最近の名古屋市議会のビックリは、市議会自民党が10%減税の恒久化を条件付きで認めるとともに市議会解散署名審査の結果に関わらず市議会の自主解散を目指し他党派にも呼び掛けるとしたことだ。これは署名で示された民意を無視できないためという。
でも僕の見るところでは、市議会側の選挙管理委員会を使った姑息な作戦が、河村サポーターズの激しい憤りを呼び出して、皮肉にも河村支持者に選挙で復讐するエネルギーを与えてしまったからだ。自民党は遅かれ早かれ来年初めに行われる市議会選挙での落とす主標的になることを避けようとしたのだ。すでに公明党が議員報酬半減化に賛成を表明して反河村戦線から離脱し始めている。自主解散といっても4分の3の出席で5分の4の賛成が必要なので自民党だけが賛成しても可決しないし、可決したところで4月の任期切れ選挙か3月のリコール選挙がさらに1・2カ月だけ早くなるだけなので議員稼業にはあまり影響がない。むしろここは頑なな利権擁護者とみられることは避けた方がよい、との判断だろう。他方市議会民主党はマニフェストで減税反対を表明しており、支持団体に自治労(名古屋市では自治労名古屋)があるので方向転換ができない。だから梯子を下ろされた形だ。
僕は定数の関係から河村支持者が市議会で過半数を取ることは難しいと思っていたが。選挙管理員会が河村サポーター勝利のジグソーパズルの欠けた最後の1ピースを作ってくれたと思う。
ところで話は変わるが、河村名古屋市長が来年2月の愛知県知事選挙に、自民党の大村秀章代議士に出馬を要請して、大村氏も出馬する意向を表明したので愛知県知事選挙は大混戦になる模様だ。すでに愛知県知事選挙には、旧自治省出身で元愛知県総務部長の御園慎一郎氏、おなじく旧自治省の出身となるが元総務省官房審議官の重徳和彦氏、そして医師で大学教授の薬師寺道代氏が出馬を表明している。民主党が御園氏、自民党が重徳氏、みんなの党が薬師寺氏をそれぞれ擁立している。もちろん共産党も候補者を出すだろう。ひょっとしたら幸福実現党も候補者を出すかもしれない。
当落予想を立てるとすると、本命御園、対抗大村、穴重徳、大穴薬師寺で、共産は「党勢拡大をめざす」で、幸福は「独自のたたかい」といったところか。大村氏より重徳氏を不利と見るのは、愛知の自民党は政権を失ってから各種団体の推薦や支持を取る力が格段に落ちたことだ。大村氏はすくなくとも愛知13区では強力な後援会組織を持っているし、名古屋市内だけでなく東海地方全般にある河村人気もバックアップするかもしれない。また知名度は全候補者中で一番高いだろう。また選挙戦に入れば、大村氏と御園氏の戦いの様相がはっきりしてくると、県内の反河村勢力が重徳氏を捨てて全精力を御園氏に回すのは明らかだ。
みんなの党は、参議院選挙時には支持率も上がり躍進した。その後民主党政権の不手際が目立ったためさらに躍進しそうだが、逆に国民が官僚支配打破に諦めと無力感をもってしまったため勢いが落ちている。そこでみんなの党の渡辺代表が愛知県知事選で河村市長と提携して党勢のカンフル剤にしようとしたが、河村市長は乗り気ではなかった。河村市長は大村氏の県知事選擁立を考えていたのだ。
河村市長は元民主党の代議士で大村氏は自民党の代議士、だからこの二人の関係に意外さを感じる人は多いだろう。でも以前からつながりはあったのだ。1999年ごろ名古屋市港区と隣の飛島村にまたがる藤前干潟をごみ埋め立て処分場にしようとした名古屋市の計画を、環境省の役人から相談を受けた河村氏(当時衆議院議員)は、新幹線の車中で会った同じく愛知県選出の大村氏に藤前干潟について話したところ埋め立て反対で意見が一致したという。でもまあ藤前干潟が保全されたのは2人の力より、市民と環境省の役人の力が大きかった。僕のみるところ河村氏は環境保全の環境に興味があるというよりも何かを保全することに意義を感じる人みたいだ。だって彼の母校の旭丘高校が建て替えで壊されようとしたとき校門に体を縛りつけて反対したもの。
ちょっと話はそれるけど、藤前干潟の保全のため環境省の課長が単身で名古屋市役所に乗り込んできたのが市民運動とともに大きな力となった。国の役人でもまともな人のだと思いたいけど、素直でない僕はちょっと気になる点がある。というのはその前年に「諫早湾干拓事業に介入できないで国民の批判をあびた」から藤前干潟では頑張ったとウィキペディアに書いてあった。諫早湾は国が関与する事業だ。もし環境省なり他の省庁の役人が、その事業の環境評価なり経済的必要性の事前評価に誤りがあるのではと指摘したら、指摘された役人はよいことを教えてくれて助かったと喜ぶだろうか。そうではないはずだ。「国会や住民に報告した数字は出まかせで、本当の目的は別にあることは判っているはずなのに、余分なことを言いやがって。役人同士は相身互いなのに、他人の利権に介入するとは役人の風上にも置けないやつだ」ということになるのは明明白白だ。だから国の事業には介入できないししないが、名古屋市役所の単独事業は介入できるわけだ。
話は戻るが、大村議員はよくテレビに出ていたよね。一般にテレビに露出度が多い国会議員は選挙に強いという。だから出ていたのだと思うけど、大村議員の場合、批判のおおかった厚生労働省の副大臣なのだからテレビにでても防戦しなければならないのだからイメージアップにはあまりならない。またテレビ映りがいい男ぶりとは思えない。それなのによくテレビに出ていたのは厚生労働副大臣という立場の使命感かな。それともやっぱり選挙に有利と思っていたのかな。たしかに民主王国の愛知県でただ一人の自民党の衆議院議員だから選挙に役立っているのかもしれない。
ところで大村議員のテレビ出演と言えば、2009年元日早朝の『朝まで生テレビ!』だ。田原総一朗氏司会の討論番組だけど、そこには大村秀章氏のほかに名古屋市職員出身の哲学者の小川仁志氏も他の多くの参加者と一緒に出ていた。小川氏は「カントは・・」なんて哲学者らしいが、この討論にはやや場違いな発言をしていたが、大村氏とのやり取りで記憶に残っているのは、小川氏が大村氏に「大村さん、生きるってどういうことですか言ってください」なんて言っていた。もちろん大村氏の発言に「生きる」といという言葉があったわけではない。小川氏の戦術として、大村氏が答えられない(答えない)を見越して、そのあと自説を述べてこの討論のテーマの雇用と貧困の問題について論議を展開していこうとしたのだ。当然だが大村氏は「この人は何を言っているのだ」という顔をしてこの質問を無視した。僕は見ていて、もし大村氏が「生きるとは愛することです」なんて言ったら、小川氏はどんな顔をしたのだろうかと思った。ちなみに「生きることは愛すること」というのはある歌の歌詞にあった。
おっと忘れるところだった。今度の愛知知事選のもう一つの見ものは、立候補予定者の旧自治省出身者が2名もいることだ。昔ならこれは考えられないだろう。ふつう自治省出身の首長は引退するとき、後継者に自治省出身者を指名して代々引き継ぐ。旧自治省というのは小さな省庁だが、1種試験合格者の人気が高い有力省庁なのは、末は知事とか市長になれるからだ。だから自治省が健在ならば自治省出身者が争うなんてことはなかっただろう。愛知県の場合、戦後すぐの知事は、戦前の官選知事からの桑原幹根氏で、その後は仲谷義明氏でその後は鈴木礼治氏。仲谷氏も鈴木氏も自治省出身で後継者含みとして愛知県庁へ出向して両者とも教育長をやっていた。しかし反中央(江戸・東京)の意識がある愛知なので、仲谷氏は愛知県出身、鈴木氏は三重県出身だが名古屋大学出身ということで地元人として知事になれた。鈴木氏のあとは、鈴木氏が「御園さんにやってもらえたらいいな」なんて当時総務部長だった御園氏を後継指名したのだが、自民党が御園氏を担ごうとしたら民主党が一宮市長の現知事の神田氏を推したので、自民党は御園氏を担げなかった。今回と反対だね。御園氏は前回のときに自民党の非力をしったので、今回は初めから民主党にすり寄って民主党のマニフェストで戦うなんて言ってしまったので、自民党は相乗りできなくなった。
ところで重徳氏は河村市長を訪問して河村市長を持ち上げるも、河村市長は「わしは大村さん」と言われてしまう。また自民党へも推薦を断り、自民党もこれを了承して支援はするが推薦候補としない方針。自民隠しともいえるが、僕としては重徳氏が知事になっておおばけする方が、大村氏や薬師寺氏が知事になるより面白い。
でも僕の見るところでは、市議会側の選挙管理委員会を使った姑息な作戦が、河村サポーターズの激しい憤りを呼び出して、皮肉にも河村支持者に選挙で復讐するエネルギーを与えてしまったからだ。自民党は遅かれ早かれ来年初めに行われる市議会選挙での落とす主標的になることを避けようとしたのだ。すでに公明党が議員報酬半減化に賛成を表明して反河村戦線から離脱し始めている。自主解散といっても4分の3の出席で5分の4の賛成が必要なので自民党だけが賛成しても可決しないし、可決したところで4月の任期切れ選挙か3月のリコール選挙がさらに1・2カ月だけ早くなるだけなので議員稼業にはあまり影響がない。むしろここは頑なな利権擁護者とみられることは避けた方がよい、との判断だろう。他方市議会民主党はマニフェストで減税反対を表明しており、支持団体に自治労(名古屋市では自治労名古屋)があるので方向転換ができない。だから梯子を下ろされた形だ。
僕は定数の関係から河村支持者が市議会で過半数を取ることは難しいと思っていたが。選挙管理員会が河村サポーター勝利のジグソーパズルの欠けた最後の1ピースを作ってくれたと思う。
ところで話は変わるが、河村名古屋市長が来年2月の愛知県知事選挙に、自民党の大村秀章代議士に出馬を要請して、大村氏も出馬する意向を表明したので愛知県知事選挙は大混戦になる模様だ。すでに愛知県知事選挙には、旧自治省出身で元愛知県総務部長の御園慎一郎氏、おなじく旧自治省の出身となるが元総務省官房審議官の重徳和彦氏、そして医師で大学教授の薬師寺道代氏が出馬を表明している。民主党が御園氏、自民党が重徳氏、みんなの党が薬師寺氏をそれぞれ擁立している。もちろん共産党も候補者を出すだろう。ひょっとしたら幸福実現党も候補者を出すかもしれない。
当落予想を立てるとすると、本命御園、対抗大村、穴重徳、大穴薬師寺で、共産は「党勢拡大をめざす」で、幸福は「独自のたたかい」といったところか。大村氏より重徳氏を不利と見るのは、愛知の自民党は政権を失ってから各種団体の推薦や支持を取る力が格段に落ちたことだ。大村氏はすくなくとも愛知13区では強力な後援会組織を持っているし、名古屋市内だけでなく東海地方全般にある河村人気もバックアップするかもしれない。また知名度は全候補者中で一番高いだろう。また選挙戦に入れば、大村氏と御園氏の戦いの様相がはっきりしてくると、県内の反河村勢力が重徳氏を捨てて全精力を御園氏に回すのは明らかだ。
みんなの党は、参議院選挙時には支持率も上がり躍進した。その後民主党政権の不手際が目立ったためさらに躍進しそうだが、逆に国民が官僚支配打破に諦めと無力感をもってしまったため勢いが落ちている。そこでみんなの党の渡辺代表が愛知県知事選で河村市長と提携して党勢のカンフル剤にしようとしたが、河村市長は乗り気ではなかった。河村市長は大村氏の県知事選擁立を考えていたのだ。
河村市長は元民主党の代議士で大村氏は自民党の代議士、だからこの二人の関係に意外さを感じる人は多いだろう。でも以前からつながりはあったのだ。1999年ごろ名古屋市港区と隣の飛島村にまたがる藤前干潟をごみ埋め立て処分場にしようとした名古屋市の計画を、環境省の役人から相談を受けた河村氏(当時衆議院議員)は、新幹線の車中で会った同じく愛知県選出の大村氏に藤前干潟について話したところ埋め立て反対で意見が一致したという。でもまあ藤前干潟が保全されたのは2人の力より、市民と環境省の役人の力が大きかった。僕のみるところ河村氏は環境保全の環境に興味があるというよりも何かを保全することに意義を感じる人みたいだ。だって彼の母校の旭丘高校が建て替えで壊されようとしたとき校門に体を縛りつけて反対したもの。
ちょっと話はそれるけど、藤前干潟の保全のため環境省の課長が単身で名古屋市役所に乗り込んできたのが市民運動とともに大きな力となった。国の役人でもまともな人のだと思いたいけど、素直でない僕はちょっと気になる点がある。というのはその前年に「諫早湾干拓事業に介入できないで国民の批判をあびた」から藤前干潟では頑張ったとウィキペディアに書いてあった。諫早湾は国が関与する事業だ。もし環境省なり他の省庁の役人が、その事業の環境評価なり経済的必要性の事前評価に誤りがあるのではと指摘したら、指摘された役人はよいことを教えてくれて助かったと喜ぶだろうか。そうではないはずだ。「国会や住民に報告した数字は出まかせで、本当の目的は別にあることは判っているはずなのに、余分なことを言いやがって。役人同士は相身互いなのに、他人の利権に介入するとは役人の風上にも置けないやつだ」ということになるのは明明白白だ。だから国の事業には介入できないししないが、名古屋市役所の単独事業は介入できるわけだ。
話は戻るが、大村議員はよくテレビに出ていたよね。一般にテレビに露出度が多い国会議員は選挙に強いという。だから出ていたのだと思うけど、大村議員の場合、批判のおおかった厚生労働省の副大臣なのだからテレビにでても防戦しなければならないのだからイメージアップにはあまりならない。またテレビ映りがいい男ぶりとは思えない。それなのによくテレビに出ていたのは厚生労働副大臣という立場の使命感かな。それともやっぱり選挙に有利と思っていたのかな。たしかに民主王国の愛知県でただ一人の自民党の衆議院議員だから選挙に役立っているのかもしれない。
ところで大村議員のテレビ出演と言えば、2009年元日早朝の『朝まで生テレビ!』だ。田原総一朗氏司会の討論番組だけど、そこには大村秀章氏のほかに名古屋市職員出身の哲学者の小川仁志氏も他の多くの参加者と一緒に出ていた。小川氏は「カントは・・」なんて哲学者らしいが、この討論にはやや場違いな発言をしていたが、大村氏とのやり取りで記憶に残っているのは、小川氏が大村氏に「大村さん、生きるってどういうことですか言ってください」なんて言っていた。もちろん大村氏の発言に「生きる」といという言葉があったわけではない。小川氏の戦術として、大村氏が答えられない(答えない)を見越して、そのあと自説を述べてこの討論のテーマの雇用と貧困の問題について論議を展開していこうとしたのだ。当然だが大村氏は「この人は何を言っているのだ」という顔をしてこの質問を無視した。僕は見ていて、もし大村氏が「生きるとは愛することです」なんて言ったら、小川氏はどんな顔をしたのだろうかと思った。ちなみに「生きることは愛すること」というのはある歌の歌詞にあった。
おっと忘れるところだった。今度の愛知知事選のもう一つの見ものは、立候補予定者の旧自治省出身者が2名もいることだ。昔ならこれは考えられないだろう。ふつう自治省出身の首長は引退するとき、後継者に自治省出身者を指名して代々引き継ぐ。旧自治省というのは小さな省庁だが、1種試験合格者の人気が高い有力省庁なのは、末は知事とか市長になれるからだ。だから自治省が健在ならば自治省出身者が争うなんてことはなかっただろう。愛知県の場合、戦後すぐの知事は、戦前の官選知事からの桑原幹根氏で、その後は仲谷義明氏でその後は鈴木礼治氏。仲谷氏も鈴木氏も自治省出身で後継者含みとして愛知県庁へ出向して両者とも教育長をやっていた。しかし反中央(江戸・東京)の意識がある愛知なので、仲谷氏は愛知県出身、鈴木氏は三重県出身だが名古屋大学出身ということで地元人として知事になれた。鈴木氏のあとは、鈴木氏が「御園さんにやってもらえたらいいな」なんて当時総務部長だった御園氏を後継指名したのだが、自民党が御園氏を担ごうとしたら民主党が一宮市長の現知事の神田氏を推したので、自民党は御園氏を担げなかった。今回と反対だね。御園氏は前回のときに自民党の非力をしったので、今回は初めから民主党にすり寄って民主党のマニフェストで戦うなんて言ってしまったので、自民党は相乗りできなくなった。
ところで重徳氏は河村市長を訪問して河村市長を持ち上げるも、河村市長は「わしは大村さん」と言われてしまう。また自民党へも推薦を断り、自民党もこれを了承して支援はするが推薦候補としない方針。自民隠しともいえるが、僕としては重徳氏が知事になっておおばけする方が、大村氏や薬師寺氏が知事になるより面白い。