぎるので省略します)で出てきた『メタキャラクター』という考え方に、直感的に、面白さを感じて色々思索していたんですが……どうもこれは『情報圧縮論』の次のステップの話になってくるのかな?と現状感じています。…『情報圧縮論』の話も語ると長くなりますね。今回は走り書きのつもりなので、やはり省略します。(興味のある方はブログ内を検索してみてください)いずれ、もっと明確にリンクさせて語ることができたらいいなと思います。

一応、twitterでの『メタキャラクター』に関するメモ書きをtogetterにまとめていて非公開にしていたんですが解除して置いておきます。メタキャラクター自体はずっと古来(?)から存在していて、ただ、大抵は作者のおふざけ止まりで描かれていたと思います。これをもっと物語構造の中核に組み込んで行くとどうなるか…?という方向でつぶやいています。

【メタキャラクター・メモ】
http://togetter.com/li/42956

たとえば僕はこっち(↓)で「死亡フラグ」は、「情報圧縮」の最も完成された形態の一つだと思っています。セリフ一つが凄く昇華されて「物語」にまで達しているんですよね。と言った話をしているワケですが…

【「情報圧縮論」と「死亡フラグ」の話
http://togetter.com/li/24899

同時に、その死亡フラグを外す、ひいてはあらゆるフラグを外す(躱す)『フラグ外し』の話もしています。(『フラグ外し』って情報圧縮の次のステップの話ですよね)それは言ってしまえば「明日結婚するとつぶやいた人は程なく死んでしまう…なんて法則は本来(物理的にも物語的にも)どこにもないよね?」という話に立ち返る事を意味しますが、死亡フラグが存在する事を知った上でそれをするのは“近メタ的な行動”になってくると思います。

「おれ、この戦いが終わったら結婚するんだ…」とつぶやいた兵士がそのまま戦って、そのまま生き残る。…え?じゃあ何でそんな話したの?と言うわけでもありませんがw「ああ、結婚するから何としてでも生き残ろうとして、そして生き残れたんだね、よかったね」と思えばいいのかもしれませんがw“フラグ”の存在を知っていて置かれた演出なら、それはかなりメタ的な演出と言えると思います。

それらの演出意図をキャラクターや事象に変換して『モジュール』レベルまで精製して行くと、そういう固まり、たとえばその一例として、メタ世界/メタキャラクターになって行くのではないか?…と今、考えています。


…で、ようやく本題ですけど。そんな事を考えながら読んでいたせいもありますが、この週の連載を読んでいくつかメタ的に気づいた所があります。


■メタ世界について



“あきらめると”は――!!!
それはまるで巨大なふるいにかけられているようなものではないだろうか――


『キングゴルフ』(作・佐々木健)の今週の冒頭シーンなんですが…。「ああ、ここって『メタ世界』だなあ…」って思ってwなんか言いがかりみたいな感じですがw
ユサユサ、篩いを振っているこの巨大な男は一体何を考えているのかなあ?(どんなキャラなのかなあ?)とか考えはじめると、メタキャラクター顕現の初期の欲求になるはずですw
『うみねこのなく頃に』(作・竜騎士07)にひっかけて話をすると、観劇の魔女フェザリーヌとかは、多分、この空間に存在ますよね。そしてこのユサ男(仮)くんは、何の名前もキャラクターも持たない下等な存在には違いないのですが、間違いなくあのメタ世界の魔女たちと同じモノだと思います。篩いの中のキャラ達が物語上の登場人物になれば分かると思いますが、やっている事は、魔女たちのゲームと大きな違いはありません。

ただし『キングゴルフ』のこれは、ある一状況を分かりやすく説明するワンポイントとして、“たとえ話”として、メタ世界が描かれたに過ぎません。しかし、より物語が(ある方向に)複雑化した時、むしろこの“たとえ話”の空間の方がメインフェーズになったりしないか?…『うみねこのなく頃に』の方はそこらへんを示唆している面があると思います。


■メタキャラクターについて



虚空「なるほど…
これは―…避けられぬな……!」


『任侠姫レイラ』(原作・梶研吾、漫画・米井さとし)のレイラの対戦相手である虚空僧侶が、レイラの攻撃を“わざと”受けるシーンですね。
武力というか……バトル能力的にはレイラよりも虚空僧侶の方がはるかに上だと思われます。しかし、レイラが虚空僧侶の攻撃を“わざと”受けきって~わざとじゃなくても、虚空僧侶の攻撃は鋭くてかわせないから“わざと”に切り替えたのがミソ~みせた事によって、互いの攻撃を受けるという勝負に持ち込んだ為に、虚空僧侶はその攻撃を受けざるを得なくなった。
二人は闘技者以前に観客に物語を魅せる“プロレスラー”であり、その為の“ブック”(試合のあらすじ)によって支配を受ける存在だからこそ、能力的にはその攻撃を充分に避けられても、避けてはいけないという縛りを受けるワケです。(厳密には避けてもいいのだけど、その場合、虚空僧侶はそれに足る“別の物語”を見せなくてはならなくなる。ここらへんは、メタ世界のバトルという観点に対しても重要な示唆があると思う)

今、厳密な意味でのメタ世界をメインフェーズとして見せているのは、僕の知る限り『うみねこのなく頃に』くらいで(これも、さらに突き詰めるとあやしくなる(汗))、そのため突き詰めて話をするとサンプルのない、上っ滑りな感じになってしまうのですが、擬似的だったり、設定的だったりの形で、メタ世界を垣間見せている作品は少なくなく、当面はここを参考に話を積んで行くことになると思います。
『任侠姫レイラ』の場合、メタ世界を見せる事はないですが“ブック”の存在によって、作品内に、物語現実の世界と、“ブック上の世界”の二つのラインが展開する事になる。これは物語現実の世界を“ブック”を観測するメタ世界、“ブック上の世界”を観測される物語上の世界というシフトに見立てる事ができます。

つまり、避ける選択肢を持ちつつも「これは避けない」という判断をするのはメタ上の虚空僧侶であり、ブック上(物語上)の虚空僧侶はそもそも避けるという選択肢を持ってはおらず、おそらくその可能性を考えすらしないであろうという、“二人の虚空僧侶”が現われるわけです。

そして“ブック”の支配下にない、少なくとも“ブック”を破る選択肢を持った虚空僧侶は、メタキャラクターとしての性質を備えていると言えます。ここは以前に『めだかボックス』の球磨川が垣間見せた選択肢でも語っていますね。

【『めだかボックス』球磨川禊のメタキャラクターとしてのメモ書き】
http://blog.goo.ne.jp/ldtsugane/e/b35af27375c5407fac0aa336a91db104
球磨川「『老人なら攻撃されないと思った?』『黒幕ぶっていれば安全だと思った?』『僕が可愛らしい顔立ちだから』『おしゃべりの最中なら死なないと思った?』――『甘ぇよ。』」

不知火半袖「あたしもマイナス十三組に入れて頂戴。そろそろあたしもストーリーに参加したくなっちゃったよ☆」



『情報圧縮論』の現状の到達点として“『元型(アーキタイプ)』への接続”“『情報圧縮』の顕現”というのがあるのですが(繰り返しますが、詳しくは省略)、たとえば僕は以前『天元突破!雨宮ゆり子』という記事を書いて…(↓)

【天元突破!雨宮ゆり子!】
※いきなり音楽がかかるかもしれませんので気をつけて
http://www.tsphinx.net/manken/room/clmn/j_amemiya1.html

かなり評判だったんですが、この話、ある程度「昔のラブコメは何があろうとメインヒロインと結ばれる結末になる事を優先した」という経験実感と、それに付随する多少の悔しい思い(?)みたいなものがないと分からない/盛り上がらない話でもあるんですよね。あるいはハーレム系とか、ゲームなどで別EDの選択肢が提示された以降のラブコメのみに接している人だと、その感動は半減するかもしれない。
当然、そこらへんを文章に直し説明して、僕の中にあった感動を『伝達』しようとしたのがこの記事なワケですけど。…それをこういう評論的な記事ではなく、純粋に物語上に再現しようとしたら、どういう方法があるでしょうね?

「従来のラブコメはこうだったけど、この物語はその慣習的な縛りを突破するのだ!」…とか、そのまんまで野暮ったく書きますかね?…ここらへんの表現で“『情報圧縮』の顕現体”として、メタ世界/メタキャラクターは有用なツールに成り得るのではないか?と考えています。

というか『送り手』が(↑)こういう事を考えていてたとしても、従来はそれは心の内に留めて作品上の表現としては、あまり持ち込まない。ある種、隠しテーマだったり、作者の心の満足的に留められていたものだったりもしたと思います。その心の満足を、なんとな~く、嗅ぎとって、当てずっぽう述べるのもおたくの醍醐味だったりしますけどw(汗)
それって別に隠さなくてもいいんじゃない?キレイな形で顕現させる方法があるなら『送り手』として、送り出せばいいよね?…そうすると多分、本来、物語上に載せられなかったモノ(載せられないと思ってしまったモノ)を載せようと思うと、メタな世界に載せて行く事になるかな?と。

ちなみに、ここらへんの話。『うみねこのなく頃に』がほとんど体現していて、さらに先に行った話をしていますね。…すごい作品だと思います(汗)w


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@gigir:何故か受け付けられないものというのはどうしてもあるので、そういうものは性急に理由を貼らずにとりあえず「よくわからないもの」フォルダに放り込むようにはしている。

@LDmanken:@gigir >そういうものは性急に理由を貼らずにとりあえず「よくわからないもの」フォルダ|良い姿勢だと思う。嫌いなものを理屈付けると人は自然その理屈に縛られるし、理屈付けした時点から「嫌いなもの」が「間違ったもの」に変じて、それと気づかず心を固定させてしまう人は多い。

@LDmanken:@gigir →しかし同時に「嫌いである」事、あるいはそれ以外の心象を含めてなぜそう思ったか説明できる(理屈付ける)準備も必要。「嫌いなものは嫌い。説明は特にない」では取り付く島がなくて他の人の「好き」を吸収しづらいんだ。→

@LDmanken:→でも人は自分の意見は正しいと思わないと、それこそ生きていけない面があるけど、それでも『言葉に縛られる』事を意識して、理屈を紡ぎながらも、そこに縛られない意識が必要。特に『物語を愉楽』するこの世界は現実世界と違って間違っていたからって生命は取られない。安心していい世界なんだ。→

@LDmanken:→そうすると今度は『縛られている』『囚われている』という指弾が生まれ、僕も場合により使うけど、他者の『言葉』を真摯に受信しようとしたと胸を張れるなら「それでも納得できない」事はそれでいい事。この世界は『分かったフリは最悪』なんだ。


ちょっと前にTwitterでのGiGiさんのツイートに反応して一方的にレス打っていた内容なんですけど、けっこう僕がこのブログでぼちぼちと書いている『物語愉楽論』の基礎にあたる部分の要点をまとめているなあと思ったのでこっちにも書き出しておきます。
「嫌い」と発っしない事、あるいは性急に嫌いな理由を貼らない事は、その行為によって自分が縛られる事(人間、誰しもそういう性質はあると思うんですよね)の“損”を示していると思いますので、今回、そのタイトルで行きたいと思います。(いささか強引ですが)

さて、ここで語っているのは、ある事象について“嫌いなもの(?)”→“楽しめないもの”となった場合の処し方の話なんですが、そんなものに何で理由付け、説明付け、理屈付けが必要かと言うと『物語愉楽論』から言うと、なるべく手際よく“楽しめるもの”に変化させるためなんですよね。僕はそうするために一番効率いいのは“楽しんでいる”人の話を『受信』する事だと思っています。
だから、ほとんど唯一の伝達手段である『言葉』の使い方を磨く必要があって、そのため『言葉』という“ツール”の説明を『物語愉楽論』の最初の基礎段階の話として書き綴っているのだけど、そこから、なかなか先のフェーズに進めずに今日まで来ています(汗)…まあ、いいんですよ。ぼちぼち書いて行きます(´・ω・`)(←)

ただ、まあ、ちょっと『言葉』というツールの扱いの話は本当に重要なんで、繰り返しですが、以前の記事をいくらか引用します。

【言葉はツール】
http://blog.goo.ne.jp/ldtsugane/e/338f2a8d55210bab964216e766e26e9f
元々、僕は「言葉」というものに対して、これはもの「凄い力」だなあと思っています。そもそも今、こうやって文章を書いていること自体で僕は「言葉」を駆使しているわけですが、これで僕の思考が読んだ人に伝わってしまうんですね。……なんで伝わっちゃうんでしょうね??wこれはもう単純に凄い事だと思うんです。そして「言葉」は内的な思考をする際にも駆使されます。多分「言葉」がないと人間ってまともな思考できないですよね?これも凄い……っていうか不思議な事ですw
この「言葉」を上手く使う事を心がけて磨いて行くと、他者に自分の思考が伝わる率が格段に上がって行くはずです。また、他者の言わんとするところを効率よく理解したり、場合によっては他者の言の1から10の事を得られるようになっていったりするはずです。ネット界隈、おたく界隈には、こういう“魔法使い”ならぬ“言葉使い”が多いと思いますのでwwwその「愉しさ」ってのは説明するまでもないかと思います。

ただ、そういう理屈屋にも気をつけなければならない落とし穴があります。それは意志伝達のツールであるはずの構築論理に、自分が逆に使役されてしまうという事です。(というか元々「理に屈する」というのはそういう意味なんですけどね)
たとえば自分が「面白さとは展開の意外性だ」という理屈を構築したとします。そうすると作品を「意外性があるか?ないか?」で区分けし意外性がなければ「つまらない」と断じる事になります。
まあ「自分の意図を披露することと、自分の視界の狭さを披露する事はコミ」なんで、ここまでは仕様がないんですが。問題は構築したこの論理に使役されて、ここから出れなくなってしまう時がある事です。「歴史考証が正しくないと面白くない」「科学考証が正しくないと面白くない」冷静に考えれば、そんな事はないのはすぐに分かるんですが、面白い事に、人間ってのは自分でそう考えると、本当に「面白く」感じないんですね。何でって「人間の心は外界の作品の真偽よりも自分の構築した論理が正しい事の方が大切」なように出来ているので(笑)
心象はいつもニュートラルな必要があります。そこらへん理屈が“どういうツール”であるかを認識していれば、そんなに踏み外す事はないと思います。まあ、実はそこを越えると今度は自分の“視界の広さ”に価値基準を置いて、無理に己の心象を騙そうとする「何でも面白い病(あるいは何でもアリ病)」が待っているのですけどね。長くなったので、それはまた別の機会としておきます。


今、『言葉』を人間の持つ唯一の伝達手段…として語っているのですが、考えてみると、人間にはまだ画とか、音楽とか、料理とか、伝達手段はありますねwしかし、形而上的な事象も含めて己の意図を(他の手段に比して)ブレを少なく情報量多く伝える手段はやはり『言葉』なのだと思います。

さて、今、『物語愉楽論』的には“楽しめるもの”に変えるための目的として『言葉』を使うという姿勢をとりましたが、これを別の目的で使うと、その運用方法はかなり違うものになってきます。
たとえば、この“嫌いなもの”(楽しめないもの)を“嫌い”である事は“正しい事”であると“説明”しよう……という目的とか。あるいは“正しい事”かどうかは言及しないとしても、“嫌い”である事を自ら肯定するために自分のその嫌いの形を“説明”しよう……という目的とか。

いや、どういう姿勢(目的)を良いとか悪いとか言うつもりもないんですけどね。ただ『物語愉楽論』的には“楽しめるもの”に変えたい。少なくとも他に“楽しんでいる”人がいるのに、その感覚が共有できないままである事を変えて行きたいと、そういう目的で『言葉』を紡ぐので、その場合の『言葉』の紡ぎ方~姿勢は自ずと決まってくるだろうと考えています。

GiGiさんなんかは長年のつきあいで、こういった目標、目的自体は意志を同じくしているはずです。だから~何故か受け付けられないものというのはどうしてもあるので、そういうものは性急に理由を貼らずにとりあえず「よくわからないもの」フォルダに放り込むようにはしている。~こういった『言葉』は、自ずと決まるその姿勢を“正しく”示しているし、その目的に沿う意味で、とても知恵ある姿勢だと思うんです。

「それでも説明をつけろよ」と言い添えようとしている僕の方が半ばイチャモンです(汗)しかし、まあ、ちょっと詰めた話をすると、こういった事は正に中庸(バランス)を尊ぶもので「よくわからないもの」という場所にいつまでも居るのは、やはり(目的に対して)“毒”というべきでもあります。理由、理屈をつけてそこに縛られてしまう事を回避はしましたが(他にも色々回避しています)、今度はそこを回避した安心に“縛られて”「よくわからないもの」に留まってしまう。「嫌い」に縛られないために「よくわからないもの」に入れたけど、そこに留まるなら「嫌い」という箱のタイトルを、「よくわからないもの」というタイトルに差し替えたのと大差なくなるんですよね。(変えるだけでも意味はありますが)
同じように“楽しめるもの”を目的としていると、楽しめたら安心してしまって、そこに“縛られ”やすくなってしまうんですが、それも詰めて行けば“毒”と言えます。……まあ、ここまで根詰めなくてもいいっちゃいいんですけどね(汗)しかし楽しむ……『物語愉楽論』では“愉楽する事”としていますが、これは元々ゴールがある話ではないという意識が必要です。

理由/説明を紡げば(自己肯定の理論武装を目的とせず、変わろうという意図に正しく沿えば)自分の『無様』は自ずと晒されると思います。『無様』が見えればそれを少しずつでも修正して行く事ができます。『物語愉楽論』では『言葉』をそういう目的で紡いで行きます。
まあ、そうやって『言葉』の加工をする事によって、本来の自分の心象そのものまで加工されて“形を変えて”しまう恐れもありますねwそれも『言葉に縛られる』というもので、人間の依存度が高い分、何かと『言葉』というのは恐ろしいツールなんですが、その特性を理解して上手く使って行きたいと思います。

また、この話、現実世界ではそうも言ってられない所もあるんですけどね。「現実は、がむしゃらに来るし」なんて歌詞がありますが、現実はすぐに“答え合わせ”を要求するので、縛るとか縛られるとか以前に、これが正しいと決めつけて行動しなくてはならない時があります。…というか、そんなんばっか。(´・ω・`)
でも、今話している“ここ”は『物語を愉楽する世界』の話ですからね。一ところに留まるのは“毒”とは言え、それは“やがて”でも構わない。ゆっくり落ち着いて、じっくりと“答え”を探って行けばいい場所だし、まず、そこを愉楽するのがいいんじゃないかと思います。

『言葉に縛られる』というのは、自分の目的と意味を正しく理解する事によって、一時的に縛られても、また目的の道へ立ち返る事ができるはずです。今の自分の言動は自分の目的に沿ったものであったかチェックをするんです。


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【8月第1週:ベイビーステップ #129 勝者】
http://www.tsphinx.net/manken/wek1/wek10474.html#652

【漫研】
http://www.tsphinx.net/manken/



あ……風間くん死んじゃったよ?(´・ω・`)ゞ これはちょっと驚きました。しかし、状況を整理して考えると、この展開なのかなあ…とも思いましたです。
ラブコメ・ストーリー『君のいる町』(作・瀬尾公治)なんですが、かいつまんで説明すると、無事(?)遠距離恋愛する事になった青大と柚希なんですが、しばらくすると、柚希からの連絡が途絶えてしまって、さらにしばらくするとお別れの手紙がやってくる。納得いかない青大は転校して東京に乗り込んで柚希に会いに行くのですけど、居留守を使われる。さらに事情を探ると、柚希は東京で青大が知り合った風間くんと付き合っていて、風間くんは余命三ヶ月の大病を患っていたと。…ここまではいいよね?(´・ω・`)

んで、正直に言うと柚希ちゃん、風間くんとはどう見ても、同情で付き合っているようにしか見えなかったんですよね(汗)なんでしょうね?本気で、風間くんが好きだったら青大を随分嫌~な振り方したなあと言うか…。しばらく音信不通で、その後一方的にお別れの手紙とか、ヒロインとしてね。「本当は青大が好きだけど止む無く諦めさせたい(嫌いになってもらいたい)」ならともかく「他に好きな人ができて相手に嫌いになってもらいたい(あるいは本当に連絡忘れてた)」って言うのは、ヒロインとしてね。随分、いや~んな感じですしね。他の描写観てもやっぱり青大が好きに見える。

そうこうする内に、風間くんは回復か死かという手術に打って出てしまいます。これで風間くんが回復してしまうと、その後、ラブコメの力場に合わせて柚希が青大とヨリをもどす時に「すみません、同情で付き合ってました」というヒロインの“嫌さ”がなんかむき出しになっちゃうんですよね(汗)無論、物語として風間くんとず~っと付き合い続けるわけにも行かないですよね。全快の風間くんと、青大が柚希ちゃんの取り合いをするのも、そういう展開を想像すると(負けの決まっている)風間くんが痛々しすぎて見ていられなくなる。
そうするともう、風間くんにここで退場いただくしか手はないのかなあ……って話になってきますが、その選択は余計後味が悪くなっているんじゃないか?って気がしないでもない(汗)確かにラブコメ(?)の障害としては相当な所まで引き上げられていると思いますが……この状況はそもそもがヒロインの安い同情が原因じゃなのか?って疑惑が払拭できないと、残された二人を可哀想に思えなくって。どうも胃のあたりがぐじぐじと傷んでよろしくないです。

…ってな事を考えたりしているんですが。まあ、いろいろ思い返すと「翔んだカップル」なんかも、人死にが出たりしていたなあ……それで、主人公とヒロインはぎくしゃくして、結局、二人が結ばれる事はなかったなあ…。なんて思い出したりもしました。『君がいる町』はどうなるんでしょうね?


君のいる町(10) (少年マガジンコミックス)
瀬尾 公治
講談社



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放送終了しました。ありがとうございました。(↓)録画データです。(その1~2)が検証編、(その3)が推考編という感じでしょうか。なんかep6以降になると、色々ひっくり返されてしまうらしいのですけどね(汗)まあ、そこはそれという事で。(´・ω・`)

【『うみねこのなく頃に』@漫研ラジオ】
(その1)http://www.ustream.tv/recorded/8980998

(その2)http://www.ustream.tv/recorded/8982124

(その3)http://www.ustream.tv/recorded/8983623



【うみねこのなく頃に】うみねこのなく頃に
コスパ
コスパ



こんにちは。夏期休暇のほとんどを『うみねこのなく頃に』に捧げてしまったLDです。(`・ω・´)そしてルイさんに言ってEP.1~EP.4まで無理矢理やらせていました。(人にここまでやらせるのは15~6年ぶりな気もします)そして締め括りにラジオを予定しています。

ネタバレあり、で今回は真相系(?)主体の話をしようと思っています。エンタメ系の話はまた別に機会を設けてもいいかなと考えています。それぐらい僕の心臓に直撃でした。

8月17日(土)21:00(納得するまで)

【漫研インターネットラジオ】
http://www.websphinx.net/mv/

【USTREAM URL】
http://www.ustream.tv/channel/manken

それではよろしくお願いします。


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『ヴィンランド・サガ』(作・幸村誠)9巻買ってきました。11世紀、主に北海沿岸部を卓絶した航海術で闊歩したヴァイキングをテーマに描かれた大河ドラマ…ですね。いやぁあああああ!!クヌート王、超カッコいいっす!(`・ω・´)マーシア伯領を狼煙一発で灰燼に帰してしまうシーンとか、マジ、ぱねえっす!!トルフィンにも早く立ち直って欲しいっす!!



…で、まあ、それはそれとして、ちょっと前に『小さなバイキング・ビッケ』(1974年制作)を録っていまして。観直したりしていました。(`・ω・´)(←)本当は全78話なんですか、ファミリー劇場の野郎が信じられない暴挙に出て、たった52話しか放送できないとぬかしやがりました。まあ、そこまでは録って勘弁してやりましたが。
『小さなバイキング・ビッケ』はスウェーデンの作家ルーネル・ヨルソンの原作で、フラーケ族の族長ハルバルの一人息子ビッケが、父と共に大海原に乗り出す物語。ビッケはヴァイキングとしては臆病で、身体も小さく力もないが、優しい心を持ち知恵を駆使して様々な危機や困難を乗り越えて行きます。

この時期、伝説の頓知アニメ『一休さん』(1975年制作)も放送されており、一休さんと、ビッケは、正に頓知ヒーローの双璧、東の一休/西のビッケと持て囃されたものです。ソース俺。(←)
しかし、どちらかと言えば屁理屈が多く、相手を口でやり込め、南北朝時代最強の巨人・足利義満こと“将軍さま”の寛容さに甘え、大人をなめきってる一休さんに比べて…(`・ω・´)(←こ、こ、こいつ、何か一休さんに恨みであるのか?)ビッケの知恵は失敗すれば捕まったヴァイキングの運命、すなわち死刑!か奴隷!、あるいは海の藻屑と消えるなど、命がけのものだったと言えそうです。…いえwどっちの作品も、僕は大々々大好きですよ?w『一休さん』もかなりシビアな話があるのですが、それはまたの機会としましょう。

さて、今回、観直した時に僕が気を向けていたのは、『ヴィンランド・サガ』を読んでいた事もあって、彼らの海賊行為がどのように描かれていたっけ?という部分ですね。…なんかなかね。『ワンピース』や『フルアヘッド・ココ』もそうですし、『キャプテン・ハーロック』なんかもそう(義賊的という意味)でしたが、海賊って昔の少年の憧れのヒーローだったはずなんですが、近年になればなるほど、なかなか海賊行為を描くのはむつかしくなってますよね(汗)(『パイレーツ・オブ・カリビアン』とかどんな感じなんだろう?)
…で、『ビッケ』はどうだったっけなあ?と。確かにいろんな所に出かけて行って、宝物なんかも手に入れていたんで、何かしら“はたらいて”いたはずだよなあ…とか思って再生してみたんですが…。



略奪!ktkr!!(`・ω・´)

いや……滅多にうまく行かないんですけどねwでも、ヴァイキングは交易もしていたとは言え(『ビッケ』の劇中でもブルガリアにアザラシの毛皮を売りに行く話がある)海に出ていって全くそういう部分をスルーしていまうのはどうかと思うし、そういうものも含めて愉快で楽しいヴァイキングを描けてしまうのもマンガやアニメの力だと思うんですよ。僕が森やすじさんと並んで好きなアニメーター・関修一さんのキャラクターデザイン(原作の元絵とかありそうだけど)が素晴らしく利いて、愉快で楽しい、子供に是非観て欲しいアニメになっています。

あと、『ヴィンランド・サガ』を読んでいるせいもあって、ビッケたちがイギリスに行った時に「この土地は1ヶ月前に、我々ノルマン人が占領した」って連中が出てきた時は、かなり感慨深かったですwちなみに、ヴァイキングを狙って上前をはねる“いじわる海賊”が出てくるんですが、その海賊の船長の名前は“スヴェン”って言いますwまあ、後半になってくると、かなり時代考証混ざっちゃうんですけどね。ビッケがグリーンランドに到達するあたりまでは、子供向きに分かりやすく(土地の名前を今の呼称に)しながらも、できるだけ時代に沿って描かれていますね。
いろいろ、無理に難しく語っているようですが、要するに、人間の拡散の物語ばんざい!!\(`・ω・´)/



ヴァイキングの航海 緑色はヴァイキングの居住地(植民地)、青線は航路、数字は到達年。(Wikipedia)

イギリス、オランダ、ブルガリア♪氷の海もなんのその♪
グリーンランドにお散歩さ♪そ~れ、世界の海へ出航だ♪
ビッケ、ビッケ♪ビッケ、ビッケ♪
たのしいバイキング~♪小さなバイキング~♪



ヴィンランド・サガ(9) (アフタヌーンKC)
幸村 誠
講談社

小さなバイキング ビッケ DVD-BOX1
TVアニメ
ビデオ・パック・ニッポン


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【メタキャラクター】



球磨川「『老人なら攻撃されないと思った?』『黒幕ぶっていれば安全だと思った?』『僕が可愛らしい顔立ちだから』『おしゃべりの最中なら死なないと思った?』――『甘ぇよ。』」

不知火半袖「あたしもマイナス十三組に入れて頂戴。そろそろあたしもストーリーに参加したくなっちゃったよ☆」


先日のラジオ(TVアニメ放談)の後に、しばらくルイさんと話をしまして――ちょっと出てきた話題のメモ書きをしておきます。いろいろ端折って書くのでいろいろ説明不足かもしれませんけどね。(いつもの事か?)
最近ちょっと、『メタキャラクター』という観方を思考していまして……『メタキャラクター』とは何か?というと『物語』内において、物語読みと同じ視点を獲得しているキャラクターというか…。まあ、まだちょっと考えまとめてないんですけどね。

(↓)方向的な話はさらに以前、ペトロニウスさん、哲学さんとやったラジオの方で『化物語』をネタに語っています。

【『化物語』@物語三昧ラジオ】
http://www.ustream.tv/recorded/8456799

…で、『めだかボックス』の球磨川禊(それと球磨川と一緒と言われる不知火半袖)が『メタキャラクター』じゃないか?という視点があります。そのポイントになる部分が冒頭に引用した画像とセリフなんですが…。
かなり直感的な話なんですが、ここで球磨川が「甘ぇよ。」と言って不知火理事長をぶっ殺す選択を見せてしまう所がメタっぽいと感じたんですよ。例が上手く出てこないんですが、ここらへんで、こういった悪(カオス)のスーパーマンを呼び込んだときに、その黒幕って泰然として悪のスーパーマンと交渉しているんですが、この時、わりとあっさり悪のスーパーマンはこの交渉に乗るんですが、後からその実力差を考えると、あれ?なんであの時、あいつはすごすご引き下がったの?とか思う事があるんですよね。ないですかね?(汗)(´・ω・`)?

そこらへんを何でか?と詰めて考えてゆくと、まあキャラの心象としては「とりあえず」とか「試しに~」みたいな感覚があったのかなあ?という読みで落ち着いてくるわけですけど。それとは別に『物語力学』的にとでも言うのか「この時点で劇的なる展開が求められていなかった…」というような視点もまた考えたりもします。
今述べた話全部を球磨川くんが持つ必要はないんだけど、なんとなく不知火理事長と話していて、この場では理事長は「物語の流れ上、どういう形であれ、すごすご、この球磨川は引き下がると考えている?」…と球磨川がそう思ったセリフが上の引用かなとも思ったんですよね。そんな『物語』のシナリオとしてある当然の流れも自分は断ち切れるんだよ?と自分がそれをしないと考えるのは甘ぇよ?と、そういう宣言に見えたりします。
まあ、ここらへんは僕が西尾維新作品にいくつか触れて感じている感覚でもあるので、もう少し『戯言シリーズ』とかこの方の作品に触れて詰めて行こうと思っています。

ただ、もう一歩進めて考えたのは「それでも。やっぱり球磨川も、このシナリオの流れを断ち切る事はできなかったんだな」という事ですね。
確かに球磨川は、理事長が組んだシナリオは分かる。かつ、自分の物語上の能力は理事長の思惑に収まるものではない。…では最初っから律儀に理事長のシナリオに乗っている必要はどこかにあるのだろうか?球磨川はやりたい事をやりたいように為せばいいだけのキャラなのではないか?…そういう物語上の均衡が見えるのが球磨川のメタキャラではないのか?だから、その場が当然のように、儀礼のように過ぎ去って行くのは「甘ぇえよ」と宣言したのではないか?

…でも!そこまで宣言しても、実際に『物語』の流れを断ち切る事はしなかったんだなあ。できなかったんだなあ、とも思うんです。
切れないんですよねえ…wそれをすると、これまで組んできた構成が本当に激変して、不可逆の劇的なる展開にシフトしてしまうから。それは“できなかった”。
メタ視点を持っている……としても、現にそこにある『物語』の流れを改変して行くのは強烈な抵抗が伴う。ギャグマンガのように、その行為をギャグとして処理され得るキャラならともかく、切ったら切ったで別のシナリオを構成しなくてはならない分けで…。

メタキャラクターって一見強力に見えるけど、それを行使してしまうと必然的に物語そのものとぶつかり合ってしまう事になるのかも?とか考えたり。……以後思考継続。(`・ω・´)


めだかボックス 5 (ジャンプコミックス)
西尾 維新
集英社



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ペトロニウスさんと、ルイさんと、突発的にラジオをやりました。(↓)録画データです。


【TVアニメ放談2@漫研ラジオ(その1)】
話題~『永遠の0』『マブラブオルタネイティブ』
http://www.ustream.tv/recorded/8799012



永遠の0 (講談社文庫)
百田 尚樹
講談社

マブラヴオルタネイティヴ DVD-ROM版 リニューアルパッケージ
アージュ
アージュ


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放送終了しました。ありがとうございました。(↓)録画データです。

【TVアニメ放談2@漫研ラジオ(その1)】
話題~『祝福のカンパネラ』『H.O.TD』『オカルト学院』『アマガミSS』
http://www.ustream.tv/recorded/8774668

【TVアニメ放談2@漫研ラジオ(その2)】
話題~話題『黒執事Ⅱ』『伝勇伝』『セキレイ』『オオカミさん~』『あそびにいくョ』
http://www.ustream.tv/recorded/8776096


学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD 1 [Blu-ray]
田中将賀,佐藤大輔,佐藤ショウジ,黒田洋介,黒田洋介,マッドハウス
ジェネオン・ユニバーサル

世紀末 オカルト学院 1 【完全生産限定版】 [Blu-ray]
日笠陽子,水島大宙,高垣彩陽,茅原実里
アニプレックス

黒執事 II I 【完全生産限定版】 [DVD]
櫻井孝宏,水樹奈々
アニプレックス



前回、【2010年2Qアニメ選考@漫研ラジオ】が文字通り残念だったので(´・ω・`) また土曜日の夜にルイさんと、USTREAMでネットラジオをやる予定です。まあ7月~9月期(3Q)のTVアニメの放談をしようかと…。よろしくお願いします。

8月7日(土)21:00(1時間半くらい予定)

【漫研インターネットラジオ】
http://www.websphinx.net/mv/

【USTREAM URL】
http://www.ustream.tv/channel/manken


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【7月第5週:波打際のむろみさん #54 友釣りとむろみさん】
http://www.tsphinx.net/manken/wek1/wek10473.html#651

【漫研】
http://www.tsphinx.net/manken/



『神のみぞ知るセカイ』(作・若木民喜)の“女神探し問題”がかなり予想を許さぬ(?)展開になってきていますね。『神のみぞ知るセカイ』は、悪魔の世界から逃げた6万匹の“駆魂”を回収するために、ゲームの達人にして“落とし神”様と呼ばれている桂木桂馬が選ばれる物語。現在、これまで桂馬が攻略してきた女子の中に駆魂完全封印の鍵となる女神(ディアナの姉妹)がいるかもしれない…という情報から女神探しをしています。

…しかし、正直言って今の“2周目的”な展開の中で、攻略女子の中に女神がいるか?というとこれは想像し難い。僕なんかは設定挿し込んでエルシィかハクア、あるいは最近、悪魔だという事が分かった二階堂先生あたりが女神なのではないか?などといった想定~展開予想というより、一考レベルで想像した堅い手筋を押さえておく感覚に近いですね~をしているワケですが、これは『並列構造』に組み入れられた攻略女子が、一人だけ抜けだして『序列構造』の場に引き上げられる展開は不味いだろうという視点から導き出している事でもあります。

これはどういう話か?というと現状『神知る』はラブコメ構造について『並列構造』と『序列構造』の二本軸を両立させる事で構成されているんですよね。『並列構造』と『序列構造』はこのブログではけっこう色々な局面で持ち出していますが、ここで一度整理して述べてみます。
・序列構造 … 序列1位、序列2位とラブコメ的展開におけるある種の“優先順位”が決まっている状態のラブコメ構造。この場合、序列1位ヒロインとはおそらく主人公と結ばれる事が直感的に察知できるヒロインを指し、序列2位ヒロインとは1位ヒロインのライバルであり、おそらく敗れるであろう事が直感されるキャラを指す。以下、優先順位の直感が下位ヒロインを決める。傾向として昔のラブコメほど、この順位ははっきり明示と言っていい程のある物語作法で描かれる。

・並列構造 … 上記の序列構造に対するアンチテーゼとして存在するヒロイン構造。序列構造の強い作品ほど1位ヒロインが(『王子』と結ばれ得る)設定や演出を独占するが、並列構造の場合これらは下位ヒロインにも平等に与えられ、序列の存在を限りなく薄めて行く。ゲームなどでは選択肢の存在によってヒロインと結ばれる可能性が平等に配置される事によって『並列構造』を実現しているが、物語~それも一本軸の物語~の場合、この実現は非常に困難で、正確には『並列志向』の構造と言える。

・ハーレム構造 … ラブコメ的展開が求め得るヒロイン(もしくは『王子』)が3人以上いるラブコメ構造を指す。1~2名までは普通のラブコメ(プレーン・ラブコメとでも言うかな?)。このハーレム構造は序列傾向~並列傾向の1ゲージを持ちどちらかに強い傾向を持っている事の判定が可能。一方、序列傾向~並列傾向はハーレム構造じゃない2名までのラブコメ構造にも適用される関係を持つ。

ついでですが、ハーレム構造に関する記述も加えました。『神知る』の中で『並列構造』に関する言及は以前、(↓)この記事においてしています。

【今週の一番『神のみぞ知るセカイ』これからが本番…まで漕ぎつける力】
http://blog.goo.ne.jp/ldtsugane/e/f5cb9748c1f13df593645666576d2747
一昔前から、おたく界隈、萌え界隈では、作品内に複数(大量)のヒロインが林立する構造を持った作品が一大勢力を誇っていて、特に意図がなくても、とりあえず(その構造は)押えておけという感さえあります。…で、そういった、ある種飽和状態/供給過多な中で、より特徴を出し、よりウケるための試行錯誤が行われているのですが…そう言った作品群の中に「この構造」の完成形(?)あるいは“彼岸”が観えてしまう事があり、そこらへん僕は興味があって注目したりしているワケです。…まあ、これの“解答”の一つは既に出ていると思っていてwルイさんが言う「無菌室型」あるいは「愛でる型」とでも言うべきなのか?「らきすた」とか「けいおん!」のアレですね。……が、まあそっちはまた別の機会にするとして…。
何で主人公はこんなにモテしまうのか?(…ここを「そういうものだから!」と言ってアイデア無くスルーしてしまうと、一つ特徴出しを無くす事になる)という“作品群(ジャンル)の総体的臨界点”(?)を迎えている疑問に対して応えを用意している……と言う事と同時に、設定上「ヒロインを関連づけなしに登場させて良い」という利点を得ています。…関連づけというのは……たとえばメイン・ヒロインの妹とかね。友達でも良いですけどね。そういう縁というか、手続きなしにアイデア思いついたままのヒロインをそのまま、ばっと出せるって事です。実際、それってけっこう難しくって、今だともうハーレム構造を形成するにしてもヒロインの頭数を絞って長期化に伴うテコ入れとして一人新キャラ入れる…といった形に収まっているんですよね。これが「神知る」はもう串団子式にヒロインが増えて行けるというw

『序列構造』については(↓)ここらへんの記事で書いていますね。エルシィ~ハクア~天理+ディアナについての構造です。…多いなあw『神知る』についてはかなり色々書いてきていますねえ~。

【今週の一番『神のみぞ知るセカイ』まだ見ぬキャラクターを抽象的に語る】
http://blog.goo.ne.jp/ldtsugane/e/fac255c8deebe52018d6eca14dd5f33c
【今週の一番『神のみぞ知るセカイ』鮎川天理とは何者か?】
http://blog.goo.ne.jp/ldtsugane/e/8b368c8c18dd5bf13ed1171dabc8b48e
【今週の一番『神のみぞ知るセカイ』ディアナとは何者か?】
http://blog.goo.ne.jp/ldtsugane/e/0a9b9c93a6e29cb39820fe37b3f2d413
【『神のみぞ知るセカイ』@まんがラジオ】
http://www.websphinx.net/mv/radio/mangaRadio-091218.mp3

※一連の引用記事はヘッダーとしての役割を果すために改題しました。内容自体は特に変更していません。

当初、僕は『神知る』で登場して攻略されて去っていった(?)「攻略ヒロインたちをどうやって『序列構造』の場に立たせるか?」という注目の仕方をしていたのですが、女神探し問題はその想定をある種果していて、ある種ブレーキをかけている状態と言えそうなんですよね。

どういう事かというと、まず、『神知る』が天理+ディアナの到着によって、エルシィ~ハクア~天理+ディアナの『序列構造』によるラブコメ構造と、攻略ヒロインたちの『並列構造』の二軸が明確に形成されたイメージを持ってもらう必要があります。
先程、『並列構造』の説明で、一本軸の物語ではこの構造を正確に実現するのは困難と述べましたが、『神知る』は序列的展開構造から、攻略ヒロインたちを切り離す事によってこれを実現していると言えます。同時に、エルシィ~ハクアでは弱かった上位構造について、天理+ディアナが様々な設定をひっさげて到着したために、上位構造としての物語をかなり強固に固めてしまった所があります。

…今、ちょっとエルシィを序列1位見立てで『序列構造』と述べていますが、これは反論がある人もいるであろう…というか、単にハクアが明らかにオミソなだけで、こちらもかなり『並列』が志向された構造ではあると思います。
他の人があんまり想定しないであろう「ハクアが女神じゃね?」という指摘に及ぶのは、こちらの構造も並列に向かっているであろう事を『読む』からなんですが…。まあ、そうは言っても下位構造の攻略ヒロインたちの完全に近い『並列構造』を見れば、こちらのフィールドは、まだ『序列構造』で形成されているなと思うワケです。

これに対してせっかく創造された攻略ヒロインたちを、どう再活躍させるか?という問題が横たわっているワケで、当初、僕はなんとなぁ~~~くと言うかじわ~~っと“浸食”するように攻略ヒロインたちが上位構造(つまりメインストーリーに)食い込んでいけばいいかな?と思っていたんですけどね。というか『けいおん編』とかそんな感じでしたよね。
でも、それだと学校外のヒロインとか出しづらくなる(同じ学校でも桂馬との元の繋がりが低いと出づらい)…という事なのか、どうなのか、女神探し問題は一通りヒロインたちを再登場させる演出としては中々上手い(=ある種果たしている)のですが、設定が明確過ぎて先程言った、じわ~っと、上位構造に浸食するのが難しくなっている(=ある種ブレーキ)ような…気がしないでもない。

何しろ、誰か一人に女神でしたという“冠”を与えると、かなり強固に形成されていた下位の『並列構造』にヒビを入れたようなもので、かなり違和感が伴なう。僕は、教員子(長瀬純)や図書子(汐宮栞)が好きなんですが、彼女のどちらかが「女神でした!」…とか言われてもあまり嬉しくないんですよね。この感覚、なんとなく分かるんじゃないかと思いますが。まあ、故に、女神は攻略ヒロイン以外の「意外な人物」になると予想するワケですけどね。…さて、ここらへんどうなるか?

ブレーキ…という話をしましたが、画像で貼った陸上子(高原歩美)とかね。それほど“浸食”の方も緩んではいないようです。…というか女神問題よりも“本命”な気もしますね。
上位構造、下位構造という分け方をせずに、エルシィ~ハクア~天理+ディアナ、このヒロインたちの一角として“攻略ヒロインたち”を置いた場合、桂木桂馬という主人公の物語を最も体現したのは攻略ヒロインたちの一角ではないか?……なあああんて、『読み』方もできない事はない…かも?w(=´ω`=)


神のみぞ知るセカイ 9 (少年サンデーコミックス)
若木 民喜
小学館


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先日行った『2010年2Qアニメ選考@漫研ラジオ』の結果発表です。USTREAMのチャンネルをBANされてしまったため、録画が途中で止められてしまい…orz 真ん中のキャラ選考あたりのデータが抜けていますが…orz (↓)録音データです。
その他の録画データもとりあえず音声データだけ取り出して再アップしました。『漫研放送局』のリストを御覧ください。USTREAM自体は別のID取得で放送できそうですが…ちょっと放送の仕方を改めないといかんですね。

【漫研放送局】
http://www.websphinx.net/mv/
【2010年2Qアニメ選考@漫研ラジオ(その1)】
http://www.websphinx.net/mv/radio/mankenRadio-100731-1.mp3
【2010年2Qアニメ選考@漫研ラジオ(その2)】
http://www.websphinx.net/mv/radio/mankenRadio-100731-2.mp3

■作品選考:『四畳半神話大系』
・『四畳半神話大系』
・『Angel Beats!』
・『WORKING!』
・『ハートキャッチプリキュア』
四畳半神話大系 第1巻(初回限定生産版)[Blu-ray]
浅沼晋太郎,坂本真綾,吉野裕行,藤原啓治,諏訪部順一
東宝

『マインドゲーム』などよりずっと分かりやすい湯浅作品という面が大きいですが…wアニメーション=漫画が動く事の楽しさを再確認と、ストーリーとの総合力で決まりました。

■サブタイトル選考:『刀語』4話 薄刀・針
・『刀語』4話 薄刀・針
・『ハートキャッチプリキュア』第14話 涙の母の日!家族の笑顔守ります!!
・『Angel Beats!』EPISODE.12 Knockin' on heaven's door
・『閃光のナイトレイド』最終話 せめて希望のかけらを
・『迷い猫オーバーラン』6話 迷い猫、困った
・『HEROMAN』第12話 STALKERS ストーカーズ
刀語 第四巻 / 薄刀・針 【完全生産限定版】 [Blu-ray]
田村ゆかり,細谷佳正
アニプレックス

3話の予告のすごさに期待に胸をふくらませた僕は思いっきし“引っかかった人”なワケですが(汗)いや、気持よく騙された感じです。また七実姉ちゃんvs真庭虫組との対決も愉しかった事が大きい。

■キャラ選考:『デュラララ!』紀田正臣(CV:宮野真守)
・『デュラララ!』紀田正臣(CV:宮野真守)
・『四畳半神話体系』小津(CV:吉野裕行)
・『Angel Beats!』直井文人(CV:緒方恵美)
・『WORKING!』伊波まひる(CV:藤田咲)
デュラララ!!7 【完全生産限定版】 [DVD]
豊永利行,宮野真守
アニプレックス

宮野真守さんの演技が非常に良かった事に尽きるのですが、それを引き出した紀田くんのキャラクターの振れ幅の広さも良かった。普段へらへらしている少年の裏のあるへらへら、怒りのへらへら、それから別のもう一面など。宮野さんの持っている“カード”の総てを使い切って演じられたキャラだと思います。

■OPED選考:『Angel Beats!』OP「My Soul,Your Beats!」
・『Angel Beats!』OP「My Soul,Your Beats!」
・『四畳半神話大系』OP「迷子犬と雨のビート」
・『迷い猫オーバーラン』OP「はっぴぃ にゅう にゃあ」
・『けいおん!!』OP「GO! GO! MANIAC」
My Soul, Your Beats!/Brave Song 【初回生産限定盤】
アニプレックス
アニプレックス

『AngelBeats!』の顔としての役割をきっちり果たした…という言い方でいいのか?とにかく毎週観る気にさせてくれるOPだったんですよね。歌にひたる中で自然とテーマが入ってくる事も大きいですね。特に世界の残酷さと接する物語だけに。

■特別選考:『迷い猫オーバーラン』
・『迷い猫オーバーラン』
はっぴぃ にゅう にゃあ TVアニメ「迷い猫 オーバーラン!」OP&EDテーマ
芹沢文乃(伊藤かな恵)&梅ノ森千世(井口裕香)&霧谷希(竹達彩奈),くまのきよみ,高木隆次
ジェネオン・ユニバーサル

様々な監督に一話を任せるという企画評価ですね。かなり1話1話がかなり楽しい話になっていたと思います。サブタイトル選考では6話の池端隆史監督回を候補に選びましたが、5話の福田道生監督回も良かったんですよね。

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