和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

法旗(三十九)小説「新 ・人間革命」

2013年01月19日 10時03分06秒 | 今日の俳句
      小説「新・人間革命」

【「聖教新聞」 2013年 (平成25年)1月19日(土)より転載】


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法旗39(1/19)
 羽生直一は、入会はしたものの、ほとんど勤行もしなかった。
入会から数カ月が過ぎた冬のある日、小雪の舞うなか、集金のために山間部を車で走っていた。


 車がすれ違うには、細心の注意を払い、徐行しなければならない狭い道であった。
急がなければと、アクセルを踏んだ。
その時、前方のカーブから大型バスが飛び出してきた。
ブレーキを踏んだ。
車体が半回転し、そのまま、凍結した路面を滑った。
止まらない。
下は深い谷である。


 「ワァー、南無妙法蓮華経……」


 とっさに題目が口をついて出た。


 “落ちた!”と思った。


 ハンドルにしがみついた。
なんと、車は、ぎりぎりのところで止まった。
だが、腰が抜けて、体が動かなかった。
しばらくして、恐る恐るドアを開け、外に転がり出た。

 “助かった! 題目で守られたのか……。


 俺は、信じるに足るものは自分だけだと思って生きてきた。
しかし、今の瞬間、俺は、なす術がなかった……”


 この予期せぬ出来事に、人生は、信念と努力だけではどうしようもない“何か”があることを、羽生は体で感じた気がした。


 信念と努力が報われるには、正しい人生の軌道を知らねばならない。
幸福を欲して、ひたすら努力しながら、不幸に泣く人のいかに多いことか。
生命の法理に則してこそ、信念は輝き、努力は実を結ぶのである。


 “題目を唱えた。
命を救われた――偶然の産物かもしれないが、この事実は、そう簡単に否定することはできない”と、羽生は考えた。
半信半疑ではあったが、信心に打ち込んでみようと思った。


 もともと頑固一徹な性格の彼は、唱題にも、学会活動にも、徹して取り組んだ。


 ほどなく羽生は、仕事を衣料雑貨商から呉服商に切り替えた。
日々、懸命に信心と仕事に励んだ。
店は、着実に軌道に乗っていった。
祈りと弘教の結果が、そのまま商売に現れると、彼は感じた。




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法旗(三十八)小説「新 ・人間革命」

2013年01月19日 04時30分07秒 | 今日の俳句
      小説「新・人間革命」

【「聖教新聞」 2013年 (平成25年)1月18日(金)より転載】


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法旗38(1/18)

 スーパーマーケットを視察した山本伸一は、その足で、松山市郊外の土居町にある、初代松山長を務めた羽生直一の家を訪れた。

 羽生は、妻のみさ子と共に、松山広布の中核として活躍し、多くの人材を育んできた。
市街で営んでいる家業の呉服店も繁盛し、地域での信頼も厚かった。土居町の自宅は、学会の諸会合の会場として使われており、城を思わせる和風造りの大きな家である。

 伸一は、羽生夫妻の功労を讃えようと、自宅を表敬訪問したのだ。

 羽生直一は、謹厳な性格そのままの、眉の太い、がっしりとした体躯の壮年であった。
年齢は五十八歳である。終戦を満州(現在の中国東北部)で迎え、命からがら日本に引き揚げ、裸一貫から衣料雑貨店を起こした。

 朝六時から夜十時過ぎまで仕事をした。
自転車で衣料品を売りに行くこともあった。
働きに働いた。
信念と努力――それが、人間のすべてであると信じて生き抜いてきた。

 彼は、常に完璧を求めた。
履物がきちんとそろえられていなかったり、玄関や家の中に塵が一つでも落ちていたりすると、家族を頭から怒鳴りつけた。

 だから、妻も三人の子どもたちも、いつも緊張を強いられ、ビクビクしていた。明るい家庭とは言いがたかった。

 一九六二年(昭和三十七年)、妻のみさ子が、姉から仏法の話を聞かされた。入会を希望する妻に、彼は言った。


 「信仰にすがるのは弱い人間の生き方だ。宗教はアヘンだ。お前たちを食べさせているのは俺ではないか! 拝むなら俺を拝め!」
 それでも妻は、信心をしたいと言う。これまで、何も自ら主張したことがなかった彼女が、必死になって頼み込む姿に気圧された。
 人間が発揮し得る最大の説得力は、真剣さである。必死の言葉には、立ちはだかる岩をも打ち砕く力がある。
 羽生は、妻が創価学会のどこに引かれたのか、観察して見ようとの思いもあり、自分も一緒に入会したのである。


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1月18日(金)のつぶやき

2013年01月19日 01時43分34秒 | 民主党

鳩山元首相は「国賊」=小野寺防衛相(時事通信) - Y!ニュース headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130117-…あの温厚な、小野寺防衛相はよく言った。


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