新技術で臭み消す
檜山管内奥尻町の燃料販売「越森石油電器商 会」(越森修平社長)と機器開発ベンチャ-の サ-モダイナミックシステムズ(札幌、井筒忠雄 社長)は、解凍後も鮮度を損なわない冷凍のホッ ケ切り身の販売を始めた。離島からの輸送費が 負担となり、出荷対象外だった小さい魚体のホッ ケを主に活用。臭みのない刺し身用ホッケとして 売り込んでいる。一匹450㌘を超えないホッケは 1㌔数十円ほど。島からの出荷にフェリ-代の方が高くつくため、そ のまま捨てられるものもあった。越森石油はこれらのホッケを有効 活用するため、サ-モ社などから冷凍に関する基礎技術の提供を受 けホッケに適した冷凍加工法を確立。サ-モ社が販売窓口を努める。 新技術は、魚の鮮度保持に効果があるシ-アイス(人工海水)にホッ ケを漬け込む。身が凍結する手前の温度(マイナス1・7度)に一定期 間、保つことでホッケ独特の臭みが取り除けるという。さらに細胞を強 化する独自技術を用いることで一般的な冷凍設備でも解凍時にうま 味成分が流出しない手法を開発した。越森石油が同町に設けた加工 場で1日最大400㌔を生産するほか、同管内上ノ国町や稚内市の 水産加工業者に生産委託して生産量拡大を目指す。ホッケは水揚げ から加工までの日数などによって五つの品質に分類、最上位のもの は刺し身など新たな食べ方を提案する。すでに関東の飲食店などに 卸しており、今後は「桜ほっけ」の名でス-パ-などにも販路を拡大し たい考え。切り身の卸価格は半身で100円前後。両社は「輸送面で ハンディのある離島でブランドを生み出したい。手ごろな値段の刺し身 魚に」としている。