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『美少女戦士セーラームーン』~様々な要素が盛り込まれた“美少女戦士もの”の結晶

2010年01月12日 | アニメ
【魔法少女大系】【美少女戦士大系】



『美少女戦士セーラームーン』(1992年制作)コンプリート。その後、速やかに『R』が放送されるかと思ったのですがそうはなりませんでした。(´・ω・`)…ま、ぼちぼちと待つか。

【『カードキャプターさくら』~魔法少女の結末と再生】
http://blog.goo.ne.jp/ldtsugane/e/eb555eb7a9abcc3753597d00e052cb06

以前、ここのエントリーで“魔法少女もの”の臨界の話をしましたが、当然ながら『セーラームーン』はこの臨界点に対する解答の一つですね。というかエンタメ的には解答の一つどころか大正解の作品でもありました。ただ、厳密にはこの流れ(解答)は当時、特撮コメディ作品シリーズであった“東映不思議コメディシリーズ”にバトル要素を取り込んだ『美少女仮面ポワトリン』(1990年制作)から来ているものではあります(これだけだと説明が不充分だけど割愛)。『ポワトリン』も特撮作品的にはかなりヒットした方ですが、やはり一世を風靡した『セーラームーン』のヒットには及ばない。新生した“美少女戦士もの”というジャンルはアニメと融合する事によって大成を果たしたと言えますね。

しかし、ここらへんの“美少女戦士もの”の系譜を語るのはちょっとまたの機会として(何でウエディングドレスだったのか考えてしまう『ウエディング・ピーチ』や、何でナースなのか考えてしまう『ナースエンジェルりりかSOS』も押えておきたいけど…放送かかるの何時になるかなあ…?)今回は『セーラームーン(無印)』単体についての話をしましょう。



さて実は、これが始まった時の僕の率直な感想は「…随分と、おたく向けのOVAみたいな作品がゴールデンタイムに来たなあ?」というものでした(汗)最初に聞いたのが「この番組がいいぞ!」っていうおたく側からの評判って事もあるんですが…まあ、『プロジェクトA子』や『ガルフォース』、あるいは『トップをねらえ!』の系統(『トップをねらえ!』は名作OVAに上げられる作品ですが、スタート時の様相、系統はこれらのいわゆる色モノ的な感覚が強かった)に思えたんですね。
しかし、それは間違い…とも言えないのですが(その後の発展の仕方を観ても)、ともかく一方向一元的なものの観方で、実際にはもっと沢山の老若男女を巻き込んだ込んだ「強い」シリーズと言えます(※注:老=大きいお友達、若=小さいお友達)。すご~く大雑把に言うと、魔法/変身要素で女の子を取り込み、バトル要素で男の子を取り込み、ラブコメ/ロマンス要素で高学年(以上)の女の子、美少女要素で高学年(以上)の男の子を取り込んだという……んんん、大雑把だなあw別にバトルが好きな女の子も、ラブコメが好きな男の子もいるでしょうしねwとまれ、それらを取り込んだ総合的なエンターテイメントとして、かなり革新的なジャンルとして「セーラームーン」はそのフォーマットが構築されて行きました。また特撮ヒーローファンとしても(?)ヒーローのちょっと間抜けな所というか、そういう所も取り込まれたりしていて嬉しかったりします。(ここらへんは「ポワトリン」を模しただけはある)

これと比すると、同じ頃に始まった“勇者シリーズ”なんかは(90年代を代表するアニメ・シリーズだと思いますが)復古的要素が強く、こと革新性においては“美少女戦士もの”を超えるものではなく、70~80年代を席巻したロボットものは次第に後退して、90年代以降はセーラームーンの持っている要素を何らかの形で取り込んだ作品が大きな力を持ってきます。これは特に“美少女戦士もの”あるいは“美少女もの”などに留まるものではなく、多岐の作品で分析とパロディを受けていた。その意味では“セーラームーン系”という呼び方があるかもしれません。
たとえば、この頃『ガンダム』シリーズは『ガンダム~』でしかなく、勇者シリーズは『勇者~』でしかないのに対して『セーラームーン』は様々な作品に影響を与えていたと…そういう話ですね。こうして点検し直して観ると、当たるべくして当たったんだなあ…とそう思ったりもします。



中でも強い影響を与えたのは“変身シーン”および“必殺技シーン”のバンクじゃないかと思います。これは、以前の『ミンキーモモ』(1982年制作)や『クリィミーマミ』(1983年制作)からあったもの……という話もありますが、僕はそことは一線を画すエポックがあったように思います。それは先に述べた老若男女(老=大きいお友達、若=小さいお友達)を取り込む要素に近い話なんですが……ぶっちゃけカッコ良かった!!のですね。あのセーラームーンの変身時のBGMとかカッコいい、かつ優しい曲調でバランスがすごく良い。また、変身魔女っ子から数年を経て洗練された変身(および必殺技)バンクは単純に美しかった!
はっきり言って1話に1回、変身シーンと必殺技シーンを観れば、それだけでわりと幸せな気分になれるというwそういう作りやすいフォーマットが用意できた事はかえってシナリオに自由さを与えてくれていたと思います。(これは現象的には既に大元のスーパー戦隊シリーズで起きているものです)今回、ちょっと観直したんですが全体のシリーズ構成のキレイさや、各キャラクターの個性はかなり完成度が高いですねえ…。
まあ、僕はどうしても「ヒーロー」的なもの言いをしてしまうのですが……月野うさぎは「ヒーロー」としてはかなり欠けているものがあって、それが水野亜美(マーキュリー)、火野レイ(マーズ)、木野まこと(ジュピター)、愛野美奈子(ビーナス)の4人によってそれぞれ補助されていって(だからというか、4人ともわりと決然として正義に殉じる点で共通している)、それが最後に一人一人失われて行ってうさぎだけが残った時、それでもそこには「ヒーロー」……というか“世界を救う者”が残る。…でも、それはやっぱり普通の恋する女の子なんだよ、っていうwいろいろ付加されていますけど、基本構造的には「雪の女王」ですよね。最後の舞台は北極(氷の世界)ですし。

んんん…やっぱり、系譜的な話が大勢を占めてしまった気がするなあ…(汗)う~ん……『セーラームーン』の中で好きなエピソードは、うさぎの友人で一般人のなるちゃんと敵幹部ネフライトの悲恋の話がよかったですねえ…。わりと最後の土壇場までネフライトが騙す気満々な所(心象は変わり始めているんだけど)とか好きです。(ある意味、『セーラームーン』のテーマあそこで描かれちゃったと言えるかもしれずw)ともすると最終回よりも好きだったりします。ここらへんはそれぞれのメンバーを重層的に扱う戦隊的なシナリオ・フォーマットを活かした所で、5人のセーラー戦士たちや他キャラのメイン・エピソードを盛り込んで、かなり厚みがあり、見応えを持った作品になっていると思います。亜美ちゃんや、まこちゃんの物語を追っているだけでもかなり「楽しい」ですもんねw


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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2019-05-06 19:37:25
ヴィーナスをビーナスと書いている時点でクソ。
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