世界計大型原発15基分
昨年一年間に世界で新たに設置された風力発 電施設の規模は、大型原発15基分に匹敵する 二千万㌔㍗超で、総発電容量が一年間で27% も増えたことが、業界団体でつくる世界風力エネ ルギ-協会(GWEC、本部・ベルギ-)の2月15日までのまとめで 分かった。GWECによると、日本では十三万九千㌔㍗で、最も増加 量が多かった米国のわずか38分の1だった。地球温暖化対策や原 油高対策として世界中で注目される風力発電開発で、日本の立ち 遅れが鮮明になった形で、新エネルギ-政策の抜本的な見直しを求 める声が高まりそうだ。GWECによると、米国では昨年、五百二十 四万四千㌔㍗の風力発電施設が建設された。2位はスペインの三 百五十二万二千㌔㍗、中国の三百四十四万九千㌔㍗がこれに次ぎ、 日本は14位だった。この結果、世界全体の風力発電の容量は九千 四百十一万二千㌔㍗となり、前年比27%増だった。総容量が最も多 いのはドイツの二千二百二十四万七千㌔㍗で、米国、スペイン、イン ド、中国の順。日本の総容量は百五十三万八千㌔㍗で世界13位に とどまった。GWECによると、昨年1年間の風力発電関連の市場規 模は三百六十億㌦(約三兆八千億円)。「各国で重要な温暖対策と して注目されており、各国での開発は今後も急速に進むだろう」とし ている。
日本の政策失敗
環境エネルギ-政策研究所の飯田哲也代表の話 世界の風力発電市場は、自然エネルギ-のトップランナ-として、引き 続き力強い成長を見せている。特に米国、スペイン、中国、インドでの 急成長は驚異的だ。イタリアやフランスも含めて、いずれも電力会社に 一定価格で電力の買取を義務付けるなど、国の政策の成功が際立っ ている。半面、電力会社に一定比率での新エネルギ-利用を義務付け ながら、その目標値を極めて低く抑えている日本の政策の失敗も鮮明 になったといえる。