今の世の中で「警官は絶対に間違わない」と信じている人はどれくらいいるだろうか。
たぶんほとんどいないと思う。
たいていの人は捜査ミスや冤罪事件のニュースを見聞きしたことがあるはずだ。
ところがなぜか、「警察官の発砲事件」に限っては「撃たれた奴が全部悪いに決まってる」というナイーブな主張ばかりが大声で語られる。いったいなぜなのだろう。本当にわけが分からない。
威嚇なしの警官発砲は違法、神奈川県に約1千万賠償命じる : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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痛いニュース(ノ∀`):「威嚇なしの発砲は違法」 パトカーに何度も車ぶつけた覚醒剤男に警官発砲、半身不随に→県に1150万賠償命令…横浜地裁
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2ちゃんねらー(「痛いニュース」)はまだしも、普段は人権問題にうるさいはずの(ほめ言葉です)はてな村住民まで一様に「トンデモ判決だ」「発砲は当然」「盗人猛々しい」と怒っている。なんでこうなるのだろうか?
はじめに断っておくと、私はアンチ警察でも銃器嫌いでもない。むしろその反対だ。
警察や警官が特に好きなわけじゃないけれど、世間なみ程度に信頼しているつもりだ。職務質問とか検問に出くわしたらいつも素直に対応している。気持に余裕があれば「ご苦労様です、がんばってください」とねぎらいの言葉もかける。
銃器についてははっきりと「好き」なほうだ。子供のころからGun誌やコンバットマガジンで無駄に知識を蓄え、「丸」や「航空ファン」「世界の傑作機」「戦車マガジン」などで軍事にも親しんでいる。つまり銃オタ初級、軍事オタ見習いである。決してイデオロギー的に警察批判・発砲批判をしたいわけじゃない。
警察批判でも発砲批判でもなければ何を言いたいのか。
「不十分な情報で善悪を決め付けて叩くのはやめましょう」ということだ。メディアリテラシー向上というか中庸の勧めというか。安易な決めつけとか煽ったり煽られたりするのが嫌いなのである。
「情報は十分じゃないか」「記事を読めば発砲の正当性に疑う余地がないとわかる」
と思う人もいるだろう。だが本当にそうだろうか?もう一度記事を引用する。
「トンデモ判決だ」と怒る人たちはたぶんこの記事からドラマや映画の派手なアクションシーンを想像しているのだと思う。古くは「西部警察」とか「ブリット」「ダーティーハリー」、最近でいえば、えーとなんだろう? …21世紀のドラマや映画はあまり見てないのでいい例を思い出せません。どうか読者のみなさまはご自分の記憶で補完してください(ごめんなさい)。
発砲にいたる状況を主に撃たれた側(原告男性)の視点で想像してみよう。
…なんだか安っぽいけれど、とりあえずこれをシナリオAとする。特徴は「凶悪な犯人」「切迫した危険」「適切な判断による発砲」の三つ。
なるほど、これは凶悪だ。切迫した危険があり、射撃の前に十分に警告が行われ、相手もそれを理解している。これなら発砲するのが当然で、撃たなかったらむしろ問題だろう。
だがこれが唯一のシナリオではない。読売の記事からはまったく別の「シナリオB」を作ることができる。
シナリオBの特徴は「気弱な犯人」「切迫した危険が存在しない」「警官の判断ミス」。
このシナリオで犯人はそれほど凶暴性を示さない。火花が飛ぶ派手なアクションもない。いちばん大きな違いは、「犯人は警官の拳銃に気付いていない」「投降するつもりだったのに撃たれた」という点だ。
仮に(あくまでも仮に)横須賀の事件が「シナリオB」に近いものであった場合、これはどう見ても不適切な発砲と呼ぶしかない。発砲警告は通じていないし、切迫した危険はなかった。威嚇射撃をすれば「これ以上抵抗すると撃たれる」と気付いたかもしれないのにやってない。なによりも、投降するつもりの犯人を撃つのはとんでもないことだ。「威嚇射撃を行うべきだった」「不適切な発砲だ、弁償せよ」という判決が出て当然である。
もちろん、二つのシナリオは私が不十分な情報と足りない頭で想像したものにすぎない。A・Bのどちらも「これが事実だ」と言えるものではない。だが、「ひどい判決だ」と怒る人たちは私よりも事実について知っているのだろうか。正直言ってまったく信じられない。十中八九、私と同じように断片的な情報しか得ていないはずだ。違いがあるとしたら、私が「地裁判決にはそれなりの理由があるのだろう」「詳しい情報を知るまで叩くのは控えよう」と思い、暇にあかせて二種類のシナリオを考えたことくらいだ。本来なら誰でも出来ることである。
はっきり言うけれど、「警官が発砲した」=「犯人は撃たれて当然のことをしたに違いない」という決め付けはとてもバカっぽい。警官だって人の子なのだから、撃つか撃たないかという極限状況で判断ミスしても不思議はない。「撃つべきときに撃たなかった」ミスがあれば、当然「不適切な場面で撃ってしまう」ミスだってあるに決まってる。だがなぜか、2ちゃんねるなどで支配的な意見は「撃たなかった」ミスは批判(罵倒)するけれど「撃ってしまった」ミスには寛容、というか「不適切な発砲」の可能性について想像さえしないようだ。
彼らは警官の拳銃を草薙の剣やエクスカリバーみたいな「神秘的な正義の武器」だと思っているのだろうか。だとしたらとんでもないことだ。銃は単なる武器に過ぎない。銃を適切に使うのも、あるいは不適切な使い方をするのも人間しだい。そして人間は誰でも(もちろん警官も)時には判断ミスをするものである。
検索したらやや詳しい情報が見つかったので紹介する。
自販機荒らしに発砲、容疑者重傷 | Response.
事件当時の報道。事実は私の想像したシナリオA・Bとはよほど違うようだ(当たり前といえば当たり前)。
asahi.com(朝日新聞社):威嚇せず発砲は「違法」、県に賠償命令 横浜地裁 - 社会
警官発砲で半身不髄に損害賠償1154万円/横浜地裁 : ローカルニュース : ニュース : カナロコ -- 神奈川新聞
威嚇なし発砲に賠償命令 被害者に後遺症、横浜地裁 - 47NEWS(よんななニュース)
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「警察側の主張は事実」という前提で言えば - ば○こう○ちの納得いかないコーナー
たぶんほとんどいないと思う。
たいていの人は捜査ミスや冤罪事件のニュースを見聞きしたことがあるはずだ。
ところがなぜか、「警察官の発砲事件」に限っては「撃たれた奴が全部悪いに決まってる」というナイーブな主張ばかりが大声で語られる。いったいなぜなのだろう。本当にわけが分からない。
威嚇なしの警官発砲は違法、神奈川県に約1千万賠償命じる : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
パトカーに乗用車を衝突させるなどして神奈川県警の警察官に発砲され、下半身不随になった横浜市の男性(31)が「発砲の必要性はなかった」として国家賠償法に基づき、県に約8080万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、横浜地裁であった。
小林正裁判官(鶴岡稔彦裁判官代読)は「発砲前に威嚇射撃を行うべきで、適法な職務執行とは言えない」と述べ、県に約1150万円の賠償を命じた。
判決によると、2004年8月25日夕、横須賀署の巡査部長らのパトカーが、横須賀市内に停車中の男性に職務質問しようと近付いたところ、男性は車を急発進させて逃走した。路地に追い詰められた男性は、車をパトカーに繰り返しぶつけて脱出を図ったため、巡査部長は約1メートルの距離から男性の右肩を狙って発砲。右脇腹に命中して男性は下半身不随となった。男性は公務執行妨害と覚せい剤取締法違反などの罪で起訴され、07年8月に東京高裁で懲役2年、執行猶予4年が確定した。
訴訟で県側は、「発砲前に何度も警告しており、やむを得ない措置だった」と主張した。小林裁判官は、男性逮捕の必要性は認めたが、「拳銃で狙えた範囲は、男性の頭や胸などで、発砲には特に慎重であるべきだった。先に威嚇射撃を行う必要があった」と指摘した。
同県警監察官室は「関係機関と協議して今後の対応を決める」とコメントした。
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2ちゃんねらー(「痛いニュース」)はまだしも、普段は人権問題にうるさいはずの(ほめ言葉です)はてな村住民まで一様に「トンデモ判決だ」「発砲は当然」「盗人猛々しい」と怒っている。なんでこうなるのだろうか?
はじめに断っておくと、私はアンチ警察でも銃器嫌いでもない。むしろその反対だ。
警察や警官が特に好きなわけじゃないけれど、世間なみ程度に信頼しているつもりだ。職務質問とか検問に出くわしたらいつも素直に対応している。気持に余裕があれば「ご苦労様です、がんばってください」とねぎらいの言葉もかける。
銃器についてははっきりと「好き」なほうだ。子供のころからGun誌やコンバットマガジンで無駄に知識を蓄え、「丸」や「航空ファン」「世界の傑作機」「戦車マガジン」などで軍事にも親しんでいる。つまり銃オタ初級、軍事オタ見習いである。決してイデオロギー的に警察批判・発砲批判をしたいわけじゃない。
警察批判でも発砲批判でもなければ何を言いたいのか。
「不十分な情報で善悪を決め付けて叩くのはやめましょう」ということだ。メディアリテラシー向上というか中庸の勧めというか。安易な決めつけとか煽ったり煽られたりするのが嫌いなのである。
「情報は十分じゃないか」「記事を読めば発砲の正当性に疑う余地がないとわかる」
と思う人もいるだろう。だが本当にそうだろうか?もう一度記事を引用する。
判決によると、2004年8月25日夕、横須賀署の巡査部長らのパトカーが、横須賀市内に停車中の男性に職務質問しようと近付いたところ、男性は車を急発進させて逃走した。路地に追い詰められた男性は、車をパトカーに繰り返しぶつけて脱出を図ったため、巡査部長は約1メートルの距離から男性の右肩を狙って発砲。右脇腹に命中して男性は下半身不随となった。男性は公務執行妨害と覚せい剤取締法違反などの罪で起訴され、07年8月に東京高裁で懲役2年、執行猶予4年が確定した。
訴訟で県側は、「発砲前に何度も警告しており、やむを得ない措置だった」と主張した。小林裁判官は、男性逮捕の必要性は認めたが、「拳銃で狙えた範囲は、男性の頭や胸などで、発砲には特に慎重であるべきだった。先に威嚇射撃を行う必要があった」と指摘した。
「トンデモ判決だ」と怒る人たちはたぶんこの記事からドラマや映画の派手なアクションシーンを想像しているのだと思う。古くは「西部警察」とか「ブリット」「ダーティーハリー」、最近でいえば、えーとなんだろう? …21世紀のドラマや映画はあまり見てないのでいい例を思い出せません。どうか読者のみなさまはご自分の記憶で補完してください(ごめんなさい)。
発砲にいたる状況を主に撃たれた側(原告男性)の視点で想像してみよう。
路地に追い詰められた凶悪な覚醒剤中毒者は手段を選ばず脱出を図る。まずは邪魔なパトカーを片付けなければ。
ギアをバックに叩き込み、20mほど後退して助走距離をとる(註1)。
警官が何か叫んでいるが気にすることはない、どうせマッポはゴミだ。
シフトレバーをドライブに叩き込みフルスロットル!
タイヤが白煙を上げ車は全力で加速する。激突!飛び散る火花と車のパーツ。
だが邪魔なパトカーは十分に動かず、脱出路は開けない。
舌打ちしてもういちどやりなおす。だがパトカーは動かない。もう一回。もう一回。
気がつくと警官が銃をふりかざしている。「車から降りろ、さもないと撃つぞ!」だって?
生意気な奴だ、今度はあいつを轢いてやろうか。撃てるものなら撃ってみろ、このチキン野郎め。
パトカーに向かって猛スピードで突き進む車。
衝突の0.5秒前、警官は狙い澄まして発砲し横っとびに犯人の車を避ける。
弾丸は犯人の脇腹に命中。アクセルから足が外れ、犯人の車はパトカーにぶつかって止まる。
痛みに泣きわめく犯人は車から引きずり出され、手錠をかけられる。
註1 車は路地の出口側を向き、フロントからパトカーに突っ込む形
…なんだか安っぽいけれど、とりあえずこれをシナリオAとする。特徴は「凶悪な犯人」「切迫した危険」「適切な判断による発砲」の三つ。
なるほど、これは凶悪だ。切迫した危険があり、射撃の前に十分に警告が行われ、相手もそれを理解している。これなら発砲するのが当然で、撃たなかったらむしろ問題だろう。
だがこれが唯一のシナリオではない。読売の記事からはまったく別の「シナリオB」を作ることができる。
気弱で臆病な男が覚醒剤の落とし穴にはまる。いつ捕まるかとびくびくして毎日を過ごす。
車を停車させていたら、パトカーがまっすぐ近づいてきた。
ヤバい!バレたか!?
頭の中が真っ白になる。すでに冷静な判断力のかけらもない。逃げなきゃ!
車を発進させたもののすぐに行き止まりの路地にはまり込んでしまう。なんてドジなんだ俺は。
路地の入り口はパトカーにふさがれている。どうしようどうしよう。パニック状態だ。
なんとかしてパトカーをどかそうと思い、助走距離をとろうとするが車の前には3mしかない(註2)。
これじゃだめだ。とりあえず何回かバックでパトカーに車をぶつけてみるが、アクセルをベタ踏みする元気もない。
おまわりさん、そこをどいてくれないか。俺はあんたを傷付ける気はない、ただ逃げたいだけなんだ。
気がつくとルームミラーに写る警官が俺を指差して叫んでいる。オーディオの音で何を言ってるのか聞きとれない。
「こいつはシャブ中だ!」と町中に言いふらしてるのか。ああ、頼むからやめてくれよ。
逃走をあきらめて車から降りようと思ったとたん、脇腹にバットで殴られたような痛みが走る。耳をつんざく轟音。
いったい何が起きたのかわからない。
まさか、いきなり撃たれるなんて!俺が何をしたっていうんだ。取り乱して逃げようとしただけじゃないか…
註2 車は路地に頭から突っ込み、パトカーにはバックでぶつかる形
シナリオBの特徴は「気弱な犯人」「切迫した危険が存在しない」「警官の判断ミス」。
このシナリオで犯人はそれほど凶暴性を示さない。火花が飛ぶ派手なアクションもない。いちばん大きな違いは、「犯人は警官の拳銃に気付いていない」「投降するつもりだったのに撃たれた」という点だ。
仮に(あくまでも仮に)横須賀の事件が「シナリオB」に近いものであった場合、これはどう見ても不適切な発砲と呼ぶしかない。発砲警告は通じていないし、切迫した危険はなかった。威嚇射撃をすれば「これ以上抵抗すると撃たれる」と気付いたかもしれないのにやってない。なによりも、投降するつもりの犯人を撃つのはとんでもないことだ。「威嚇射撃を行うべきだった」「不適切な発砲だ、弁償せよ」という判決が出て当然である。
もちろん、二つのシナリオは私が不十分な情報と足りない頭で想像したものにすぎない。A・Bのどちらも「これが事実だ」と言えるものではない。だが、「ひどい判決だ」と怒る人たちは私よりも事実について知っているのだろうか。正直言ってまったく信じられない。十中八九、私と同じように断片的な情報しか得ていないはずだ。違いがあるとしたら、私が「地裁判決にはそれなりの理由があるのだろう」「詳しい情報を知るまで叩くのは控えよう」と思い、暇にあかせて二種類のシナリオを考えたことくらいだ。本来なら誰でも出来ることである。
はっきり言うけれど、「警官が発砲した」=「犯人は撃たれて当然のことをしたに違いない」という決め付けはとてもバカっぽい。警官だって人の子なのだから、撃つか撃たないかという極限状況で判断ミスしても不思議はない。「撃つべきときに撃たなかった」ミスがあれば、当然「不適切な場面で撃ってしまう」ミスだってあるに決まってる。だがなぜか、2ちゃんねるなどで支配的な意見は「撃たなかった」ミスは批判(罵倒)するけれど「撃ってしまった」ミスには寛容、というか「不適切な発砲」の可能性について想像さえしないようだ。
彼らは警官の拳銃を草薙の剣やエクスカリバーみたいな「神秘的な正義の武器」だと思っているのだろうか。だとしたらとんでもないことだ。銃は単なる武器に過ぎない。銃を適切に使うのも、あるいは不適切な使い方をするのも人間しだい。そして人間は誰でも(もちろん警官も)時には判断ミスをするものである。
検索したらやや詳しい情報が見つかったので紹介する。
自販機荒らしに発砲、容疑者重傷 | Response.
事件当時の報道。事実は私の想像したシナリオA・Bとはよほど違うようだ(当たり前といえば当たり前)。
asahi.com(朝日新聞社):威嚇せず発砲は「違法」、県に賠償命令 横浜地裁 - 社会
判決は、現場にいたのは原告ら4人のみで、「警察官等けん銃使用及び取扱い規範」が定める威嚇射撃を必要としない場合には当たらないと指摘。威嚇射撃は可能だったとして「発砲行為は適法な職務執行行為とはいえない」と結論付けた。
一方で判決は、原告が信号無視を繰り返して逃走し、巡査部長の警告を無視していることなどから過失の9割は原告側にあると認定。医療費や逸失利益の合計額のうち、1割を県が賠償するのが相当とした。
警官発砲で半身不髄に損害賠償1154万円/横浜地裁 : ローカルニュース : ニュース : カナロコ -- 神奈川新聞
判決は、武器の使用について定めた「警察官職務執行法七条」や威嚇射撃について定めた「警察官等けん銃使用及び取扱い規範」を踏まえた上で、「原告の抵抗を抑止する必要があったが、(現場では)けん銃で狙える場所が人体の枢要部に限られており、発砲については慎重にすべきだった」として、事前の威嚇射撃が必要だったと指摘。「撃つぞ、などと四、五回警告したのみで発砲しており、適法な職務執行行為とはいえない」とした。
威嚇なし発砲に賠償命令 被害者に後遺症、横浜地裁 - 47NEWS(よんななニュース)
小林正裁判官は判決理由で「威嚇射撃で抵抗や逃走を断念させることは十分可能だった」と述べ、違法な職務執行だったと指摘。その上で、再三の警告を無視して逃げようとした男性側の過失も認めた。
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「警察側の主張は事実」という前提で言えば - ば○こう○ちの納得いかないコーナー
犯人の心理状態は分からないわけだし、万が一拳銃所持でもしてたら死んでたかもしれないですよ。
現に発砲をためらったせいで殉職した警官が相当数いるわけだし。
「万一の危険の可能性」のために警官に発砲されたらたまりません。
アメリカだったら検問で止めたドライバーが怪しい動きをしたらホールドアップされても当然ですが(銃を持ってる可能性は現実的です)、日本で一般人(非暴力団関係者)が銃を持っている可能性はほとんど無視できます。
警官が腰に下げてるのがエアソフトガンなら「あ、撃っちゃった」でも実害ありませんが(それでも目に当たれば失明する可能性があります)、人の命を奪える実銃なんです。軽い気持で「撃て撃て」と煽る人たちには強い嫌悪を感じます。
銃を撃っていいのは本当に必要なときだけです。今回の判決はその点で警官の行動に瑕疵があったと認めていますが、撃たれた責任の9割は原告にあるとしています。
私も公判記録や判決文を読んだわけじゃないので断定できませんが、「トンデモ判決」と決め付けられるほどひどいものだとは思えません。
自ブログではこれ迄にも何度か書いているのですが、「権力」に対しては或る程度懐疑的&厳しい目を向ける必要性が在ると思っています。「何から何迄権力に対して反対。」という思考は愚かしいと思っていますが、「法律」という盾が在ると言っても、権力の前に在っては我々一般国民なぞ所詮は蟷螂の斧。守られるべき最低限の権利を守る為には、自らが負うべき最低限の義務を負った上で、権力の暴走を食い止めるべく見守らなければ、気付いてみれば雁字搦めにされてしまって身動きが取れないなんて事態に為り兼ねません。政治家に対してどうしても厳しい意見を吐いてしまうのも、彼等が基本的に国民の生殺与奪権を握っているからで在り、又、警察の行為を案件案件できちんと判断していかなければいけないと考えるのも、嘗ての「警察国家」への回帰を懸念するが故。この辺は玄倉川様も全く同じ御考えだと思っております。
今回の自記事、自分で書き乍らもまどろっこしさを感じる内容なのは感じていました。それは「どんな事柄にも言えるのですが、自身が当事者、乃至はその現場に居て一部始終を目撃していたならば明確に断言出来るでしょうけれども、あくまでも記事を根拠にした判断しか出来ない。ましてや今回のケースの様に、警察官&撃たれた側双方に身の危険を感じ得た“可能性”(実際問題、撃たれた男性は下半身不随となっている訳ですし。)が在ったケースでは、その判断に難しさが増します。」という考えが先ず第一に在り、その辺から「仮定」での物言いになってしまったからです。御指摘の通り、「充分な情報が無い内は、自己の判断を保留させて貰う。」と記した方がスッキリしますね。
小沢氏一郎氏は別に好きでも嫌いでも無いけれど、所謂「西松問題」(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E6%B2%A2%E4%B8%80%E9%83%8E#.E6.94.BF.E6.B2.BB.E8.B3.87.E9.87.91.E8.A6.8F.E6.AD.A3.E6.B3.95.E9.81.95.E5.8F.8D.E7.96.91.E6.83.91)に対する世の中の主張の中には、「え?」と感じてしまう物が少なからず在りました。“肌感覚”で言えば「スッキリしない遣り方だなあ。」とか「業者は何等かの見返りを期待して献金している訳だから、何となくグレーな感じはする。」というのは判るのですが、麻生首相の発言に代表される様に「小沢氏っは既に犯罪者。」的な物言いは、裁判で確定判決が下されていない以上、「それはおかしいんじゃないの?」という思いが在ったからです。そういう物言いが許されてしまうので在れば、最早「法律の存在意義」は雲散霧消してしまうと思いますし。その意味でも、今回の事件で「犯罪者=撃たれて当然」と安直に叫ぶ声には、自分も疑問を感じます。
長文&乱文を御許し下さい。そして今後とも宜しく御願い致します。
確かな情報、真実に近い事実を知るのは本当に難しいことです。マスコミの二次情報は大して信じられませんし(ぜんぜん信じないわけにもいきませんが)、個人の力で集められる一次情報には限りがあります。ネットのおかげでずいぶん便利になりましたが、それにしてもネットの向こう側にいる人がどれくらい信用できるかはわかりません。
神奈川の事件についても、詳しいことを調べたくてもほとんど五里夢中です。マスコミ的にはそれほど大きな事件じゃないので、判決文がネットに上がるのを期待できそうにありません。どうしても知りたければ横浜地裁に連絡するしかなさそうです。今のところそこまでする気はありませんけれど。
判決の是非についてはともかく、私が気になるのは「悪党を撃て!殺せ!」と叫ぶ善良なる一般市民です。なんでそんなに警察を、警官を信用できるのでしょう。警察に犯罪捜査は任せても生殺与奪の権利まで与えた覚えはありません。
麻生総理の発言は、「検察は犯罪が行われたと思料したから逮捕に踏み切った」ということだと思います。真意は検察の立場の説明であって、小沢氏の秘書が有罪だと決め付けたとは思いません。ただし、誤解を招く表現であったことは否めません。あの人は頭はいいのに口が軽すぎて損をしています。
それこそゲームが趣味=ゲーム脳と批判する、とんでも科学者と同じレッテル張りですね。
派手じゃなかろうが、逃走のためにパトカーに何度も車をぶつけるという行為が論外。
警察官に素直に従う意思はまったくないのが明らかじゃありませんか。
こういう人間が危険じゃないとは、どこまで平和ボケなんだか。
抵抗の意思をはっきりと見せてる犯人が、そのまま逃走し人質をとり大事に至った場合どうするんですか?
警察は絶対間違いを犯さない、なんて私だって思ってません。
でも、今回のケースは今出ている情報からすると警察官に非はない。
「事実について知っているのだろうか」と疑問を呈しているが、そんなこと言ったら事実は当事者しか分からないでしょう。
第三者が審議する裁判自体、無意味になりますよ。
情報不足で誤解があるというなら、情報提供すればいいんです。
で、あなたは情報をお持ちなんですか?
裁判官だって警察官と同じように全員が絶対正しい訳ではない。だからこそ裁判員制度だって始まるんです。
逃走を図ろうとした事実を棚上げして、犯人を悲劇の被害者扱いするのは止めるべきです。
あなた、治安力低下の責任とる覚悟あるんですか?
犯罪が起きた場合、あなたのような犯罪擁護者が真っ先に被害者になって欲しいものだ。
まぁ、この国は覚醒剤を使って意識が朦朧とした状態で5人殺した人間が、まさにその薬を使っていたことを理由に減刑されたり無罪になったりするような国ですからね、仕方ないのかな。
正気の沙汰か、と思うけれども。
個人的には、薬キメて今回のような危険な行為に及ぶような輩はその場で射殺してもいいと思う。
「情報不足で誤解があるというなら、情報提供すればいいんです。
で、あなたは情報をお持ちなんですか?」
ないですよ。「トンデモ判決だ!」と怒ってる人たちと同じです。
ただし、「裁判所は一般人の知らない情報(現場検証・物証・証言)を集めて判決を下したんだろうな」ということは信じています。
別に「判決は正しいに決まっている」ということではなく、「想像で決め付けてるだけの一般人よりはマシだろう」ということです。
「あなた、治安力低下の責任とる覚悟あるんですか?」
バカバカしい。
不適切な銃の使用を容認することと、治安維持とは無関係です。
「パトカーの交通違反を問題にしたら治安が守れない」というのと同じくらいくだらない。
> JJさん
「これほど切迫した危険性がある状況で発砲が許されないのだとしたら」
だからそれが思い込み、決め付けだというんです。
記事からは「シナリオB」だって想像できるし、その場合は「切迫した危険」は存在しません。
なにも「シナリオB」が真実だというつもりはありません。「A」と「B」のあいだで想像力を働かせてください。
「個人的には、薬キメて今回のような危険な行為に及ぶような輩はその場で射殺してもいいと思う。」
あなたのような人は、誤認逮捕されて代用監獄で脅迫まがいの取調べを受けないと目が覚めないのでしょうか。だとしたら悲しいことです。