玄倉川の岸辺

悪行に報いがあるとは限りませんが、愚行の報いから逃れるのは難しいようです

タックスヘイブンを勧める総理、金持ちに矜持を説く総理

2009年11月15日 | 政治・外交
鳩山総理
「国民に税金が課されていないと聞いた。日本国民もブルネイに移住したいと考えるだろう」


麻生元総理 
(定額給付金について)「貧しい人には全世帯に渡すが、『私はそんな金をもらいたくない』という人はもらわなきゃいい。(年収が)1億円あっても、さもしく1万2000円が欲しいという人もいるかもしれない。それは哲学、矜恃(きょうじ)の問題で、それを調べて細かく(所得制限を)したら手間が大変だ」


鳩山発言が今のところそれほど問題にされず、麻生発言が総スカンを食った理由が全然わからない。
麻生氏が総理だったとき「日本人は無税のブルネイに移住したいだろう」などと言えば「真面目な納税者をバカにしている」「国の財政を何だと思ってるのか」とマスコミ総がかりのバッシングを受けたのは間違いない。
逆に、鳩山氏が「大金持ちが国から小金をもらいたがるのはさもしい」と言ったとしたらどうだろう。高い支持率に配慮したマスコミが「さすが鳩山さん、これこそお金持ちの矜持ですね!さもしい金持ちは恥を知れ!」ともみ手してヨイショするんじゃなかろうか。

「誰が言ったか」を抜きにして考えてみる。
「日本国民もブルネイに移住したいと考えるだろう」という発言は「タックスヘイブンの勧め」であり国民と企業の節税・脱税志向を肯定している。火の車の財政を預かる政権与党の政治家として無責任すぎるし、ましてや総理大臣としては論外だ。
対して、「大金持ちが国に小金をタカるようなさもしい真似をするな」という発言は政治家としても金持ちとしても真っ当だ。以前にも書いたけれど、あの発言に怒った「金持ちでもなんでもない一般人」はいったいどういうつもりなのか理解しがたい。まさか「俺も10年後には年収1億円だぜ!」と信じているわけでもなかろうに。

ついでに言っておくと、ブルネイとかモナコとかいった税金のない(安い)国に移住できるのは大金持ちか特別な能力の持ち主だけだ。うなるほどの財産やあふれる才能とは縁のない一般人が夢見るなら「ああいう国に生まれたら楽なのに」くらいがせいぜいのところだ。
どうせ無理な夢を見るなら、「無税の国に移住したい」なんてセコい話じゃなくて「月に移住したい」とか「火星に移住したい」とか壮大な夢を見たいものである。独特のセンスで「宇宙人」とも呼ばれる鳩山総理の身辺にはなぜか銅臭が漂っている。


鳩山首相が軽率発言。「日本国民も無税のブルネイに移住したい」 - MSN産経ニュース
 【シンガポール=松本浩史】鳩山由紀夫首相は14日、シンガポールでブルネイのボルキア国王と会談し、個人に対し所得税が課せられていない同国の税制について、「国民に税金が課されていないと聞いた。日本国民もブルネイに移住したいと考えるだろう」と述べた。

 国民に課税している日本政府のトップとしては不適切な発言である上、首相自身は政治資金収支報告書の虚偽記載問題で、自民党の大島理森幹事長から「脱税の可能性がある」と追及を受け、「税はしっかりと払っている」と反論した経緯がある。加えて、首相自身の資産報告書などの記載漏れも発覚したばかりで、「軽率発言」とのそしりは免れそうにない。


鳩山首相の資金団体 領収書不要の人件費/毎年6000~7000万円に
 鳩山由紀夫首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」(友政懇)の偽装献金疑惑が広がっていますが、支出の面でも年間6000万円を超す不自然な「人件費」の存在が注目されています。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
言語能力 (やすゆき)
2009-11-15 11:49:55
我らが首相は言語能力に欠けるようです、残念ながら。
献金疑惑にまつわる発言でも、「恵まれた家庭に育ったものだから」と余計なことを言ってしまったり。
元々低い期待値がさらに下がってしまいました。
返信する
Unknown (匿名希望)
2009-11-15 13:27:35
そりゃ麻生さんは金持ちの傲慢さだとか、大衆を蔑視するような姿勢が隠しきれない人だったから・・・
マスコミにも相当嫌われていたらしいですよ。
返信する