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さよなら三角また来てへなちょこ

食い意地先行の放浪ブログ。たまにはHIVの事。

八重山・沖縄おひとりさま6Days「何もない島の暮らしと風景」

2008年08月07日 02時00分24秒 | 旅行
7月10日午前8時。
沖縄県竹富町黒島。

くまぞー「ハート型だ…あっそうか、黒島の形ですね!」

八重山と沖縄を回る旅行の4日目。
昨晩は民宿で夜中の2時半まで飲んでいました。
おっちゃんと常連客さんは、そのあと3時半まで飲んでいたとか。
朝食の卵焼きの上に、黒島の形のハート型にケチャップが飾られいて、
一生懸命作ってくれた上に、なんだか、愛嬌も感じます。

テレビには、NHKが映っています。


NHK「それでは天気予報です。」

八重山地方には、なんの躊躇のなく晴マークがついています。
でも、今回は、天気予報ほど、当てにならないものはありませんでした。

前回の八重山旅行は、ずっと晴れ続きでしたが、
今回は天気予報は「晴」でも、雲が多く、
突然雨に降られたり、それも島の反対側では晴天だったり。
目の前で半分晴れて、半分雨が降っているっていうような感覚です。

いや、もちろん、低気圧が近づいてくるだとか、
天気予報も、ある程度参考になるのですが、
やはり、この地方の暮らしにおいて、必要なのは、
空を見て、風の流れや雲の形などを見て、
数時間後の天気を自分で感じることかもしれません。

食事が終わり、食堂の壁に張られている
宿泊者さん達の記念写真などを眺めます。
その食堂の一角には、プロカメラマンによる黒島の写真が貼ってあります。

くまぞー「これは、誰が撮られた写真なんですか?」
ヘルパーさん「渥美徳太郎さんって言って、この島をずっと撮っていらっしゃる写真家さんですよ。」

島の祭りや日常のシーン、そして風景の写真が、
心にしみる言葉と一緒に展示されています。

良い意味でも悪い意味でも、「何もない島」と呼ばれる島の、
積み重ねてきた歴史に思いを馳せます。
この島の人たちは、別れの挨拶に「さよなら」ではなく
「まわってらっしゃい」と声をかけるのだとか。

島の人の表情や風景と言葉がシンクロし、すっと吸い込まれそうです。


ヘルパー「くまぞーさん、何時の船で出発しますか?」
くまぞー「飛行機が5時なんですよ。だから…3時の船でどうでしょう?」
ヘルパー「10時か11時くらいに部屋から荷物を出しておいていただければ、それまで使っていただいて大丈夫ですよ。」

…ありがたい!ならばということで、海に入ってくることにしました。
自分はちょっと外に出かける時でも、カメラとか小銭など、
荷物をたくさん持ってしまうので、
一人旅だとどうしても荷物が気になって、海で泳いだりするのが奥手になります。
ほんとはゆっくり海の上でぷかふか浮かびたいのですが、
今回も六日間の旅行の中で海に入ったのは、この日が最初で最後です。

朝の海岸で、ほとんどお客さんのいない海で、ひとり、波の上で浮かびます。
ただシュノーケルのセットを持ち合わせていなかったので、
サンゴや魚は見られなかったのですが、
ちょっと離れたところに行けば、クマノミなんかもたくさんいるのだとか。
ここは、日本最大のサンゴ礁が広がる、「石西礁湖」と呼ばれる一帯です。
さすが!というか、やはり、もったいない!


しばらく海で泳いで民宿に戻ります。
シャワー浴びて、着替え、濡れたものや汚れものをなんとか詰め込み
苦手な荷造りをこなして、
高速船の時間ぎりぎりまで、島めぐりに再び、出発です。



「SENCHO」さんちのポスト。



思わず触ってしまいたくなる、危険な柵。



舗装されてない道を自転車に揺られて恐る恐る進んだら…







こんなきれいな海岸がありました。西の浜です。




毎日来ても飽きなさそうな、伊古桟橋。




静かな集落。






なんだかとてもかわいい標語。




見渡す限り、牧場です。





今日も、雨が降りそうです。



おしゃれなレストラン「パームツリー」にて。
焼きたてパンやゴーヤのパスタなど、おいしそうなメニューが
たくさんありますが、今回は、ご飯の誘惑には勝てません。
チキンカツ丼と、牛のたたき。この牛は…


さてさて、昼飯も食べて、少しゆっくりしたら、
頭がくらくらしてきました。
炎天下をぐるぐる回りすぎたようです。雨もパラパラと降ってきました。
黒島ビジターセンターを少しのぞいて、あとは、ゆっくり、この木の下で休むことにしました。




ヘルパー「あー失敗した~」
くまぞー「雨ですか??」
ヘルパー「寝ている間に雨降っちゃって、洗濯物濡らしちゃったんですよ。窓も閉めてきますね。」


慌てて、客室の網戸を閉めてくるヘルパーさんは、
今回の旅で、一番ヒットした、男の子です…体が大きくてくりっとした目に、ラウンド髭。
まるで、沖縄出身のような、きりりとした顔立ちですが、本土の出身だとか。

ヘルパー「そろそろ行きますか」
くまぞー「みやきさんは寝てますかねー、ありがとうございましたとお伝えください!」


午前中、まとめておいた荷物をワゴンに乗せ、港に向かいます。

くまぞー「黒島で一番好きなところって何ですか?」
ヘルパー「伊古桟橋が、満潮で隠れるか隠れないかまで海が満ちる時が一番きれいですよ」

その景色は、また次回のお楽しみです。

くまぞー「でも、不思議ですよね。さっきまで、あんなに雨が降っていたのに、
     港のほうは全然降ってないんですね。」

ワゴンが港に着いたら、船がやってくるところでした。

くまぞー「ありがとうございました!」
ヘルパー「気をつけて!」

船に乗り込み、いざ、石垣島へ。
離島から帰ってくると、730交差点は、いつも、大都会に映ります。



「あやぱにモール」でちょっとブラブラしたら、空港へ。
そして、夕方には飛行機に乗って、那覇へ向かいます。

八重山・沖縄おひとりさま6Days「旅先で邪魔をするのは、何ですか?」

2008年08月04日 14時27分21秒 | 旅行
7月7日午後2時。
沖縄県竹富町黒島。

波照間ではバイクを借りて島内を回りましたが、
アップダウンがほとんどないというこの島では、自転車で十分という
みやき荘のおっちゃんのアドバイスで、
自転車で島内探検に出発です。

島の周囲をぐるっと取り囲むように、
両側2車線の道路がある波照間と違って、
黒島の主要道路は、港から、島の中央にある集落へと延びる県道くらい。

集落内の道路でさえ、舗装されていないし、
集落同士を結ぶ道路も、舗装が少しガタついています。

そんな道を自転車でゆっくり進みます。
バイクで見える景色とはまた違う速度で、
島の風景が視界に入っていきます。



この島で、一番興味を引いたのが、雲。
東京で見る雲とは、スケールの違う、この入道雲!
刻々と表情がかわる様子は、見ていて飽きません。




昼飯も食べます。ポーク玉子定食。味処「はとみ」にて。




戦前に完成した、伊古桟橋。現在では使われていませんが、
空と海が溶け合うような、そんな眺めです。




暑くてぜーぜーしている犬。「おい小池」も一緒です。




牛。草食べながら牛舎のほうから出てきました。




「仲里海岸」の海の家。おじさんの不在時は、セルフサービスのようです。





青い海を期待していたのですが、だんだん空が暗くなり始めて、
風が吹いてきました。先ほどかずっと遠くで雷が鳴っています。

夕立がやってきそうな雰囲気。
部屋に帰って、少しうとうとしていたら、土砂降りの雨が降ってきました。
予感が当たりました。また雨があがって、夕立後の海岸へ向かいます。






散策から戻ってきて、玄関先のテーブルで夕食の準備を待ちます。
どうやら、今日の宿泊客は6人。
前日まではたくさんの人が泊っていたようですが、
この数日間は、行楽シーズンを前に、最後の一休みのようです。

ヘルパー「夕食の準備ができました」




建物内の食堂へ移動です。
今日の夕食は味噌とんかつ。
一人旅の宿泊客さん達三人で食卓を囲みます。
波照間の民宿の食事のボリュームからすれば、ほっと一安心の量です。



ヘルパー「豆腐にはわさび漬けがのせてみました。苦手な方は、どけていただいてくださいね。」
くまぞー「自分、静岡出身なんで、ぜんぜん、大丈夫ですよ」
宿泊客A「よく仕事で浜松行くんですよ。」
くまぞー「浜松って餃子なんかもおいしいんですよ。ぜひ、行ってみてくださいよ」

テレビを見ながら、和やかな食卓です。
おいしくいただいて、食べ終わった後は、庭先に出て、ゆんたくです。

酒飲みの民宿のおっちゃんに先ほどの宿泊客さん達、子供連れの家族客、
そして、他の宿に泊っていたという女性客2人組も加わって、
泡盛飲みながら、いろんな話をしていきます。




若いころに、東京へ出て働いたことがあるという民宿のおっちゃん、
いろんなお客さんのエピソード、世の中の話や、結婚のこと。
人生について、語る夜。
みんないろんなこと抱えて生きているんだなあ。

同性愛者だとか、HIVだとか、
みんなはどんな風に思っているんだろう。
少し聞いてみたいと思ったけど、何かが邪魔したようです。

一人戻り、また一人戻り…気がつけば、午前2時半。
自分もそろそろつらくなってきました。
ゆっくり語り合う心地よさを感じながら、
今夜は眠りに就くことにしました。

八重山・沖縄おひとりさま6Days「黒島上陸」

2008年08月02日 02時35分24秒 | 旅行
7月9日午前11時。
沖縄県石垣市大川。

高速船で、波照間島から石垣に戻った自分は、
この後、黒島に向かうために、荷物を船が到着した離島ターミナルに預け、
昨晩泊った民宿の宿泊客から教えてもらったソフトバンクショップへ向かったのでした。

昨晩、水たまりに携帯電話を落としてしまった自分。
一晩経って、ほぼ機能は回復していたのですが、
携帯カメラの機能だけが、回復していませんでした。

店員さん「…ポケットに入れてしまったまま海に入られてしまったんですか?」
くまぞー「…ん、まー、水たまりに落としたってところですかね。」

店頭の在庫を見ながら、
安く買える端末を教えてもらいますが、
「おっ、欲しい!」と思える商品がありません。

何よりも、今の携帯電話は昨年の秋に買い替えていて、
端末の分割払いが18か月も残っています。

店員さん「新しい端末にすると、今までの端末への特別割引がなくなりますから…」

そう、あと4万円以上を分割で払いながら、新しい携帯も買わなくてはなりません。

くまぞー「…まだ石垣にいるので、もう少し考えてから、近いうちに来ますね。」

やはり忘れることにしよう。
そうだ、八重山そばを食べて、黒島へ向かおう。

が、しかし!

目当てにしていた「嘉とそば」は、水曜休業。
ボリューム満点と聞いていた「あさひ食堂」は、
ソフトバンクショップの目の前にあったのに、気付かずじまい。

くまぞー「……。」

まあ、仕方ありません。
運が悪い時には、悪いことが続くものです。
そんなとき、通行人から、不意に声をかけられました。

通行人 「あっ、どうも!」
くまぞー「あーこんにちは!」

波照間で、同じ民宿で昨日まで泊っていた宿泊客さんでした。

くまぞー「どちらから?」
通行人 「黒島で一泊してきたんですよ」
くまぞー「黒島って昨日天気どうでしたか?」
通行人 「いい天気でしたよ」
くまぞー「実は、昨日の夜、波照間すごい雨だったんですよ。
     ゆんたくしていたテーブルの下の水たまりに携帯落としちゃって、大変でした。」

…やはり、携帯電話が気になっています。

宿泊客「気をつけて!」
くまぞー「気をつけてお帰りくださいね!」


離島ターミナルへ戻って、コインロッカーから荷物を取り出し、チケットを買い、
黒島へ向かう高速船に乗り込みます。
ほんの数時間前に、通ってきた海を、今度は反対に向かいます。

波に揺られながら、約30分ほど。
そろそろ、港に着くか着かないかの頃のことでした。

くまぞー「!」

先ほどまで、カメラのレンズを擦っては、水蒸気を追い出し、
またすぐにびっしりと水蒸気で覆われていたレンズの内側が、
少し、見えてきたじゃないですか!
午前中、ひたすら、水蒸気を追い出してきた、その結果が見えてきたようです。

船内アナウンス「到着いたしました。お忘れ物のないよう、気をつけて降りてください」


……


黒島は、石垣島から、南西に約18km。
東西に約3km、南北に約4kmの、ハート型をした島です。
標高は高いところでも17mで、海から見ても、まっ平らな島です。
人口は約200人。集落は5つあり、主な産業は、畜産業。
島のほとんどが放牧地で、ここで生まれ育った牛が、日本各地に運ばれ、
「神戸牛」ほか、各地のブランド牛として飼育されるのだそうです。

……

高速船から、最後に降りた自分は、
宿泊予定のワゴンを見つけて、
待っていた運転手のおっちゃんに向かって、帽子をとって頭を下げます。

くまぞー「先ほど電話した、くまぞーと申します!」
おっちゃん「はい、さー乗って!」

ワゴンに乗っている間も、携帯電話のレンズを擦っていました。
でも、明らかに、先ほどまでとは、状況が良くなっています。

おっちゃん「黒島は人口よりも牛の数のほうが多いといわれて、他に何もない島なんて言われます」
くまぞー「いや、何もないのが、いいじゃないですか。」

舗装が荒く、ガタゴトと進むワゴンの外には、
柵がずっと続き、その向こうには、草原。そして、青い空に入道雲が見えます。
波照間とは、また全然違う、その景色に、圧倒です。

程なく、ワゴンは民宿に到着です。

看板「みやき荘」
みやきさん「では、こちらに荷物を置いて。」

玄関前には、やはり長椅子にテーブル。ガジュマルの木が印象的な、雰囲気が◎です。

黒島の簡単な説明を受けて、部屋へ案内されます。
実は、てっきり相部屋だと思っていたら、なんと、個室!
個室といっても、簡単な壁で仕切られ、扇風機と布団以外にはなにもありませんが、
風通しには問題なさそうです。
荷物を置いて、携帯電話の充電し、先ほどのテーブルで一休みです。

宿泊客A「黒島にはどうやって来たんですか?」
くまぞー「波照間二泊してきました」
宿泊客B「どこに泊まったんですか?」
くまぞー「たましろです」

八重山には、有名な民宿がいくつかあり、それぞれに常連客さんがたくさんいます。
この「みやき荘」も「民宿たましろ」も宿泊客が重なっているらしいとか。

宿泊客B「たましろにはずいぶん泊っていないなあ。おじさん元気だった?」
くまぞー「元気っつーか、お客さん多くて、大変そうでしたよ。」

そんな挨拶をひととおりしたら、腹が減っていることに気付きました。
石垣で食べ損ねた昼飯を食べに出かけることに。
部屋に戻って、充電が終わった、携帯のレンズを擦ってみます。

くまぞー「!」

カメラ内のレンズは、ほんの少し水滴しか残っていません。
カメラを起動してみます。

くまぞー「!!!」

波照間では全然映っていなかった画像も、
問題なくきれいに映っています。

ようやく、楽しい旅が復活したようです。
玄関の庭に置いてある、民宿の自転車を借りて、いざ出発です!



八重山・沖縄おひとりさま6Days「旅の本当の目的は何ですか?」

2008年07月31日 03時12分49秒 | 旅行
7月9日朝6時。
沖縄県竹富町波照間。
ラジオ体操風に言えば、「希望の朝」ですが、
この日の自分には、そんな希望は、ありませんでした。


くまぞー「携帯カメラよ、なんとか復活してくれ…」


昨晩は夕食の後、結婚披露宴が行われていました。

民宿の常連客さん同士で付き合い始め、結婚したというカップルが
民宿のオーナーさんにご報告を兼ねて泊まりに来ていました。


実は前回も、この民宿で披露宴に出くわしています。

こういう旅行中に出会って、そのまま縁が結ばれるって、
離島の旅だからこそ、のような気がします。

同じく新婚で来ていたカップルも急遽、式に加わり、
さらに別のカップルも、男の子がみんなの前でプロポーズし、
女の子が感動で涙が止まらなくなり、祝福ムードは最高潮に。
宿泊客が三線で唄い、楽しい宴が延々と続きます。

が、しかし!

夜10時前に、雨が降り出したのでした。
それはそれは、嵐のような雨です。
雨よけのブルーシートが長椅子とテーブルを取り囲むように屋根から降ろされます。

観光客A「すごい雨になりましたね。別館に帰れるかな…」
くまぞー「こんなシート用意してまでするゆんたくって、意気込みがすごいですね。」
常連客A「この長椅子、シート被せて、みんなが座ってもその後を歩けるようになってるんだよ。」


たしかに!
シートで囲うと、歩くところがなくなってしまい、席を移動するのに一苦労。
だから座板の幅を広く取って、歩けるように、ここの民宿の常連客さんが作ったのだとか。

雨はどんどん強くなり、足元には水たまりができ始めています。
泡盛で酔っ払っているせいか、まるで、プールのように、楽しいです。

音「ポトン。」
くまぞー「??」

何かが落ちたようです。

くまぞー「携帯!!」

あわてて拾い上げた時には、まだ大丈夫でした。

が、しかし!

…十数分後。

くまぞー「やばい!!」

液晶の画面が、見たことのない中途半端な暗さをしています。
そしてやがて、真っ暗に。
あわてて部屋に帰って、充電します。

携帯「……。」

全く反応しません。まずい。
これから会う予定の友人の連絡はどうするんだ!
困った!どうしたらいいんだ??

電池パックも、SIMカードも濡れているじゃないか!。
あーなんてことを!
どうして、落とした時にすぐ気付かなかった!
それよりも、雨が降ってきた時、
水が溜まりはじめた時にどうして注意しなかった!
時間よ、戻ってくれ!




くまぞー「寝て忘れよう…」

部屋の明かりを消しました。

外では、まだゆんたくが続いています。
こんな状況で、あの楽しい輪に加われるはずもありません。
電池パックもSIMカードも外し、カードスロットや充電コネクターの開口部のカバーも開けて
どうか乾いてくれ、どうか奇跡が起きてくれと、
祈るように携帯電話を扇風機に当てていました。

…しばらくすると、ゆんたくが終わって、同じ部屋の宿泊客が帰ってきました。


くまぞー「携帯電話水没させちゃって、動かなくなっちゃったんですよ。ふて寝してました。」
常連客B「あらら、それはそれは」
くまぞー「あのー石垣島でソフトバンクショップって見たことありますが?」
常連客B「見かけたことあるよ、ちょっと調べてみるよ……あったあった、730交差点から登ったところだよ」
くまぞー「ありがとうございます!…はぅ、明日は、1便で石垣島戻ろうかな。おやすみなさい。」

その後も、ずっと携帯電話を乾かしていました。
しだいに、充電ランプが点灯し、また消え、少しずつ、反応しはじめてきました。
でも、その復活を見届けるほどの気力はもう残っていませんでした。




……

いつの間にか寝てしまっていました。
そして、朝。




奇跡的に、携帯電話の電源が入り、電話もネットもつながる!
でも、でも、カメラが、どうしても動かない…。
いや、カメラが動かないのではなく、
カメラレンズの内側に水滴がびっちりついて、
映らなくなっていました。
ブログやmixiの更新も、画像がこれでは…。

この日の朝の食事は、携帯電話のカメラのことがずっと気になっていました。

宿泊客A「そのうち乾けば、なんとかなるよ」
宿泊客B「ゆっくり乾かさないとだめだよ、冷蔵庫入れたりね。」
くまぞー「冷蔵庫かー」

帰りの高速船のことでも迷っていました。
このまま波照間にいても、楽しめないだろう。
ならば、一層、石垣で携帯電話を買い替えようか。

たましろさん「1便で帰る方は手を上げてください~」

迷いながらも、手を挙げていました。
だとすれば、借りていたバイクを早く返さなくては!
実は朝食の時間が遅れて、1便の時間も、迫っていました。
携帯のカメラが気になって、結局、バイクを返すタイミングを外してしまいました。

常連客C「俺が後で返しておくよ」
くまぞー「ありがとうございます!」


送迎のワゴンに乗っても、
桟橋で宿泊客のみなさんのさよならの挨拶も、
船が出発しても、ずっと携帯のカメラの水滴が気になっていました。
海の青さも、空の青さも、僕の眼には映っていなかったかもしれません。
僕は、どうか、カメラが復活してくれと、
レンズを指で擦って、外側からレンズ内部を温めてなんども水蒸気を追い出しては、
またすぐにレンズにびっしりと水蒸気が付く様子に
何度も、がっくりしていました。


……

でも、なんだろう。
旅の目的はなんだったのだろうか?
ブログを更新したかったから?
いや、それは違う!
ブログのための旅行ではないじゃないか。
一眼レフのほうは無事なんだ。
携帯電話を買い替えるなんて馬鹿らしい。
ならば、もう携帯のカメラの心配なんてするのはやめよう。

いや、でも気になる。
旅の目的は、ブログのためじゃないけれど、
その瞬間に感じたこと、思ったことをその場で
画像を撮って簡単に言葉できれば、旅はもっと楽しくなるし、
かけがえのない思い出になる。
仮に、そうでなくても、壊れたままの携帯のカメラを持ち続けても、
気になって、旅行をちっとも楽しめないじゃないか。
だとすれば、はやり、携帯電話を買い替えようか。

……

あっ、昨日の夜、薬飲み忘れていた。飲まなくちゃ。
だめだな、自分。

石垣へ向かう高速船に乗りながら、
僕はそんな思いを巡らせ、自問自答していました。

八重山・沖縄おひとりさま6Days「神様が見守る楽園」

2008年07月29日 03時54分06秒 | 旅行
7月8日午前8時半。
沖縄県竹富町波照間、民宿たましろ。

前日、結局5時間も飲んでいたけれど、
人生でかつて経験したことのない二日酔いに苦しんだ、
前回のゆんたくの反省を生かして、今回はペースを考えて飲んでいたので、
多少、酒が残っている程度。
朝6時起床で、朝の散歩もちゃんとして、朝ごはんも快調に食べます。

たましろさん「明日も泊まる人は、今からラップを用意するんで、おにぎり作ってください」




朝ごはんも、結構なボリュームで、
あまり食べられず、残す人も多いのですが、
自分は、最後までだらだらと食べ続け、
おひつから御飯をよそって、ひとりおにぎりを作っていました。



部屋に帰って今日も島をバイクで巡る準備をして、いざ出発。
…と思ったら、1便で帰る人たちが庭先に溜まっています。
昨日、庭先で真っ赤になっていた大阪の親父ツアーの一行も、バンに乗って、出発です。
あとから、有志で港で船を見送るために追っかけます。

港には、すでに列ができていて、乗り込みはじめていました。
石垣島へ用事で出かける人や、島から帰る宿泊客。
僕も、同じたましろの宿泊客さんと話しながら、船が動き出すのを待ちます。
船がさんばしをゆっくり離れ始めると、お別れの挨拶も、手の振りも一層大きくなります。




…と思ったら、桟橋のたもとの方から、大きな声がしています。
どうやら、島の人と話し込んでいて乗り遅れた観光客がいたようです。

くまぞー「こんなことあるんですね!」
常連客A「たまにあるんだよな」

岸壁から船の舳先に飛び移って、無事乗船。いやいや、ビックリです。


防波堤の向こうに船影が消えていきます。
はっきりと見えるよう大きく手を振って、
この後も、いい旅が、続くよう、僕も見送ります。

そんな旅情に浸っていると、今度は、どうやら、先ほどの船に乗りきれなかった、
波照間海運がチャーターした安栄観光の船がやってきて、
たくさんの観光客が降りてきました。
今日も島はたくさんの観光客で賑わうようです。

さてさて、バイクに乗って、景色を眺めに出発です。

少し遠回りして、最南端の碑がある、高那崎方面へ。





僕は、この場所が、波照間で一番好きです。
青い海と、広がる緑の丘。
草の上に寝そべって、ごろんとしていると、時間を忘れます。


しばらくのんびりしていたら、同じ民宿の宿泊客が自転車でやってきました。

くまぞー「どうもです!」
宿泊客B「こんにちは!」
くまぞー「自転車でここまでって、結構大変ですよね。」
宿泊客B「バイクだと、島の中、すぐ回れちゃうじゃないですか。なんかもったいなくて…」

今回の旅行で、よく話したのが、茨木からやってきたという、この宿泊客。
同じカメラメーカーの一眼レフを持っていて、
旅の目的も、なんとなく近かったのでしょう。


日帰りツアーでやってきた観光客が、最南端の碑の近くで島の人の案内を聞いています。

案内人「こないだの台風であの岩が崖の下から持ち上がってきたんだよ。すごいだろ!これがこの島なんだよ!」

……

宿泊客B「本当ですかね…」
くまぞー「いやーどうなんだろう?」


……

観光客カップル「あのー写真撮って下さい」
宿泊客B「いいですよ」

……

くまぞー「連続して、シャッター押し頼まれていませんでしたか?」
宿泊客B「撮っていると、後ろから次の順番を待っているのがわかるんですよね」
くまぞー「おなかすいちゃったんで、ひとりでおにぎり食べちゃいましたよ」


……


そんな、何気ない会話が、最高に楽しいひと時です。
観光客も少なくなって、そろそろ、僕らも、それぞれの場所へ。



2年前、この景色に感動してくれた友人に、どうしてメールで見てもらいたくて、やってきた、この坂道。


昼飯中のやぎ。


僕の昼飯、ゴーヤとトマトのスパゲティ。


誰も、何もやってこない、空港。


みんぴか「きなこスペシャル」。

…バイクで、ぐるぐると回っていたら、ふたたび、先ほどの宿泊客に出会います。

くまぞー「また会いましたね!えっ、どちらに行く予定だったんですか?」
宿泊客B「珊瑚ビーチっていうのがあるらしんですけれど…」
くまぞー「俺は、浜シタン群落に行ってみたかったんですよ。珊瑚ビーチご一緒させてください!」

バイクと自転車で、舗装されていない道を、分け行って、途中で、バイクと自転車を止めて、さらに奥へ。



珊瑚が打ち上げられて、足を踏むとからからと音がする、毛崎にある「珊瑚ビーチ」。



浜シタン群落。


ペー浜。




蝶がひらひらと舞う空間。


思わず踏んでしまいそうになった、やどかり達。


…いつのまにか、先ほどの宿泊客は、自転車で島内巡りに戻ったようです。
僕は神様にしか立ち入りを許されていない、その自然の楽園に、
迷い込んでしまったようです。
そっと、お礼の会釈して、バイクに戻りました。

この日も、まだ知らない波照間を探しに、
道なき道を、地図にない場所を目指して、
どこまでも追っかけていました。

八重山・沖縄おひとりさま6Days「七夕の夜に浮かぶ天の川」

2008年07月27日 03時30分14秒 | 旅行
7月7日午後6時。
沖縄県竹富町波照間。

バイクで島内をまわって、民宿に戻ってしばし休憩です。
夕食が始まる前にバイクを戻さなくてはいけないと思っていたら、
すると同じ便でやってきた宿泊客さんから、
3日連続してバイクを借りられた話を聞いて、
自分も9日まで連続して借りることに。
レンタルバイク屋に戻って追加料金を払います。

ゆっくりしていると、あっという間に夕食の時間なので、
順番を待って、別棟にあるシャワーを浴びます。
この民宿には、かろうじて湯舟がありますが、
八重山では風呂につかる風習がないらしく、
前回泊まったアネックス(別館)は、
シャワーのみでした。

沖縄本島でも昔はシャワーのみの家屋が多かったらしく、
今でも、いわゆるスーパー銭湯みたいな施設は
沖縄には存在せず、あっても流行らないのでは?とのこと。

シャワーを浴びて庭先で待っていると、
グラスと氷が運ばれてきました。
島にある醸造所で作られる泡盛が運ばれてきます。

宿泊客「記念写真撮らなくちゃ!」




この泡盛は「泡波」といって、
生産量が少ないので、島の外に出回る量が少なく、幻の泡盛と言われています。

自分は酒の味はよくわからないので、泡波がどれほどのものかわかりません。
でもその貴重性ゆえに、島の外に出回ると、何倍もの値段になってしまうのだとか。

常連客「みなさんグラスに入りましたか~?それでは乾杯しま~す」

みんな「乾杯!」

夕方6時を回ったとはいえ、低い緯度ゆえに、まだまだ昼間みたいな太陽の日差しの中、
ゆんたくが始まります。

少し遅れて、夕食が運ばれてきます。

常連客C「今日は完食できるぞ!」





この日の夕食は、ジューシー(炊き込み御飯)にアーサ(あおさ)汁。

みんな、ネットの画像などで、ここの飯のボリュームを知っていてやってくる人がほとんどで
じぶんも飯が決め手で、「民宿たましろ」に決めたようなものです。

「民宿たましろ」をよく知り尽くしている常連さんによると、
大体のメニューは決まっているらしいのですが、
たまに裏メニューでトンカツなんかも出るのだとか。

くまぞー「昼間食べたの早かったから、めちゃくちゃ腹減ってますよ~」
宿泊客B「えっ、何時ごろ?」
くまぞー「11時にそば食べたなあ!」
宿泊客B「自分は昼飯抜きましたよ」

自分が調子よく食べていると、そろそろ夕日が沈む時間。
この日は星空観察センターは休館日で、ワゴンの送迎はありません。

宿泊客の一角がサンセットを眺めに席を立って出かけます。
あわてて、自分もついて一緒に見に行くことに。

常連客A「モンパの木(おみやげ屋さん)のところからみるときれいだよ」

この日の、夕日は、雲が多く、ちょっと残念。
先ほどの宿泊客達は、ウクライナ(だったかな?)出身の日本語ペラペラの他の民宿の宿泊客と
ワイワイと話しています。
僕は静かに見たくて、一人輪から抜け出して、さらに坂を下りてニシ浜へ。

ニシ浜には、観光客が数人。
沈む夕日をそっと静かに見ていました。




しばらくしたら、同じ便でやってきた宿泊客が、
ひとりでやってきました。

くまぞー「モンパの木のところもいいけれど、やはり海辺のほうがいいですよね」
宿泊客B「…自分も、こっちのほうが…」

岩の上、ガードレールの上、砂浜で。
それぞれの場所を見つけて、沈む夕日を見送ります。




夕陽を見つめる視線の向こう側にいるのは、きっと自分の姿なのでしょう。

暗くなりすぎないうちに民宿に戻ってくると、ゆんたくの人数が減っていました。
どうやら、近くの民宿で行われている三線ライブや、島内にある居酒屋へ出かけてしまったようです。

常連さんたちの話を聞きながら、
楽しくゆんたくです。

マイレージ談議や飛行機談義、仕事の話から常連客さんたちの武勇伝など、
いろいろ盛り上がります。


…何時間たったんだろう。
居酒屋組や三線組も、いつのまにか帰ってきて輪に入っていました。

常連客B「そろそろ消灯時間なんで、静かに飲みましょう♪」
宿泊客A「ちょっと外に出てみたら、空晴れていますよー」
常連客B「最近さー、天の川知らないやつとかいるんだよなー。
     こないだ泊っていた女の子2人組さー、雲と勘違いしててね。」


僕らもみんなで、街灯のない、真っ暗な道へ出て空を眺めます。
空一面に、これでもかとちりばめられた星。
そして、彼方から帯のように続く星雲は天の川。織姫と彦星も、はっきりと輝いています。


泣きそうにきれいだった、天の川。
あの光は何億光年かかって、7月7日の波照間に届いているんだろう。

日付が変わる、最後の最後に、この星空を見られた幸せを胸に、
この日は、蒲団の上に寝転がりました。

八重山・沖縄おひとりさま6Days「バイクで巡る、波照間。」

2008年07月25日 04時29分22秒 | 旅行
7月7日午後3時半。
沖縄県竹富町波照間。民宿たましろ前。


海を眺めて民宿に帰ってきたら、庭先で親父さんたちが休憩しています。

くまぞー「みなさん、どちらから来たんですか?」
親父A「大阪なんですよ。」

なかにはスキンヘッドのとても厳つい風貌の親父さんもいて、
心の遠くの方で、微かに何かを期待したのですが、
話を聞けば、どうやら、みんなストレートのグループのようです。
んー、残念。

でも男だらけで、こんな大人数って!
昨日はもっとたくさんいて、自分が島にやってきた2便の船で帰ったとか。

くまぞー「波照間の他には?」
親父さんB「鳩間島よかったですねー、本当にのんびりできてね。」

庭先での、他愛のない会話も、旅程には欠かせないスパイスです。

今日はゆっくりしようかどうしようか迷っていたのですが、
やはりバイクに乗ってぐるぐる回りたくなってきました。
島にあるレンタルバイク屋に電話です。

電話の女性「はい、SUN輪舎です~」
くまぞー 「すいません、今から2時間バイクをレンタルしたいのですが大丈夫ですか?」
電話の女性「どちらにいらっしゃっいますか?」
くまぞー 「たましろに泊まってます。」

しばらくすると、迎えのワゴンがやってきました。

SUN輪舎は島にあるレンタルバイク・レンタルサイクルショップです。
車内に乗り込むと、他にも女性客が一人。

運転主「それでは、これからSUN輪舎への道を覚えておいてください~」

島内は、住所表示や目印になるようなスポットがありません。
だから、初めて訪れる観光客は、迷う人が多いようです。
そういう自分も、初めて波照間を回った時は、やはり迷って
帰れなくなりそうになりました。
集落から遠く離れたところで迷ってしまったら、
それこそ、炎天下なら生死に直結してしまいます。

車内で、SUN輪舎までの道のりを教えてもらいながら、到着です。
ここでも、反対に借りたバイクや自転車を返しに来て、
反対に宿や港へ送迎してもらうお客さんが待っていました。
車を運転していた女性のスタッフ…SUN輪舎の大将(ご主人)の奥さんが
一人でてんてこ舞いです。
借りる手続きをしている間にも、お客さんからの携帯電話が鳴り響きます。

奥さん「くまぞーさんは、運転大丈夫ですか?」
くまぞー「あっ、はい。」

実は、2年ぶりの原付に運転に自信がありませんでした。
隣で簡単に講習を受けている先ほどの女性客との会話をひそかに聞きながら、
エンジンを回します。


エンジン「ブーン!」
奥さん「レバー離して!」
くまぞー「あっ、はい!」


エンジンだけ回転していた自分のバイクが気になって、
奥さんが遠くから、アシストしてくれて、バイクがゆっくり進み始めました。
SUN輪舎の大将は、自分たちの貸したバイクで危ない運転をしていないかどうか、
島の中を見回りもしてくれているのだとか。
知ったかぶりで、バイクを運転しようとしてしまった自分も、反省です。


2年ぶりの波照間。
気持ちよい風を受けながら、バイクは進みます。



海。



牛。



山羊。



ぶりぶち公園。



日本最南端の碑。



最南端の交番。



集落。

ブログやmixiを更新しながら、
波照間の風景を心から楽しみます。

ぐるぐるとまわって、のどが渇いたので、港の待合所の売店へ。
冷たいさんぴん茶で渇きを癒していると、
テレビから、ビビッビビッと速報が流れています。

テレビ「OTV 地震速報」
くまぞー「??」
テレビ「震度3 うるま市 那覇市…」
くまぞー「!!」

しばらくすると、僕の携帯電話には、メールが一通、そしてまた一通。

みんな「地震大丈夫?」
くまぞー「全然感じなかったさー」


今日、改めて気象庁のサイトで調べたのですが、
鹿児島の与論島で震度5弱だったとか。
実際に八重山では、揺れを観測しなかったようです。


mixiにもメッセージや書き込みをいただき、
心配してくれるみんなの声が、心に温かく響いた、旅先の夕暮れでした。

八重山・沖縄おひとりさま6Days「海を眺める午後」

2008年07月24日 02時17分09秒 | 旅行
7月7日午後12時半。
沖縄県竹富町。

島影が左右に見える中、高速船は波照間を目指して波を突っ切って進みます。
船内のスピーカーからは演歌が流れます。

山本譲二「♪例え~どんなに流れて~いてもぉ~お前がぁ俺には最後のぉ~女ぁ~」

くまぞ「!」

ラジオ番組から流れる「みちのくひとり旅」は、
南の島を巡る旅人の旅情など、お構いなしです。

波照間島は石垣島から南西に約50km。高速船で約1時間の太平洋上にあります。
さとうきびの生産が主な産業の小さな島です。
自衛隊が駐屯し、一般の人が立ち入れできない硫黄島以外では日本最南端にある有人島です。
東西に約5km、南北に約3km。標高は最も高い高いところで59m。
外周は岩や崖が多く、砂浜は何カ所かありますが
海水浴場は一か所しかありません。
島の人口は約580人。島の中央に5カ所の集落があります。

商業施設はほとんどなく、各集落に商店が一か所ずつ。
宿泊施設は、ほとんど民宿ですが、近年、素泊まりのペンションも増え、
昨年には、海水浴場ニシ浜が一望できる「ペンション最南端」もオープン。
それにあわせて飲食店やオリジナル商品を扱う土産物店も、
増えつつあるってところでしょうか。

この日の2便(昼発着の高速船)は、たくさんの乗客で賑わっていました。
港に到着し、大きな荷物を抱えて、民宿からやってきた送迎のワゴンを探します。

ワゴン「民宿たましろ」
くまぞー「すいません、今日宿泊予定のくまぞーと申します。」
おっちゃん「あ、はい、どうぞ。」

同じ便でやってきた宿泊客を乗せて、宿へ向かいます。





民宿たましろは、波照間で昔から営業している民宿です。
とても個性的なこの民宿には、たくさんのリピート客がいて、
mixiにもコミュニティができていたりします。

なにが個性的かといえば、ごらんの、この建物。
とても古く、ところどころくたびれています。
ガイドブックには冷房が付いていることになっていますが、
実際には壊れているようです。
相部屋が基本で、扇風機と蚊取り線香がそれぞれ一人ずつ標準装備です。
あまりの古さに、到着したとたん、キャンセルしてしまうお客さんもいるとか。

そして、もうひとつは、夕食。
ボリュームのある夕食で有名で、さらに、毎晩、泡盛による宴会があります。
常連さんたちによる仕切りで自己紹介があり、見ず知らずの観光客同士が
飲みながら仲良くなれる、そんな民宿です。

気ままな一人旅とは反して、窮屈そうに見える、こんな民宿に、僕がこだわる、その理由は…
一人旅の夜って寂しいからというのも一つの理由だし、
見ず知らずの人と一夜をいろんな話をしたり聞いたりするのが楽しいのも楽しいし、
なによりも、こんなスタイルの民宿、もしかしたら、将来、なくなってしまうのでは?
って思うんですね。
僕らが、40代後半になっても、こんな民宿、そのままであってくれるだろうか?
だからこそ、泊まれるうちに、なるべく…そんな意味も少しあります。



一緒にやってきた宿泊客は、庭先にあるテーブルでひとやすみ。
オーナーのたましろさんによる説明を一通り受けて、部屋を割り振ります。
どうやら、前日に泊っていた団体客が、延泊した関係で、
この日も20人を超える大人数で大忙しの模様。
その日の最終の高速船が発着しないと、最終的な人数を把握できない時もあるとか。

たましろさん「くまぞーさんは、ここは何回目ですか?」
くまぞー「2回目です~」
たましろさん「では、○○さんとくまぞーさんは、こちらへどうぞ」


前回は「アネックス」と呼ばれる別館の宿泊でしたが、
今回は念願(?)の「本館」に宿泊です。
一緒の部屋に割り振られたお客さんは、一年に何度もやってきている「超常連さん」のようで、
旅慣れている様子です。

反対に、大荷物の自分は、汗をかきかき四苦八苦。
やっとの思いで、出かける準備をして、歩いて出発です。





宿の前で僕を迎えてくれた景色は、一面のさとうきび畑と、空。
そう、この景色を見たくて、僕はこの島にやってきました。

そして、てくてくと坂道を歩いて、ニシ浜へ。
同じ船でやってきた宿泊客2人が、シャワーの小屋の前で、海を眺めていました。

宿泊客A「昼間はお客さん多いですね」
くまぞー「これで多いんですか~?」
宿泊客A「3便が出た後に、泳ぎに来ようかな」

何度めの八重山か、いつ来ていつ帰るのか、
そんなゆるい会話を楽しんで、この時間、この海を眺めています。
僕は、ただ景色を見て、たそがれたくて。
ある人は、海で過ごしたくて。
ある人は、写真を撮りたくて。

僕らの夏休みは、それぞれの思いを胸にして、
このニシ浜から散っていきました。



八重山・沖縄おひとりさま6Days「八重山の古い民家と出会う」

2008年07月22日 02時51分14秒 | 旅行
7月7日午前5時半。
羽田空港第1ターミナル。

前日は午前0時帰宅。6時25分発の飛行機に乗るために、
寝ずに羽田にやってきました。

東京から石垣への直行便は日本トランスオーシャン航空が1日に2便。
今回も旅行が決まった時点ですぐにチケットを取りました。
しかも繁忙期にはそのうち午後の1便を久米島へ飛ばすらしく、
八重山へ行く観光客は、大体、那覇経由が多いようです。

そんなJTA071便は、この日、機材変更でオーバーブッキングが発生したようで
搭乗ゲートでは協力金やマイルのプレゼントで那覇経由を希望する乗客を呼び掛けていました。

くまぞー「こんなことあるんだ…」

出発時刻が近付いて、自分も座席に乗り込みます。
オーバーブッキングはどうなったのか、わからないまま、とにかく出発です。


くまぞー「…zzz」
CA  「左手前方に見えるのは、奄美大島です。」
くまぞー「!!」

右手の眼下にも見えます。いよいよ、沖縄の島々が近付いてきました。


が、しかし!

前回、進行方向右側の窓側指定で、つぎつぎと見えた島々は、
今回、ことごとく進行方向左側に。
この日の天候の関係らしく、次にやっと見えた島影は、すでに石垣島。
ぐっと大回りして、竹富島方向から着陸です。

石垣空港は、滑走路が1500mと、とても短い空港です。
観光客の増加に対応すべく新空港が建設されていますが、
まだまだのようです。
面白いことに、積み込む燃料の重さと滑走路の関係で、
石垣からは羽田への直行便が飛べず、
必ず宮古島経由になるのだとか。

タラップを降りて、わずか数十秒の距離をバスで移動し、
旅客ターミナルへ到着です。
前回は、ここでもっさりゆっくりしてしまったのですが、
二度目の今回は、ささっとフリーペーパーをゲットして、
空港バス乗り場へ移動。市街地を目指します。

西表島や小浜島など島々への高速船の出る「離島さんばし」は、
昨年、場所が移り、桟橋に屋根がついただけの簡単な待ち合わせ場所から、
空調の効いた快適な「離島ターミナル」に。
各社のチケット売り場も一つの建物の中に収まり、
空港のように各社の出発時刻が表示されます。

波照間までは、高速船でここから約1時間。
「波照間海運」と「安栄観光」の二社が運航していて計6往復しているのですが
「安栄」は12人しか乗客を乗せることができないのと、
二社の運行時間が接近しているので、実質、朝・昼・晩の3便。
飛行機は昨年まで石垣から琉球エアコミューターの定期便がありましたが、廃止。
現在はエアドルフィンという会社の不定期便しかありません。

離島ターミナルで高速船「ニューはてるま号」のチケットを買って、
12時の出発時間まで、八重山そばとぜんざいで腹ごしらえです。


↑栄福食堂(往年の映画スター赤木圭一郎の写真やポスターが一面に張られている名物食堂)

が、しかし!

お目当てのぜんざい屋がみつかりません。
さまよい続けて、20分。

くまぞー「あった!」




↑石垣島冷菓(地元の、本当に普通なぜんざい屋。200円。安い!)


ほっと一息して、再び街歩き。

看板「宮良殿内(みやらどぅんち)」

古い八重山の民家を開放している観光名所があるので
おじゃまします。
琉球王朝時代の八重山行政官の屋敷で、古いしきたりゆえに厳格な住宅の形式があって、
この屋敷は何度も取り壊しを命じられたらしく、
なんとか逃れたり茅葺屋根にさせられたりして、
廃藩置県後に、本来の瓦葺屋根にしたのだとか。
この屋敷に住んでいらっしゃるおじーに挨拶して200円払って、庭と家屋を見学です。

おじー「#&@!!=$~」

方言と早口で、何を言っているのかわかりません。
一生懸命聞いてわかったのは、
米軍の影響をあまり受けなかった八重山は
古くからの風習が残っているということ。





たしかに!
特に、その風習が色濃く残る八重山の各集落の祭りは、
本島とはまた違う、八重山の魅力の一つです。

ゆっくりしていたら、時間が近づいてきました。
急いで離島ターミナルへ。いよいよ、波照間へ出発です。


八重山・沖縄おひとりさま6Days「魔法にかかる旅」

2008年07月21日 02時12分48秒 | 旅行
そんなわけで、7月の上旬に、
八重山と沖縄をひとりで旅行してきました。

初めて八重山を訪れた2年前、
その景色や土地の暮らしの風景にとても衝撃を受けて、
いつか、再び行きたいと願っていた旅行でした。

今回訪れたのは、
石垣島を中心とした八重山諸島の波照間島、黒島、
そして沖縄本島の那覇と中部にある北中城という町です。

ブログやmixiで、旅行しながらリアルタイムで日記を更新していたので
どんなところをどんな風に旅していたのか、
断片的には把握できるかと思いますが、
自分の備忘録のためにも、
ちょっとずつ、リアルタイムの画像と言葉では伝えきれなかった
八重山と沖縄の魅力を、稚拙で申し訳ないけれど、
自分の言葉で伝えていきたいと思います。

実は、こないだ再インストールしてサクサクだったはずのパソコンが、
旅行に行く前頃から、突然シャットダウンと再起動を繰り返すようになり
ついにパソコンが壊れてしまっていました。

痛い出費でしたが、旅行後に、新しいパソコンを部屋に迎え、
やっとネットにつながりました。

そんなわけで、画像は…沖縄県竹富町波照間で、やぎ。
坂道でバイクを止めて、やぎと海とさとうきび畑をずっと眺めていました。

それは、魔法にかけられて一歩も動けなくなった瞬間でした。

冬と春の季節が交差する、伊豆と箱根。

2008年03月05日 01時02分59秒 | 旅行
てなわけで、画像右側は、静岡県河津町河津川で「河津桜と菜の花」。
画像左側は、神奈川県箱根町大涌谷で「地獄谷」。

えーとですね、一泊二日で、伊豆と箱根を回ってきました。

この日は、朝9時半に出ましたが、途中渋滞に巻き込まれながら、
昼過ぎに沼津に到着。
沼津港でお昼を食べた後、河津町へ。

静岡県河津町の河津桜は、早咲きの桜として有名ですね。
大島桜と緋寒桜の交配とかで、一ヶ月にわたって、
花が咲いてくれるそうです。
でもね、自分はつい最近まで、あまり知らなくて、
相方さんと知り合う前までは、なんとなくでしか、
その存在を知りませんでした。

今回自分は、河津桜を見に行くのは、初めて。
画像には写っていませんが、平日だというのに、
ツアー客やカップル客などで、賑わっています!


川沿いには、この時期だけ、たくさんの露店が出ていて、
桜海老や岩海苔、静岡おでんに富士宮やきそばなど、
静岡や近県の名産品がたくさんにぎやかに売られていて、
またテレビの情報番組なんかでも沢山取材に来ているようで、
「氷川きよしが食べておいしいと放送されました」とか
「みのもんたの番組で紹介されました」とか、
そんなキャッチコピーが露店の店先に踊っています。

河津桜のシーズンは、そろそろ終わりらしいですが、
菜の花と桜のコントラストがとてもきれい!
このコントラスト、別の桜の名所でも、よく見られるけど、
こういう景色見ると、本当、春っていいなーと
感じずにはいられません。

この日は、この後、伊豆の東海岸の海のそばにある、
黒根岩温泉でゆっくりして、箱根へ。
でも、この日の箱根は、雨。そして標高の高いところでは、雪!
箱根の山は、侮ってはいけませんね。
相方さんの車のタイヤは雪道仕様ではないので、
海沿いを回って、強羅へ向かいます。

強羅のホテルは、売りに出た企業の保養所などを買取り、
ホテルに改装して低価格で泊まれるようにした「四季倶楽部」という
ホテルのチェーン店。夕方の情報番組で、よく紹介されていますね。
建物はところどころ、多少古く、サービス簡素ですが、
温泉も引かれていて、強羅だけに、泉質もよく、かけ流しでぽかぽかあったか!
広い室内にきれいに改装されている室内・館内は、
5400円というお値段以上の、満足度です。

そして、二日目は、前日に降った雪景色を楽しみながら、
画像左側の大涌谷へ。
いやー、雪景色をここで見られるとは思ってもみなくて、
スケールの大きい眺めに圧倒です。

硫黄を含んだ水蒸気が沸いて出てくるのですが、
子供の頃に来たころよりも硫黄の匂いがしなくなったのかな?気のせい?
季節やその日によって硫黄の成分の含有量が違うのかもしれません。
画像の場所は遠くから眺めるだけですが、遊歩道から
水蒸気が実際に噴く出している所を見学でき、
そのお湯で茹でた卵は、殻のカルシウム(?)の成分と反応して、
黒い色したゆで卵として売られていて、
観光客は、みんな塩をかけながら剥いて食べます。

そんなスケールの大きな眺めを楽しんだ後は、
お昼やお買い物をして、天山湯治郷へ。
昔から日帰り温泉のスポットとして組合員にも人気ですよね。
温泉でゆっくりしてから、御殿場プレミアムアウトレットへ立ち寄って、
東京へ帰ってきました。

冬と春を駆け足で楽しんできましたが、
おいしい食べ物も食べてきたので、
少しずつ、ブログで紹介していきますね。

宝石のような輝きの島モルディブ…過ごし方編

2008年02月16日 01時33分15秒 | 旅行
モルディブでの過ごし方として、一番ポピュラーなのは、
たぶん、ダイビングでしょう。
世界でも人気のダイビングスポットのようで、
ガイドブックでもダイビングの情報が沢山載っていますが、
自分はダイビングのライセンスを持っていません。

ダイビングライセンスがなくても、簡単に水中の様子を楽しめるのが、
シュノーケリングで、
島の周りの発達した珊瑚礁の内側なら、
波も穏やかで、楽しく水中を観察しながら、泳ぐことが出来ます。

色とりどりの、いろんな魚が珊瑚の周りで
群れている様子が、とてもきれいです。
普通はどんな魚も、近づくとすーっと逃げていきますが、
中には俺の泳いでいる周りをうろちょろして、フィンを攻撃してくる魚がいて、
ちょっと怖くなって逃げたりしましたが、
おおよそ、楽しいシュノーケリングです。

ただ、珊瑚は、数年前に海水温の上昇の影響を受け、
とくに海水温の高いモルディブでは、かなり死滅してしまったようです。
もちろん、その後は、たくましく復活し、
きれいな珊瑚も観察できましたが、
そういう意味では、一昨年に旅行した沖縄の西表島の方が、
より素晴らしい珊瑚と海の生物を観察できたように思えます。

珊瑚と海の生物では八重山と比べて劣るように感じた、モルディブの海ですが、
海岸の美しさは、八重山とはまた一味違うよさでした。
何処までも続く白い砂と、透きとおる海。そして水温が暖かくて、気持ちいい!
キラキラと光る水面のすぐそばを魚が泳いでいます。
八重山を旅行したときは、朝の海岸で、
「こんなに青色と言う色は変化に富んでいるのか!」と感動しましたが、
モルディブは、赤道直下の太陽の強い光が、
珊瑚に囲まれた穏やかで青い海をキラキラと宝石のように輝かせていました。
何時間過ごしても、飽きない海と海岸でした。

そして、毎朝の日の出と夕暮の日の入りは、
とても美しいけれど、その日の雲の高さや大きさによって、
毎日違う表情を見せてくれます。
僕らは、毎日、日の出と日の入りを見て、
写真を撮ったり、眺めてぼけっとしたり。

夜は、星空。これまた、きれいな星です。
水上コテージの室内の電気を消し、ベランダのデッキに出て、
イスの背もたれを倒し、空を仰いで眺めます。
すると冬の星座のオリオン座って、こんな空高く見られるの?ってくらい、
不思議な感覚です。相方さんは、眺めていたら、流れ星を見たとか見ないとか。
自分は、流れたような、流れていないような。見たような、見てないような。

リゾートでの滞在で、本当に、不満足なことは全然ないんだけれど、
長期滞在のゲストの為に、
他の島への日帰りピクニック(アイランドホッピング)や、
ナイトフィッシングや、シュノーケリングツアー、
首都のマーレ観光などのツアーが用意されています。
自分達も、最終日にシュノーケリングツアーに参加。
リゾートのある島から20分ほど離れた珊瑚礁のあるエリアに
連れて行ってもらってシュノーケリングしました。

最初は、潮の流れ速さと海の深さに怖かったのですが、
ボートに装備されているライフジャケットを無理言って借りて、再チャレンジ。
浅瀬から急な深くなる海底の斜面に生息する珊瑚に魚の大群。
徐々に光が届かなくなる深い海の底は、神秘的な闇の世界。
まるで空に浮かんでいるかのような感覚で、眺めることができました。

てなわけで、モルディブのお話、雰囲気が伝わって頂けたでしょうかね~。
「さよなら三角また来てへなちょこ2」
http://blog.goo.ne.jp/kumazzzo_2006の方に、
旅行の写真を少しアップしていきますんで、
ぜひ、そちらの方もご覧ください。


宝石のような輝きの島「モルディブ」…食べ物編

2008年02月11日 23時17分38秒 | 旅行
モルディブのリゾートは、おそらく例外なく、
リゾート以外に島内に何もないので、
食事も三食をリゾートの中で済ませることになります。

今回過ごしたリゾートの食事は、三食ともビュッフェスタイル。
旅行代金の中に含まれていることが多いです。
ミネラルウォーターやアルコールについては有料になりますし、
バーやスパの利用はもちろん、お土産物などを買えば、お金がかかりますが、
ハワイなんかと違って、現地でお金をあまり使わなくても済むというのも、
モルディブの旅行の利点かもしれません。

ヨーロッパからのお客さんが多いモルディブですが、
どの国からのお客さんが多いかで、
リゾートの雰囲気や食事も違うようです。
イタリア人の多いリゾートは騒がしいとかパスタがおいしいとか…みたいです。
自分達が泊まったリゾートは…事前の旅行会社からの案内では、
ゲストの分布はヨーロッパ各地と日本から偏りなく平均的のようです。

三食ともビュッフェスタイルと言うことで、
リゾートで最初の食事になった、二日目の朝食は、それは、もー大変。
オムレツ焼いてくれるし、フルーツは沢山あるし、
パンもチーズも種類豊富で、
ワッフルにパンケーキに、ソースもメイプルシロップや
バニラソース、チョコレートソースなど、かけ放題。

沢山食べて、もーお腹いっぱいと思ったら、
昼食は、ちゃんと、また別にお腹が空いて、
中華の炒め物(本物の味!)に春巻き、唐揚に、
ハンバーガー、サラダにデザートもケーキにプリンにと、
これまた、大満足。

夜は、それに輪をかけて、ボリュームタップリのステーキも
牛肉に鶏肉に、豚肉(お祈り済みか?)に魚(マグロ?)など、
選びたい放題で相方さんも、大満足のようです。
朝・昼・晩とも、フルスロットルで食べまくります。

普段の生活って、三食皆さんしっかり食べていますか?
大体、自分は沢山食べるときは沢山食べるけれど、
仕事が忙しくて、ちょっとしか食べられないことや、
朝ごはん抜きだったりとか、
「強弱」があるじゃないですか。

そういう強弱なしに、もう食べまくりで、
これは、さすがに太るなーって思ったら、
実は、自分は2日目から、ちょっとお腹の調子がおかしくなってきて、
それでも食べ続けていたら、さすがに食欲も落ちてきて、
4日目の午後は、下痢で、半日ベッドで横になってしまいました。
その後も、持っていった下痢止めでも、下痢気味は止まらず、
「あーまたアジアでお腹壊したか!
 マグロやサーモンの刺身はやめておいたほうが良かったか?」と
と後悔しました。

帰ってきてからHIVの診察だったので、主治医に相談したら、
「それはきっと日本から(ウイルスを)持っていったんでしょう」
と言うし、相方さんは最終日までフルスロットルで食べても
お腹壊してなかったので、決して、リゾートの衛生状態が悪いとか
そーいうことを言いたいわけでは全くないですが、
自分は、ベトナムに行ったときにも、お腹壊しているので、
要注意であることを忘れていました。

モルディブは、赤道直下で、土壌も農業に適さないようで
食糧の生産が、なかなか大変なようです。
必要な食糧は、ほとんど輸入に頼っているようです。
魚は、そりゃたくさん釣れて新鮮なんだろうけれど、
野菜や牛肉、卵なんかも、こんなところでは、
無理なんだろうなーというのが、実感。

実際に、直近でも、日本の外務省が、モルディブに食糧援助を
行っているとか、いないとか。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou/h_18/061212_1.html


そんな中で、ビュッフェのスタッフ達は、ゲストの為に
みんなで食べきれないほどの、たくさんの料理を用意してくれるわけで、
小柄でやさしい笑顔、おっとりした性格の方が多いとモルディブの人達の人柄も、
リゾートという産業を支える大切な要素なのかもしれません。

宝石のような輝きの島「モルディブ」…行き方編

2008年02月09日 01時10分27秒 | 旅行
モルディブへ行くには、パッケージツアーに参加するのが
おそらく一般的でしょう。
個人で航空券やホテルを手配するより安くいけるし、
また、前回書いたように、リゾート以外の島々には簡単に行く事ができないので、
個人旅行で島々を巡るのは難しいようですね。

パッケージツアーのお値段は、ピンキリ。
燃料サーチャージャー代を含め、最低でも16万くらいからかな。
価格の差は、素朴で簡素なリゾートや
人気建築家デザインによる超高級リゾートまで、
幅広くあるホテルのランクと、あとは、航空会社の差ですね。
今回は、費用があまりなかったので、
マレーシア航空を利用です。

スリランカ航空なら直行便があるし、
シンガポール航空ならシンガポールで乗換ですが、
マレーシア航空は、クアラルンプールで乗換の上、復路で、コロンボ経由となり、
随分と時間がかかります。

今回は、成田を10時30分に出発し、マーレ着は、21時15分。
時差は4時間あるので、約15時かかりました。
復路は、約17時間かかりました。

クアラルンプールまでの飛行機は、なんといっても快適。
シートピッチも広い感じだし、
エコノミーシートでも、テレビがついて、
オンデマンドで映画を見ることができ、音楽もオンデマンド。
ゲーム、ニュースなど豊富なプログラムにビックリです。
自分はゲームで数独を解いていました。
相方さんも、自分で面白いゲームに熱中しています。
マレーシア国内の客だけではなく、
アジア各地からお客さんを運び、さらに別の国へ輸送することで
経営を成り立っているってことなのでしょう。
だからこそ、競争力を維持するために、
各国のお客さんに対応した豊富なプログラムが必要なのでしょう。

クアラルンプールの空港は、故・黒川紀章氏の設計。
森の中の空港をイメージしたとのこと。
実際は、広大なプランテーションの農場の中です。
サテライトのターミナルしか見ることは出来ませんでしたが、
曲面で構成され、ガラスを多用し自然光などを取り入れたその建物は、
やはり晩年に設計された、六本木の新国立美術館などと
共通するところが多いですね。

クアラルンプールを出発したマーレへのフライトは、
お客さんの層も、またガラッと変わり、
一見、リゾート路線とは思えないほど、
現地の人たちやコロンボの人たちが多く乗っています。
こちらの飛行機は、ガタガタときしみ、ちょっと不安な感じです。

マーレでは、現地旅行会社の日本人スタッフによるお出迎え。
ひととおりの説明の後、システムマチックに、モルディブ人の係員に次々と引き継がれ、
スピードボート乗り場に案内されます。
この島には、空港とホテルの機能しかないので、
首都へ行くにも、もちろんリゾートへ行くにも、船で行くことになります。

桟橋を離れ、スピードを上げるボート…と思ったら、
しばらくすると、さらに想像以上のスピードで、闇夜の海を突っ切ります。
「よくぶつからないなー」というのは、相方さんの感想。
自分は、おそらくレーダーもあるだろうし、感とかあるんだろうなと思いました。

マーレの空港から、泊まる予定のリゾートは、
スピードボートで北へ15分ほどのところ。

行きは真っ暗い中を、右へ左へ舵を切っていたように覚えていますが、
帰りは、日没後、西の空がまだ少し余韻が残る中を、まっすぐに空港へ進みました。

帰りのスピードボートから、その島影が闇夜の中に消え、
明りが水平線の向こうに沈むまで、
僕はずっと見つめていたことに
相方さんは、気がついていてくれただろうか。

僕が、この旅行で、一番印象に残ったのは、
リゾートという楽園の、風景でも現地の人でも食べ物でもなく、
ずっと島影を眺めていた、少し寂しそうなあなたの横顔。
旅は、僕にとって、そういうものなのだと思います。

宝石のような輝きの島「モルディブ」

2008年02月08日 03時10分10秒 | 旅行
てなわけで、画像は、インド洋にある、
モルディブ共和国北マーレ環礁にある、トラギリアイランドリゾートで、砂浜と海。

えーとですね、モルディブってところへ行ってきました。
モルディブ共和国は1200もの島から成り立っていて、
インド洋のど真ん中、赤道をまたぐ形で、
南北800km東西120kmの範囲にわたっています。

観光客は、その島々にあるリゾートを目指して行きます。
それぞれの島には、一つの目的しかないようで、
漁民の島、ごみ処理の島、空港の島…ということで、
一つの島には、一つのリゾート以外に存在しないという構造のようです。

「構造のようです」というのは、
実は、モルディブという国では、観光客が、首都のマーレと
リゾート以外の島への滞在を規制していて、
自由に、あちこちの島へ行くことができません。

イスラム教国にとって、国民が外国人によって感化されてしまうのを
あまり歓迎していない部分もあって、
外国人観光客は、現地観光会社によって管理されており、
受け入れと送り出しを確実に行うシステムが確立しています。
観光立国として、割り切るところは割り切って、
その上で、国体の保持や環境の保全を図っているということだと思います。

そんなモルディブで、何してきたかと言うと、
毎日、海で魚と泳ぎ、太陽の下で昼寝し、朝日と夕日と星空を眺めてきました。

とても楽しかったけれど、
一緒に行った相方さんの誤解を恐れずに言えば、
京都で食事も忘れ、紅葉をめぐり、襖や屏風の絵画に感動したり、
タイの北部でホテルに戻るバスがなくなってしまい、現地の人に車に乗せてもらったり、
ハワイで見知らぬ観光客にストリップ劇場に連れて行かれたり、
沖縄の波照間島で、坂道の向こうに現れたサトウキビ畑と青い海と空に、絶叫した、
これまで自分が経験した旅行と比べると、
これほど、何かを学んだり、何かを感じたり、出会うことの少なかった旅行も初めてです。

でもね、それは、それだけ、
モルディブがリゾートとして理想に近いということなのでしょう。
楽園という言葉の意味を知るような、本当に、楽しい旅行でした。
数回にわけて、モルディブの想い出を書いていこうと思います。