まろの公園ライフ

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『シン・ゴジラ』に拍手

2016年08月23日 | 日記

話題の映画『シン・ゴジラ』を観た。
賛否両論はあるようだが
数あるゴジラ映画の中でも最高傑作ではないかと思う。

フルCG映画である。
オジサン世代にとって怪獣映画と言えば「特撮映画」であり
円谷英二であり本多猪四朗と相場が決まっているが
最新のCG技術のリアル感は素晴らしく
久しぶりに子供の頃に戻ってワクワクする映画であった。
監督の庵野秀明はSFアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」で有名だが
残念ながらオジサンはエヴァンゲリオンを知らない。
しかし、そんな世界観を知らなくても
十分に楽しめる映画であった。

映画はしごく単純な話である。
東京湾に突如出現した「巨大不明生物」をめぐって
日本中がパニックに陥り
その対応に追われる政府や官僚の右往左往ぶりが描かれる。
ニッポン(現実)vsゴジラ(虚構)という
ある意味シニカルな図式が全編に徹底されており
余計な感情移入をする必要がない。
ゴジラは日本の繁栄の象徴である大都市・東京を
容赦なく破壊し蹂躙するのであるが
その神のごとき「荒ぶる」精神に誰もが圧倒される。

『シン・ゴジラ』予告

ゴジラが都内に上陸する際
品川周辺の運河は凄まじい津波にのみ込まれる。
また、コジラの途方もないエネルギーが
やがて射能を熱源としていることも判明するのだが
これは明らかに「東日本大震災」を想起させる。
ゴジラはまさに人智を超えた制御不能な「巨大自然災害」であり
人類はその前では実に無力なのである。



この作品はゴジラ映画の29作目だそうである。
2014年公開のアメリカ版「GODZILLA ゴジラ」は
世界的に大ヒットしたが、興行収入ではすでにそれを超えたと言う。
出演者が総勢328名という多さにも関わらず
セリフのテンポがよく、それぞれがリアルで飽きが来なかった。
石原さとみのアホ面を除いては・・・(笑)
言ってみれば日本では珍しい「上質なパニック映画」と言っていい。

それにしても「シン・ゴジラ」のシンとは何だろうか?
「新」なのか「真」なのか「伸」なのか
それともゴジラに限りない愛を込めた「親」なのか?
そんなことを考えるのも楽しかった。