5月11日は、久しぶりのヨガイベントです。
しかし、歴史の中で多くの堂塔が火災や地震で失われてしまいました。特に、享禄元年(1528)の兵火は激しく、焼失した金堂、西塔、大講堂などの復興は薬師寺にとって長年の悲願でした。
会場は世界文化遺産にも登録されている奈良薬師寺です。
過去に何度か薬師寺食堂で行われたそうですが、新参者の僕は初めてです。
10時に開門されると薬師寺境内へ。
ここで薬師寺のご由緒についてHPから一部加筆し引用させて頂きます。
薬師寺は天武天皇9年(680)に天武天皇が皇后鵜野讃良皇女うののさららのひめみこ(後の持統天皇)の病気平癒を祈って発願されました。
しかし、天武天皇は薬師寺の完成を待たずに崩御され、持統天皇が即位し新都藤原京に薬師寺が造営されました。(元薬師寺)
697年には、本尊薬師如来の開眼が行われ、翌年には構作が終わり僧侶を住まわせたことが『続日本紀』に記されています。
710年、元明天皇の命により藤原京から平城京へと遷都が行われます。遷都にともなって薬師寺も平城京右京六條二坊の現在の地へと遷りました。
当時の薬師寺は、天平時代までは天下の四大寺の一つとされ、金堂・東西両塔・大講堂など主要なお堂は裳階がつけられ、 その壮麗な姿は「龍宮造り」と呼ばれていました。
昭和43年(1968)、管主だった高田好胤和上は、「物で栄えて心で滅ぶ高度経済成長の時代だからこそ、精神性の伴った伽藍の復興を」と訴え、お写経勧進による白鳳伽藍復興を始められました。
一巻千円(当時)のご納経料をいただき、百万巻のお写経を勧進して金堂復興を目指しました。
(現在は二千円です。)
お写経勧進による白鳳伽藍復興は平成30年(2018)で50周年を迎えました。
西塔(さいとう)、中門、回廊、大講堂、食堂(じきどう)と白鳳伽藍の主要な堂塔はおおよそ復興され、いにしえの大伽藍が現在によみがえっています。
薬師寺の伽藍復興は、まさに日本人の美しい心の結晶として行われました。白鳳時代の祈りと昭和、平成、令和の信仰を伝えることが薬師寺の次なる目標です。高田管長は全国を行脚し、お写経を通した「美しい心の再発見」を呼びかけ、昭和51年(1976)に目標の百万巻を達成し、金堂が落慶されました。
高田好胤和上の精神は今も薬師寺に受け継がれ、白鳳伽藍の北側に建設された"お写経道場"では年中無休でお写経をする事が出来ます。
前置きが長くなりましたが、今回のヨガイベントの開場は通常非公開の食堂です。
先ずは、薬師寺執事長を務められている大谷徹奘(おおにし てつじょう)さまから法話を頂きます。
非常に熱のこもったお話をされ、難しい仏教用語などは一切使わずわかりやすい言葉でお話されました。
生き方の基本三ヶ条を説かれ
① 下手からはじめよう。
→
② 高望みはやめよう
→
③ 少しずつ上手になろう
誠に我々が日常生活で忘れてしまっている人間の基本がこの三つに集約されていると、日頃の自分自身を反省しながら拝聴させて頂きました。
要するに、真面目に社会の為にコツコツと自分なりに努力する事が大切だと説いておられる様に受取りました。
天台宗を開かれた伝教大師最澄さまは「一隅を照らす」との言葉を残されています。
社会の隅々には社会の為に懸命に努力している方がたくさんおられます。
その様な方々を最澄さまは"国の宝"すなわち"国宝"と呼ばれています。
仕事もそうですね。
社会に置いて"無駄"な仕事なんて何も無いのです。
人についても然りです。
大谷執事長の師匠でもある高田好胤和人の教えに「人間は追い込まれた時に、その人の本性が出る」とのお言葉があります。
誠に意味深いお言葉です。
いざと言う時に自分を見失なう事なく、そして人に恥じない生き方をしたいものです。
大谷執事長さまの法話の後、
雅楽演奏家の山口創一郎さまの雅楽の演奏がありました。
広い食堂の堂内で聴くソロの雅楽もいいものです。
雅楽は遥か飛鳥時代に中国や朝鮮半島から伝えられた音楽や舞の事です。
宮内省にも雅楽部があり、皇室の大切な行事などに演奏されます。
毎年、春の恒例行事のひとつ平安神宮紅しだれコンサートの初日(4月3日)に東儀秀樹・典親親子の演奏を生で聴いた後だけに、雅楽の素晴らしさを再び感じる事が出来ました。
次に本日のメインイベント"禅ヨガ"です。
薬師寺の食堂と言う空間でヨガが出来るだけで贅沢な時間です。
今日はひとつの目標を持ってのぞみました。
隣りの人を気にせず、マミMami先生の言葉の指導で"自分で出来るヨガ"を目指してみました。
"綺麗なポーズとかは関係ないです。出来ない方は出来る範囲でしてもらっていいです。
ただし、呼吸はちゃんと入れて下さい。"とのご指導で時間の半分くらいは目をつぶってやってみました。
全く上手く出来ていないかも知れませんが、なんだか自分の世界に入った様な気持ちになり、前回よりも気持ちが良かったです。
最後は恒例の"一本締め"、、、
充実した時間でした。
終わった後、常連さんの2名のご婦人に誘って頂き、車で15分くらいの霊山寺境内にある薬膳料理のお店"薬膳カフェ 花美津姫"でお昼ご飯を頂き、次に京都へと向かいました。
「イッコーさん、ずっと以前から参加しているみたいですねー」と言われ、多くの方々に受け入れて頂き嬉しくなりました。
ホント、充実した時間をありがとうございました。
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