salt&pepper days 

ともすれば、子どもとの時間に埋もれそうな日々。でもやりたいことは他にもいっぱい。刺激を求めて悪あがき中。

天才の奥さん

2007-02-09 02:51:35 | 本・雑誌
荒木陽子さんという人を、誤解してました。
アラーキー(写真家、荒木経惟さん)の奥さんです。

荒木陽子さんの著書、『愛情生活』を読みました。
荒木さんとの馴れ初め、結婚生活、旅のことなど書かれています。

本を読むまでは
「天才アラーキーの過激な行動をすべて許してる、できた奥さん」
だと思っていた。
それも、ある意味間違いではないのだろうけど
ご本人は、夫がほかの女性と関係しようが(仕事で)
ちょっとした戸惑いこそあれ
それを「耐え忍ぶ」とか「許す」なんてこと
全然意識してやってない、っていうか
陽子さんも十分に過激!
ここまで書くか! 興味津々、ちょっとドキドキ。

やっぱり引き合うものがあるんだろうか、夫婦になるふたりっていうのは。
アラーキーのことを、その感性を、心から好きで
一緒に面白がれちゃう、好奇心が勝る妻ってすごい。
他人だったら無責任に「この写真、面白い!」とか
「やっぱ天才だから、やること違うよ」って言えても
妻の立場だと複雑なものも多いだろうに。

お互いに相手のことが大好きで
アラーキーも陽子さんのことを、本当に可愛がってる。
愛されている妻は、「女」としてもすごく魅力的で
(女性、というか、女、ですね)
色っぽくて、年を重ねてもかわいいものなんですね。

かといって、いつもいつもベタベタでもなく
旅先で「別行動の時間」をとって、お互いを尊重したり。

陽子さんが今いれば、もっと面白い夫婦になって
エッセイなんかで楽しませてもらえたろうに。
残念ですね。

アラーキーさんの写真は、過激なものだけでなく
何気ない生活の一端をあたたかくとらえているものも。
繊細で、やさしい人なんだろうな。

「夫婦なんだから、わかってほしい」と
つい相手に求めがちで、それは夫婦だから言えることでもあるけど
わかってほしいなら、自分も相手に対して興味をもっていなければ。
そんなことを思わされた。
愛がぎっしり、とても濃い夫婦のお話です。