黒古一夫BLOG

文学と徒然なる日常を綴ったBLOG

「虚しさ」との戦い(10)――谷垣さん、高村さん、山口さん、北側さんに問いたい……

2015-07-14 08:55:33 | 仕事
 多くの憲法学者が「違憲」だと言明し、国民の半数以上が「反対」し、80%以上が「審議不十分」と言っている「安保法制=戦争法案」が、いよいよ明日(15日)にも委員会で「強行採決」され、その翌日には与党が圧倒的な数を占める衆院本会議で可決されそうな様相になってきた。
 今朝の朝日新聞に載った世論調査結果で安倍内閣の不支持率が「42%」で支持の「37%」を上まわったと報じていたが、元々国民の声など聞かない(理解しようとしない・理解力が不足している)安倍首相には、もう今更何を言っても仕方がないので、宮崎駿氏に倣って「愚劣な男」と言うしかないとしても、僕が不思議でならないのは、自民党・公明党の幹部にして「弁護士資格」も持つ谷垣自民党幹事長、高村自民党副総裁、山口公明党代表、北側副代表、及び「弁護士=法律家」の肩書きを持つ少なくない数の自公の政治家たちは、本当にこの「安保法制=戦争法案」(集団的自衛権行使容認)を「合憲」だと信じているのだろうか、ということである。
 法律に疎い僕らだって、「日本国憲法」(の前文及び第9条)を素直に読めば、「集団的自衛権」は元よりそれに関連する「安保法制=戦争法案」が憲法から「逸脱」し「違反」している、と明確に理解できる。もちろん、安倍自公「極右」政権がいうように、憲法ができた時(1948年)と現在とでは「国際情勢が変化している」ことは承知している。しかし、何時だって「国際情勢」は変化している。あの泥沼の「15年戦争(アジア太平洋戦争)」への始まりを告げた「満州事変」(1931年)に際してだって、「満州は日本国の生命線」と言って中国大陸への「侵略」を正当化したのだし、米英への戦宣戦布告(太平洋戦争の開始)だって、「大東亜共栄圏は日本国を守る生命線」と言っていたのである
 その「馬鹿」な戦争への反省から日本国憲法が生まれたのであり、自民党(保守派の論客ら)が言っている「占領軍が押しつけた憲法」というのは、多くの人が指摘しているように、多くの国民が受け入れた日本国憲法(の前文及び第9条)の精神が生かされてきたから、戦後70年日本は「戦争」に巻き込まれずに済んだのであって(もちろん、朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラク戦争などにおいて、米軍の要請により「影ながらの応援」を行ったという事実は存在する。しかし、それはあくまでも「陰」のことであって、歴代の保守政権は表に出してこなかった)、そのように言うことで「戦争のできる国」にしたいだけとしか「戦後民主主義社会」の中で育った僕には思えない
 そこで、僕とほとんど歳の変わらない谷垣さん、高村さん、山口さん、北側さん(と自公の「弁護士資格」を持つ国会議員)に再度問いたい。本当に、あなた方は「安保法制=戦争法案」を「合憲」だと思い、また「信義は尽くされた」と思っているのですか。特に、かつては「良識(リベラル)」を看板にしていた「宏池会」に属していた谷垣さん、そして「平和と福祉の党」を標榜してきた公明党の代表と副代表の山口さん、北側さん、こんな「戦争」への道を切り開く「安保法制=戦争法案」の国会通過に手を貸して、「平和の党」の看板に恥ずかしくないのですか。北側さんたち「自衛隊が海外へ出て行く諸<事態>に対して、いくつかの歯止めを掛けた」と言っていますが、この間の国会審議における安倍首相や中谷防衛大臣の答弁を聞いていると、あなた方が言い「歯止め」など無きに等しいと思いますが、本当に「歯止めを掛けた」と思っているのであれば、それは「自己満足」に過ぎず、それを見抜けないあなた方は「権力」に目がくらんだ「アホ」である
 しかし本当に自公の「与党」には「良識を持つ反逆児」はいないのだろうか。自公の政治家は、もし自衛隊が米軍支援のために参戦しても、自分たちの子女はそこに加わらないから関係ない、と思っているのかも知れないが、あなた方が想定している「米中戦争」あるいは「日中戦争」は、先のアジア太平洋戦争の時代とは全く異なる「電子戦争=ミサイル中心の戦争」になるはずだから、誰もが犠牲になる可能性を秘めているということ、このことを忘れてもらっては困る。「リスクが高まる(犠牲者が多くなる)」のは、自衛隊員ばかりではない。集団的自衛権が行使されれば、国民の全体のリスクが高まるのである。
 だから今、僕が思っているのは殺すな!(殺されたくない!)」である。