日本史学習拾遺

日本史よもやま話、授業の補足、学習方法

博物館実習(一)めでたく修了

2016-12-10 11:57:20 | 博物館学芸員関係

写真は先月下旬に訪れた、奈良・吉野の吉水神社の参道の紅葉です。

博物館学芸員課程の秋の学内実習レポートが昨日返却されてきました。
計3日分、7つのレポートを作成したわけですが、全部○がついていて合格でした!ほっとしました。

つたない、あまりリキの入っていないレポートでしたが、講師の先生方は全員、やさしい、善意の方々でしたので、合格にしていただけたのだと思います。
合格しないと再提出、それもだめだと、また来年全部受講し直しですから大変なことになります。おそらくほとんどの方は最終的には合格されるのだろうと思います。皆さん真面目で熱心な方々でしたし。

これで、博物館実習(一)は修了ということになり、来年度に博物館実習(二)を受けようとすると、今年度中に「博物館概論」他5科目のうち、4科目を修得しないといけません。

ところが、今年は怠け心のために、これらテキスト科目のうち、レポートは二つ(概論と資料保存論)しか提出・合格しておらず、試験は一つも受けていません。「博物館資料論」は、これでいいのかはなはだ疑問ながら、とりあえず、提出してしまおうかというところです。年末年始の休暇を使って、「経営論」か「展示論」のレポートを書けるかもしれませんが、残り3ヵ月で、四つの試験に合格できるかというと、かなりの強行軍のような気がします。
実習(二)の受講は、来年にするか再来年以降にするかはあまり考えず、一日一日、できるだけのことをして前進しておきたいと思います。

今週も、ぐるっとパスを使って、相田みつを美術館を見て来ました。ぐるっとパスで入場料無料です。有楽町の東京国際フォーラムの中にあります。心に響く言葉も多く、なかなかよかったです。入口横のショップには入場料を支払わなくても入れます。東京国際フォーラムは、イベントのない平日は、むしろ閑散としていて、レストランなどは穴場かもしれません。


さて、東京は今日もよいお天気です。ぐるっとパスで一つ博物館を見て来ようかな。


11月下旬(23日)に訪れた、奈良・長谷寺の画像です。

ぐるっとパスで「色の博物誌」「武士と印刷」

2016-11-28 00:54:10 | 博物館学芸員関係
ややごぶさたしています。その間に、14日のことですが、博物館学芸員資格課程のレポート「博物館資料保存論」が返ってきて、「合格」でした。これも全く手探りで自信がありませんでしたが、結構評価はよかったので、甘いのかな??

秋は例年ですが学校行事等で忙しく、レポート提出の予定もだいぶ遅れています。次に今レポートを書いているのが「博物館資料論」です。

あと1年で学芸員資格課程を終わらせるつもりでいましたが、「展示論」や「経営論」は手強く、また、多くの博物館を見てからにしようかなと思うようになりました。というわけで、来年度実習を受けるために必要なレポートも今年度中に提出・合格できる見込みが薄くなり、あと1年での学芸員資格課程の修了は無理っぽいです。
今年度は、代わりに、「生涯学習概論」他、簡単そうなレポートの数を稼ぐことにします。

実は、5日前に、奈良・吉野や長谷寺に、紅葉を見に行く旅をしてきたのですが、その話題は先延ばしにして・・・紅葉はきれいでしたよ。代わりに、今日は、東京の博物館のチケットブック「ぐるっとパス」を使って、博物館を見てきたので、ここに整理しておきたいと思います。
今月は、四つの博物館・美術館に行きました。前回、「禅」と「月」の展覧会について書きました。今日は、13日に見た「色の博物誌―江戸の色材を視る・読む」(目黒区美術館)と、今日見てきた「武士と印刷」(印刷博物館)について書きます。

まず、目黒区博物館の「色の博物誌―江戸の色材を視る・読む」です。
https://mmat.jp/exhibition/archives/ex161022
江戸時代に絵を描く時に使われた色材について紹介する展示でした。印象に残った点を以下、書きます。
まず、いわゆるツユクサ、も色材だったのだということです。実際には、ツユクサを改良して「青草」というものにして、青い色をとっていたらしいです。ツユクサは確かに花びらをつぶしたりすると青い色が手などにつきます。
他にも、ベニバナや鉱物などからとった色のサンプルや、実際に絵画に使われている例が展示されていました。

照明は、やや暗く、色も白色ではなかったので、本当の色がややわかりにくかったです。

多くの江戸時代の本も展示されていたのですが、開いているページ以外を見るために、タブレット型パソコンが置いてあって、画面をタップしてぺらぺらページをめくったり、拡大したりということができました。タブレットPCを使っているのを見たのは初めてかもしれません。パネル型の触れることのできる画面はよく博物館等にありますが。

現在の岡山県:備前国の国絵図が展示されている部屋がありました。江戸時代に各国が作らされた国絵図ですが、こんなに大きいのか?と思うほど、部屋一面に地図が広げられていました。
「色」の展示になぜ国絵図かというと、その絵の中で、海は紺色とか、金色の線(金泥)とか、赤い境界線とか、たくさんの種類の色を使って表現されているので、その説明がされているのです。

奈良大の「歴史地理学」スクーリングでも、絵図を使って、現在の土地の状況と比較したりということをしました。その中で先生が、こういう絵図を、いつまでもずっと観察している変な人になってください、という趣旨のことを言いました。確かに見ているといろいろな情報が詰まっていて、面白いのですが、私は粘りがなく淡泊なので、長時間は見る気にはならないな・・・と思いながらその場を後にしました。そこにも、タブレットPCが置いてあって、国絵図を拡大したりして見ることができました。興味のある人は存分に見られると思います。

色の使い方が違う2枚の版画が並べられていたりして、いろいろな表現があるのだなということがわかりました。

全体として、色材の実物をふんだんに見ることができたりして興味深かったのですが、私はコンタクトをしても視力がよくないことなどもあってか、照明が暗めで解説が見にくかったり、色を見るのにこの照明が適切なのだろうかと思ったり、しました。つい、学芸員資格課程で勉強していると、欠点を探そうとしてしまいますけれども・・・
タブレットPCを活用していたのはなかなかよかったと思います。今後も使う博物館等が増えていくかもしれません。

次に、今日見てきた印刷博物館の「武士と印刷」です。こちらも、「ぐるっとパス」があれば無料で入れるし、都心にあって近いので気軽に行って来ました。凸版印刷がやっている博物館です。
http://www.printing-museum.org/exhibition/temporary/161022/index.html

中に入ると、案内の方に、これから安土城のVR(ヴァーチャル・リアリティ)が上映されるのでいかがですか?20分くらいです、と言われ、スルーしようかとも思ったのですが、博物館学芸員資格課程の身として、さまざまな形態の展示の工夫・経営努力などを学ぶためにも、見ておくか、ということで見ることにしました。
VRシアターへのかどかどに、案内の女性が一人ずつ、計3名くらいついていて、手厚いなあと思いました。お客さんはそんなに多くないんですけどね。今チラシを確認したら、このVRシアターは土日などの休日でないと開いていないようです。

曲面の巨大なスクリーンに、安土城のVRが映し出されました。なかなかよくできています。水面から見たり、上空から見たり、内部に入ったり・・・これは、滋賀県の近江八幡市にある「信長の館」でも上映されているもののようでした。風邪をひいていたりして体調があまりよくないのと、このVRを目当てに来たわけではなく、たまたま誘導されて見に来たのと、会場が心地よいのとで、終わりの方でうとうとしてしまいました。
「信長の館」のチラシも置いてあって、それを見ると、そこのレストランの食事の写真も載っていて、「信長ハンバーグ定食」とか、「戦国焼き定食」とか、「近江牛牛丼」とか、お手頃な値段でおいしそうなんですよ。
滋賀県もそういえば宿泊したことがないので、いつか行ってみたいです。

さて、印刷博物館の展示ですが、1階が無料で入れる展示、地下が有料です。
企画展示中心に紹介しますと、今回の「武士と印刷」は、
第一部「武者絵に見る武士たちの系譜」
第二部「武士による印刷物」
に大きく分かれています。

第一部の武者絵は、そういえば時代順に展示されていました。最初が平安時代で、鬼退治をした渡辺の綱らの絵がトップでした。渡辺家は鬼退治をしたから節分に豆まきをしなくていいんだ、と父親が言うので子どもの頃はあまり家で豆まきをしませんでした。そういう渡辺綱が出てくる絵の隣が、私の好きな源為朝の絵でした。最初の方から私にとって興味深い絵が出てきたので楽しくなりました。しかし何しろ、解説のプレートの文字が小さいので、一つ一つ、目がいまいちよくない私は腰を折るようにして読みとらなければならず、全部の絵を丁寧には見ませんでした。展示室も広くて、おなかいっぱい、という感じになりました。

第二部は、約70人の武士が刷らせた約160点の印刷資料が展示されています。大きな日本地図に該当する各藩の名称が表示され、そこに対応する武士(大名)名と印刷物名が表になっていました。

全部を丁寧にみると膨大な時間がかかってしまいますし、基本的に江戸時代の版本が、あるページを開いて展示してあるだけなので、私も興味がある武士の名前が見えるものだけをややじっくり見る程度で、駆け足で見ました。

伏見版とか駿河版という言葉は、奈良大通信の書誌学で勉強しました。駿河版の活字なども展示されていて、家康が作らせたとのことですが、大したものだなと感心しながら眺めました。

高校日本史的には、徳川光圀の『大日本史』など、教科書にも出てくる本が、大きいスペースにダーッと並べられていました。

他には、豊臣秀頼、柳沢吉保なども、出版をさせているんだなあと目にとまったり、あとは何といっても私の実家・白河の殿様だった松平定信の『集古十種』をはじめとする出版物群は、初めて見たのですがややじっくり見ました。『集古十種』は、かなりの大判でした。松平定信はやはりさすがです。文化人であるなと改めて思いました。小さな自分の歌集もありました。また、谷文晁が描き、定信が「賛」を入れたという『異国船図』という掛軸があって、これによって定信は、国防の必要性を喚起しようとした、という説明書きがありました。
本当にたくさんの武士(大名)の印刷物が出ているので、お目当ての武士のものだけでもよいので見るのもよいと思います。

以上が企画展示で、常設展の方も続けて見ることができましたが、こちらも広いスペースでかなり充実していました。グーテンベルクの印刷機の復元したものなどもありましたし、浮世絵の刷り方を分解して説明してあったり、ゆっくり見ようと思えばいくらでも見るべき所はありました。

企業が運営している博物館でも、こんなにゆったりとして、充実した博物館もあるのだなと感心しました。企画展は来年1月15日までです。


印刷博物館の入り口です。左側から入ります。

博物館学芸員資格課程 博物館概論レポート その他

2016-09-17 23:36:10 | 博物館学芸員関係
昨日、8月末に再提出していた博物館概論のレポートが戻って来ました。1ヵ月先かと思っていたら意外と早かったです。

昨夜帰宅して、封筒を見つけて、
「なんか来てるよ~。やだやだやだ。」
と相変わらず戦々恐々としながら封を開けると、めでたく合格!うれしかったです。

1回目は、評価項目八つにCとDの所しか○がついておらず、こんなひどいのは見たことがないので、かなりショックだったのですが、今回はどうにかAとBだけになりました。

この科目は、かなりの人が再提出になると聞いておりましたし、実際私もなったわけですが、1回目のレポートが返って来た時に、先生の指摘がレポートに結構細かく入っていて、その通りにおおよそ直すと、なんとかなります。

最初からそのポイントがわかっていれば一回で済むのに、と思うのですが、サブテキストの説明をさらっと読むだけではなかなかつかみにくいです。
そのポイント・コツをここで書くと、もしかしたら怒られてしまうかもしれないので、詳しくは書かず、一つだけにします。

(2)で地域博物館の具体的な諸活動について、をテキストから抜き出してまとめることについては、「市民参加」の例が入っているかがポイントでした。サブテキストの説明にもよく読むと書いてありました。
私が最初のレポートで取り上げたものは、あまり市民参加の様子が入っていない博物館もいくつかあったので、差し替えました。

「文化財学講読1」と担当の先生は同じですが、これも、レポートの設題が複雑です。

奈良大の学芸員のガイダンスに行った時も、通学部生も含めて大講義室がほぼ一杯になるくらい、学芸員課程を履修している人がたくさんいて、そしてレポート再提出が多数、しかもレポートに結構添削が入っている、ということになると、先生も大変にお忙しいのではないかと思うのですが・・・

5月にご一緒して話をうかがった方は、去年、概論のレポートを提出・合格等したが、去年は引率見学には参加せず、今年参加されたとかで、1年ごとにちょっとずつ進めていらっしゃるようでした。

私も、あと最低三つのレポートを今年度中に完成させて試験を四つ合格しなければ2年で終わる見込みがなくなるのですが、博物館展示論とか博物館経営論とか、レポートを書くにもそれなりに多くの博物館の事例を見ていないと、深いことは書けないのではないかなと思い、簡単に2年で終わらせてはいけないというか、早く修了したいなら、できるだけ多くの博物館を見るべきかな、と思ったりしています。

だからというわけではないのですが、おととい、江戸東京博物館で、
「よみがえれ! シーボルトの日本博物館」展を見て来ました!
以前にもシーボルトについてはここでも記事にしてきましたが、毎年生徒がビデオ(その時歴史が動いた)を見て感動するし、私もそこから派生して、個人的に興味がある人物なので、とても期待して行ったのですが、すばらしい内容でしたね。

これについては、また後日、書きたいと思います。
千葉・佐倉の国立歴史民俗博物館から始まって、全国のいくつかの博物館を巡回します。今は東京でやっています。この後、長崎、名古屋、大阪、と、来年にかけてまわるようです。東京は、11月6日までです。ぜひ、行ってみてください。

http://www.museum.or.jp/modules/jyunkai/index.php?page=article&storyid=311

歴博と江戸博の入場料の差が大きいのに今気がついて驚きました。同じ展示なのに・・・?歴博の方へ夏休み中に行きたかったのですが、暑いとか、風邪とかで、行けませんでした。

以上、学芸員資格課程を履修していない人にはよくわからない細かい話ですみませんでした。履修されている方など、読んでいらっしゃるようでしたら、リアクションしていただくのもいいのではないかと・・・コメントやメッセージなど。
来週末は、奈良に乗り込み、学内実習です。何人くらいの方がいらっしゃるのかな。

もう一つ、今夜記事をアップするつもりでいたのですが、無理かな・・・次の記事の予定は、方広寺、耳塚の話です。ではこの記事はこのへんで終わりとさせていただきます。


おまけの写真は、夏休みに訪れたソウルの国立中央博物館の金冠です。写真は一部の展示を除いて撮っていいようでしたので、撮りました。黄金の輝き、すばらしいです。慶州のものです。ここにぶら下がっている勾玉について、私は思うところがあります。いつかまとめたいと思います。

博物館学芸員資格課程 引率見学レポート ○

2016-09-04 01:02:16 | 博物館学芸員関係
今年度から博物館学芸員資格課程の科目等履修生をやっていますので、その経過報告です。
別の話題で書かなければいけないこともたくさんあるのですが、昨夜、うれしいことがありましたので、今日、それについて短い記事をとりあえず書いて、今後、調子を出して行こうと思います。

5月に博物館の引率見学があり、5月中に引率見学レポートを提出することになっていました。7月にレポートが返却されたのですが、2館分のレポートのうち、1館分が不合格で再提出になりました。
どこがよくないのかというと、要は、立面図で表現されていないということのようでした。レポートの中に図を入れるのですが、後で手引きを読みなおすと「立面図等の図で示す」という文言が入っていました。「必須」とは書いてありません。

なるほど、私のレポートは、合格した方は、かろうじて立体的に描いた図が一つ?入っていたのですが、不合格の方は、確かに平面図しかありませんでした(それぞれ三つくらいの図を入れます)。

「立面図」とは何ぞやというあたりの説明を、もう少しガイダンス等でやっておいていただいた方がいいかな、と思いました。やり直していて、立体図とはまた違うように思いました。

何しろ、この引率見学レポートが合格しないと、9月・10月の学内実習が受講できません。実習のために3回奈良に行くのですが、もう、2回分は宿も予約してしまいましたので、何としても再提出のレポートを合格させないと!と、全力で図を描き直しました(笑)。
7月後半に再提出し、9月あたまに返却されるというので、首を洗って待っていました(笑)。

その間にも、韓国旅行の直前に、博物館概論のレポート「不合格」の封筒が届き、また凹んだり、ということもありました。どちらも同じ担当教官です・・・厳しいという話は聞いていましたが、実際、自分も不合格になるとは、というか、なるんだなあ・・・と、どうも、学部の通信教育よりもつまづきが多くて、参りました。博物館概論のレポートも先日再提出しましたが、どういう点がよくなかったかなどについては、またの機会にします。
とにかく、ご指摘はごもっとも、という感じです。事前にそのポイントがわかってればな…という感じ。

そんなこんなで、9月に入り、そろそろ引率見学レポートが戻ってくる頃だ・・・と待ち構えていたら、金曜日、封筒がキター!例のごとく、大騒ぎしながら封を開けると、合格!これでなんとか今月奈良に行ける!と大喜びしました。さて、各1泊ですが奈良観光の計画を立てねば・・・

まあ、もう一つ、8月下旬〆切の、自主見学レポート(3館分)の提出も、学内実習の受講のための条件なのです。これは、とりあえず期限までに提出すれば、学内実習受講はOKになります。8月22日、台風の日に投函し、まさか届いているはずですけど・・・提出したつもりですので、多分、学内実習は受けられるはずです。

自主見学レポートは、不合格になれば再提出ですが、とりあえず学内実習が受けられれば、後はどうにかなるということで。学内実習を今年受けられないと、学芸員課程を2年で終わらせることができなくなりますので、とりあえず、2年で終わらせるための首はつながったということです。

あとは、今年度中に最低四つの科目のレポート・試験合格が必要です。今年は、本業をはじめ、いろいろと、他にも力を入れてやっていることがあり、こちらの勉強になかなか専念はできないのですが、なんとかするしかないという感じです。

とにかく、学芸員課程は、ハードルが数多くあって、途中で挫折したり、数年多くかかってしまったり、ということが起きやすいなあというのが実感されます。どのくらいの修了率なんでしょうか。

レポートは、図も描きますので、絵が苦手、という人は、厳しいでしょうね。私も、こんなんでいいんだろうか、と、他の方のを見たことがないので、よくわかりません。とにかく、労力が要ります。

それでも、博物館の展示を見る目が変わったりして、勉強にはなっていると思います。いろいろな博物館を、時間を見つけて、できるだけ見学したいと思っています。

先日の旅で、ソウルの国立中央博物館にも行って来ました。ものすごく大きくてびっくりしました。しかも無料です。現地の子ども達もたくさん見学に来ていて、展示を熱心に見ていました。


博物館の内部。広々とした空間。


博物館の外観。遠くに絵画のようにNソウルタワーが見えるように設計されています。


拡大するとこんな感じにNソウルタワーが見えます。


今日はこんなところで。

子鹿に会いに(勉強をしに)奈良日帰り旅

2016-06-05 15:52:47 | 博物館学芸員関係
今日は、日帰りで奈良に来ております・・・と、昨日書き始めたのですが、全部書き終わらなかったので、翌日の今日、書き足してアップします。

博物館学芸員資格取得課程のノルマの講演会を聴きに来ました。6月土曜に3回行われる講演会に、1回は出席しないとダメですというノルマです。
後で行けなくなると危険なので、一番最初の回に出席することにしました。
講演会の後、感想レポートを1枚表裏に書いて提出しましたので、ノルマはクリアしたはずです。

今は私の好きな近鉄奈良駅近くのカフェ ロココでこれを書いています。
来るたびに違う種類のコーヒーを飲んでいますが、どれもおいしいです。他では飲めない味・香りです。新鮮な豆で、かつ、いれ方がうまいんでしょうね。焙煎技術で全国トップクラスのコーヒー店で、スペシャルティコーヒーを名乗ることができるお店です。

今回は日帰りなのでちょっと気楽な感じで、7時台の新幹線で出発、近鉄奈良に着いて、目的としていた鹿苑(ろくえん)で、今、出産のピークであるシカの赤ちゃんを見て、それから大学に向かいました。

奈良公園一帯では、子鹿誕生の季節で、母子鹿を保護している鹿苑の公開が、6月1日から始まり(30日まで)、このタイミングで奈良に行くのなら、見るシカない、と思って・・・

近鉄奈良駅からバスで、「春日大社表参道」バス停を降りて徒歩7分くらいで鹿苑に着きます。
11時から公開が始まります。ちょうど11時前くらいに着いたのですが、すでにかなりの長蛇の列。


鹿苑のメインのスペースは、きれいな芝生で遊んでいる鹿を上から見下ろす感じで、あまり近くから見えないのですが、それでも子鹿ちゃんのかわいらしさはわかりました。

大人のシカよりも、背中のこげ茶色と鹿の子模様の白さのコントラストがはっきりしています。いいカメラを持ってこなかったのを後悔しました。やっぱり子鹿ちゃんはフォトジェニックですね。

かわいい声で鳴いているのも聴けました。

下に降りてくると、別のスペースに、もう少し野生の感じで群れているシカさんたちがいて、どんぐりをあげることができましたので食べさせてきました。カリカリいい音を立てて食べていました。

おとなのシカさんが多い中、子鹿も一緒にいる所も見ましたが、設置してある物陰にひっそりとうずくまって休んでいる子鹿も多かったです。

チラシによると、子鹿は、生後2,3週間は、草むら付近で隠れて過ごす習性があるそうです。

去年の7月のスクーリングでは、東大寺南大門近くで親子のシカが散歩していて、お母さんのおっぱいを飲んでいるところも見られました。今頃から夏にかけては、シカの背中の鹿の子模様もきれいに見える季節です。
シカも人間も、子どもというものはかよわくてけなげな感じがあってかわいいですね。命の輝きを感じます。

そういうわけで、11時に来て、11時45分には近鉄奈良駅に戻らなければならなかったので、本当に短い滞在時間で、もしかしたら私が、いの一番に外に出てきたかもしれません。残念ですが、まあそれなりに見ることができました。

もう少し後の季節になって、子鹿たちが「公園デビュー」した頃に見るのもいいでしょうね。

私は、勉強の目的では次回は9月下旬まで奈良に来ることはありません。去年までと違って、7、8月にスクーリングがなくて少し物足りないですが、また9月下旬という未知の季節に奈良を訪れるのを楽しみにしたいと思います。その頃にはシカさんたちはどんな表情を見せてくれるでしょうか。

鹿苑の情報等はこちら
http://naradeer.com/events/

さて、奈良大での博物館学芸員資格課程の講演会は、13時から始まりました。通学部生も一緒に聴講する形になっていて、キャンパスはいまだかつてなく若者の姿・声でいっぱいでした。日本文化財科学会という学会?も開かれていて、関係者の方々も多く、また、就職関係の説明会も行われていました。


学芸員の講演会は、京都の博物館の学芸員の方による、昨年の「大関ヶ原展」にまつわる裏話を含めた、学芸員のお仕事について、お話をうかがいました。
この展覧会は、家康没後400年の昨年、江戸東京博物館と、京都文化博物館、福岡市博物館を巡回する形で開催されました。私は見ていませんが・・・昨年までは、あまり博物館に注目していませんでした。卒論などで忙しかったし・・・

詳細は省略しますが、印象に残った話の一つとして、東京(関東)では、家康(徳川)をフィーチャーした展覧会がよく開かれる、そしてお客さんもよく入る、ということを聞きました。一方で、(秀吉の)大阪では、東軍の家康をフィーチャーしたものなどとんでもない、という空気で、この企画に反旗を翻したとかで、「没後400年」をうたうのが難しかったそうです。やっぱり関西(大阪)はそういう感じなんですね。

実は、私の父方の先祖は、関ヶ原の戦いに、西軍側(石田三成方)で出たと父親から聞いていましたし、曾祖父の残した記録にも、
「祖先は、大坂勢に属し」
と書かれており、
「関ヶ原の合戦に敗れ、徳川勢の為、身のおきどころなく、つかれのがれて、Y町(新潟の現長岡の地)に来たり、○○寺にかくれ、僧侶となって身をかくして・・・」
とあります。これは叔父が、祖父の書き物をワープロ打ちしたものを私の父親に渡し、それを私が父親から預かったものです。

そういうわけで、私の先祖は「徳川勢の為」に「身のおきどころがな」かったらしく、そういう話を子供の頃から聞いていたこともあり、私は、家康は好きではなく、三成とか秀吉の方が好きでした。
関ヶ原の戦いについても、他人事ではなく、先祖も関わっていたという意識があり、かといって、詳しいことを調べたりということもしてきませんでした。なんとなく負け組なんだという意識はあります。私も、家康が好きな関東型の人間ではなく、関西的な意識の人間なのかなと思いました。

そんな関ヶ原の戦いに関する展覧会についてのお話でしたので、そこそこ興味深くきかせていただきました。

展覧会における学芸員としてのお仕事の中には、図録の原稿執筆や、音声ガイドのシナリオ書きなどもあったそうで、声優さんを音声ガイドに起用したら、かなりの人気になって、CDを出してくれという話にまでなったそうです。
今回聴いたお話は、展覧会の成功例で、学芸員さんも楽しそうにお話しされていました。

講演の後、感想レポートを提出するのですが、私は5月の時の経験も生かして、講演中、感想レポートの骨子として、箇条書きでポイントを並べておきました。そうしてメモから順番に拾ってレポートにしました。
20分くらいで裏表を書いて出てきましたが、提出箱が二つあって、通学部生の箱には何枚か入っていましたが、通信教育部生の箱には1枚も入っていなかったので、私が一番乗りだったのかな?まあ、早く引き上げて奈良観光なりおみやげ購入なりに時間を使いたかったので。

早く終わったけれども、バスの本数が少ないので、駅まで歩いて戻りました。20分以上歩くのですが、下りだし、6月の奈良の空気はさわやかで、風もほとんどなく、穏やかな静かな住宅地を、よい気持ちで歩いてきました。

今年度から学割が使えなくなったので、新幹線は、ネット予約で少しお得になる「エクスプレス予約」を利用しています。指定席の変更は、通常は1回までですが、これは何度もできます。1回あたりの乗車で1000円くらい?安くなり、ポイントがたまるとグリーン車に乗れます。
奈良(京都)までの往復は、それでも2万5千円くらいにはなりますが、リフレッシュや勉強のために、思い立ったらひとっ飛びで、1,2ヵ月に一度くらい、行きたいものです。
奈良の街は、観光地として、激混みでもなく、閑散としているでもなく、ほどよくぱらぱらなのが、私にとってはちょうどいいのかな、と思います。