flow Trip -archive-

「漂い紀行 振り返り版」…私の過去の踏査ノートから… 言い伝えに秘められた歴史を訪ねて

館山陣屋 貴美稲荷

2007-10-21 00:00:42 | 孝霊天皇流族関係記事

(千葉県館山市)
 御霊山からまた城山の方へ足を向けた。
「鍵形の道」といわれる小道を入ると石段が現れる。上ると鬱蒼とした中に少し屋根の壊れた小さな社殿がある、これが貴美稲荷神社である。
中を覗くと、「正一位貴美稲荷大明神」の神額と、折敷に三文字の神紋が置かれている。それは、この場所に稲葉氏の館山陣屋があったからである。
 天明元年(1781)稲葉正明が一万石で館山の知行を始め、寛政三年(1791)旧館山城南東麓に陣屋が設けられた。このとき敷地内に祀られたのが、この貴美稲荷である。また、折敷に三文字は、河野氏族稲葉氏の家紋である。
 稲葉正明、正武、正盛、正巳と続き、明治4年(1871)正善のとき廃藩となり、一時的に館山県となったが、間もなくして木更津県となり屋敷は廃され、神社だけが残された。
現在、神社以外で残るものは、陣屋跡の平地と、「御屋敷」の地名が残るのみである。
また、陣屋跡の近くには館山城時代、里見氏の家臣、印東釆女(うねめ)の屋敷にあったという井戸が残されている。
   

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