京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

祇園祭2022後祭 山鉾建て

2022年07月22日 05時58分00秒 | 日記
 7月19日は、昼から"まいまい京都"のツアーがあります。

集合時間は11時30分ですが10時過ぎに烏丸に着き、後祭の山建てを見学しました。







大船鉾の鉾建てです。

突然に警報が発令される程のゲリラ豪雨になりましたが、ブルーシートの中では予定通り鉾建ての準備が進められていました。

大船鉾は2014年に150年もの時を経て復興された鉾です。

神功皇后が戦に勝った凱旋時の船を表しています。

後祭の巡行では殿(しんがり)を務めます(くじ取らず)。

それにしても美しい「縄がらみ」です。
素晴らしい伝統技術です!







南観音山です。

何度か会所にお邪魔した事のある山で、コロナ前には曳き初めにも参加させて頂きました。
加山又造画伯が多くの作品を奉納されています。





北観音山です。

南観音山を上り蛸薬師通を越えたところに会所があります。

楊柳観音像と韋駄天立像を御神体に祀る曳き山です。

こちらもブルーシートの下で予定通り山建てが行われています。
明日20日には曳き初めが15時より行われます。









鷹山です。

今年の祇園祭山鉾巡行の"めだま"的存在です。

応仁・文明の乱以前から巡行に参加していた由緒ある山でしたが文政9年(1926)の巡行時に大雨に遭い懸装品の多くを汚損してしまい、また、元治元年(1864)の大火で山車(だし)や懸装品を失い以降は巡行に参加しない「休み山」となっていました。

近年、再興の機運が盛り上がり実に196年振りに巡行に復帰されます。
町衆の執念、心意気を感じます。

山建ての部材や木材も新しく、今年から新たな歴史を刻んで行かれる事でしょう。

こちらの会所で販売・授与される粽は他の会所で販売・授与される厄除け粽とは違い食べられる粽です。

1708年創業の老舗「伊勢源六たちばなや」が老舗の技で作られています。
3本入りで千円で7月21日〜23日の各日100個限定です。

巡行での鷹山の"勇姿"を見るのが楽しみです。

大雨の中、次に「炭屋旅館」へ向かいます。







「炭屋旅館」憧れの名旅館

2022年07月21日 08時57分00秒 | 日記
さ 7月19日は"まいまい京都"のツアー「一度は泊まりたい憧れの名旅館 女将がもてなす祇園祭の老舗宿〜夏の懐石料理、玉兎庵でのお茶席、「茶の湯の宿を特別に拝見」に参加しました。





場所は麩屋町三条下ルにあり、京都一の旅館と評される「炭屋旅館」の並びです。

前回にも同じツアーがありましたが、仕事の都合で参加出来ず、今回は優先的に当選させてもらえる"えこひいき券"を使用しました。

午前中は祇園祭後祭の山鉾建てを土砂降りの中で見学し、炭屋さんに到着した時にはズボンと靴の中は"洪水"状態でした。
(京都市内で観測史上最高の88mmの豪雨でした。)

玄関でタオルをお借りし、失礼ながら裸足で客室に入りました。

女将さんが新品の靴下を持参して下さり足元もスッキリし、炭屋さん自慢の懐石料理を頂きました。



この日の献立表です。















先付、煮物椀、向付、八寸、凌ぎ

先付には梶(かじ)の葉がのり葉を取るまでどんな料理かを楽しむ工夫です。
日本庭園もしかりですが、先を見せない工夫が日本人特有の美徳のひとつですね。

祇園祭の時期に相応しい鱧の椀物、鱧には葛が打たれているので鱧の旨味がきちんと閉じ込められています。
お出汁と一緒に頂くと至福のひと椀です。

八寸も季節感溢れる内容です。
「蘇民将来子孫也」の護符が添えられています。
粽の中には鱧寿司が入っています。 

















凌ぎ、焼物、蓋物です。

賀茂茄子の素揚げは熱々で供され鰹節と一緒に頂くと賀茂茄子の旨味が良くわかります。
醤油が出されて無く素材の味を堪能して欲しいとの料理長の願いが伝わる一品です。

スズキとマナガツオの朴葉焼焼

朴葉の香が魚に移り美味しい焼物です。
部屋まで七輪に載せて運ばれて来ます。

新蓮根餅と白芋茎(しろずいき)が具材に入っていて、吉野葛の餡と生姜がアクセントになっています。

冷たい物ばかり口にする季節ですが暖かい生姜は身体を温める効果があります。

















炊合わせ、酢の物、ご飯です。

炊合わせは鰻以外は京都の"おばんざい"です。
ここにも手を抜かない料理人の姿勢を感じます。

ご飯は土鍋で炊かれ、そのまま部屋へと運ばれて来ます。
料理長が厳選した近江米が使われ、米の一粒一粒が立っています。
ご飯だけでも十二分に美味しく、おかわりをお願いしました。
二杯目には"お焦げ"が入っていて香ばしくバリっとした食感も楽しめました。

"まぐろ胡麻和"は初めて頂きましたが、良く合っていて"ご飯のおとも"にぴったりです。

ちりめん山椒は僕の大好物で自宅には常に備わっているくらいです。
山椒特有の香り、辛さが美味しいです。





最高の水物です。

初物の白桃です。
初物を食べると寿命が伸びると昔から言われていますが、、、

美味しい懐石料理に満足し、次にお茶席体験と館内ツアーの二班にわかれての見学です。




祇園祭②2022前祭 山鉾巡行

2022年07月19日 07時53分00秒 | 日記
 14番目(山9番目)木賊山(とくさやま)からです。












14番目から16番目の木賊山、綾傘鉾、占出山です。

綾傘鉾の先頭には"棒振り囃子"の集団が先導します。
四条傘鉾と同じく山鉾の古い形態を残す傘鉾のひとつです。
赤熊(しゃぐま)をかぶり棒を持った者が鉦(かね)や太鼓、笛に合わせて踊ります。
仏教大学の八木透先生が理事をされていて、毎年学生さんがボランティアで粽作りをされています。

平安時代の人達は疫病は賑やかな鉦や太鼓の音、また、長刀などの光る物に集まると考えたのでしょう。
その集めた疫病を最後には鴨川に流すのが本来の祇園会なのです。











17番目から20番目の菊水鉾、芦刈山、伯牙山、太子山です。

菊水鉾は町内の井戸「菊水井」にちなんで名付けられ、昭和27年に再興された大型の鉾です。

太子山は聖徳太子が四天王寺建立にあたり、
自ら山中に入られ良材を求められた故事によります。
他の山が真木に松を使っていますが、お寺の建立に適した杉を立てています。















最後に21番目から23番目の放下鉾、岩戸山、船鉾です。
この3基の山鉾は"くじ取らず"です。

岩戸山は先日に鱧会席を頂いた「木乃婦」さんの町内の山です。
山とは言え車輪をつけた立派な曳山です。



右側の方が「木乃婦」三代目ご主人の高橋拓児さんです。
今年から二代目のお父様に代わり巡行に参加されています。

最後に殿(しんがり)を務めるのは船鉾です。

神功皇后の説話により鉾全体を船の形にし、舳先(へさき)に空想上の鳥"鷁(げき)、飛龍模様の舵をつけています。

ユネスコの無形文化遺産にも登録され、動く美術館とも称される祇園祭前祭の山鉾巡行を堪能しました。













祇園祭①2022前祭 山鉾巡行

2022年07月18日 08時25分00秒 | 日記
 7月17日は久しぶりの山鉾巡行が行われました。

京都市役所前に設置された「京都市文化観光資源保護財団」の観覧席で全山鉾の巡行を見学しました。







古来より巡行の先頭を行く鉾で、唯一生稚児を乗せ2人の禿を従えています。
やはり、貫禄充分です。









続いて今年の「山一番」孟宗山、保昌山、郭巨山、函谷鉾と続きます。

孟宗山の平山郁夫画伯の描く月夜を行くラクダの"胴懸"が印象的です。









白楽天山、四条傘鉾、油天人山、月鉾と巡行します。

月鉾は高さ26m、重さが12tと全山鉾の中で最大規模の鉾です。

四条傘鉾と綾傘鉾は平安時代に流行った疫病の退散を願って神泉苑で行われた"祇園御霊会"の原形に近い鉾と言われています。









蟷螂(とうろうさん山、山伏山、霰天神山、鶏鉾と続きます。

蟷螂山の屋根に乗ったからくり仕掛けの「大かまきり」が人気の山で、時おり羽根を広げます。

ここまでで13基の山鉾が巡行しました。

14番目"山九番"の木賊(とくさ)山から後は後日に書きます。



「木乃婦」のお昼の鱧会席料理

2022年07月16日 07時11分00秒 | 日記
 7月12日のお昼は「木乃婦」さんでお昼の会席を頂きました。







"まいまい京都"でのツアーで30名の方が参加されていました。
会場は前回と同じく2階の大広間です。





6人掛けの円卓ですがパーティションもきちんとされて安心感があります。





初めに"木乃婦」三代目ご主人の高橋拓児さんから祇園祭についてや柳包丁と鱧専用の包丁との使い方の違いなど興味あるお話を約30分お話頂きました。

この様にご主人にお話が直接聞けるのも"まいまい京都"ツアーのいいところです。



いよいよ料理が運ばれて来ます。

①八寸





鱧寿司をメインにした八寸です。
祇園祭は別名"鱧祭"とも言われる程に京都の人達には馴染みのある魚です。

海の無い京都市内には淡路島近海で採れる鱧が珍重されて来ました。

これはの生命力と京都の料理人が"骨切り"と言う高い技術を身につけた賜物と言われています。

②造里



鯛、鮪、烏賊です。

鮮度感が抜群で美味しいのは無論ですが、器の美しさも目を引きます。

③御椀





鱧葛たたき

繊細に骨切りされた鱧に葛粉を打って茹でた椀物です。

奥行きを感じる出汁の旨さに鱧が良く合っています。

④焼物





鮎塩焼

炭火で焼かれた鮎は皮目は香ばしく、身はしっとりとした食感が残り非常に美味しいです。
蓼酢が添えてありますが、鮎本来の旨味、苦味を感じるにはつけない方がより楽しめます。

鮎塩焼をひとつとっても料亭により焼き方が違うそうです。
木乃婦さんでは炭をふんだんに使い1700°の高温でパリッと焼かれます。
また、鮎から出た脂が炭火に落ちた際の煙が鮎に掛からない様に工夫されています。

一方の"瓢亭"さんでは"木乃婦"さんより300°〜400°低い1400°の炭火でじっくりと焼かれているそうです。
今月22日に"朝がゆ"を頂きに行きますので比べてみたいですね。

ちなみに"木乃婦"さんは"瓢亭"さんの1.5〜2倍もの炭を使われているそうです。

同じ高級料亭でも、それぞれに特徴があります。

⑤油物





海老養老揚、湯葉貝柱揚、ヤングコーン、青唐

海老の衣はじゃがいもを麺状にしたもの、貝柱の衣は湯葉で初めて頂いた食感です。

天つゆには胡瓜と大根のおろしで、見た目にも口当たりも爽やかさを感じます。

⑥炊合





鱧の子玉子〆、茄子、南瓜、パプリカ

こちらにも鱧の子が入っています。
小さいですがプチプチ感があり出汁の美味しさと共に美味しい一品です。

⑦御飯、留椀、香物





鯛の釜飯で鯛の身がたっぷりと入っています。
一緒に"みょうが"が入っています。

⑧水物



西瓜ゼリー寄せ

小さくカットされた西瓜がゼリーで包まれています。

素材の西瓜の味が凄いです。
最後のデザートまで手を抜かない姿勢を十二分に感じます。

名の通った名店は最初の八寸から最後の水物まで、出てくる料理が楽しみでなりません。