4月3日、最初に訪問したお寺は、京阪電車墨染駅近くにある墨染寺です。
















墨染寺(ぼくせんじ)は、「桜寺」とも通称される日蓮宗の寺院です。


本堂の前には日蓮聖人の像が建っています。

境内に咲く墨染桜(すみぞめざくら)が寺号の由来で、この付近の地名、墨染(すみぞめ)の由来でもあります。


現在の墨染桜は四代目でまだ、若い木です。
平安時代前期、この近辺には貞観寺(じょうがんじ)と言う、清和天皇の勅願により摂政 藤原良房(ふじわら の よしふさ)が建立した広大な寺院がありました。
伝説となった出来事は寛平3年(891)の春、良房の養子で太政大臣の藤原基経(ふじわら の もとつね)が亡くなった時に起こりました。
基経の死を悼んだ友人の上野岑雄(かんつけのみねお)が「深草の野辺の桜し心あらば今年ばかりは墨染めに咲け」(古今集)と詠んだところ、境内の桜が薄墨色の花を咲かせたというのです。
この話は当時の人々に大きな感銘を与え、儚く美しいロマンチックな伝説として今に伝わります。



境内はこじんまりとしていますが、伏見区では知られたお寺です。


毎夜にはライトアップされています。
期間は"桜が散るまで"だそうです。