スーパーロボット超合金 マジンガーZ | |
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僕が『マジンガーZ』で一番好きな機械獣を上げるとなると、真っ先に名前があがるのが、今回の“ジェノバM9”である。『スーパーロボット大戦』でけっこう常連らしいので、知っている人、好きな人もけっこういるんじゃないかと思うんだけど……ん~、やっぱり有名所を上げるとなると、ラインX(ドナウα1)とかミネルバXになるんでしょうかねえ…。
僕自身はやっぱり機械獣らしい機械獣が好きなので……ダブラスM2とか、ケルベロスJ3、あるいはジンライS1も捨て難い……いや、まあ(汗)とにかく真っ先に名前が上がるのがジェノバM9である。
こいつチョーカッコいい機械獣なんですよ!!その機械獣としてのキャラクター性も然ることながら、カッコ良かったのは、その攻撃方法だ。
ジェノバM9って“狙撃型の機怪獣”で、その射程は数百キロ…全く索敵できない超々長距離から攻撃を仕掛けてくる。…これって、けっこう8割以上のスーパーロボットに有効な手段じゃないかと思うけど、つまり、マジンガーZの持つ兵器の全射程外から攻撃を仕掛けて来た機械獣なのだ!!
マジンガーZ、またその後のスーパーロボットの多くは視認範囲でしかその威力を行使できない者がほとんどだったので、この一方的な攻撃は、超クール!!で超カッコいかった!!
それを誇示する登場方法がまたカッコよくって…。ドクター・ヘルがジェノバM9のお披露目をする際、あしゅら男爵、ブロッケン伯爵の前で「とりあえず、あの遠方を飛んでいる旅客機を撃ち落せ」と命令される。そうすと、ジェノバM9は、おもむろに自分の銃の組み立てとチェックをはじめる。そして弾を込める。
その、のろのろとして見える動きに、ありゅらとブロッケンは苛立って「どうした!?はやくやらないか?ああ、旅客機が見えなくなってしまったではないか…(ダメだなこの機械獣)」と、せかし立てるのだけど、ジェノバM9は、それをまるで意に介さず、おもむろに銃を構える。
…そうして、その既に“見えなくなってしまった旅客機”を見事に撃ち落とすんです!一発で!!
「うぁぁああああ!!?ドクター・ヘル!!この機械獣は是非、わたくしに使わせて下さい!!」、「ええい!何を言うか!あしゅら!!ドクター・ヘル!!この機械獣は、是非、このブロッケンめに…!!」と、二人とも手のひら返したように、ドクター・ヘルに擦り寄るわけですが。その気持ち分かる…(笑)僕も、この機械獣のカッコよさに夢中になった。
しかし、この話はここで終りってワケじゃなくって。その超カッコいいジェノバM9の悲哀ともなう最期が忘れられないのですよ。鳴り物入りで登場したジェノバM9は、マジンガーZ=兜甲児がまったく視認できないその超遠距離から、見事にその銃弾を命中させるのですが……。
効かないのですよ!まったく!マジンガーZには!ジェノバM9の攻撃が!!ジェノバM9がどんなに、どんなに、どんなに、どんなに、その銃弾を命中させ続けても、不滅の超合金・Zで鋳造された、マジンガーZのボディには、その一切の攻撃が跳ね返されてしまう!兜甲児にとっては「いってぇぇな!コンチキショ~!!」くらいにしか思われていない!
何と言う事だ!本当に、何と言う事なんだ!ジェノバM9の誇りも、技術も、チート超合金一発で無効にされてしまう!その事をあのふんぞり返った暴君・兜甲児は理解すらしていない!!(涙)
そうして“見えない敵”であったジェノバM9は遂に、マジンガーZに接敵されてしまい、正面からの戦いでは、ほぼ一方的にマジンガーZに打ちのめされ、敗北を悟ったジェノバM9は、その自慢の銃で自分の脳天を撃ち抜き、自壊して果てたのだ。そのカッコ良さ、哀しさ、全てが忘れられない機械獣です。
……あ、ちなみに「兜甲児を直接狙えば?」って話もあるんですが、それは人間を直接狙うのはジェノバM9の信条に反するとの事です。(´・ω・`)
▼【漫研究室】私の愛した悪役たち
でもスナイパーの誇りに反してたのなら仕方がない(´・ω・`)
やっぱりゴウキューンU5みたいだったんでしょうか?
>人間を直接狙うのはジェノバM9の信条に反する
人間が乗ってても旅客機なら撃ってもいいのが彼のポリシーなんでしょうか?「相手がザクなら人間じゃないんだ!」と言う屁理屈と同じと感じるのは私がひねくれ者だからでしょうか?
>人間が乗ってても旅客機なら撃ってもいいのが彼のポリシーなんでしょうか?
そもそも、「兜甲児の乗ってるマジンガー」を狙撃するため呼び出されてきた機械獣ですから……。
人間を殺さないってわけじゃなく、宿敵が露骨に弱い状態の時を狙って勝つのが嫌なだけ、というお話と思われます。
「相手がザクなら人間じゃないんだ!」というのは後発の作品に登場する概念ですし、ひょっとすると、まさにジェノバM9の美学も発想のきっかけというか、ルーツの一つではあるかもしれませんね。