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 ゛まるかん人゛プラトーク

元気とキレイを追求すると、人生は楽しく過ごすことと・・・!?

現代読書灯<ナビ>座談

2008-03-25 15:00:00 | 本と雑誌

出会いの妙ついポロリ 隣のお喋り楽しむ感覚  森 毅(数学者)

バカにならない読書術 (朝日新書 72) (朝日新書 72) バカにならない読書術 (朝日新書 72) (朝日新書 72)
価格:¥ 777(税込)
発売日:2007-10-12

千年紀のベスト100作品を選ぶ (知恵の森文庫) 千年紀のベスト100作品を選ぶ (知恵の森文庫)
価格:¥ 960(税込)
発売日:2007-10-11

ゴシップ的日本語論 (文春文庫 ま 2-19) ゴシップ的日本語論 (文春文庫 ま 2-19)
価格:¥ 620(税込)
発売日:2007-10

雑氏文化については、欧米に比べて日本では、座談がおもしろい。                            広告でも大きく扱われるし、それにつられてその雑誌を買ったりする。                           それがすぐ単行本にまとまる。最近なら養老孟司を中心にした「バカ                           にならない読書術」。そして三年もすると文庫になる。たとえば丸谷                            才一を中心にした「千年紀のベスト100作品を選ぶ」「ゴシップ的日                           本語論」。若いころには、インタヴュ-される側でなくて、する側にま                            わったこともあったが、これが難しい。まったく相手を知らないとまず                           いが、予習をしすぎると読者を生徒の位置に追いやってしまう。欧米                           のインタヴュ-がもひとつなのはその故だろう。多少は書かれた作品                           よりわかりよくなることもあるが、それぐらいならもとの本を読んだほう                          がまし。相手がいるために、ふだんにないことを喋ってしまうのが座談                          のおもしろさ。読者としても、喫茶店で隣のお喋りを耳にして楽しむ感                          覚がよい。生徒になつてはつまらん。対談だと、先生と生徒になりっ                           こないが、スポ-ツ観賞と違うから、どちらに味方するかは関係ない                           ものの、あまり親しすぎるのもつまらない。相手の応答が予想できて、                          出会いの意外性がない。ライブでやったこともあるがあれは疲れる。                           二人だから半分なのじゃなくて、相手のことを考えながら聴衆にも気                           くばりせねばならぬので、一人で講演する二倍。しかしそこが対談の                          おもしろさ。三人から五人ぐらいの座談会になると、それがもっと複雑                          になるが、五人が限度と思う。ライブやテレビになると、見た目のにぎ                          やかさや世間でのバランスを考えて、人数が多くなりがち、六人だと、                          三人にしてその分ギャラを倍にしてよいといつも思う。司会だけが別に                          なるのは役わり分担がおもしろくないが、だれかが仕切らねばならぬ。                            連歌の席の宗匠。このあたり、日本のよいのは、宗祇や芭蕉以来の                          伝統があるからかもしれぬ。欧米のつまらんのは、作者の位置を確立                          したがる近代の故もあろう。本歌どりをしながら座を楽しむのがよい。                          読書文化だって、著者への敬意より、座を楽しむ感覚がよい。このた                           びとりあげた本では、養老の「読書術」は、とくにその前半がこのコラ                           ムに好適。丸谷の「日本語論」は本の作りそのものが、いま論じてい                           るテ-マ。笑っちゃたのは、サルトルについて、評論一流、ろ。劇作二                          流、小説三流、哲学四流というところ。丸谷はいろんなことをしていて、                         一流とか二流とか格づけする趣味はないのでそれぞれに楽しむことに                          しているが、なにより感心するのは宗匠としての腕。もっとも、活字に                            するには、編集の腕が大きい。高田宏や島森路子ぐらいになると表に                          出るが、普通は黒衣で、近松やシェ-クスピア以前の狂言作者。こち                          らはもう少し表に出してよい。これも若いころにやったことがあるが、白                          紙の原稿用紙を埋める倍ぐらい疲れるのだから。

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