goo blog サービス終了のお知らせ 

ミクロもマクロも

心理カウンセラーが気ままに書き続ける当たり前

「アフターダーク」のある景色

2004-09-28 22:41:37 | Weblog
久しぶりに、「村上ワールド」へお邪魔。
ぜ~んぜん違う2人の「村上」。龍さん(とある所で、お隣りに坐ってた私。あちらは覚えていらっしゃらないのは、重々承知の上で、勝手に敬称を付けて)の世界は、コッテリ濃厚で、最近の私はちょっと太刀打ちできなくなっちゃってね。
いつも、途中で消化不良を起こすのよ。強烈でネ。「希望の国のエクソダス」は、彼の作品の中では異色。
あれは、あっという間に完了。たまたま義兄の家に居る間に終ったので、甥っ子にプレゼントよ。
それで、今年の春先だったかしら、これぞ龍の世界って本、3冊の、「エクスタシー」から始まってた、と思うんだけど、登場人物が「レイコ」「ケイコ」なんて、それで買っちゃって。動機がこんなものだから、その濃厚な中身に、ギブアップ。(・・・ラビリンス以来のギブアップ・・・)
「ケイコサン、龍の本読む?」
「ええ、嫌いじゃないですよ」
「トパーズ、読んだ?あれも凄かったわねぇ」
「ええ」
「久しぶりに買ったんだけど、登場人物レイコ、ケイコの名前に惹かれてね。でも、ちょっと今の私にはヘヴィだから、途中放棄。差し上げるわ」

そして今日は、春樹の「アフターダーク」を、大和まで出てきて購入。地元の本屋では、只今品切れだったものだから。そのためだけに電車に乗って。
ある音楽の題名に引っ掛けての「アフターダーク」らしいけれど、「ノルウェイの森」もそうだったわね。久々の「村上春樹」の世界に誘(いざな)われたわ。
大和駅前にある「マクドナルド」・・・イエーツが、日本人は何でも縮めるねって。そのマックの2階で、
ハンバーガーセットを食べながら、時々視線はガラス張りのその2階から、行き交う人々の動きを追うともなく追い、ゆっくり味わう。ハンバーガーを? いいえ、本を、よ。

改札口を出た所にいた黒人が、行ったり来たり。パンフらしきものを手にしてるみたいだけど、誰かに渡しているようには見えないのよ。私も本読みの方がメインだから、時折外へ目を向ける程度だし、彼だけを見てたわけじゃないからね。
それでも、その長い足でゆっくり行ったり来たりする姿を見てる内に、ちょっと描きたくなって、上からスケッチなんかしちゃったわ。特徴ある男性だったものだから。
帰りがけに、「Look ! this's you, want it ?」 かすかに微笑んで、行っちゃった。だからそのクロッキーは、手元にあるのよ。 い~い心臓してるでしょう私は。フ・フ・フ・・・・

なぜか、本屋の側にはどこもマクドナルドがあって、本屋からマックは、お決まりコースになっちゃってるのよね最近は。一時(いっとき)も早く読みたい私にとって。
1日の総カロリーを1200キロカロリー内に留めようとしてるのに、ア~~、ハンバーガーセットで、
1000近くにはいっちゃったかもね。しゃあない!新刊本には付いてるものだと、諦めて。
お夕飯を食べなきゃいい!・・・アジの唐揚げなんか作っちゃって、「EPAとDHAは摂らなきゃ」
なんて、言い訳をして、本日のカロリーは、否 やめよう!虚しい脳作業は。

忙しげに、あるいはわけもなく行き交う人々のたたずまいも、ゆるやかに秋のローブに変わりだし、
落葉樹の緑も、まるでミドルからシニアに移行する女達の肌のように、かっては滴(したた)り落ちそうだった水分も、強い陽光に吸い取られ、やがてくる冬を予感させる姿、色合いに微妙に変化している。

自宅に帰る道すがら、通りかかった公園のベンチに坐り、景色の一葉に。
ドッヂボールでサッカー遊びに興ずる子ども達、むずがる幼児をあやす若い母親、犬の散歩に付き合う老人、学校帰りの高校生のカップルの青々とした会話。雲の合間から見える空は、夏のそれとは違う淡い色。
公園と隣接する生垣は、韓国の国花「むくげ」がこぼれんばかりに咲き乱れ、夏の花のその咲き様は、近づく秋を牽制するかのような力強さでそこにいた。