私の幼馴染みの母堂様の訃報の知らせが届くと自分の母親が亡くなったように深い哀しみに包まれました。私の父親が４０年間勤務をし、親子でお世話になった大切な方です。
写真のお顔を見るなり幼稚園に通っていた４５年前の思い出が甦ってきました。
イタズラ坊主の私は父親の勤務が終わるまで幼馴染みの自宅やお寺、咲見町や田原本町を遊び場にしては大変ご迷惑とご心配をお掛けしていたのではないかと思います。
様々なエピソードがある中で私が絶対に忘れられないことがあり、今想えば…その優しさには感謝で涙が溢れてきます。
ある時、幼馴染みのお母様からお年玉として千円を頂戴しました。
昭和４５年の時代の千円ですから今の５千円位の価値はあると思います。
幼馴染みと一緒に熱海駅前の第１ビルの中にあった玩具店に行き、当時流行っていたGI ジョーやミクロマンの玩具を買おうとしたのですが、ズボンのポケットの中を探しても千円札は出て来ません…おそらく玩具店に行く途中で落としてしまったのだと思います。
私は玩具を買わずに、いや正確には買えずに幼馴染みだけが玩具を購入して帰って来ると、お母様は私が何故玩具を購入しなかったのか尋ねてきたので私は泣きそうな顔をして戴いた千円を紛失してしまったことを正直に伝えると…歩いた道のりを今一度探すように言われ、幼馴染みと共に探しに出掛けました。
どうしても見つからないことを報告すると…優しい顔をして私に千円を再度くださいました。
私は絶対に叱られると思っていましたが…
幼馴染みと同じ玩具を今一度買いに行き、幼心にこの時のエピソードが一番心に沁みて今でも決して忘れられないお母様との思い出になっており、お写真のお顔を見るたびに涙が溢れて来てしまいます。
本当に優しい方でした。
私も優しい心を持ち続けたいと思います。
最後のお別れですが、私の母同様に私達を見守って下さい。
どうぞ安らかに…ありがとうございました。 合掌。
