まろの公園ライフ

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酔芙蓉が咲いたよ

2016年08月25日 | 日記

今年も酔芙蓉が咲き始めました。
晩夏の季節、芙蓉の花にちょっと遅れて
純白の大輪の花を咲かせます。

今年は枝がバッサリと剪定され
ふじに咲くのかどうか大いに心配したのですが
なかなの生命力ですねえ。
清々しい気品のある花で私は大好きです。

ただ、朝のうちは純白の大輪ですが
時間が経つにつれてだんだんピンク色を帯びて・・・

夕方には赤紫色になって萎んでしまいます。
この様子がどことなく酔っ払いに似ていることから
ついた名前が「酔芙蓉」です。
まるでわが身を見るようで他人事とは思えません。
毎日、毎晩、酔っぱらっては
醜態を晒している自分が情けなくオーバーラップします。(笑)



芙蓉の花を見ると
決まって新田次郎の小説「芙蓉の人」を思い出します。
明治中期、富士山の気象観測に先鞭をつけた
野中到・チヨ夫妻の生涯を描いた感動的なドキュメントです。
著者の新田氏自身、もともとは気象学者で
富士山気象レーダーの建設に尽力された専門家なので
とにかく一つ一つの描写がリアルで
中でも冬の富士山の苛烈なまでの自然描写は
それこそ身も凍るような迫力でした。
ちなみに小説「芙蓉の人」のタイトルは
古来、「芙蓉峰」と呼ばれた富士山に由来するそうです。

新田次郎氏の奥様は
やはり小説家の藤原ていさんですね。
太平洋戦争末期、満州引き揚げの壮絶な体験を綴った
名著「流れる星は生きている」は
当時、ベストセラーになって何度もドラマ化されました。
初めて読んだのは確か中学生の時でしたが
戦後世代の私にとっては全てが衝撃で
戦争というものの過酷さ理不尽さを肌で感じました。
何度読んでも涙が止まりませんでしたねえ・・・

その満州引き揚げで無事生き延びた
ご夫妻の長男・藤原正彦さんは今や世界的な数学者です。
優秀な人の子供はやはり優秀なんですねえ。(笑)
自らの留学体験を書いた「若き数学者のアメリカ」は
私が読んだ数少ない理数系の書物で
その明晰で気骨ある文章に大いに感心したものですが
間もなく出た「国家の品格」が大ベストセラー!
うーん、人間のDNAのなせる技にただただ感心するばかりです。

酔芙蓉の花がすっかり脱線してしまいましたが・・・
今晩も酔っぱらってしまいそうです。