美しい色合いで有名なヴェネツィアン・グラス。
ムラーノグラスとも呼ばれるこの美しい工芸品はその製法の秘密が
もれることを恐れるあまり、ガラス職人たちをムラーノ島に強制移住させ、
厳しく管理したこともまた、有名な話。
ところが、ところが・・・・・・
そんなヴェネツィア政府の心配もどこへやら・・・・。この美しいグラスは
めぐりめぐって、遥か彼方、イスラムの国々もすっ飛ばし、
この極東「黄金の国、ジパング」で念珠に姿を変えたのでありました・・・・・。
「アドリア海の女王」の至宝がこんなところで仏教と出会ってるとは
まさに、マルコ・ポーロにも想定外!!
それにしても、この玉の微妙にして鮮やかな発色。
見事としか言いようがありません。
コバルトやマンガンなど様々な鉱物を混ぜることで
複雑な色合いを表現するのだとか。
写真の2点のほかにも、美しいブルーに銀を散らしたようなものとか
スモーキーなピンク、ガラスの内部に金色が沈んで見えるようなもの等等、
見ていて飽きることがありません。
天然石の輝きが自然の中での様々な偶然と調和によって生み出されたもの
だとすると、
この美しい工芸品の輝きは人間の研ぎ澄まされた英知と熟練によって作り出された
ものだと言えるでしょう。
いや~~目の保養になりました。