日本史学習拾遺

日本史よもやま話、授業の補足、学習方法

天平祭のイルミネーション(夏)

2014-12-23 14:41:29 | イベント
夏休みの話題で恐縮です。今頃こんな記事では季節外れすぎて全然だめかなと思ったのですが、ちょうどクリスマスイルミネーションの季節で、もしかしたらかえって合ってるかも?ということで、しばしお付き合いください。

夏休みの最終盤、8月29~31日の間、大学通信教育のスクーリングで奈良に行っていました。二日目の夕方だったと思います。宿から大学に通う電車の窓から見える平城京跡で、何やらイベントをやっている様子。しかも、夕方で、きらきら光るものが並べられている。何だろう?と思ってネットで調べると天平祭というものをやっているらしい。

奈良は、8月上旬からお盆にかけて、「なら燈花会(とうかえ)」という、ろうそくの光によるイルミネーションで街がいろどられます。今年はその時期のスクーリングはなかったので見られなかったのですが、その名残りは街の所々に残っていました。この天平祭は、平城京跡を舞台として、それと似たことを、この夏休みの最後にやってくれているようでした。

スクーリング二日目は、授業が終わってから急いで西大寺と垂仁天皇陵を見に行き、その帰りの車内から天平祭のことを知ったわけです。いろいろアトラクションがあるようだから、夜に出直して行ってみようかな?と思いましたが、案の定、体がくたくた疲れ切って、行ったら大変なことになりそうだと思って、自重しました。
それで、三日目、帰りの新幹線は、遅めの時間に予約してあるから、その間を利用して、行ってみることにしました。時間的に、ちょっと見て暗くなる前にすぐ帰る、くらいしかできないなと思いましたが、せっかくなのでと・・・・

夏は本当に苦手で、バテバテだったのですが、夜はいくらか涼しいし、自分を鼓舞して、西大寺から徒歩15分、平城宮跡へ向かいました。

平城宮へは、遷都1300年記念の2010年に行ったことがあります。当時の大極殿や朱雀門が復元されていて、大極殿の中には天皇が座る玉座もあって、とても立派で雄大な建築です。大極殿前のスペースがまたとても広大で、大極殿に天皇が立って、お正月などに人々が集って、天皇陛下万歳!なんてやったらとても絵になりそうな場所になっています。映画の撮影などにもいいんじゃないでしょうか?

奈良はシルクロードの終着点、とも言われ、この天平祭でもそれにちなんで、エスニックフードのお店、地元奈良や近県のおいしいもののお店がたくさん出店しているフードコートがありました。
私も十津川の串こんにゃくを買って食べました。確か十津川だったと思うのですが・・・もう記憶が薄れてきてしまいました。ゆずの風味でした。分厚くておいしかったです。いつかそっちの方も訪ねてみたい、という憧憬の気持ちを持ちながら食べたので、多分十津川でしょう。

そして、大極殿前の広場でろうそくのあかりが入ったカップをたくさん並べるイルミネーションが行われている場所に着きました。まだ薄明るくて、東の遠く彼方から、カナカナ・・・とヒグラシの声が聴こえていました。奈良は、というか関西地方は、だと思うのですが、セミの鳴き声が暑苦しいのです。東京は、ミンミンゼミの、ミーンミンミン、という声か、アブラゼミのジー・・・という声が主流ですが、関西は、クマゼミの、ワシワシワシ・・・という声が大きいです。以前、静岡の三島に夏に行った時もクマゼミの声が大きかったので、東京より少し西・南に行くとクマゼミが多いのでしょう。
でも、この平城宮は、風情があって涼しげなヒグラシの声が聴こえて、さすが・・・と思いました。
東京も、今後あの、ワシワシワシ・・・と鳴くクマゼミが繁殖しすぎたらどうしましょう?ちょっと堪忍してほしいです。



それで、大極殿前の燈火の様子は写真のとおりなのですが、一つ一つ、ボランティアの人達?がろうそくの火を灯して歩いていました。一通り点火し終わると、次第に暗くなってきて、いい雰囲気になってきました。大極殿を遠景に、幻想的で、砂利にじかに座ってぼーっと眺めていると、とても心が和みました。





しかし、真っ暗になるまでここにいると、新幹線に間に合わなくなってしまうので、名残り惜しいですがそこを離れ、朱雀門の方に向かって歩いて行くと、不思議な形をして華やかな光のモニュメントが四つ、広い空間に離れて置かれていました。それは、四神でした。キトラ古墳や高松塚古墳の壁画でおなじみの、四神=東が青龍、南が朱雀、西が白虎、北が玄武です。
何しろ、それぞれの距離が遠くて、時間もないので近くまで行って見る余裕がなく、一番近くにあった北側の玄武だけ、近くでじっくり見ました。玄武は亀と蛇が合体したような動物です。何となくそんな雰囲気が表現されています。



その遠く向こうに、赤い朱雀も見えましたが、行って見て来る余裕はないと判断し、そこで帰途につくことにしました。

願い事を書いた紙?を着けて原っぱに光る風船(光るものを装着している)を置く、というアート?に参加している人達もいました。遠くから見るとこれも幻想的でいい雰囲気です。近くで見ているとバンバン風船が割れたりもするのですが。



そんなこんなで、駆け足で天平祭を見て、西大寺から特急に飛び乗り、京都で新幹線に乗って帰って来ました。新幹線の指定席って、1回は無料で時間を変更できるのですね。初めて知りました。それでちょっと予定より早い新幹線に変えて少しでも早く帰宅し、翌日からのお勤めに備えました。

古都奈良を、ろうそくなどの光でいろどるというイベントの定着は、なかなかよいものですね。夏は暑くて、観光客がどのくらい来ているのかわかりませんけど、夜、夕涼みで奈良の街を散策するのはすてきだと思います。今回は、「天平祭」で、「なら燈花会」ではありませんでしたが、いつか燈花会の時期に行ってみたいですね。

「天平祭」は、夏だけでなく、秋も春も?やっているようです。会場のスケールが大きいだけに、イベントも大規模で数多いです。天平行列といって、奈良時代の衣装を着た人達による行列も見てみたいものです。

http://www.tenpyosai.jp/index.html
このリンク先に天平祭の情報が載っていますが、開催趣旨も立派なことが書かれています。
一般にはなじみ深い、京都の平安絵巻・十二単の世界とはまた違う、古都奈良の文化を、視覚で確認し、楽しむことができるこういうイベントは、奈良びいきの私には、とてもいいですね。
事前のリサーチが苦手な私ですが、天平祭に気がついて、ちょっと見て来れたのはスクーリングの収穫でした。

これから年明けにも2回ほどスクーリングの予定があります。厳寒の奈良を、限られた時間の中で、楽しんで来たいと思います。

にほんブログ村 歴史ブログ 考古学・原始・古墳時代へにほんブログ村

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。