仏壇販売人、ぶつぶつ日記

山口県の隅っこから
仏壇販売人のたわ言、繰言、独り言。
ほぼワタクシごと、たまにお仕事。

夫婦の達人

2011-04-19 16:18:41 | 本音

 

法事の準備のために来店された年配のご夫婦。

 

ある仏具を2つ買い求めようとするおばあちゃんに、

おじいちゃん一言。

「一つでええじゃろ!!2つも買わんでいい!!」

おばあちゃんすかさず、

「だって、アンタの親戚の人がうるさいでしょ!!」

「いいと言ったら、一つでいい!!」

  「わしゃ、買いたくない!!」

「はいはい、じゃ、アンタが死んだらもう一つ買うことにするわ」

 

おじいちゃんも譲らないけど、

おばあちゃんもちっともひるまない。

一見、けんかしてるようで

けんかになってない、

長年連れ添った夫婦の絶妙の呼吸。

 

あっぱれ~~~。

我々はまだ若輩者だわ~~~。

と、圧倒されつつモンダイの仏具を一つお買い上げされて

お会計終了。

 

「よし、帰るぞ!!」・・・・・と、

 

おじいちゃんが背中を向けたその瞬間!!

おばあちゃんすかさず

おつりを店頭の募金箱へ。

そして、スタッフにちらりとウインクして

何事もなかったかのように

おじいちゃんの後に続いたのでした。

 

 

主張はしつつも

どっちでもいいことはとりあえず

主人の意見をたてておいて

「これは!!」というところは

するりと自分の意思を通してしまう。

 

鮮やかなお手並み。

 

まさに「人生の達人」でした。

 

ちなみに冒頭の写真は「春蘭」

早春の山に咲く花ですが

子供のころは「じじばば」と

実も蓋もない呼び方をしておりました。