日本史学習拾遺

日本史よもやま話、授業の補足、学習方法

センター試験直前 重要確認事項

2013-01-17 03:54:08 | 受験
火曜1,2限の特別授業で、センター試験に出そうな部分、得点しやすいが手薄になっている部分をやりました。大雪の翌日でしたが、いつもより早く家を出るなどして、きちんと時間に間に合うように出席した生徒もいて、すばらしい心がけだなと感心させられましたし、受験において、よい結果も手にすることができると私も信じています。朝の時間に授業を設定してあるので、あきらめてしまう人もいるかもしれませんが、まさに、朝起きは三文の得、です。

センター試験に出そうな分野については、冬休みの講習なども通じて参加者には話してきました。
昨日は特に、テーマ史の形で、北海道・沖縄史を取り上げました。領土問題もこの頃ではニュースをにぎわしていますし、センターでなくても、私大の入試では出そうな分野です。沖縄の基地問題なども話題になっていますから、自衛隊や安全保障条約の成り立ちについても確認しておきたいです。

また、戦後史は大問で必ず出る(3~4問)ので、昨日も時間をとって説明しました。戦後史は、年号と事項を覚えておけば、簡単にできてしまう問題が多いです。年代の並べ替え問題が必ずといっていいほど出ます。1946年~皆さんが生まれる直前くらいまでを覚えておくといいです。

戦後史でよく出るポイント、年代を挙げておきます。

○戦後の労働三法の制定された順番
1945 労働組合法・・・労働者の権利に関する法律 争議権(スト)、団結権など
1946 労働関係調整法・・・労使間の問題を解決するあっせん、仲裁などについて定めたもの
1947 労働基準法・・・労働時間、賃金などの基準について定めたもの
法律の内容と定められた順番を確実に覚えておいてください。

○自衛隊
1950 警察予備隊
1952 保安隊
1954 自衛隊、防衛庁発足
2年ごとに名称が変わっています。あわせて、1952年には日米行政協定、1954年にはMSA協定が結ばれていること、それらの意味合いも理解しましょう。
1951年の日米安全保障条約と1960年の新安保条約の内容の違いも確認してください。
新安保では、アメリカの日本防衛義務を明確にしました。それまでは義務ではありませんでした。新安保が締結された時の首相は、今の安倍さんのおじいさんの岸信介です。

○周辺諸国との戦後の平和条約等
ソ連・・・1956年 日ソ共同宣言(鳩山一郎内閣) 平和条約締結はまだ。
韓国・・・1965年 日韓基本条約(佐藤栄作内閣)
中国・・・1972年 日中共同声明(田中角栄内閣)
     1978年 日中平和友好条約(福田赳夫内閣)

○領土返還
1953 奄美大島返還
1968 小笠原諸島返還
1971 沖縄返還協定調印、1972年沖縄返還

○インフラ整備
1964 東海道新幹線(東京オリンピック開催に合わせて)
1965 名神高速道路
1969 東名高速道路  名神の方が早いんですね。

○メディア
1925 ラジオ放送開始・・・大正の終わりであることに注意。
1953 テレビ放送開始・・・今年2013年はテレビ放送開始から60年
1960 カラーテレビ放送開始・・・+αです。
ラジオ放送、テレビ放送の開始については、何度も出ています。
ラジオ放送は戦後ではなく大正時代ですが。

○その他
消費税3%が導入されたのは1989年、DAIGOのおじいさん、竹下登内閣の時です。皆さんが生まれる5年前と記憶してください。またはお父さんお母さんが大学○年生とか高校○年生とか・・・
PKO協力法案成立は1992年(宮沢喜一内閣)。それによって初めて自衛隊が海外派遣された国はカンボジア

それぞれの事項は何内閣の時の出来事かを必ず整理・理解しておいてください。

戦後史は、数十ページしかありません。過去問を解いてみるとわかりますが、簡単です。ぜひ、これを見たらその日のうちに教科書をざっと読み、問題を解いて、年号を確認し、流れを理解しておいてください。
センター試験では1問の重みをよく認識して、1問1問を大切に。戦後史もおろそかにしないでください。まだ間に合います。

大河ドラマ 見てる暇はない?

2013-01-05 21:38:55 | 明治時代
あけおめ。ことよろ。
この省略形の挨拶は、江戸時代からあったのだそうです。という話をしたことがある人もいると思いますが。江戸っ子もせっかちだから、
「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。」
と長ったらしく言うのが面倒だったのでしょう。

なにはともあれ、センター試験まであと2週間となりました。猛烈に勉強してますか?

2週間「しか」ないと思うか、2週間「も」あると思うか。2週間「も」でいきましょうか。

この2週間の間に、自分で決めている日本史の問題集を、くまなく3周以上、やってみてください。確実にできた問題は印をつけて飛ばす。最後は1日か数時間で1周終わるくらいにダーッと眺めてください。まだ教科書を読む時間はありますよ。

さて、今年の大河ドラマ「八重の桜」も明日から始まります。今年の舞台は幕末から明治にかけて。同志社大学を創設した新島襄の妻の八重が主人公です。福島県会津出身の女性ですが、福島県で生まれた私も新島八重は知りませんでした。私自身は白河市という、福島の一番南の、栃木県との県境に近い所の生まれ(中通り)で、会津とはだいぶ地理的にも離れているし、文化や使う言葉も違います。原発事故のあった「浜通り」もなおさら違います。福島も広いので、ひとくくりにはできないのです。
しかし、とりあえず、戊辰戦争で戦場になった白河も、ドラマに出てくるようですので、私もしっかり見ようかなと思っています。

受験生の皆さんは、大河ドラマは見なくてもよろしい。ただ、他の時間に猛勉強していて、1時間だけ息抜きに大河ドラマだけ見たい、というのでしたら、いいでしょう。

大河ドラマを見なくてもいいのですが、新島襄が同志社大学をつくったということは、日本史Bの教科書にも載っていますし、知っていなければいけない知識ですから知っておいてください。
他にも皆さんがそれぞれ受験しようとする大学の創始者が誰かということは、試験に出る可能性が高いので、調べて覚えておいてください。

大河ドラマをより興味を持って見るために、また、新島襄をよく知るために、新島襄の言葉をいくつか紹介します。

アメリカの友人にあてた手紙で妻の八重についてこう言っています。

「彼女は見た目は決して美しくはありません。ただ、生き方がハンサムなのです。私にはそれで十分です。」

ドラマでは、かわいい綾瀬はるかが演じるようですが、本当の八重は、そんなに美人ではなかったようです。美人ではないけれども、幕末のジャンヌダルクと呼ばれたり、ハンサムウーマンとも呼ばれたりしたそのイメージが夫の言葉にも表れています。

「我が校の門をくぐりたるものは、政治家になるもよし、宗教家になるもよし、実業家になるもよし、教育家になるもよし、文学家になるもよし、かつ少々角あるも可、気骨あるも可。ただかの優柔不断にして安逸をむさぼり、いたしくも姑息の計をなすが如き軟骨漢には決してならぬこと、これ予の切に望み、ひとえに希うところである。」

後半部分、少々生意気でもいいが、ちゃらちゃらして楽をしようとし、ずるいことをするような軟弱野郎には決してなるな、と、言っているのですね。現代風に言い換えてみました。
同志社に入学する学生に望むことがここに表わされています。
そうですね。時代がどういう時代であっても変わることなく、志は高く、正々堂々と、気骨ある人間として成長し、立派に社会を支える一人になってほしいと私も願います。

同志社大学、京都で遠いですけれども、関東で言ったら早稲田大学みたいな大学です。関西の大学に目を向けてみるのもいいですね。関東でいう早慶上智に相当する関西の上位の私大は、関関同立と言います。

・・・さて、また長くなってしまいました。今日はこのへんにしておきましょう。

昨日、明日、あさってと講習をやっています。腕試しをしたい人、今まで来ていなくても、来る者は拒まず。そういう人は、3限よりちょっと早めに顔を出してください。