今何処(今の話の何処が面白いのかというと…)

マンガ、アニメ、特撮の感想ブログです。

今週の一番追記「はじめの一歩」その画力にまんまとねじ伏せられてしまう快感

2009年11月30日 | マンガ
【11月第3週:バチバチ 第27話 勝負あり!!】
http://www.tsphinx.net/manken/wek1/wek10438.html#614

【漫研】
http://www.tsphinx.net/manken/



説明不要のボクシングマンガ「はじめの一歩」(作・森川ジョージ)の一歩対ウォーリーに思わず観入ってしまったり。元々、森川先生の試合描写の凄さはマジ半端ねえんですけど……それでも、この有り得ない異端ボクサー・ウォーリーのリアリティを画力一つでねじ伏せている様は圧巻と言っていいと思います。まあ、ブライアン・ホークや板垣の系譜のボクサーではあると思うんですけどね。本当にこんな戦い方ができるボクサーなんか居るわけがないのに、やったとしても青木みたいなちょっとビックリさせてペースを崩させるくらいの事にしかならないだろうに。このトリッキーな動きで一打一打にとんでもない破壊力を込められる…そんな奴がいるかも!?と思わず信じさせてしまう。動線、斜線、残像、擬音といったマンガでは当たり前の技術の積み重ねだけで、そう思わせてしまう。マンガの醍醐味がここにあると思います。

あと、このウォーリーって「あしたのジョー」のハリマオを思い出しますよね。「はじめの一歩」って時々、「あしたのジョー」とかオマージュを入れてくるのですが、ウォーリーは出自や戦い方がモロにハリマオだと思います。コーナーに追い詰めた時の逃げ方は大ジャンプに違いないと思っていましたしwハリマオはロープにモロに乗っていたのを、ウォーリーはロープに掴まるという形で翻案されていますよね。つまり森川版・新訳ハリマオって事になりますが……元々、ハリマオって相当描きづらい動作だと思っていて、マンガもアニメもそこらへんの描写には相当苦労していた感覚を覚えています。ある意味ではこのハリマオ、ホセ戦を直前にして「あしたのジョー」のリアリティを吹っ飛ばしてしまったような所が無いではないんですよね。まあ、そういう言い方をすれば賛否あるでしょうけど。…ウォーリーは、そこらへんを取り入れつつも完全に「一歩の世界」の恐るべきファイターとして馴染んでいる。森川先生の力量恐るべしという感じです。



ちょっと、そこらへん確認のため「あしたのジョー」を引っ張り出してきましたが…。



う~ん、ハリマオ、SUGEEEE!!!自由過ぎるだろうwwww

しかし、「あしたのジョー」ではこのハリマオ戦の後は、いよいよ最強の敵ホセ・メンドーザとの対決だったんですよねえ…。「一歩」はどうなるんでしょう。「ジョー」的に考えると、宮田くんは一歩と当たる事なくカーロスになるのでは…なんて事を考えたりもするんですけどね。宮田くんがカーロスになる事によって、これまで全く繋がりのなかった一歩とリカルドの線が引かれるワケですよね。……まあ、このビジョンの当否が何年先になるか分りませんが!(汗)そんなことを考えながら、ぼちぼちと連載を眺めたりしています。

「MAICO2010」丹下桜さん復活とか「ラブプラス」にあやかって隠れた良作を上げてみる

2009年11月28日 | アニメ


「ラブプラス」で丹下桜さん復活記念!………とか思って「MAICO2010」をLDボックスからリストアしていたのですが…ひどく時間がかかってしまったですよ…?orz こう、やる事なす事遅くて、なんかもうあんまりタイムリーっぽくないのですが、この作品好きなんで、ちょろちょろと紹介を…。

「アンドロイド・アナMAICO2010」(制作1998年)は、2010年にニッポン放送が社運をかけて導入した女性型アンドロイドアナウンサー“MAICO”の番組「飛び出せマイコ2010」の制作で起こるスタッフたちの悲喜こもごもの奮闘を描くシチューエーションコメディ。…って、おお、2010年って来年じゃないかwWOWOWのノンスクランブル番組「アニメコンプレックス」の中で放送された15分1話の作品ですね。大元はラジオ放送作品からスタートしているようですが、僕はそっちは聞いた事がないです。
アニメ作品としては珍しいシチューエションコメディになっています。CGで描かれたマイコの放送室からほとんど全く場所が動く事なく(全24話中1話くらい変ったかな)エピソードが組まれて行きます。CGの固定背景と、15分番組でかなり安く作っているはずです。またこの頃、アニメ制作上でCGやデジタル彩色を手探り的に取り入れはじめている時期で、背景固定で全部CGというのは、その回答の一つだなあ…と当時、僕は思ったんですがその後、あんまり導入されていませんね。なんでだろう?もっと、シチューエーションコメディとか、あるいは「スタートレック」みたいに大半を宇宙戦艦の司令室で展開させる話とか作ればいいのに…って思うんですけどね。

まあ、それはそれとして、一風変った作品として記憶に残っているのですが、それともう一つ僕が黒田洋介という脚本家の名前を覚えたのもこの作品なんです。(倉田英之さんも参加しているんですけどね…この人を頭に刻むのは、もっと後……存在は知っていたんですけどね)シチューエーション・コメディというのは、かなり脚本力を試される場だと思うんですが、場面も時間の尺も限られた空間で笑いあり涙あり不条理ありのなかなか観応えのある作品になっています。そして、この閉鎖された空間内での群像劇の資産が、あの「無限のリヴァイアス」に繋がって行くんのですよ…………嘘です。∩(・ω・ )∩ いや、あながちウソでもないけどw



【松っつあん】「とびだせMAICO」のディレクター。「MAICO2010」と言うとこの人を思い出します。正直、影の主役だと思っています。(´・ω・`) だらしなくって、いつもかったるそうにしていて、何かというと下っ端のAD伝助に八つ当たりする、大凡そ主人公と呼べるようなキャラじゃないんですけどね。この人が“番組を作る気”にならないと番組が始まらないし、また終わりもしないんですよね。元々、やる気があるのか無いのか分らない連中が揃っているのがこの作品なんですが、松っつあんは、ほとんど窓際と言ってもいいこの企画を盛り立てようと奮闘するんですよね。その小者っぷりに笑いながらも、仕事に対する姿勢は少なからず胸を打ちますね。
第4話でマイコを使えるMCにするために、放送作家がでっちあげたお葉書の悩みに対して、納得できる答えを返すまでマイコにリテイクを出し続ける話は圧巻でした。「その涙はニセモノだ!お前は何も悲しくなんかねえんだよ!頭ん中にある単語つなげれば、言葉になるわけじゃねえ!考えるんだ!考えて吸血部隊くん(葉書のPN)の悩みを癒せぇ!!それがパーソナリティってもんだ!」とか言ったりしてね。



【スガちゃん】「とびだせMAICO」の放送作家。人の不幸が好きで、人の不幸を観ていると脚本のスピードとクオリティが上がるという変人。「輝いてるよお!」が口癖で、人の幸も不幸もその一言で片付ける人。しかし、松っつあんが番組を投げ出した時も一人淡々と脚本を書いている人でもありました。
それがある時、突然、吐血して果ててしまうという…(汗)最初、何かの冗談かと思ったのですが、本当にそのまま死んでしまって、それっきりだったんですよね。基本、コメディアニメなんでちょっと驚きました。まあ、そんな感じに狭い空間でいろいろ振り幅広く展開してなかなか良作だったと思うのです。

今週の一番付記「少年チャンピオン」はまだ色々できる事があると思う

2009年11月25日 | マンガ
【11月第2週:ワンピース 第563話 “心臓一つ 人間一人”】
http://www.tsphinx.net/manken/wek1/wek10437.html#613
【漫研】
http://www.tsphinx.net/manken/



少年チャンピオンで連載中の「弱虫ペダル」(作・渡辺航)、「ギャンブルフィッシュ」(原作・青山広美、漫画・山根和俊)、「バチバチ」(作・佐藤タカヒロ)、「幻仔譚じゃのめ」(作・梅田阿比)あたりが好調です。…いや、今回作品の話ではなくって、雑誌の話なんですがw4本ぐらい楽しみな連載があると、その雑誌を買って読む価値が出てくるというか、まあ、ここで雑誌として勢いをつけたい、その出かかりの所だと思うんですよね。

しかし、実は、少年チャンピオンという雑誌はここぞという時に駒が揃わない伝統があるかのようなんですよねえ…(´=ω=`)いや、ただ単に他誌に比べて、連載作品の“波が大きい”(安定しない)だけなんですけどね…(汗)それにしても、本当に昔から…「ここで、山口貴由先生が戻ってきてくれたら!!」とか、「ここで、能田達規先生が戻ってきてくれたら!!」とか「ここで田口雅之先生!!」、「ここで馬場民雄先生!」、「八神健先生!!」、「出口竜正先生!!」……という具合に、むかしっっっっから!!ことごとく、戻ってこないんですよねえ……??orz 何ででしょう?よっぽど原稿料が割りに合わないのか?嫌なことでもあるのか?外からは一向に分りません……wその状況の分ら無さから、チャットでは「あそこの編集長は連載させたり、打ち切ったりする作品をダーツで決めているに違いにない!」などと軽口を叩いたりしていますw(汗)



今、上げた先生がたのどなたかでも引っ張ってきてくれたらなあ…と思いつつも、それはちょっと無理かもって事なら、最近、集中連載で良かった「ジョギリ屋ジョー」」(作・フクイタクミ)の人とか、「任侠姫レイラ」(原作・梶研吾、漫画・米井さとし)の人とかはどうなのかなあ?などと思ったりします。…なんかすぐに本格連載に入ってもおかしくなかったように思うのですが…あれっきりまるで戻ってくる様子がありません…(´・ω・`)
いや、「マイティハート」やってたマツリセイシロウ先生でも、「サイカチ」やってた藤見泰高先生+カミムラ晋作先生でも、「悪徒」やっていた猪原賽先生+横島一先生でもいいですけどね。(マツリ先生と、藤見+カミムラ先生は今、月刊で連載持っているな…)チャンピオンには、そういう“再来”して欲しい先生が結構います。全員揃えるのは理想論としても、今ある駒だけでも上手く集めて編めばジャンプ、マガジン、サンデーにそうそう引けをとる誌面でもなくなると思うんですけどねえ…。少年チャンピオン、応援しているのですが、なかなかそういう編集がやろうとしている事が“こちらから”は分らなくって、やきもきしたりしています。…だから、がんばれって!今、“いい感じ”なんだからさ!(`・ω・´)ゞ

電視の部屋「にゃんこい」「けんぷファー」最近深夜アニメについてハーレム構造のウォッチ

2009年11月22日 | アニメ
【「にゃんこい」「けんぷファー」最近深夜アニメについてハーレム構造のウォッチ】
http://www.tsphinx.net/manken/dens/dens0094.html#543
【漫研】
http://www.tsphinx.net/manken/

【にゃんこい公式】
http://www.tbs.co.jp/anime/nyankoi/
【けんぷファー公式】
http://www.tbs.co.jp/anime/kenpu/



ルイさんと今期の深夜アニメについてチャットしていたのでそれを編集しました。今期深夜は「にゃんこい」と「けんぷファー」が「楽しい」ですね。何か冒頭で「にゃんこい」のヒロイン楓を空気ヒロイン扱いしていますが、それは話の流れで思わずそう言っちゃってて、特に空気という事も無いです(`・ω・´)また、うちのサイト的には「乃木坂春香の秘密ぴゅあれっつぁ」、「生徒会の一存」は押えておこうかなという感じです。(特に最近観たら「生徒会の一存」がなかなかあなどり難い……ここらへんはまた機会があれば…)

オリジナルの構造が気になって「にゃんこい」の単行本買ってきてしまったんですが……うん、普通に「面白い」ですね。しっかり骨組みの組まれたラブコメに観えるので、こうなるとハーレム構造を形成するより、男も女もで、エッジの利いたキャラを出してわいわいやった方が「楽しい」ように思うんですけどねえ……。まあ、それが時勢というものかもしれませんが…。

今週の一番付記「あねどきっ」ちあき小姉は名バイプレイヤーなのか?

2009年11月19日 | マンガ
【11月第1週:魔法先生ネギま! 第269時間目 世界の果てまで…。】
http://www.tsphinx.net/manken/wek1/wek10436.html#612
【漫研】
http://www.tsphinx.net/manken/



「あねどきっ」(作・河下水希)を「楽しく」読んでいます。父親の長期出張で一人暮らしとなった中学生“洸太”の家に住着いた女子校生“なつき”とのドキドキの二人暮らしの物語。“なつき”の正体というか素性は一切謎なのですが、最近、なつきの妹“ちあき”まで住着き始めました。モチロン、ちあきも正体不明です(´・ω・`)

いや、連載がはじまった当初は、どうもこう……座りが悪いって言うんでしょうか?もともと、洸太のクラスメートで自己主張の強い美少女“桜井さん”は、なかなか可愛く面白く、なつき姉に燃やす敵愾心が綯い交ぜになって段々洸太を好きになる様も気に入っていたのですが…なつき姉の存在が謎過ぎて…イマイチ、作品に没入できないというか…。たとえば、ドラえもん(みたいなもの)が君の家に住着いたとして、そのドラえもんが何で自分の家にいるのか何の説明もなかったら、君はそこをスルーしてしずかちゃんと遊んでいられるのか?というか……え?相手はドラえもんじゃなくって、女子高生だって?いや、そこらへんは、色々ドキドキしつつもイマイチ状況をよく理解できていない洸太くんに合わせたというかね…。(もごもごもご)まあ、なんつーかこう…リアルに考えると犯罪なにおいもしなくはないワケですよ(汗)

もっと「構造的」にハッキリ言うと、なつき姉が謎である事がこの状況を作った以外は、物語に特段の影響を与えていない…ひいては、そのまま姉のキャラとしての「回り」が悪い…お色気以外の魅力が出てこない!という感じだったので、何だかなあ…?「初恋限定」から引っ張ってきた楠田や曽我部に期待か?みたいな、テンション低めのウォッチだったのですが…。これがあるエピを境にかなり違った景観で観れるようになってきたんです。それはどこかと言うと…。



なつき姉の妹・ちあきが登場して、洸太の家に住着いてからなんですが、これ、別にちあき小姉がキャラとして強い「牽引力」を示して場を一気にひっくり返したとかそういうワケではないんですね。悪いキャラではないけど特段の「強さ」を持っているワケではない。そこがちょっと「面白」かったりします。これ…一般的にそうとは言えないんですが、僕の心象を述べると、特に強烈でもないこのつつましやかな小姉の登場で、謎というか彼女らが正体不明なとことかどうでもよくなっちゃいまして…謎が分散するって言うんですかね?(´・ω・`)小姉が住着いた時点で…あ、こういうもんなんだ、と思っちゃった。

思えた…と言った方がいいのかな?ともかく、そこを度外視できるとこの作品かなりスッキリ見渡せるようになった。…「あねどきっ」なんてタイトルしていても、その“姉”が二人いるしねwこれで桜井さんの可愛さに集中できるぞ!っていうか、実際に桜井さんが「強い」のが無理の無い形になってきている。
要するにこの小姉、当初から投入予定のキャラだったとは思うのですが~予定していないキャラを施策として入れたのなら、ちょっと凄いかも~あからさまにテコ入れという事もないのに、かなり急所を突いた配置で「面白い」です。姉と桜井さんという、ちょっと食い合わせが悪そうに思えた料理が、調味料一匙でがらっとその印象を変えた……そんなイメージ。とか言いつつ、最新号ではいよいよ謎が明らかになりそうなんですけどね…そうすると、なつき姉ももう少しいろいろ「強め」に動けそうで楽しみです。

「物語三昧ラジオ」王とは何か2

2009年11月16日 | 備忘録
【物語三昧ラジオ:王とは何か2】
http://www.geocities.jp/ldtsugane/mv/MZradio-091116.mp3

最近…なるべく定期性を目指して(?)やっている、ペトロニウスさんとのネットラジオの録音データを公開しておきます。データは約1~2週間で消えると思って下さい。「王」の話題に際して、ちょっと「キャプテン」の話とかをしたかったので、それ主体で話をさせてもらいました。
聞き直したのですが…う~ん(汗)僕は元々ろれつの回りが悪いんですが、興奮するとそれに拍車がかかりますね(汗)でも、話したかった事を一気に吐き出させてもらったので「楽し」かったです。

相当忙しい合間(電話で打合せするだけで分る)を割いて、お付き合い頂いたペトロニウスさんには感謝です。…でも、またやりたいねとも言っていますw

今週の一番付記「キングゴルフ」目立たないが確かに「天才の物語」

2009年11月15日 | マンガ
【10月第5週:弱虫ペダル RIDE.85 fast sprinter】
http://www.tsphinx.net/manken/wek1/wek10435.html#611
【漫研】
http://www.tsphinx.net/manken/



「キングゴルフ」(作・佐々木健)が良いですね。「キングゴルフ」はケンカばかりに明け暮れてプレデターと呼ばれていた傲慢な高校生・優木蒼甫がゴルフに目覚め、ゴルフで王者になる事を目指す話ですね。主人公のソースケは非常に強いメンタリティの持ち主として描かれていて、それを武器に急激に成長して行く物語になっています。つまり、精神力は既にワールドクラスで後は、技術力を追いつかせるだけ(それもメンタルが揺るがないから時間の問題)という、いわゆる「天才の物語」なんですね。その反動というワケでもないんでしょうが、かなり唯我独尊の傲慢な男として描かれて、しかし技術力ではまだまだ足りないから負ける、でも傍目には一向に謙虚になったように見えないという、最初は実力も無いのに態度ばかりがでかいヤツとして描かれています。そういう主人公で連載を続けるのはかなり厳しいと思うのですが…w何とかここまで来ましたねえw

今は、下手でも傲慢な態度を捨てないソースケは、だからこそどんな状況でも折れないメンタルを持っているのだという、彼が勝ち上がって行くための説得力となって返ってきていますし、現在は、それまで標的(目標というより標的)としていた技術力では到底敵わなかったゴルフのエリート戸川臨を打ち負かして、彼が追いつけぬ速さで“先の世界”へ行こうとしているように見えます。…戸川臨が追いすがれるかどうかは戸川臨次第ですね。もうライバル感はない。

作者は最初から、この流れを視野に入れてこれまで描いて来たと思いますが、なかなかこの臨を“置いて行く”所までに持って行くハードルが厳しい…そう思っていたのですが、かなり満足な越え方をしてくれました。そんなに「画」や技術に「華」があるマンガではないのですが、とにかく「この怪物を描こう!」という気概が感じられてそこが心地よい。もともと僕は「天才」の話が好きなんで、この先の世界をどう描くか楽しみに読ませてもらっています。

「物語三昧ラジオ」主人公論「コードギアス」スザクの話

2009年11月11日 | 備忘録
【物語三昧ラジオ:主人公論「コードギアス」スザクの話】
http://www.geocities.jp/ldtsugane/mv/MZradio-091109.mp3

先日、ペトロニウスさんとネットラジオをやりましたので、その録音データを公開しておきます。データは約1~2週間で消えると思って下さい。けっこう集中して喋れたなと思います。ここでしている「王」の話はまた改めて、このブログ内でもして行きたいと思います。

「ビーロボカブタック」これは“メタルコメディシリーズ”と呼ぼうか?

2009年11月10日 | 特撮


「ビーロボ カブタック」(1997年制作)コンプリート。スターピースという13星座(この頃は蛇使い座がある!)に合わせた星のかけらを集めるために高円寺博士が開発されたビーロボ。そのビーロボの中のカブト虫のバイオチップを持つカブタックと少年少女の冒険ストーリー。謎の審判ロボット・トンボーグの手引きで、悪いビーロボになってしまったコブランダーたちと様々な競技を試合しながらスターピースを集めて行きます。高円寺博士を当時、そのハデハデなヘアースタイルとファッションからお茶の間で人気(?)だった小説家の志茂田景樹先生が演じているのが話題…というか印象に残る作品です。

このビーロボが始まる前の作品、「ビーファイターカブト」とその前の作品が「重甲ビーファイター」が放送されている頃が、TV特撮が最も衰退した時期……というと大げさですが、それが心配された時期なんですね。それまでTV特撮番組は「ゴレンジャー」あるいは「バトルフィーバーJ」から連綿と続く「スーパー戦隊シリーズ」と、中興的な意味を持つ特撮ヒーロー作品「宇宙刑事ギャバン」から続く「メタルヒーロー路線」、そして「燃えろ!ロボコン」!!…と言いたいところなんですが、それはちょっと間が空くとして「ロボット8ちゃん」から続く「不思議コメディーシリーズ」の3本がず~っと放映されている状態だった。チャンネルをひねれば特撮ヒーローが放送されていた70年代の最盛期に比べれば、それだけでもかなり細々としたものなんですが、その内の「不思議コメディシリーズ」が「有言実行シスターズ シュシュトリアン」で遂に終了してしまいます。これが1993年。これを受けて1994年「スーパー戦隊シリーズ」で放送されたのが「忍者戦隊カクレンジャー」、「メタルヒーローシリーズ」で放送されたのが「ブルースワット」なんですが、これがあまりパッとしなかったんですよねえ~(汗)

いや、戦隊はまだ好調といってもいいんですが「ブルースワット」の方がやばかった……いや、僕は「ブルースワット」好きなんですけどね…プラチナムとか…ドラムガン・ファイヤーとか…。完全武装の変身ヒーローというよりも、スワット隊、あるいはレンジャー隊を意識したような一部、人肌が外に見えるような装備の、チームのフォーメーションを重視するヒーローで…。後年、「仮面ライダーカブト」でゼクトっていう特殊警察部隊が出てきますよね?あれに近い…いや、けっこうモロにあれです!(`・ω・´)そういう渋さ溢れる作品だったのですが、そういう先取りした感覚がモロに裏目にでて人気は低迷、路線調整とか四苦八苦が伺えた作品になっています。
その「ブルースワット」がよっぽど堪えたのか、その後の「重甲ビーファイター」(1995年制作)と「ビーファイターカブト」(1996年制作)は、僕に言わせるとほとんど冒険をしない当たり障りの無い特撮ヒーロー作品となっていました。この感覚はメタルヒーローシリーズにつき合っていた人なら分ると思います。メタルヒーローシリーズの全作品が常に冒険と野心に満ちた…とは言わないんですが、それにしても色々と工夫があったのに、「不思議コメディ」がなくなって、ここが踏ん張り時の特撮ヒーローが萎縮したものに感じられて残念に思ったもんです。(好きな人は申し訳ない)まあ、実は挑戦的な事は「超光戦士シャンゼリオン」で行い、また別の東宝から「七星闘神ガイファード」が出てくるのですけど……「シャンゼリオン」は僕は大々大好きなんですが人気的にはあまり振るわずどちらも一作で消えて行きました。

そうした頃に、ビーファイターの“昆虫路線”を受け継ぎながらも、内容は全く逆のホームコメディ路線の大転換を打ち出して登場したのが、この「ビーロボ カブタック」なんですよね!いやぁ!この作品はほんっっっと!面白かった!不思議コメディのメソッドを継承し、スーパーモード・チェンジというヒーロー的な要素も押えつつストーリーは展開し「もう、そういう時代じゃない」と思われたホームコメディ路線がまだまだやり方次第で充分に通用する事を見せてくれました。それは「メタルヒーローシリーズ」が終わって「平成仮面ライダーシリーズ」が始まるその境目の時期に、心に残る一花でした。

ん~、まだまだ語りたい事があるんですが、思い出話を書くのに大分時間を使ってしまいました(汗)「カブタック」の後にはじまった「ロボタック」も順調に録っているので、また、こっちの作品も交えてまたこの「メタルコメディシリーズ」(?)は語ってみたいと思います。

今週の一番付記「はじめてのあく」のキャラクターについてのとりとめのない話…

2009年11月06日 | マンガ
【10月第4週:ブラッディ・マンディ Season2 絶望の匣 File2 絶望への序章】
http://www.tsphinx.net/manken/wek1/wek10434.html#610

【漫研】
http://www.tsphinx.net/manken/



悪の組織に居候されるマンガ「はじめてのあく」のメイドロボットの乙型ちゃんが「入って」来ていますね。もう、すっかり家族の一員な感じです。………なんで乙なんだろう?…ああ、キョーコが(甲)で乙型が(乙)という事か。(←初登場時に書いてある!)なかなか健気で可愛らしいキャラになっていて、けっこう人気出るんじゃないかな~とか思ったりしますねえ。…いや、なんだか妙にルイさんにウケているようですが……(´・ω・`)

【今週の一番:1月第3週:ストライプブルー 第86回「勝負師」の巻】
http://blog.goo.ne.jp/ldtsugane/e/b95ab9ea9f381d7af635e813fca35381
キョーコちゃんは、そこらへんかなり真反対のキャラ設計になっていて「面白い」です。まず、読んだ瞬間、この娘がヒロインだ!と分ったしね(`・ω・´)(←それはお前が悪い)ビジュアルも“ぼさぼさ髪にメガネのチビっ子”という見分け易さ。そして何よりリアクションがデカイのがいい!根がお人好しで基本アホの子だから、どんどん泥沼にはまって行って、その場のリアクションで場をひっくり返そうとするんだけど、事態は全然好転していないというw(要するに蹴っても何も解決しないんだけど、とりあえず蹴る!みたいなw)

こっちの方でヒロインのキョーコについて言及していますが、この連載、初動の段階ではほとんどキョーコの「面白さ」と「可愛さ」だけでダッシュをかけていて、その後、ヒーローのジローくんが後を追うような形でキャラが「積まれ」、今ようやく追いついたかな~という感じなんですよね。これどういう状態かと言うと「忍者ハットリくん」で忍者ハットリくんよりもケン一氏の方が“面白い”、「怪物くん」で怪物くんよりヒロシの方が“面白い”みたいな感じでwまあ、ジローは元々「ギミック」の塊のようなキャラなんで追い抜く事は難しくても、後に着くくらいまでならわりとすんなり行けたような感じですね。

…とはいえ最終的に決め手になったのは「ギミック」方面ではなく、性格の良さを伸ばす事によってなんですけどね。ここらへん作家性というか……他にも何人か新キャラを投入して来たのですが、なかなか上手く場を「回せる」キャラが出てこなかったように思います。サムライくんとかね。……キャラ「立って」はいると思うんですけどねえ?な~んでか、「回らない」のですよねえ…あるいは「回す」試行錯誤をする前に“控え室”に戻された感があります。吸血子ちゃんも…まあ、まだ登場機会が充分ではないのですが、その時点でイマイチな感じだったんですよね。

どうも作者の藤木先生は、派手な事をしても、あんまり派手にならなくってそこが”いい味”出しているというか(汗)……女の子のキャラも薔薇や牡丹じゃなくって、スミレかタンポポみたいな感じの娘が“良い”みたいでw仮にパッと見「キャラ立ち」していても、実際に作品内に融和させていこうとすると、どうも上手く行かない…というか弾かれてしまうようです。

たとえば学園アイドルの山下みのりんというキャラがいるのですが、この娘見るとよく分ります。基本、高慢な女王様キャラなハズなんですが……なんか、そうじゃなくって、やっぱりスミレ草が、がんばって薔薇のフリしているみたいなキャラなんです…!(`>ω<´)その儚さ(?)がけっこう良かったりします!w

そんな中で、キョーコ・ファンクラブの会長にして生徒会長の赤城さんは「面白い」ので、もっともっとフォワードに持ってくるべきだと思っていたのですが、気がついたらバックスに追いやられて、キョーコ・エールを送るだけの要員と化していましたね……orz このキャラ好きなんですけどねえ…。世が世なら千葉繁さんが声を当てている人ですよ…?しかし、やはり尖ったキャラだと“場”から弾かれてしまうという事か…?
…まあ、このキャラ動かしすぎると“場”を壊しかねない、あるいはジローのキャラを喰いかねないという遠慮が働いたようにも感じます。(最初、ジローは会長のアクションに巻き込まれる形で回っていたし…あのパターンけっこう良かったんですけどね)だから“薄味”の緑谷くんだけ、ユキちゃんとの絡みで残して(このキャラがユキちゃんと絡むのは当初から予定されていたでしょう)残りのファンクラブ会員は総モブ要員というのは予定調和だったかもしれません…orz

そんなワケで「はじめてのあく」のコアのキャラ構図は、かなり強固(!)でなかなか新キャラが入り込めない所があったのですが、そこに何とか、この乙型ちゃんは入り込めたの……かな?とそういう話ですね。
しかも、今後どう展開するか分りませんが、一応、ジロー~キョーコ~乙型で、三角らしきものも形成されていますしね。キョーコと“そっくり”だという設定が今後どう生きてくるのか分りませんが、いろいろと“場”を動かすキャラになってくれると「面白い」かなと思っています。