日本史学習拾遺

日本史よもやま話、授業の補足、学習方法

後醍醐天皇導きの稲荷・・・道は開けるか?

2017-11-26 23:59:46 | 旅行
去年の5月頃から、書きたい出来事がたまっているのですが、5月頃の話を書くよりは、季節が同じ1年前の話の方がいいかなと思い、今日はひとまず簡単に書いてアップします。

昨年の11月22、23日に、吉野・長谷寺を中心に旅してきました。奈良大関係の勉強とは関係なく単なる観光旅行として。以前にその時の紅葉の写真をちょっと載せたこともありましたが、旅の内容を書いていませんでしたので、少し書くことにします。

本当は、天理市の石上神宮で11月22日の夕方から行われる鎮魂祭(個人的にとても興味がある)に行こうかと考えていたのですが、石上神宮は結構な山の中腹にあり、車の運転はできないし、寒い、暗い夜道をどうやって帰ろうかと考え、迷い、結局やめました。

それで、まだ行ったことのない吉野に行ってみようと考え、あわせて近くの長谷寺も、と考えました。紅葉がきれいだといいなと期待して。

紅葉はピークを過ぎていたと思いますが、結構きれいでした。今回は一眼レフカメラを持って行きました。

吉野の金峯山寺では、青い巨大な蔵王権現さまが公開されていました。すごい迫力でした。その話はまた次回以降ということで、今日はその金峯山寺の足下にある小さな稲荷社を紅葉とともに紹介します。

看板によると、「後醍醐天皇導きの稲荷」(後醍醐天皇導稲荷大神と書かれた石柱あり)とのことで、観光客がかわるがわるお参りをしていました。その看板の写真を見ていただけばいいのですが、1333年、後醍醐天皇が吉野に入るまでに夜道で迷った時に
「むば玉の暗き闇路に迷うなり  我にかさなむ三つのともし火」
と詠んだところ、ひとむらの紅い雲が現れて、吉野への臨幸の道を照らして後醍醐天皇を導いてくれたとのことで、その稲荷を勧請したとのこと。

「人びとに心の迷いがあるとき、この神にお祈りするとおのずから道が開けるという言い伝えがあります」とのこと。だから、小さいけど結構多くの人がお参りしていたんですね。紅葉もきれいでした。
私も一応手を合わせて来たと思います(「思います」とはなんだか、記憶障害ですね)。
去年の今頃は確かに迷いというかこの先どうなるのかといった不安がありましたが、現在ではありがたいことに迷いなく自分の思う道を進ませてもらっていますから、このお稲荷さんのおかげもあったかもしれません?


さて、この金峯山寺蔵王堂は、世界で二番目に大きい木造「古」建築とのことで、一番は東大寺大仏殿のようですが、確かに大きい、壮大な建物でした。こんな奈良の奥地の、山の中に、こんな大きな建物が・・・という驚きを感じます。
その内部の話その他は、次回ということにしましょう。今日はこんなところで、お粗末さまでした。これを呼び水に、テンポよく更新できるようにしたいと考えてはおります。

10 コメント

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桜の寺紋 (瓊花)
2017-11-29 15:13:55
ツツコワケさま
吉野山すでにお訪ねでしたね。
失礼いたしました。
吉野はなんでもかんでも桜で、
金峯山寺の紋まで桜で、
それがまたいいですね。

日帰りで当麻の里にお越しでしたら、
有名な中将餅はもちろんですが、
二上山の道の駅で
「けはや餅」という小麦餅
ぜひお召しになってください。
素朴なきな粉餅で、おいしいですよ。
けっこう早く売り切れます。
あと、柿の葉寿司の会社はたくさんありますが、
当麻寺近くのヤマトの柿の葉寿司を
私はおすすめします。
御飯がふっくらしているんです。

奈良ではグルメを追及するより、
素材で勝負した素朴な食事が
おいしいと思います。
きれいな空気とともにどうぞ。
食い気ばかりですね(苦笑)。
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Re:桜の寺紋 (ツツコワケ)
2017-12-01 02:29:26
瓊花さん、こんばんは。
地元の方ならではの、貴重な情報をありがとうございます!
けはや餅、興味津々ですが、道の駅ですか~?車で回ることはできないので、ちょっと縁遠いかもしれません。
ヤマトの柿の葉寿司は、ぜひ探してみたいと思います。
奈良は素材、素朴、おいしい空気とともに…はおっしゃるとおりだと思います。
そういった、現地の方しか知らないようなおいしい食べ物を、ぜひ今後も折々に教えていただけるとたいへんありがたいです。ここを読んでくださっている方々にも参考になると思います。
奈良県の西側の方のカフェでおすすめとかありましたらお願いします(笑)。
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勝てば官軍ですね(苦笑) (瓊花)
2017-12-04 19:40:28
ツツコワケさま
返答すぐできずに申し訳ありませんでした。
私事で恐縮ですが、
文化財講読Ⅰと史料学概論
レポート合格しました。
しかし、アッパレとは言い難い……

史料学概論は面白くて
筆が滑りすぎました。
熱意は買うけど
このあんぽんたんめ~という感じの
講評で、
でもこってり叱っていただいて、
良かったと思うのです。
ああ、このあたり、
現役教師のツツコワケさま、
きっと指導する側から共感されるかと(苦笑)

普通検索観音さまからは、
勝てば官軍、錦の御旗と、
すばらしく前向きになるお言葉、
頂戴しました。
でも、賊軍として、
矢もぐさぐさ突き刺さっていますよ。
いえいえ、官軍です、とりあえず。

さて、当麻寺付近のカフェでしたら
木伊(もくい)かな~と思います。
あとは、良さげなカフェは、
車がないと難しい、です。
蕎麦なら薬庵ですね。
「けはや餅」の当麻の道の駅は
石光寺から徒歩10分です。
ご検討くださいね。

楽しい奈良の旅を願っております♪
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Re:勝てば官軍ですね(苦笑) (ツツコワケ)
2017-12-05 19:12:32
瓊花さん、こんばんは。
瓊花さんは、好きな食べ物は、あとにとっておかないで真っ先に食べてしまう方ですか?
結構味わい深い、名物科目からいきなり行きましたね。

史料学概論が面白いと言えるのは、すばらしいことです。
先生は東野先生から代わられたんでしょうか。
熱意というのは、何をやるにも本当に大切なものです。それがなければ、奈良大の通信教育も卒業までやり遂げられないのではないかとさえ思います。それが瓊花さんにはあるのだし、楽しんで勉強できているならば何よりではないかと思います。

普通検索観音さんは、いつも味のある表現をされますよね。

私が教員をしていている環境は、勉強の内容のことで生徒を叱ったりという次元にはなく、叱るとすれば、授業態度が悪いとか、いくら言っても教科書を持ってこないとか、そういう次元です。

いずれにせよ、叱られたり注意されたりしてふてくされたりせず、言われたとおりにやってみる素直さが、自分の関わっている生徒の場合にはあればよいかなと思います。
部活動でも、やはり素直な生徒は伸びると一般に言われますね。

当麻寺付近のカフェ情報、ありがとうございます。
木伊、よさそうですね。なんか、木乃伊(ミイラ)を連想してしまいましたが、どうしてこういう名前なんでしょう。
道の駅は、近いんですね。ちょっと考えてみます。

そもそも、この冬に当麻寺に行くかどうかもはっきりしていないんです。

職場を異動してから、趣味というか仕事というか、そっちの方の出費も、スクーリング何回分かといったものがあり、気安く奈良に行くお金も時間も一層余裕がない状態です。自分の勉強のための投資は一段落かなという気もしています。だからこそ、旅に行ける時には、できるだけの収穫を得たいものだという思いが強くなっています。
厚かましくて恐縮ですが、またいろいろ現地ならではの情報をお願いします。
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現地レポート? (瓊花)
2017-12-05 22:13:16
ツツコワケさまこんばんは。
私、好きな食べ物は意外と後回し、です。
好物は、ゆーっくり味わうのです(笑)。
ただ、それ以外の物事は、
集中力で即座に狩りいれます。
射手座生まれだからでしょうか?

叱ってもらえるって、ありがたいことです。
史料学概論の担当は東野先生から
吉川先生に代わっています。
基礎の基礎を、教えてくださいました。
私も一期一会の史料学、
どうしても自論を展開したくて。
試験は、素直に陳述の形式を死守します(笑)。

ツツコワケさま
当麻寺というか、
二上山から金剛葛城連峰を望まれましたら、
磐之媛の気配が漂うようです。
産土でもある葛城は
一時私の心を支配しました。
磐之媛は自らの意思をつらぬき、
他者に迎合することを良しとしませんでした。
その孤高さがひたすらまばゆくて、
若かった私は
彼女に惹かれずにいられませんでした。

二上山の頂に葬られたという大津皇子は、
夕陽の頃に必ず私の心によみがえります。
あんな因果なところに墓を築いて、
まるで神になる引き換えに殺されたような。
人の目を奪うだけ奪う、
そんな存在だったのでしょうね。
目を閉じても夕陽がまぶたの裏を焼くように。

葛城を彩る人々は、
自らに忠実である点が、魅力の源かもしれません。
恣意的な現地レポートですが、
葛城地方には「永遠の青春」が眠っている、
そんな気がしてならないのです。
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Re:現地レポート? (ツツコワケ)
2017-12-06 21:36:22
瓊花さん、こんばんは。
射手座なのですか。それなら今頃がお誕生日の季節ですね。

私も実は射手座です。私は、ずっとさそり座だと思っていたら、実はいて座だったらしいということが24歳の頃にわかりました。誕生日がちょうどさそり座といて座の境目なのですが、生まれた年によって境目が違うそうです。
24歳まで「さそり座の女」だと思って生きてきたのに、全然違うじゃないか?と、以後、星占いを全然信じられなくなりました。
私の場合、性格はいろいろと変わってきていると思います。

さて、磐之媛、ちょっと調べて歌を見て思い出しました。葛城地方については、ソツヒコその他、私個人的にとても興味がありながら、まだ人物が識別できていないんです。中将姫と磐之姫もごっちゃだったりして。
瓊花さんによって、葛城地方について少しずつでも理解が進むといいと思います。

大津皇子については、大学時代の恩師(古代文献史学)が少し叙情的に語ってくれたことがあったので印象に残っています。いつか二上山に登りたいと思います。

また瓊花さんの言葉で、葛城地方のさまざまな事物について、お時間のあるときに、お勉強の息抜きにでも書いてくださればと思います。私もブログ更新と学芸員資格の勉強がんばります。
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ブログ始めました。 (瓊花)
2017-12-08 23:39:24
ツツコワケさまこんばんは。
私ブログ始めました。
『奈良大学通信まよい鹿』との
タイトルです。
ツツコワケさまと普通検索観音さまに
曳航されて頑張れました。
出帆です。

私も一時は蛇使い座だったような?
あれ、なんだったんでしょうね?
射手座は年々好きになります。
半分ケダモノなので、自由なものです。
しかし、アラフォーですので、
誕生日はめでたくもあり、
めでたくもなし(笑)。

葛城は私にはホームでありますが、
開かずの部屋だらけなのです。

磐之媛は夫の仁徳が新しい妃を
立てることを拒み、
仁徳のもとを去りました。
死ぬまで、戻らなかったのです。
大王に正面から立ち向かえ、
自分の意志を徹せる女、
それが磐之媛です。

嫉妬とかそういった次元を超えて、
葛城氏は誇り高く強靭な一族だった、
その証だと思います、磐之媛の存在は。

高鴨神社や高天彦神社あたりに
古代豪族葛城氏の本拠地を
求められるような。
風の森とか、地元民でも
うっとりする古代からの地名が、
葛城地方には当たり前として在ります。
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Unknown (普通検索観音簿冊)
2017-12-09 02:14:14
ツツコワケさん、こんばんは。
秋も短く、冬に突入したようです。
全日制にお帰りになって、仕事も忙しくハードなことと思います。
学芸員、この先のボランティアか地域活動の常識取得のためかと考えていますが、選択肢は様々ですね。やり始めてみて、ツツコワケさんの大努力のほどに敬意を表するばかりです。
卒論が通れば卒業までに6単位となり、収穫の多いスクも3つ残しているので、ツツコワケさんには及びませんでしたが、何とか3年で卒業のめどは立ちそうです。お礼申し上げます。
ブログ楽しみに過去分も含め読まさせていただいております。私めもまだまだ歴史の楽しみ分量があるななどと思います。
またブログにお伺いします。
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Re:ブログ始めました。 (ツツコワケ)
2017-12-09 12:10:23
瓊花さん、こんにちは。
ブログ開設、おめでとうございます!
私も、訪れることのできるブログが増えてとてもうれしいです。
自分の備忘録的な意味合いでも、ブログは有効です。
さっそくブログを覗かせていただきました。
瓊花という花が実在していたんだなあと知り、木に咲く紫陽花、とはなるほど、と、唐招提寺のホームページなどを見ながら納得しました。
その花が咲いている頃にも唐招提寺を訪れたいと思うようになりました。

葛城氏については、確か
平林 章仁
『謎の古代豪族 葛城氏』(祥伝社新書326)
を読んだことがあります。難しかったですが。私は出雲に関心があり、奈良に出雲の痕跡を探すことがある意味自分のテーマでもあり、葛城氏も関係があるのではないかと考えたりしていました。

奈良在住の奈良大通信生の方のブログはめちゃくちゃ希少で価値が高い(すみません商品みたいな言い方で)と思います。ブログのご発展をお祈りしています。これからもこちらにぜひ遊びに来てください。
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Re:Unknown (ツツコワケ)
2017-12-09 12:32:32
普通検索観音簿冊さん、こんにちは。
普通検索観音さんのブログは更新される都度読ませていただいていますが、コメントまで至らずすみません。

本当に着実に前進されていますね。
現役奈良大通信生の、良き、また親しみやすき模範という感じですね。

先日、千葉にある国立歴史民俗博物館に行って来たのですが、館内のポイントポイントに、シニア世代のボランティアの方が立っていました。同行の旧同僚の先生が、ボランティアだとおっしゃってました。
その先生が、ある展示物について質問したら、ちょっと(学芸員がいないので)わかりません、的な返事でした。ボランティアというのかアルバイトというのかわかりませんが、多少詳しい方が立ってらっしゃるのかと思うとここの場合はそうではなかったようで。

ボランティアは、本人の生きがいという意味合いも強いし、さらに、来館者の知的ニーズへの応対、という意味合いも充足してもらえたらいいし、難しいですね。
あんまり押し売り的なボランティアさんの説明も困る場合もあるのですが、すごく適度な、また学術的にも質の高い解説案内ができるボランティアさんがたくさん各地に出現したらすばらしいですね。
そういうボランティアなどしながら、論文の一つ二つも書くようなシニアがたくさんいるような社会になったら恐るべしですね。
奈良大通信の卒業生は、そんなことができる可能性を秘めていますね。

今日は完全に休みの日になったので、短時間で妙な妄想がわーっと広がってしまいました。

瓊花さんのブログ開設もあり、お仲間が増えていくのがうれしいですね。さらに一層、勉強に励みましょう。博物館経営論、やろうかな。
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