農水省が検討中の「海外日本食レストラン認証(推奨)制度」についてのマスコミ報道は誤解と先入観に基づいたレベルの低いものばかり。
日本食レストラン認証、「正しい日本食」の基準設けず : 経済ニュース : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
農水省ウェブサイトの「海外日本食レストラン認証 有識者会議経過」から引用して反論する。
それにしても不思議なのは、「海外日本食レストラン認証(推奨)制度」について取り上げたマスコミの論調が判で押したように観念的な批判ばかりだったこと。左巻きの朝日や毎日、中日新聞が反対するのはまだ理解できるが、保守的なはずの読売や産経まで「左へ倣え」なのは解せない。
「従軍慰安婦」問題を見ればわかるように、海外で日本(日本文化)について誤解が定着してしまうとそれを正すのは大変難しい。アレンジとも呼べないようなデタラメな「日本食もどき」が日本のイメージになるのをこのまま見過ごすわけにはいかない。
記者が30分ほど時間を割いて「有識者会議」の議事録と資料を読めばこのような制度が必要とされる理由がわかるだろうに、たぶん誰もまともに取材していないのだろう。「松岡はけしからん奴だから叩いてやれ」という為にする批判記事を書いて一丁上がり。読者を馬鹿にするにも程がある。
フランスマスコミの「比較的客観的に事実を淡々と書」く姿勢を少しは見習ってほしいものだ。
日本食レストラン認証、「正しい日本食」の基準設けず : 経済ニュース : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
農林水産省は16日、2007年度から始める予定だった海外の日本食レストランへの認証制度について、「正しい日本食」を判断する統一の基準を設けない方針を決めた。
政府が「お墨付き」を与える形もやめて、判断を民間組織に委ねる。国内外の反発を受け、当初の構想から大幅に後退した格好だ。
農水省から委託された有識者会議がこの日、基本方針をまとめた。「日本食の定義付けは難しい」(座長の小倉和夫・国際交流基金理事長)ため、食材や調理方法など、各国・地域の実情に応じて総合的に判断する。評価にあたる民間組織は現地の料理研究家などで構成する方針だ。
農水省は、日本食とかけ離れた「日本食レストラン」が海外で増えているとして、正しいメニューを出す料理店への認証制度を計画していた。しかし、「現地の好みに適応した日本食もある」「政府の判断を押しつけるべきではない」などと反発が相次いでいた。
農水省ウェブサイトの「海外日本食レストラン認証 有識者会議経過」から引用して反論する。
- 「『正しい日本食』を判断する統一の基準を設けない方針を決めた。」
- 「『正しい日本食』を判断する統一の基準」という言葉がよくわからないが、「一切のアレンジを許さない厳格な基準」という意味であれば「有識者会議」の第一回からそんなことは検討されていない。
【松岡農林水産大臣】
一方、日本国内でも関東風とか関西風という味付けの違いがありますように、世界各地でその国の嗜好や料理法に合わせた味付け、あるいは創作された日本食が売り出されているという実情もあると思います。こうした、多彩で幅広い日本食をどうとらえていくべきなのか、世界各地の実情もしっかり把握していかなければならないと思います。(p2)
【大島委員】
私は長年ホテルの料理に携わっておりまして、フランスで修行した経験もございます。地方で料理をやっている関係で、フランス料理を提唱してもなかなかご理解いただけない。その中で、ご理解いただくためにどうすればいいかということでヒュージョンをやりまして、それで地方の皆様に喜んでいただく。もともとヒュージョン料理というのは日本が一番得意な分野でございます。なぜかと申しますと、この認証制度において幅の広い日本食というエリアが広いところをきちんとご理解いただくには、認証制度を幅広く持ったほうがいいのではないかということです。(p7)
海外日本食レストラン認証 有識者会議 第一回 議事録[PDF:88KB]
その一方、第三回会議の「提言 日本食レストラン推奨計画」では「推奨の基準」として食材や調理技術を含めた総合的判断を行うとされている。
(b)推奨の基準
以下の事項を総合的に判断して、推奨を行う。
- コメ、調味料、日本酒などの主要な食材や飲料
- 経営者や料理人の日本食に関する調理技術や衛生管理等についての知識
- 店舗の雰囲気、接客、サービス、器、メニュー
- 調理、味付け、盛りつけ
- 日本食の調理方法、食材や食文化についての顧客への情報発信
第3回 提言 日本食レストラン推奨計画[PDF:39KB]
記事は「『正しい日本食』を判断する統一の基準を設けない方針」と意地悪く書いているがまるで言いがかりだ。
松岡大臣を含めた有識者会議の考えかたは最初から変らず「日本食に必要な調理技術を満たした上で、現地の事情に合わせたある程度のアレンジを認める弾力的な基準を設ける」ということだ。
- 「政府が『お墨付き』を与える形もやめて、判断を民間組織に委ねる。国内外の反発を受け、当初の構想から大幅に後退した格好だ。」
- マスコミとは思い込みでいい加減なことを書くものだと呆れる。むしろ有識者会議の提言は「当初の構想」そのままだ。一回目の有識者会議から第三者の認証団体に委託する方向で検討されている。
【岡島総合食料局長】
それから参考資料1 として、海外におけるレストラン認証制度について。
(略)
私どもが念頭に置いているのは、むしろ、タイなりイタリアなどでやっているものも参考にしながら何らかの制度をつくっていければなと考えているところでございます。
(略)
7 ページからがイタリアが行っているもので、これもイタリア政府機関による認定制度でございます。下のほうに、認定ラベルということで表示しています。
8 ページは認定審査の流れですが、タイと同じようにレストランからの申請に基づいて第三者の認証団体が承認するという形の流れになっております。(p4-6)
第一回議事録 [PDF:88KB]
松岡大臣が出席した会議で農水省の岡島食料局長が
「タイとイタリアで行われている制度を参考にする」「両国では第三者の認証団体が承認」
と明言している。
「国内外の反発を受け、当初の構想から大幅に後退」という記事は明らかな間違い。
- 「現地の好みに適応した日本食もある」「政府の判断を押しつけるべきではない」などと反発が相次いでいた。」
- 反発があったのは事実として、すでにJETRO(独立行政法人日本貿易振興機構)がパリで行っている「日本食レストラン推奨制度」について現地で支持する意見が多いことも書かなければマスコミの標榜する公正公平な報道とは言えない。
【中井JETROパリセンター所長】
いただいたメールの中には、特にフランス人の消費者からたくさんのメールをいただきましたが、オーソドックスで伝統的日本食レストランが減少するのではないかという危惧を抱いている。特に、自分の子供たちのような若い人たちに、どこに行けばオーソドックスな日本食が食べられるかを知ってもらいたい。その後、子供が判断すればいいのだというメールをいただいています。それから、フランス人向けに日本専門誌を出しているところに出たものの評価を100 人に聞きましたが、100 人ともこういう制度は基本的に賛同する。その理由としては、半分ぐらいの方が、本物を提供するレストランを知ることができるからという意見をいただきました。もちろん、この方は比較的日本のことにお詳しい方なのでそういう思いが強いのかもしれませんが、そういう反響が来ております。
それから主要メディア(Figaro、LExpansion、LePoint)がぼちぼち取り上げております。皆さん、比較的客観的に事実を淡々と書かれて、こういうことが始まっているということを報じておられます。特にLExpansion などの記事は、表題に寿司とスシを引っ掛けて、スシは不安だ、心配だという意味ですが、「心配ないよ、本物の寿司が発見されたよ」ということで、いままで比較的フランス人の中で危険だということに対しての払拭感をなくして、こういうことがそれをなくすのに役立つのだという記事が出ています 。(p6-7)
第二回議事録 [PDF:96KB]
フランス人向け日本専門誌の読者は「100人中100人が賛成」だという。ちょっと大げさかもしれないが、日本に興味を持つフランス人には圧倒的に支持されていると思って間違いなさそうだ。
フランスで進められている試みについて(ジェトロパリセンター)[PDF:24KB]
日本食レストラン推奨制度(ジェトロパリセンター)[PDF:23KB]
それにしても不思議なのは、「海外日本食レストラン認証(推奨)制度」について取り上げたマスコミの論調が判で押したように観念的な批判ばかりだったこと。左巻きの朝日や毎日、中日新聞が反対するのはまだ理解できるが、保守的なはずの読売や産経まで「左へ倣え」なのは解せない。
「従軍慰安婦」問題を見ればわかるように、海外で日本(日本文化)について誤解が定着してしまうとそれを正すのは大変難しい。アレンジとも呼べないようなデタラメな「日本食もどき」が日本のイメージになるのをこのまま見過ごすわけにはいかない。
記者が30分ほど時間を割いて「有識者会議」の議事録と資料を読めばこのような制度が必要とされる理由がわかるだろうに、たぶん誰もまともに取材していないのだろう。「松岡はけしからん奴だから叩いてやれ」という為にする批判記事を書いて一丁上がり。読者を馬鹿にするにも程がある。
フランスマスコミの「比較的客観的に事実を淡々と書」く姿勢を少しは見習ってほしいものだ。
新聞は読者がホームページにアクセスできないと多寡をくくっているのでしょうか。おごる平家は久しからず、といいます。悲しいことですね。
そこの浅い農水省批判に保守系のメディアや言論人が乗るのは、米国様からの牛肉輸入強制絡みと見るのはうがちすぎでしょうか。そうだとすれば悲しいことですね。
昨今、この問題についてマスコミは以前の農水省叩きから、海外における変な日本食叩きに微妙にスタンスをずらしつつあるようです。
ともあれ、どの国の方が、どのような素材や調理法で作られるにしろ、日本食に対する愛情と誠実さに裏付けられた料理が、世界中に普及してほしいものです。そして、日本食に対する愛情と誠実さをもって努力される世界中の料理人とレストレンを後押しするためにも、不誠実或いは不衛生なまがい物は排除されるべきです。
そのためには、レストランの認定や推奨の良いのですが、消費者の啓蒙も大事だと思います。日本食知識検定や日本食に関するクイズなどを通じて、まずは危険なニセ日本食の避け方から啓蒙できれば望ましいとおもいます。
あらゆる関連本の中で一番良い。
この問題の全容も把握できる。
> 「認証」批判のうち私が納得できるのはコストパフォーマンスについての疑問くらいですが、個人的には「2億数千万は安すぎる、10倍にしてもいい(効果があるなら)」と思っております。
私は若輩者ではありますが、仕事で物流の業界に入って5年目になりましょうか。物の流れの仕組みと言うのはなかなか難しい物がありまして、日々粉骨砕身で頑張っております。
細かく言うとかなり長くなるので、概念として捉えてもらえれば幸いです。
物流は大枠が決まらないと動けない部分が多々あります。また一度大枠が決まってしまうと、後からひっくり返したり、新規参入でシェアを広げていくのは限りなく困難になります。逆に言えば、大枠をつくり市場を確保してしまえばひっくり返されにくいという側面が強いのが物流の業界です。
海外市場が発展途上で急速に拡大している今、コストパフォーマンスを求めるのはあまり意味が無いと思います。メーカーの新商品開発販売でのシェア拡大・確保と似たような物と考えれば、概念として捉えやすいかもしれません。
今は先行投資が求められる時期であり、市場が巨大で、また土壌も海外で、かつ未知数な部分も多い為、市場拡大と食文化の安定も含めたリスクはある程度政府で負わなければメーカーや商社は参入しづらいでしょう。また、参入しても個の範囲内での枠組みしか作れませんので、日本食と言う文化の大枠で見た場合でも民間企業にはできる事の限界があります。そしてそれが、今の惨憺たる結果だと思います。
大枠が整備され、企業がどんどん参入し、ある程度市場と食文化が安定して初めてコストパフォーマンスを求める必要が出てくるかと思います。もしその時政府がいつまでも先行投資と同じコストをかけ続けているなら、そこは批判の対象になるでしょう。
また、その将来を見据えたロードマップは綿密に作り上げる必要はあるし、市場の拡大が望めず、先行投資する価値が無いのが分かっているならコストパフォーマンスの批判は正当性があると思いますが、現状はそうではないのですからコストパフォーマンスの批判も少しピントがずれているのかなぁとも思います。食文化というデリケートな面が絡まないのならその限りではないでしょうけど。
例えば日本酒ですが、韓国や中国でも製造され多くはアメリカや欧州に輸出されています。アジアからの輸出は韓国が多いそうです。また現地生産も少ないながら行われているようです。ここで日本が参入しなくとも世界中での日本食(酒も)の市場は拡大し、私たちの知らないところでも日本酒の供給は行われていくでしょう。しかし、私はこれを見逃すのは日本食文化の本場としてとても勿体無いと思いますし、こういう事こそ政府が乗り出すべき事なんじゃないかなと思います。
「海外日本料理レストラン認証」自体はやらずに済めばその方がいいのは確かですが、マスコミ等の「だからやってはいけない」という論調は馬鹿馬鹿しいかぎりです。現地の好みに合わせたアレンジはよいとしても、あまりにひどいインチキ・デタラメの横行を放置できません。「認証」批判のうち私が納得できるのはコストパフォーマンスについての疑問くらいですが、個人的には「2億数千万は安すぎる、10倍にしてもいい(効果があるなら)」と思っております。
この問題は、物流という側面から見るとまた一つ面白い発見が出来るかもしれません。
世界中の市場が相手で、文化という非常にデリケートな部分を持っている為、この問題は海外の食文化レベルの向上も絡み民間の商社だけでどうにかなる範疇を超えているのではないでしょうか。
これは、「税金をかけてまで政府がやる仕事か?」という問いがあるなら、「税金をかけてでも政府がやらないと手に負えない仕事」だと評価してもよいと思います。
>3453さん
保守ブロガーと呼ばれてましたか、そうですか。
自分ではよく意味もわからず「自称リベラル」なのですが、某政治ポジションテストだと「やや保守」だったのでそうなのかもしれません。
日本料理レストラン認証(推奨)は保守もリベラルも関係なく「本物(と日本人が考えるもの)とアレンジ・インチキ・ニセモノ」を外国人が見分ける手助けになるので、ぜひ現地の理解と協力を得てうまくいくよう願っております。
>菜穂子さん
記事と無関係なコメントは歓迎しません。
>安部奈亮さん
松岡大臣はどうやらうやむやのうちに生き延びそうですね。
例によって民主党にブーメランがぶち当たったようですし。
>★★★★★さん
私を批判するときは敬語なしで結構ですが(菜穂子さんのように)、他の読者コメントへのレスは最低限の敬意を払ってください。
あのね、お嬢ちゃん、バカげた非難が上がってるのは、君の祖国の、君に勝るとも劣らないほど頭のイカレたキチガイ連中が、これまた君の祖国の誇るべき伝統文化である「捏造」に基づき世界中に嘘八百吹聴して周ってるからなんだよ。
高給取りだった出稼ぎ売春婦が、今頃になって被害者ヅラして、よくあそこまで迫真の演技ででっち上げ並べ立てて、たかり行為できるな。老若男女問わず、身も心もすべて根っこから腐りきってるな、君の国は。
それと、レイプまがいのことが行われた事例が一部にあったとしても、それはね、残酷な真実告げるようだが、ほとんどすべて当時日本軍に属してた君の祖国のキチガイ軍人どもが、日本軍の軍令に違反してしでかしたこと!まあ、もっとも強姦も君の祖国の誇るべき伝統文化だから、連中に罪悪感などなかったんだろうが。
いずれにせよ、そこまで日本語の読み書きができるようになったんだから、君の祖国の知性の低い激情家のキチガイ連中の書いた捏造本じゃなく、まともな言論の自由の保障された先進国の日本で、その自由を享有する文明人である日本人の書いた真実の歴史というものを読んでみな、自分たちの醜さを目の当たりにさせられて辛いだろうが。でかい声出してわめき叫んでみても、結局真実は曲げられないんだよ、一時的に周囲を欺くことはできても。
なるほど、そういうカラクリで認証制度をくさしていたのか。何だかマスコミの工作活動もレベルが下がっているような気がしますね。
最近sk-44さんのところでbluefoxさんのコメントが引用されてますが、玄倉川さんは保守ブロガーという認知のされ方だったんですね。
あまりそういう認識はなかったので少々新鮮でした。