玄倉川の岸辺

悪行に報いがあるとは限りませんが、愚行の報いから逃れるのは難しいようです

「市民のための丸山真男ホ-ムペ-ジ」の謎

2006年11月01日 | 「世に倦む日日」鑑賞記
thessalonike大先生の処女作ご出版に備えて勉強しておこうと思い「丸山真男」で検索してみたらこんなサイトを見つけた。

市民のための丸山真男ホ-ムペ-ジ

…この文体、この写真の使い方、誰かに似ている!
ふと思いついて「司馬遼太郎」で検索するとまた新たな発見が。

追悼と巡礼 司馬遼太郎

…この文体、この(以下略)
2つのサイトの作者が同一人物なのは99%間違いない。そして、この2つのサイトを作ったのが人気ブログ「世に倦む日日」を運営するthessalonike氏であることはほぼ確実だ。氏は以前より丸山真男と司馬遼太郎の信奉者であることを明らかにしており、熱意と思い込みあふれる美文は誰にも似ていない。
実は以前から「市民のための丸山真男ホ-ムペ-ジ」「追悼と巡礼 司馬遼太郎」の存在は知っていたけれど、thessalonike氏が「世に倦む日日」からリンクしていないことを考慮して紹介を控えてきた。だが、thessalonike氏が著書を出版し公に言論活動を開始するのであればそこまでの配慮は無用だろう。

どうやらthessalonike氏の名前は「N.Tanaka」らしい。

丸山真男をどう読むべきか
皆様こんにちは。『市民のための丸山真男ホ-ムペ-ジ』の N.Tanaka でございます。

もちろんペンネームの可能性もある。後述する加藤教授のサイトでは「H.Tanaka」と書かれており、どちらが正しいのか不明だ。

「市民のための丸山真男ホ-ムペ-ジ」はちょっと意外なほど(失礼)高い評価を得ているようだ。「丸山真男」のGoogle検索で約 189,000 件中 の二位、有名な編集者である松岡正剛氏の記事よりも上なのだ。
一橋大学教授・政治学者の加藤哲郎氏もお墨付きを与えている。

加藤哲郎のネチズン・カレッジ

●特選オススメサイト
残念ながら更新の止まった「市民のための丸山真男ホームページ」のような、内容が充実し、市民の眼からの政治の発見と読ませる工夫がある、お勧めサイトがあります。

加藤教授とTanaka氏は公開往復書簡の形で討論し、同人誌「葦牙」で活字化されたという。

永続民主主義革命の理論・その後

リビングルーム 9/1
私が政治学関係のリンクで一押ししている「市民のための丸山真男ホームページ」さんが、私のHP立ち上げを祝して、「アカデミーに対する情報リテラシーの刺激という観点からみても画期的」と過分な評価をしてくださいました。同時に「加藤哲郎先生への手紙」と題する堂々たる論文で、私の「書斎」に収録した「永続民主主義革命の理論・その後」中での丸山真男・平田清明評価について、鋭く本質的な社会科学上での疑問と問題を提起しています。こういう反応こそ、私の待ち望んでいたものです。心から御礼すると共に、当HP上で近くお答えしたいと思います。9月締切原稿が手つかずですので、何時までとは確約できませんが。

「市民」と「アカデミズム」と「有機的知識人」 ――「市民のための丸山真男ホームページ」さんへの返信――
貴HPのことは、この間インターネットや丸山真男が話題になる場で、その都度紹介してきました。『丸山真男集』編纂に関わった飯田泰三さんや加藤節さんには、貴HPからのダウンロードやアドレスを渡しておきました。私のHPのリンクから貴HPに入って「シャコンヌ」を初めて知ったという政治学者もいます。同じくリンクした宮地健一さんのサイトで日本共産党の丸山真男批判を知ったという学生もいます。貴HPは、いまやインターネット上での丸山真男論のスタンダードとなりました。そのうえ次々とご自分の論稿を発表されて、丸山門下の人々さえできない丸山批判への反論の拠点となっています。その旺盛な評論活動には敬意を表し、脱帽いたします。ぜひ印刷文化の世界にも進出されることを、お勧めいたします。

リビングルーム 10/25
「市民のための丸山真男ホームページ」さんからは、先日ようやくuploadした私の「返信」への再コメントをいただきました。「無知な一市民」なんて名乗りながら、「アカデミズム」の量産する多くの言説よりもはるかに知性的な鋭い観察で、感心させられます。それだけに安易な「ことば」で反論するのは難しいのですが、可能な範囲で公開「対話」は続けたいと思います。私のリズムではとても更新ごとに返信というチャット方式はとれませんが、どうか期限は区切らないでお待ちください。ひょっとするとこの論争、活字文化に「侵略」するかもしれません。

二一世紀の有機的知識人について――「市民のための丸山真男ホームページ」さんへの第二返信――
私の返信=「『市民』と『アカデミズム』と『有機的知識人』」への早速のコメント、ありがとうございました。相変わらずの素早く精力的な対応に、舌をまきます。「アカデミズム」の丸山批判者たちが「市民のための丸山真男ホームページ」に恐れをなしてたじろぎ筆鋒がビビって沈黙する、なんて事態が生まれれば面白いのですが、それはまだないでしょう。私たちのこの討論についてさえ、私自身が聞かれたのはインターネット・マニアの院生一人からだけです。メールでの第三者の言及もありません。もっとも、実は固唾をのんで注目している読者が無数にいるとでも思いこまなければ、なかなかこんな公開「対話」は続きませんが。

リビングルーム 11/15
「市民のための丸山真男ホームページ」さん、おまたせしました。私の返信「市民とアカデミズムと有機的知識人」にコメントいただいたままになっていましたが、ようやく第二の返信をお送りできます。といってもWebmasterのH.Tanakaさんはすでにご存知なのですが、この往復書簡がなぜか文学者の皆さんの眼鏡にかない、これまでのと併せた2往復書簡が「市民とアカデミズムと知識人」と題して『葦牙』近号に掲載されることになりました。ここに新規掲載する私の第二返信「21世紀の有機的知識人について」は、印刷・公刊されることを意識して書いたもので、すでにメールでH.Tanakaさんにも目を通してもらっています。インターネットのホームページ上で始まった討論が印刷文化に進出(侵略?)する例として、皆さんもぜひ書店でご注目ください。あまり世間には知られていませんが、良心的で知性あふれる同人雑誌ですから。

リビングルーム 1998/3/21
昨年8月の本HP開設以来のお客様なら、おぼえていらっしゃるでしょう。本HPと「市民のための丸山真男ホームページ」さんとの「知識人」をめぐる討論を。あの記録が、活字になりました。題して「市民とアカデミズムと知識人」、『葦牙』24号(田端書店刊)というマイナーな文芸誌ですが、私たちの2回の往復書簡を、そのまま収録しています。興味のある方は、ぜひどうぞ。


どういうわけか現在の「市民のための丸山真男ホームページ」に「加藤哲郎先生への手紙」以下の書簡は見当たらない。もしかしてご自分の文章が「正義と真実をよく伝え訴える記事」ではないことに気付いて削除したのだろうか。まさかそんなことはあるまい。だとしたらなぜ?謎だ。


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