セレンディピティ日記

読んでいる本、見たドラマなどからちょっと脱線して思いついたことを記録します。

竹脇無我、『三人家族』、山田太一

2011-08-24 22:41:07 | 文化
前回は「意地ワルじいさん」になってしまったので、今回はつれづれなるままに最近のことを書いてみよう。
俳優の竹脇無我さんが亡くなりました。テレビとか新聞では、『だいこんの花』とか『大岡越前』に出演したことは紹介するが、『三人家族』とか『二人の世界』はでてこなかった。僕にとっては竹脇無我と言えば真っ先に思いだすのは、栗原小巻と共演した『三人家族』と『二人の世界』だ。だいたい『大岡越前』なんて主演じゃないじゃないか(ブツクサ)。見た報道番組のテレビ系列のせいかもしれないが、主な理由は、いまテレビの報道番組を中心になって作っている人がこの二つを見たことがないのだと思う。ちょっと話がそれるけど、iPadって「竹脇」まで入力すると「竹脇無我」が候補にでてくるし、「栗原」と入力すると「栗原小巻」が候補に出てくるのだよ。以前にこの二人の名前を入力した覚えがないからマシンが学習したはずはないと思う。ちょっと感激。

さて『三人家族』と『二人の世界』は「木下恵介アワー」というシリーズで、放送された恋愛ドラマでもあり家族ドラマでもある。脚本は山田太一、彼のデビュー作かな。『三人家族』が23話ぐらいで終わったあとに『二人の世界』が放送された。どちらも竹脇無我と栗原小巻が主演だが、続編ではなく別の話だ。どちらも出演者でもある あおい輝彦が主題歌を唄っていた。『二人の世界』はヒット曲でもある。僕はこの2曲とも後になって中古レコードで手に入れた。CD時代になってからは、昔の青春ポップスみたいなシリーズ物のCD集で手に入れた。『三人家族』の方がより好きだが、この曲の原題は別で2番は女の人が歌うデュエット曲だったが、CDに入っているのは『三人家族』のタイトルであおい輝彦の独唱だ。この曲がテレビ放送時に番組の最初に流れる前にナレーションがつくことがあった。番組のテーマを示すナレーションでそれが非常に良かった。Youtubeで見ることができる最終回には主題歌の前にはナレーションがないので多分初めの方の回だけだろう。ドラマの始めのナレーションは毎回あるがそれとは別。唄の前のナレーションの内容はよく覚えているが、言葉自体はうろ覚えなので恥ずかしいのでここには書かない。

ちなみに「木下恵介アワー」で『三人家族』の前のドラマは『記念樹』で、この主題歌もよく覚えている。『記念樹』は孤児院の子供たちの成長の物語。一話ごと別の話だったような気がする。脚本は木下恵介と山田太一。山田太一は木下恵介の助監督出身なので脚本を手伝ったのだろう。

僕たちの年代の友人知人は山田太一と言えば『ふぞろいの林檎たち』をあげることが多い。ドラマのキャラクターと年代が近いからかな。まあ年齢だけでなく出身も「ふぞろいの林檎」系のせいもあるかな。ふぞろいの形は僕の場合は横にはみ出した感じ。つぎの新シリーズができるならキャラクターが定年近くになっているはず。横にはみ出して定年前に会社を飛び出す人いるかな、という感じ。
でも僕にとって山田太一作品の順位は、ダントツ1位は『三人家族』で2位は『二人の世界』として、3位は『男たちの旅路』(NHK)だよ。特攻隊の過去を持つ中年のガードマンが主人を鶴田浩二が主演していた。そのせいかどうか、市職員の自分より若い人と麻雀をして筋牌で放縦すると鶴田浩二の歌を口ずさむ。
何から何まで真っ暗闇よ
筋の通らぬことばかり
本庁を向いても、公所を見ても
馬鹿とアホウのからみあい
何処に男の夢がある (『傷だらけの人生』より、一部変更)
あまり受けないが、『およげ鯛焼き君』の「お腹のウンコが重いけど」よりましかな。