ミクロもマクロも

心理カウンセラーが気ままに書き続ける当たり前

鳥肌・・・そして 涙

2006-11-29 21:28:15 | Weblog
インディアンサマー。小春日和というより そのほうがぴったりの今日の横浜の
陽気。ご近所の奥さんにお会いすると、駆け足、速歩、ハアハァ、やっと到着!
になるのよ、ミゲル君の授業にね。ポリーちゃんに昨日すれ違った、から始まる
鵜の目鷹の目の詮索。ハイ、時間があればいつでもお相手つかまつりましょう。
でも、片道徒歩40分以上の距離は、毎日腹を括って Let's go! だから、
途中で、捕まってしまうとアラアラララ・・・で、その後は競歩の選手みたい。

でも、きっちり午後1時、Corazon Latino 到着。セーフ!
ン?ミゲル君は? マリアさんの用事で、ちょっとお出かけ。ホー、なら一休憩。

「レイコサン、コンニチハ」
両手をきっちり腿の脇につけて、腰を折る気持ちのいいご挨拶。もう、どこへ出し
ても恥ずかしくない彼の挨拶よ。日本人はお辞儀の方が好きだから、すぐ握手は
しない方がいいのよって。そして、食事のマナーもついでに教えて。いつも背中は
まっすぐ!ってね。もちろん書く時もよ。お行儀も何もない今ごろの日本人より
きちんとした彼になってもらうつもりよ。どこに出しても恥ずかしくないようにね。

「さあ、始めましょう!今日は何かしたい事がある?」
「ミテクダサイ」
今まで習ったフレーズを各10回ずつ、漢字を入れて。その種類20ほど、ノート
にびっしり。
名詞・形容詞・動詞、ほかに部首も。私の小さな目が、ダンダン大きくなっていく
ような感覚。
100円ショップで買ったドリル、訓読み、音読みが難しいって。
そう、日本人だって、みんな知ってるわけじゃないから、彼が悲鳴をあげても
おかしくはないのよ。まずは、訓読みが大事って。今まで書いてきた漢字をランダ
ムに指して、「訓読みで何?」を、手当たり次第に聞く私。
ゾ~~~。ブツブツブツブツ鳥肌が立つ。
次は、私が言うそばから漢字を入れて書きなさい!
そして、形容詞にうつり、反対の言葉は?もちろん漢字で。
硬い、固いを二つ書く。もちろん柔らかいも。
このあたりから、鳥肌が立ちっぱなし。両腕をこすってると、
「サムイデスカ?」
「いいえ、感動してるのよ、あなたに」
「オー、レイコサン、ソンナコトナイデ~ス」
なんて子なの? この習得能力は何?信じられな~い、本当に。

決して妥協しない、我流の日本語授業よ。”もう1度” を何回やらされるか。
悪戦苦闘しているのがようくわかるけれど、手はゆるめないわ。それに
ついてくる彼は、なかなかのもの。
「全部理解してる?」
「ハイ、ワカッテマス」で、私が聞くそれをスペイン語で言う。ウン、わかってるわ。
スッゴーイ! こんなにわかってるなら、もっと難易度を上げてもよさそう。
ただ難関があるのよ。アクセントがどうしても強く出ちゃうの。
「ダメ!もう1回!」出しは数知れず。
そして今日も3時間はとっくに過ぎて。
「さあ、今日はここまで。疲れたでしょう?」
「ハイ、スコシ」
「暗くなるから早く帰りなさい」
「ダイジョウブデス。レイコサン、チョットマッテ」
「なあに?」
「コレ」
可愛い包装紙にくるまれた、何か柔らかくて軽い物を私に差し出すじゃない。
「私に? お金ないでしょう?」
「アルバイト。ココデ」
マリアさんのお手伝いをしたらしいの。
「昨日、ミゲリ-トは江ノ島に行ったのよ、お友達と」
「ああ、水族館へ行ってきたのね。お魚がいっぱいだったでしょう?」
「ハイ。コレ レイコサンへ。イツモイツモ アリガトウ」
もう、涙が出てきて困っちゃった。
「本当に、君は悪い子なんだから。こんなことしなくてもいいのよ!」
涙がボロボロ止まらない! 彼は、胸に手を当てて何度も何度も頷くのよ。
「私は決して甘くないわ。厳しい先生でしょう?それでいいの?」
「ハイ。イツモアリガトウ」
開けようとしたら、
「イエデ」
って。
私からは、今後はしない事!受け取らないからねって。

ミゲル君からプレゼントよって、セニョール・ダンへ報告。
包装紙の中から出てきた物は、『ペンギン』の可愛らしいぬいぐるみ。早速
本棚の上の母の写真の前に飾って、
「お母さん、これはミゲル君からのプレゼントなのよ。可愛いでしょう?」
携帯電話の写真に収めて、明日彼に見せてあげましょう。

胸が詰まって、鳥肌が立って、ついでに涙まで出て。感情の波が何回も何回も
打ち寄せた、ミゲル君から貰った感動でした。

    もう1回、すご~~~い!