黒古一夫BLOG

文学と徒然なる日常を綴ったBLOG

「絶望」も「希望」も語れない!(2)  

2013-07-23 09:17:29 | 仕事
(昨日の続き)
 今朝の「朝日新聞」に内田樹が書いていた参院選の総括「百年の計よりも目先の利益を追求した」は、この間ずっと僕が書いてきたことと同じ内容であり、我が意を得たりとの思いが強いが、しかし今度の参議院選挙(と、先の衆院選挙も)について思うのは、やはり「民主主義が危機的な状況にある」ということであり、それと関連して「将来(未来)」のことなどを考えない「目先の利益追求(ニヒリズムの亜種)」が、人々の間にいかに蔓延しているかをまざまざと見せつけた、ということである。
 それともう一つ、マスコミが話題とした「低投票率」の内実について、これについて余り話題にならないのだが、今回の選挙で「大勝」した自民党に関して、支持率の実数に近いということで「全国比例」を例にとって計算するならば、自民党の支持率は「全体の投票率(52.61%)×自民党の得票率(34.7%)=18.26%」ということになるということを、僕らははっきりと認識した方がいいのではないか。つまり、国民の「20%」も支持しない政党の政策(公約・マニフェスト)によって今後の政治が左右されるという現実を、僕らが今後どのように考えるか、そこにこそ「絶望」や「希望」を超えるリアリズムの確かさがあるのではないか、ということである
 ファシズムや右傾化は、いつも「目先の利益」を最優先させる社会が実現したときに、牙をむいて僕ら国民に襲いかかってくるものである。「あっ」と思ったときは、「もう遅い」ということはよくあることである。少なくとも1930年代(軍国主義が本格化した時代、「15年戦争下」という言い方もある)の轍を踏まないこと、安倍首相(自民党)が声高に叫んでいた「日本を取り戻す」の「日本」とはどのようなものなのか、そのことを見極め、そしてそれに「対抗する日本」像をいかに創出できるか、そのことに「今後」がかかっているのではないか、と痛切に思う。
 しかし、選挙が終わってから、東電が「放射能汚染水を海に流した」と公表したり、福島選挙区で当選した自民党の候補が「福島第一原発は廃炉にするが、政府の方針である原発の再稼働は認める」と、ダブル・スタンダード(沖縄の自民党が普天間基地の移設にかんして使っていたのと同じ「二枚舌」)を平気で公言する、何とも緩んだ参院選後の「政治」、何が起こるか分からないのが、「政治」の世界、どんな政治状況になっても、それを「楽しむ」ような余裕を持って、今後を考えていきたいと思う

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