京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

【平安神宮】造園家と宮司のWガイド①座学

2022年01月31日 08時35分00秒 | 日記
 昨年11月18日で随分と以前の事になってしまいましたが、"まいまい京都"の表題のツアーに参加しました。
同じツアー2回目です。

先ずは社務所2階で京都市緑化協会専務理事の藤井さんから"平安神宮の裏ばなしをお聞きしました。







平安神宮は、明治28年(1895)に開催された第四回内国勧業博覧会の建物(パビリオン)として建てられもので平安宮朝堂院を5/8のスケールに縮小し建設されたものです。
同年10月22日には平安遷都千百年記念祭が行われています。

また、同年10月25日には1100年間の風俗の変遷を各時代毎に区切って行列として示す「時代祭」が始まっています。

当初は長岡京から平安京に遷都された桓武天皇をお祀りしていましたが、後に孝明天皇、明治天皇が合祀されました。





平安神宮上空の航空写真です。
少しわかりにくいですが大鳥居のある神宮道から応天門までは真っ直ぐな道ですが、その北側に位置する大極殿が左側(西方向)にずれているのがわかります。



大極殿の建設予定地に"天王塚陵墓参考地"があり、第71代後三条天皇の火葬塚と言われています。

天皇親政を大方針とする明治政府の意向もあり社殿が西側に10間(約18m)ズレて建設されました。

現在は宮内庁の管理で平安神宮にとっても神聖な場所で一般の拝観コースからは外されています。

何度かこのエリアに入りましたが、寛大な本多宮司でさえ、撮影はしない様に言われます。

また、宮司は平安神宮神苑の生態系についても詳しく、多くのお話を頂きました。

神苑には琵琶湖疏水が、苑を流れる水路にはシジミなどの貝類をよく見かけます。
つまり、琵琶湖と神苑とはつながっています。
現在ではブルーギルなどの外来種を入れないように琵琶湖疏水の水を濾過し、循環させています。
従って、現在では琵琶湖の外来種は入ってこない様になっています。







とりわけ絶滅危惧種のイチモンジタナゴは貴重で琵琶湖では1980年には全滅したと言われています。

同じ水体系を持つ神苑の池から琵琶湖博覧会にイチモンジタナゴが寄付され、繁殖が行わました。

一方の神苑では1913年頃かイチモンジタナゴが減り始めました。地底にヘドロが溜まり、二枚貝の生息数が激減した事が原因だとされました。1980年代にはイチモンジタナゴもいなくなってしまいました。

そこで東京のある企業がボランティアで池底に溜まっていたヘドロを除去され池の環境が良くなりました。





琵琶湖博覧館で、繁殖されていたイチモンジタナゴを再び神苑の池に放たれました。
2020年には生息が確認されるようになりました。



この事業は平安神宮と琵琶湖博覧会、オムロン野洲事業所とがイチモンジタナゴの保全に関する協定を結んた素晴らしい成果だと思います。

約1時間の座学が終わり、神苑を巡ります。