通り過ぎて、ン?もとい!
「幾つ?」
「ハタチ」
「貴女は?」
「25才」
「う~ん、いいってわけないわよね」
「なんだと~!うっせ~んだよ~。おまえは、ボケ婆はよー!」
「ボケてんだろ!?」
タバコをもみ消して、地べたにべったりしゃがみこんでたけど、切れた!
もう、これ以上罵倒できないって位の悪口雑言。
近寄ろうとすれば、
「近付くんじゃねえよ!ボケ婆が!」
「娘がいなかったから、いいじゃない、ちょっとお話しよう」
「ざけんじゃねえよ!おめえの子どもでも孫でもねえんだよ!」
「でもいいじゃない!」
「よくねえんだよ、近付くんじゃねえ!」
中学2年生、14才。ポロッと言ってしまった彼等。
男の子は、盛んに携帯で写真を撮ってる。いつの間にかもう1人男の子。
なんで、そんな格好してんだ? 帽子の下からのぞく髪の毛に、
「メッシュ入れてやんの。帽子取ったら禿だろう?」
「ううん、見て!」
白髪まじりの髪の毛を披露よ。
どんなに悪態を着いても、もの凄い形相でこちらを睨んでも、14才。
「ギャ-ギャ-うっせ~んだよ!こんな世の中作りやがって」
「そう、大人がこんな世の中作ってさあ、オレタチが夜遊びすんのも、み~んなこんな世の中作ったおめえらのせいだよ」
時々入るもう一人。日本史(チラッと見えた)資料片手に。
「だからよ、ああだこうだ言うんじゃねぇ!」
「ウン、私もそう思う。だからさ、大人の一人としてちょっとお話しよう」
「うっせー!おめえと話す?冗談じゃねぇ!なんて名前なんだよ、えっ名前!」
「レイコ」
「レイコよ、どこに住んでんだよ?」
「東京」
「へっ東京かよ」
涙が出てきちゃいました。ウソ住所を言った自分をちょっと軽蔑。
「ハンカチ、ハンカチ」
手提げ袋の中へ手を突っ込んで。
「うめえじゃねえか、ウソ泣きが」
「ウソじゃないもん、涙もろいんだもん」
なんだかんだ絡む。
「お話しないのね、わかった。じゃ、また会いましょう」
「会わねえよ」
「そんなこと言わないで」
「いやだよ!」
「ううん、会いましょうね」
「バイバーイ、さようなら~」
涙が止まりません。たった14年しか生きてないのに、彼等の世界はもう、絶望色?
日本史の女の子は、いま流行りのお目目真っ黒アイメイク。
本当は、しっかり1人ずつ抱きしめて、
「あなたはいい子なのよ。人生を絶望するには早すぎるわ。自分を好きになって!」
って言いたかったのに。
ねえ、たった14年で、人生にあがいてるのよ。でも、あたくしもそうだった。でも、プライドが自暴自棄を許さなかったから、強い正義感が、道を外れさせなかっただけ。ようくわかるのよ、彼等の息詰まる感覚が。
声をかける時、あたくしは腹をくくったわ。何もかも受け止めようじゃないの!って。
伊達に生きて来てはいないってね。
ああ、どうやって彼等は朝を迎え、お布団に横たわるのでしょう。胸が痛みます。
「幾つ?」
「ハタチ」
「貴女は?」
「25才」
「う~ん、いいってわけないわよね」
「なんだと~!うっせ~んだよ~。おまえは、ボケ婆はよー!」
「ボケてんだろ!?」
タバコをもみ消して、地べたにべったりしゃがみこんでたけど、切れた!
もう、これ以上罵倒できないって位の悪口雑言。
近寄ろうとすれば、
「近付くんじゃねえよ!ボケ婆が!」
「娘がいなかったから、いいじゃない、ちょっとお話しよう」
「ざけんじゃねえよ!おめえの子どもでも孫でもねえんだよ!」
「でもいいじゃない!」
「よくねえんだよ、近付くんじゃねえ!」
中学2年生、14才。ポロッと言ってしまった彼等。
男の子は、盛んに携帯で写真を撮ってる。いつの間にかもう1人男の子。
なんで、そんな格好してんだ? 帽子の下からのぞく髪の毛に、
「メッシュ入れてやんの。帽子取ったら禿だろう?」
「ううん、見て!」
白髪まじりの髪の毛を披露よ。
どんなに悪態を着いても、もの凄い形相でこちらを睨んでも、14才。
「ギャ-ギャ-うっせ~んだよ!こんな世の中作りやがって」
「そう、大人がこんな世の中作ってさあ、オレタチが夜遊びすんのも、み~んなこんな世の中作ったおめえらのせいだよ」
時々入るもう一人。日本史(チラッと見えた)資料片手に。
「だからよ、ああだこうだ言うんじゃねぇ!」
「ウン、私もそう思う。だからさ、大人の一人としてちょっとお話しよう」
「うっせー!おめえと話す?冗談じゃねぇ!なんて名前なんだよ、えっ名前!」
「レイコ」
「レイコよ、どこに住んでんだよ?」
「東京」
「へっ東京かよ」
涙が出てきちゃいました。ウソ住所を言った自分をちょっと軽蔑。
「ハンカチ、ハンカチ」
手提げ袋の中へ手を突っ込んで。
「うめえじゃねえか、ウソ泣きが」
「ウソじゃないもん、涙もろいんだもん」
なんだかんだ絡む。
「お話しないのね、わかった。じゃ、また会いましょう」
「会わねえよ」
「そんなこと言わないで」
「いやだよ!」
「ううん、会いましょうね」
「バイバーイ、さようなら~」
涙が止まりません。たった14年しか生きてないのに、彼等の世界はもう、絶望色?
日本史の女の子は、いま流行りのお目目真っ黒アイメイク。
本当は、しっかり1人ずつ抱きしめて、
「あなたはいい子なのよ。人生を絶望するには早すぎるわ。自分を好きになって!」
って言いたかったのに。
ねえ、たった14年で、人生にあがいてるのよ。でも、あたくしもそうだった。でも、プライドが自暴自棄を許さなかったから、強い正義感が、道を外れさせなかっただけ。ようくわかるのよ、彼等の息詰まる感覚が。
声をかける時、あたくしは腹をくくったわ。何もかも受け止めようじゃないの!って。
伊達に生きて来てはいないってね。
ああ、どうやって彼等は朝を迎え、お布団に横たわるのでしょう。胸が痛みます。