「人生100年」と言われる時代。老後の家計は最重要課題の一つであり、
これから高齢期を迎える中高年以下の人にとっても決して人ごとではない。
最近のお年寄りは健康で元気な人が多い。なぜ、貧困に陥ってしまうのか。
その原因の一つとして、高齢者世帯の「単身化」が挙げられる。
国勢調査などによると、一人暮らしをする人の中で、高齢者が占める割合は
増加の一途をたどっている。そして、この傾向は今後も続くと予測される。
核家族化や未婚化が進み、単身の高齢者が増える条件が整いつつあるからだ。
高齢者世帯では最も多い年齢層である「65歳以上70歳未満」世帯の公的年金
の平均受給額は、単身世帯の場合、年間136万9000円。
これに対し、夫婦世帯は同241万1000円と、単身世帯より75%以上多く受給して
いることになる。
単身世帯に比べ、夫婦世帯は住居費や光熱費、食費など1人当たりの生活コストが
下がる。逆に言えば、一人暮らしは高コストで貧困に陥るリスクも高いのだ。